浴槽クリーナー
==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
ある日の午後。
大姪は、私が書いた電子マニュアルをメモしたノートを見ながら、ガス風呂カマの浴槽クリーナーを使った。以前から、話し合ってきた、浴槽クリーン作戦だ。
浴槽クリーン作戦とは、大姪がつけた、大仰なネーミングだ。
とにかく、1年以上、洗っていないのは事実だ。
気持ちの問題かも知れないが、実行させた。
メモには、こう書いてある。
1.お湯を張る(湯上がりがベター)。
2.5分位(夏場は)湧かしたら、浴槽クリーナーを入れる。
※1つ穴用クリーナーと2つ穴用クリーナーがあるから、購入時は注意。
3.約15分湧かす(夏場の場合)。
風呂蓋を上げるか、隙間を作る。
4。風呂栓を抜き、お湯を抜く。
5.スポンジタワシに風呂用クリーナーを付け、浴槽内部を洗う。
6.シャワーモードでお湯を出し、まんべんなく洗剤を流し落す。
7.数分間、お湯で無く、水で流す。
※次に、お湯を張る時は、浴槽が乾き切ってから。
私は膝や脚を悪くしてから、殆ど風呂洗いは「ざっくり」で済ませていた。
大姪が、洗面所で、「これ、何?」と聞いたので、任せることにした。
「どうですか、先生。」「300点。」「それじゃ、採点じゃないよ。」
「じゃ、百点。あ。言って無かったけど、浴槽洗いは、頻繁にはしない。1ヶ月置きがベスト。オッチャンはサボってたけどね。」
「でも、綺麗になった感じ。窓際とか浴槽の、変なのは何?何かネチネチしているみたい。ガムテープ?見たこと無いなあ。何?」
「浴槽用隙間テープ。夏場は、ガムテープの類いは、フニャフニャになっちゃう。掃除する気なら、涼しくなってからの方がいい。今は『グミ』みたいになってるから。
「オッチャン、マメにやってたんだね。好き!!」
と、大姪は後ろから抱きついた。
「ね、反応した?」「した。だって、させてるじゃん。」「ばれたか。私も変態だね。」
笑いながら、大姪は二階に行った。
ミネラルウォーターを飲み、気を取り直して、私は台所で執筆作業を始めた。
―完―
笑いながら、大姪は二階に行った。
ミネラルウォーターを飲み、気を取り直して、私は台所で執筆作業を始めた。