お向かいの家に『売り家』の看板が出て、翌々日「戻って来た」大姪を驚かせた。
「実家」に帰っていたのだ。
==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
来夢が剪定した日の夕方。
お向かいの家に『売り家』の看板が出て、翌々日「戻って来た」大姪を驚かせた。
「実家」に帰っていたのだ。
「うん。もう、長い間無人のままだった。どうするのかな?と思ったら、結局人手に渡すみたいだね。あの家もこの家もお隣も、注文建て売り住宅で、同じ頃建ったんだ。ひいおばあちゃんがまだ生きている頃だったな。ご主人が亡くなって。その10年位前に、奥さんが亡くなったんだ。」
「お子さんは?」「娘さんと息子さん。娘さんの家族と一時期同居していたんだけどねえ。台所さあ。システムキッチンに改造までしたんだよ。でも1年経つか経たないかで、また娘さんの家族は帰って行った。」
「喧嘩した?」「さあな。孫達は、ここのご近所の子供達と仲良く遊んでいたけどね。引っ越したのを知ったのは、そのご近所の子供から。たまに、息子さんが、剪定に来ていたみたいだけどね。ほら、ウチと同じ木。背が高くて、電線に届きそうだろ?」
「危ないね。」「ああ。今度からは、不動産屋さんの下請けが何とかしないとね。」
「育つのも、そこそこでないとね。」「木に説教するのかい?後の事考えろって。」
「いけない?」「さあな。」
「あそこ、どうしてほったらかしにしたてのかしら?」
「揉めたのかな?売れにくいことは事実だろうけれどね。ウチと違って変形なんだ。後ろに川が流れてるよね。」「うん。」
「川や道路があれば、土地は変形になる。あの家はウチみたいに真四角じゃないんだ。こっちから見ると分からないけど。こっち隣の家は変形だよね。」
「うん。」「あそこも、お隣が引っ越してから随分長い間空き家だったんだ。ひいおばあちゃんはね、将来のこと考えて、住宅ローンで、ここの建て売り住宅買うとき、変形は勘弁してくれって言ったらしい。」
「どうして?」「住みにくいのも事実だけど、『不幸になる』って言い伝えがあるんだって。まあ、『幸福』にはなってないけどね。」
私がチラ見すると、来夢は「私が『不幸にしない』よ。」と言った。
私は、涙がにじんだが、「反応した?」「した。」「もっとしていいよ、変態。」
やっぱり、大姪には翻弄される。
―完―
私がチラ見すると、来夢は「私が『不幸にしない』よ。」と言った。
私は、涙がにじんだが、「反応した?」「した。」「もっとしていいよ、変態。」
やっぱり、大姪には翻弄される。