退院。さて、加賀さんに謝るゾ!と、帰らないとな。HEY!TAXY!な、なんでだよぉっ!これじゃあタクシーじゃなくて、タクスィィィィだぁよぉぉぉっっ!!
……ふぅ、緊張を紛らわす為に頭の中で日常を描いてみたが全然紛らわない。とりあえずタクシーに乗って、ぶぅぅぅんと鎮守府へ。お金を払って降りて、鎮守府の前で深呼吸。
「すーはー」
さて、行くk…、
「テートクゥゥゥッッ‼︎‼︎‼︎」
砲弾並みの勢いで突っ込んできたのは金剛。その勢いでヘッドバッドを喰らわせて、頬ズリ。だけどそのダメージが半端なくて全然嬉しくない。
「心配したんだからネ!事故ったって聞いて、私…私…って聞いてる?」
「あぁ、すごく効いた…」
プロレスやれプロレス。すごい武器になるぞ。て、それどころじゃないんだが…。
「分かったから離れてくんない?ちょっと用事が…」
「あ、そういえばニューフェイスが着任してたヨ!」
話聞いてた?と、反論しようと思ったが、まぁ新入りを放置したらその新入りが気まずさとなにをすればいいのかの分からなささで死んでしまう。ソースは俺。加賀さんに謝る前に先にその子に指示だけ出しておいてやろう。
「で、そいつはどこにいんの?」
「工廠で提督を待ってるネ」
「さんきゅ」
工廠へ向かった。そこにはなんか見たことない小さい女の子がいた。駆逐艦かな?と、思ったら…、
「そう…私が大鳳。出迎え、ありがとうございます。提督…提督?
「や、提督だけど…」
「なんで私服…まぁいいわ。貴方と機動部隊に勝利を!」
「……た、大鳳?」
「へ?そ、そうですけど…」
「…………」
満塁ホォォォムラァァァンンンンッッ‼︎‼︎やったぜ!ようやく来たよ大鳳!でも、でもなんか…、
「思ってたよりちっこいな…装甲空母…」
「なっ…!ちっこいですって!?失礼しちゃう」
「や、なんでもない…ぶっちゃけ装甲っていうくらいだからフルアーマーZZくらいのゴッツさがあると思ってたわ」
「ふ、フルアーマー…?」
「や、なんでもない。とりあえずよろしく」
うん、相手が小さい子なら比較的には対応はラフでいいだろ。
「とりあえず、えーっと…大砲?」
「大鳳よ!」
「そうか。大鵬が案内してもらいたい奴に声掛けてこの鎮守府を案内してもらって。俺用事あるから」
それだけ言って加賀さんを探しに行こうとした。が、その俺の襟を掴まれた。そのおかげで潰れたカエルのような声が漏れてしまう。
「グェッ」
「わ、私は提督に案内してもらいたいんですが…」
「ゲフッェゲフェッ!や、俺用事あるから…」
「ダメ、ですか…?」
くっ…上目遣いは卑怯だ…。や、これが戦艦(榛名を除く)とか空母(瑞鳳を除く)みたいな大人だったらなんともないんだが、ちっこいからな…。
「ザックリでいいなら…」
「ありがとうございます!」
後ろで殺気を感じたが…まぁ気のせいだろ。
てなわけで、大鳳を案内。さっさと終わらせて加賀さんとお話ししなきゃいけないってのに…。
「今のが工廠であそこが入渠ドッグ。あの突き当たり、艦娘用の風呂。あ、風呂だとダメージ回復しないから。で、アレが遊戯室であっちの方の、なんか…あっちが食堂で…」
「ち、ちょっと!説明がザックリ過ぎます!もうちょっと丁寧に…」
「えぇー嫌だよ。面倒臭ぇもん。なにが面倒臭ぇってあれだよ…うわっもう例えるのも面倒臭ぇよ」
「どんだけ面倒臭いんですか!?」
銀魂で読んだ誤魔化し方を使用して見たがダメか…まぁ分かってたけどね。
「ほらいいから行ってみないとわかりませんよ!」
背中をグイグイと押され、仕方なく進む。
「ほらここが食堂だ」
「広いですね…」
「そりゃぶっちゃけフットサル出来るレベルだからな。あとこのボタンを押すと…」
カチッとボタンを押した。天井が開いて野外食堂みたいになる。
「無駄なお金なんじゃないんですかこれ!?」
「あとほら、あれガンダムの等身大」
「あれ無駄ですよね完全に!?」
「いいんだよ。結構役に立つんだよ?あれのおかげで深海棲艦とかビビって襲撃してこねんだから」
「……なるほど、ちゃんと考えて建ててあるのね…」
や、全然違うんだけど…まぁいいか。その後も色んなところ回って解説。今更だがこの鎮守府は無駄に広い。他にもトリケラトプスの化石やら人間サイズのウルトラマンVSレッドキングのフィギュアやら等身大仮面ライダーやらが置いてある。それと、途中ですれ違った艦娘達を紹介したりで、三時間掛かってしまった。
「まぁこんなもんだろ。今日はもうすることないから寝てていいよ。俺はちょっと用事があるから」
「ていうか、無駄なものばっかりじゃないですか!まさか、資材使ってるわけじゃないわよね!?」
「い、いやぁ?きちんとお金を…」
「バレバレですよ!上司に怒られないんですか!?」
「バレてないからな」
「不思議ね…」
ほっとけ。まぁ俺の役割はここまでだ。
「じゃ、他に質問があれば赤城さんとかに聞いといて。多分俺より詳しいから」
「だからそれは提督としてどうなんですか…」
言われるが無視して、加賀さんの元へ。で、あの人どこにいんの?とりあえず執務室へ。そーっと、そーっとドアを開けて隙間から中を覗く。いたよ、俺のこと待ってるのかな…。とりあえず深呼吸。
「すぅーはぁー…」
大きく息を吸って吐く。それを三回ほど繰り返した。その後になぜか屈伸と、まるで試合前のアスリートのように準備体操。さて、入るk…、
「さっきからなにをしているの?」
「うぉっはぁぁぁぁぁっっ‼︎‼︎」
思わず腰を抜かしてしまった。だっていつの間にか目の前にいるんだもん。だが、向こうから来てくれたんなら丁度いい。
「や、あの…加賀さんに話があって…」
「そう。私も話があるの」
「へ?」
「もう、あなたがどんなにサボろうと口出ししないし、没収もしないわ。だから、どうぞ好きに遊んでください」
「え、いやちょっと待っ…」
「仕事はなんとか私や赤城さんの方で間に合わせるのであなたはなにもしなくていい。それでいいわね?」
「や、だから…」
「私からの話はそれだけ。あなたはなにかあるの?」
「…えっと……」
「ないなら出て行ってもらえるかしら?執務室は執務をする人の部屋よ」
「や、ちょっと待っ…」
「さようなら」
バタンッとドアが閉ざされた。あー…これあれだ。面倒なパターンだ…何回か経験あるぞ…幼稚園のころだったな…ダメだ、さすがにどう解決したか覚えてない。
とにかく、向こうに仲直りするつもりがないなら俺もいいや。仲直りするつもりないってことは仲直りしたら迷惑ってことだ。なら迷惑を掛けるわけにはいかない。いつもより重い足取りで私室(裏口)へ戻った。