そして、「ねえ、この子、何て言うの?」と私に尋ねた。
「え?」大姪は、ベッドから枕を持って来た。
==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
午後から、やってきた大姪は「ただ今出勤!」と言った。
そして、「ねえ、この子、何て言うの?」と私に尋ねた。
「え?」大姪は、ベッドから枕を持って来た。
「オッチャンの頭の下にあるから気になってたんだ。」
「ああ。にゃんこ枕。」「にゃんこ枕の名前よ。」
「にゃんこ枕。クッションだけど。色々試したけど、首を支えるのに丁度いいから使っている。」
「雄?雌?」「性別はない。だって・・・つるつるだろ?」
「洗っていい?黄ばんでいるよ。いつものコインランドリーなら、すぐだよ。」
「じゃ、頼もうか。」「これ、ずっと使ってるの?クッション、一杯あるよね。」
「ずっと使ってる。ひいおばあちゃんが使ってたクッション、車椅子用に色々工夫したんだけどね、どれも不合格。結局、介護用具レンタル事業者が開発した、車椅子用のクッションがぴったりだったみたい。断捨離するとき、殆ど捨ててない。おっちゃん愛用のは、ベッドでの『床ずれ用』に買ったやつ。小さいから、不合格だったやつ。」
「じゃ、洗い替えとかないの?」「ある。洋服ダンスの下の段、見てご覧。」
「可愛い。こっちもNG?」「いや、たまに使ってる。車椅子生活になる前に買った。小さいけど、悪くないよ。」
「で、こっちのにゃんこ枕の名前は?」「にゃんこ枕。」
「もう。可哀想でしょ。」「どうして?文句言わないよ。クッションだし。じゃ、大きい方が、にゃんこ枕1号、小さいのが、にゃんこ枕2号。」
「雑。」「じゃ、お前が名付けて。オッチャンも、その名前で呼ぶ。」
「分かった。善は急げ!!」
大姪は、コインランドリーに出掛けた。
私の家の洗濯機は二槽式。脱水機はあるが、乾燥機は付いていない。
実は、母が使っていたものを、父が亡くなってから実家から運んだのだ。
乾燥機を付けろとか、買い替えろと無責任に言う者もいるが、別に不便は無かった。
週に一度、コインランドリーに行けばいいことだから。
ただ、以前のように出歩けなくなったから、困っていた。
大姪の来夢が来てから、全てが変わった。
1時間後。私の電動アシスト自転車で出掛けた大姪は、にゃんこ枕と買物袋を前カゴに積んで帰って来た。
「素朴な疑問なんですが、モノカキ先生。」
買物袋から買物したものを片づけながら、勿体ぶって大姪は尋ねた。
「何でしょうか?」
「荷物多い時、どうするの?」「荷台に自転車ロープで荷物を固定する。」
「え?付いてないよ。」「取られるんだよ。どこかに駐めてる間に。コンビニやコインランドリーくらいなら、近くにいるけど。スーパーとかドラッグストア、ホームセンターとかだと、すぐに帰って来ないだろ?」
「自転車ロープは?」「普段、持っている鞄に収納。」
「やっぱり、頭いい!!」
大姪は私に抱きついた。
胸の突起物を感じた。予想通りの展開だ。「反応した?」「した。」
「スケベ。」笑いながら、二階に駆け上がる大姪を見て、「あれ言わないと気が済まないのかなあ。わざとぶつかって抱きつくし。」
「呼んだ?」
聞こえたかな?
―完―
「素朴な疑問なんですが、モノカキ先生。」
買物袋から買物したものを片づけながら、勿体ぶって大姪は尋ねた。
「何でしょうか?」
「荷物多い時、どうするの?」「荷台に自転車ロープで荷物を固定する。」