絹を裂くような悲鳴は、私の可愛い大姪の来夢の声に違い無い。
==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
「きゃーあああああー、きゃーあああああー!!」
絹を裂くような悲鳴は、私の可愛い大姪の来夢の声に違い無い。
「どうした?」台所に行ってみると、三角コーナーが少しずれていて、赤いのが見える。
「変なのがいる。動いてる!気持ち悪い。」
「ああ。これか。今年は大丈夫かと思ったが、そうでもないか。これは、諸説あるが、『ロドトルラ』という酵母菌の一種である可能性が高いらしい。」
「菌?細菌???」
「うん。前に出たとき調べたんだ。対処法としては、台所用漂白剤を塗布し、1時間ほど置く。そして、通常使っているものでないスポンジで擦りながら、洗い落とす。ゴム手袋を忘れずに。」
数分、見ていると、彼女はゴム手袋、台所用漂白剤、スポンジを用意した。
「匂いがきついと思えるようなら、換気扇を廻す。いいかな?来夢隊員。」
「了解しました、隊長。」
来夢は、軽く敬礼をし、ゴム手袋を用意、台所用漂白剤を元の、通称『台所用桶』に戻し、未使用のタッパーに何やら書いて持って来て、スポンジを入れた。
「赤いやつ用」と書いてある。
随分、簡単な、メモだな、と思っていると、自分のタブレットにメモ書きしていた。
簡易マニュアルだな。
私が台所で執筆していると、来夢がセットしたキッチンタイマーが鳴り、彼女はゴム手袋、台所用漂白剤、スポンジで作業を開始した。
「オッチャン、赤い奴が、違う奴ならどうするの?」
「その時考える・・・じゃなくて、そこに電話して相談。」
冷蔵庫の前にもマグネットチラシを貼ってあるが、水回りで困った時は、取り敢えず『イケルヤン』に連絡する。
風呂もトイレも洗面所も、少なからず数年に1度はお世話になっている。
台所も洗面所も風呂場もパッキンが古くなって、緩い。
今度何かあれば、「纏めて」診断・修理をお願いしようとは思っている。
件の、「赤い虫」に見えるカビの原因は「湿気」である。
今年の梅雨は、降る時は、どっさり降る。
『赤い奴』が出てきても、おかしくはない。
「終了しました、隊長。」「うむ。ご苦労だった。」
「軍隊ごっこして興奮した?」「した。「反応した?」「した。」「スケベ。」
笑いながら、二階に走って行った。
もう、病みつきだn、このやり取り。
ふと。股間を見る。
何も言わない。そりゃそうだ。
―完―
『赤い奴』が出てきても、おかしくはない。
「終了しました、隊長。」「うむ。ご苦労だった。」