時々、確認の電話をしてくる。
==== この物語はあくまでもフィクションです =========
私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。
ある日の夕方。
大姪は、私が書いた電子マニュアルをメモしたノートを見ながら、ホームセンター、通称ホムセンに行って、買物をしている。
時々、確認の電話をしてくる。
大姪に頼んだのは、ミネラルウォーター、コピー用紙、電球、乾電池、ゴミ袋、蝋燭、以上だ。結構な量だが、私がまだ車椅子生活ではなかった頃は、全て電動アシスト自転車で運んでいた。
母と同居し、エアコンを使うようになるまでは、ガソリンスタンドに灯油を買いに行っていた時期もある。
石油ストーブは、転倒・火事が危険だと言われ、エアコン購入後は階段下の物置にあいまったままだ。
腰を痛める前は、2階で併用していたが、それも昔の話だ。
暗くなる前に帰って来たので、庭の『野良猫撃退器』の乾電池を交換するように頼んだ。
土を全て除き、乾電池単2を4個、入れ替える。
シンドイ作業の筈だが、大姪は嬉々として作業した。
「ねえ、オッチャン、。この子、何て名前?」
やっぱり、そう来るか。
『野良猫撃退器』の正式名称は忘れた。
センサーで反応して、音と光で撃退する。
実は、物置を設置する前の事だが、父が庭の手入れを放置したままだった為、土砂で通路すら塞がっていた。
そこで、私は、整地をしたのだが、野良猫にとって、『塩梅のいいトイレ』と感じたのか、何度か用を足しに来ていたのだ。
隣のお婆さんに指摘されて、『猫よけマット』を敷き詰め、ついでに『野良猫撃退器』を設置したのだ。
「猫よけマット?そんなの見ないよ。」
「庭の物置を設置して、暫くしてから撤去して、小さい方の物置に収納した。鍬とかの道具入れてある方の物置だね。その『野良猫撃退器』は、何て名前か忘れた。大分前だからトリセツあるかなあ。」
「名前・・・いいや。どのくらいの頻度で取り替えているの?」
「半年から1年。でも、もうあまり来ないかも知れない。知れ渡ったんだね、あそこの庭は恐いぞって。」
「何?回覧でも回ってくるの?」「回覧板はないけど、猫は午前2時頃集まって会議するって聞いたことがある。」
「ホントに?」「見たことはない。でも、猫の『ラブラブジーズン」の時は、注意している。隣のお婆さん、ボケちゃったから、隙だらけだし、気をつけよう。』
「そう言えば、隣の物干し竿、使ってないね、ウチも使ってないけど。」
「うん。ぼける前は、毎日洗濯して干してたんだよ、お婆ちゃん。」
「偉いね。」「うん。じゃ、他のモノも所定の場所に収納して。」
「はーい。」
夕飯後、大姪は着替えてきた。母の遺品の浴衣だ。
「似合う?」「似合う。」「反応した?」「した。」「やっぱり、すけべ。」
笑いながら、大姪は2階に上がった。
もう恒例行事である。
―完―
『野良猫撃退器』の正式名称は忘れた。
センサーで反応して、音と光で撃退する。
実は、物置を設置する前の事だが、父が庭の手入れを放置したままだった為、土砂で通路すら塞がっていた。