もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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水族館

 

 

 

 

なぜかカチューシャを取っただけで出掛けることになってしまった。しかも、白露が大声で喜ぶもんだから時雨、夕立もハッピーセット。なんでこうなるの…。で、前回の居眠り運転で免許取り消しになったので、電車で行くことになった。

 

「んふふ〜提督さんとお出掛けっぽい!」

 

「夕立、あまり電車の中で大きな声出さないで…」

 

「私が一番だと思ったのに…」

 

「………」

 

なんだこれ。周りから見たらロリコンもいいとこだよな。

 

「あ、白露姉さん見て見て!電車!はやーい!」

 

「本当だ!島風ちゃんより早い!」

 

機嫌戻るのはえーな白露。まぁいっか。あ、そーいやダブミス切らしてたな。金曜行かなきゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いたのは水族館。いつも見てるだろうになにが楽しいんだか…まぁ俺としては生き物好きだから良いんだけどさ。

 

「すごーい!あたし水族館初めてー!」

 

「僕もだよ!楽しみだなぁー!」

 

「ほら二人とも早く早く!」

 

三人ではしゃぐ中、俺はチケット購入。四枚買って三人に一枚ずつ渡す。平日ということもあって人は少ない。

入場してまず目に飛び込んで来たのはデッカい水槽。中にはプランクトンが主食のサメや、クジラ。それとエイやイワシの群れなど。

 

「うっはー!すごいっぽいー!」

 

目をキラキラ輝かせる夕立。無邪気だなぁ…それに続いて白露も水槽に近付く。出遅れた時雨は小さな体で「ん〜…」と、息を漏らしながら背伸びするが、前にたくさん大人(主に魚マニア、ニート)がいるため、見えない様子。仕方ない。

 

「時雨、失礼」

 

「へ?提と…ひゃあっ!あ、危ないよ!」

 

肩車してやった。

 

「見えるー?」

 

「み、見えるけど…流石にこの歳で肩車は…」

 

「いや何歳だか知らないし。嫌だったら降ろすぞ」

 

「い、いいよ降ろさなくて!も、もう少し…このままで…」

 

「………? お、おう」

 

「あー!時雨ズルい!私も!」

 

「そーだよ、提督私も白露も〜!」

 

「重いからやだ」

 

「提督、それは僕に言ってるのかな?」

 

「な、なんでもないです…」

 

あっぶねぇ…時雨みたいなタイプが一番怒らせちゃ行けない気がする…。

で、時雨を降ろすと奥へ。ちっこい魚や魚じゃない海の生物コーナー。こういうところこそじっくり見たいのだが、小さい子はこういうの興味ないんですよね…。「すごーい」なんてテキトーな感想言いながら三人ともサクサク進んでしまう。まぁ一人で来た時にじっくり見よう。多分来ないけど。

その次の深海魚コーナーも軽やかにすっ飛ばし、

 

「おぉー!ふれあいコーナー!」

 

「ヒトデっぽい!」

 

だそうです。まぁ、みんな楽しそうでなにより。と、思ったら白露が俺の横から離れない。

 

「お前もふれあって来ていいよ?」

 

「その…蟹とかは、ちょっと…」

 

「蟹じゃなくてもヒトデとかいるじゃん」

 

「ヒトデもちょっと…」

 

まぁ、嫌だって言うなら無理させない方がいっか。

 

「そっか。じゃあそこにいな。俺もふれあってくるから」

 

「へ?」

 

それだけ言ってふれあいコーナーではしゃぐ二人の元へ。すると白露も悔しそうに唸りながらついて来た。

 

「あれ?あそこにいなくて良かったのか?」

 

「〜〜っ!あたしも触るの!」

 

そう威勢良く言うと、そ〜っと手を伸ばす白露。が、ハサミを伸ばす蟹にびびって手を引っ込めた。その手を優しく握ってやる。

 

「て、提督?」

 

「大丈夫だから。こいつら横歩きしか出来ないハナクソだぞ。ハサミだって飯を食う時以外使わないし」

 

と、小学生のころにそんな話を聞いたことある気がするだけの知識で落ち着かせてみる。そして、再チャレンジ。今度は、硬い甲羅をツンツン突つくことが出来た。

 

「わぁ…わぁ…っ!」

 

嬉しそうに声を上げる白露。いつの間にか俺が手を離してることにも気付かず、さらにツンツンしている。

ようやく全員飽きた所で次はイルカショーだった。始まるまでまだ時間がある。

 

「あっ、提督さん!ここイルカと握手出来るっぽい!後楽園みたいー!」

 

「おい、間違ってもそういうこと言うな。ヒーローを海の哺乳類と同じ扱いするな」

 

しかし今考えたらあれも中々に詐欺だよな。中身絶対本人じゃないし。レッド以外と握手出来ないし。

 

「それよりも、僕お腹空いちゃった」

 

「そういやそうか。俺も腹減った。どっかレストラン的なあれあるだろ。そこ行こう」

 

が、周りはみんなイルカショーを見るためクッソ混雑している。だよね。仕方ない。

 

「今は我慢するか、この足が汚ぇオッさんに群がるドクターフィッシュみたいにこの列に並ぶか」

 

「……我慢しよっか」

 

俺の差別もいいとこって感じの質問にゲンナリしたように時雨が答えると、全員でさっきのイルカショーまで戻った。で、時雨と白露が両隣。夕立は膝の上。っておいちょっと待て。

 

「なんで膝の上にいんの?バードウェイ?」

 

「バード…なに?」

 

うーん…やっぱ通じないかぁ。まぁいいや。

 

「や、だからなんで膝の上にいんの?」

 

「なんでって…ぽい?」

 

「ゴミでもその辺に投げたのかよ。もういいや…」

 

で、イルカショー開始。ハッキリ言ってこのイルカショーは俺は好きではない。これを見せるがためにあの幸運の哺乳類をバカみたいに調教するのだ。それを思うと、ねぇ?

横と上ではしゃぐ三人を捨て置いて、欠伸混じりに携帯をいじる。その数分後、とうとう握手の時間だ。

 

「行っといで」

 

「提督さんも!」

 

うん、知ってた。列に並んでしばし待つこと数分。とうとう俺達の番。

 

「可愛いー!あははっ」

 

三人とも握手、撫でる、突つく。てか白露、お前ヒトデやら蟹はダメなのにイルカは平気なのかよ。そんなことを思ってると、夕立に手を引かれた。

 

「ほら提督さんも!」

 

「分かったから引っ張るなって」

 

まぁこうして見るとイルカ確かに可愛いな。こいつもアカデミーの教師だったりするのだろうか。なんて考えながら撫でてると、腕を噛まれた。

 

『へ?』

 

俺達四人、俺達の後ろの人達、従業員までもが声を揃えた。そのままプール内に引き摺り込まれた。

 

「え?ちょっ…イルカ先せ」

 

ドッボーン☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、イルカに全力で追い掛けられ、俺は全力で泳いで逃げ回り、その途中で従業員が助けてくれた。で、タオルと洋服をもらってなんとかレストランで飯を食ってる。

 

「だ、大丈夫?提督…」

 

「大丈夫…まさかイルカに食われそうになるとは…」

 

「ていうか、イルカさん的には遊んでもらってた感覚っぽい?」

 

「へ?そーなの?」

 

「ていうか…イルカさんに追い掛けられて追い付かれなかった提督の速さもどうなの?」

 

そりゃ無我夢中だったからな。そのあと、ややゲンナリしながらも全部回って、帰りの電車。お土産も買ったし。ちなみに三人にはせがまれて、亀やら魚やらのぬいぐるみを買わされた。なんで一つ850円もすんだよ…。

 

「楽しかったー!」

 

「そーだね!また来ようね!」

 

と、にこにこ満足そうな顔した二人に対して、白露は俺の肩に頭を置いて寝息を立てている。

 

「お姉ちゃん、幸せそうっぽい…」

 

「そうだね」

 

なんてつぶやく二人。まぁ、楽しかった、のかな?俺も仕事サボれたし、久々に水族館来たし。明日からはまた仕事しなきゃなぁ…。

 

次の日、風邪引いたのは言うまでもない。

 

 

 

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