そして、私は自然とベッドに腰掛けた。
まずは、血圧計だ。
==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
ある日の午後、息せき切って、大姪は帰って来た。
「忘れてた、忘れてた。」「忘れ物?ギリギリまで寝てるからだよ。」
大姪は、ベッドの下の物置からゴソゴソ出してきた。
もう、昼寝は出来ないな。私はベッドから起きて、作務衣の上着を着た。
大姪は、サイドテーブルを出してきて、計測器の類いを出した。
そして、私は自然とベッドに腰掛けた。患者モードだ。
まずは、血圧計だ。
計った数値をメモするのかよ思ったら、何やら一覧表的な罫線が引かれたノートだ。
あ、はーん。学校に出すレポートか何かへのデータ収集を忘れていたか。
「血圧、脈拍正常。クスリ、ちゃんと飲んでいるよね。」「飲んでる。」「ホントに?」
「ホントに。」
次に、消毒液と血糖値計測器と血糖値用針、針押し出し器(正確なアイテム名は忘れた)、血糖値センサーを用意し、手指を消毒。
計測器にセンサーをセット。
針を押し出し器にセットし、指に宛てがい、押し出す。
血が滲んで来たら、センサーの先端をその部分に宛がう。
センサーが血を吸って計測器に値が出たら、指を再度消毒。
「血糖値は、やや高めね。オッチャン、お昼食べた?」「食べた。」「ホントに?」「ホントに。」
「じゃ、オッケーだな。次。」
血糖値セットを片づけたら、パルスオキシメータで計測。
「んーまあまあかな。あ、そだ。」
大姪は、今までの計測器をサイドテーブル毎移動し、ベッドの下からヘルスメーターを取り出した。そして、半介助して、私をヘルスメーターの上に乗せた。「重心移動するけど、全部よっかかちゃダメだよ。」「分かってる。そのために四つ足ステッキ置いてある。」
四つ足ステッキは、近所からのもらい物だ。ずっと玄関の靴箱の前にあったが、勿体ないから、ベッドの側に置いてある。
「あ。変わらないな。前と。」「不味いの?」「不味くない。」
大姪は、そのまま私を車椅子に乗せ、出したものを全て元通りにしてから、また出掛ける準備をした。
「あのさ。」「何?」
「ヘルスメーターに乗る時、反応した?」「した。」「スケベ。行って来まーす、オッチャン、にゃんこ1号、にゃんこ2号!!」
慌ただしく出て行った。
「にゃんこ1号、にゃんこ2号。にゃんこ枕の名前?まんまだな。」
学校で、どんな言い訳して抜け出して来たんだろう?
―完―
大姪は、そのまま私を車椅子に乗せ、出したものを全て元通りにしてから、また出掛ける準備をした。
「あのさ。」「何?」