もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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辞職願2

 

 

医務室。提督が去ってから数分後に金剛型が入って来た。

 

「榛名ー失礼するネ……ってなんで泣いてるの!?どうしたネ榛名!?」

 

「こ、金剛姉様……ふえぇぇん!て、提督が…提督がやめちゃうぅっ!」

 

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がパソコンを弄ってると、加賀さんが入って来た。

 

「失礼します」

 

「ちっす」

 

「なにをしてるの?仕事は終わったの?」

 

「いや?でも後少しで終わりますから。今はちょっと調べ物です」

 

「なにを?」

 

「辞職願の書き方です」

 

「へぇ、辞職願の……ん?辞職願?………辞職願!?」

 

すげぇ、今の数少ない文字の中で半分以上、辞職願が占めてる。なんて関心してる俺の襟を加賀さんが掴んだ。

 

「ど、どういうことですか!?い、一体どうして!?」

 

「待って!揺らさないで下さい!分かりました!話すから落ち着いて!」

 

それだけ言ってようやく解放された。あー頭痛ぇ。

 

「それで、どういうことですか」

 

「あー…」

 

説明しようとした俺の口が止まる。ここで榛名が大破したから、と言えば例えこいつらが俺を嫌ってようと嫌われてなかろうと「榛名が沈みかけたせいで提督が出て行った」と見えてもおかしくないだろう。それはちょっと嫌だ。

 

「まぁアレだ。気分?」

 

「き、気分…ですって?」

 

「だからアレだ。榛名には気にするなって言っといてください」

 

「榛名?どうしてあの子が…」

 

「それで、辞職願ってどうやって書けばいいんですかね…」

 

「……そうですね。とりあえずその紙貸してください」

 

「ん?おぉ、添削してくれるんですか。サンキュー」

 

が、加賀はそれを引き裂いた。

 

「ええええっ!なにしてくれてんですか!?」

 

「あなたが提督を辞めるなんて私が許さないわ」

 

「や、なんでですか」

 

「なんでもです。そもそも、よっぽどぶっ飛んだ指揮を取らない限り艦娘が沈むことはありません。あるとすればその艦娘自身の落ち度です」

 

「………」

 

「それに、ここの提督はあなた以外考えられません。ここの艦娘の半数以上は貴方に助けられたんですから」

 

まぁ確かにあの変態大将、略して変態症から勝利(不戦勝)して丸々パクった艦娘ばかりだからな。

 

「それでも上司が部下を沈めていい理由にはならないんじゃないんですか…」

 

「だから沈めてないじゃないですか」

 

「!」

 

すると、加賀さんがきゅっと抱き締めてくれる。

 

「あなたも悔しかったんですよね……けれど、その悔しさを自分が辞めることによって回避するのは違います」

 

「………」

 

「それに、あなたは助けてくれてる。あなた以上のここの適任者はいません。だから、辞めないでください」

 

「………わーったよ」

 

「提督っ!」

 

すると、バタンッと開くドア。なんか全艦娘が集まっていた。

 

「て、提督!やめないですよね!?」

 

「やめるくらいなら私が魚雷で沈めます!」

 

「うえぇぇん!やめないで欲しいのです!」

 

「こ、このクソ提督ー!」

 

え、なに。何事?

 

「ほらね提督。みんな、やめて欲しくないんですよ」

 

「…………」

 

これはちょっと意外だったな。まぁなんでもいいが。俺は席を立って言った。

 

「みんな、俺にやめて欲しくないか?」

 

『はい!』

 

OK、これなら大丈夫。

 

「じゃ、今日の仕事よろしく」

 

俺の指差す先には書類の山。ぶっちゃけ、辞職願の書き方調べててまったく手を付けてない。で、全艦娘に攻撃される前に窓からスカイウォークで逃げた。

後ろからすごい怒鳴り声が聞こえたが無視。しかし、やめて欲しくないのか。今までこんな経験なかったからにやにやが止まらん。

 

 

 

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