昴くんはなにもしない 作:あまも
持病の仕事行きたくない病が……
朝寒過ぎて起きれるかわかりません
起きました
閲覧ありがとうございます!
FBIがスプリンクラー壊したり、派手なカーチェイスしたりバイク転倒からの頭部を強く打ち救急搬送だったり、新一くんの盗聴器回収失敗からの毛利小五郎ターゲット認定だったり、それを囮とした赤井秀一がスパンと一発ジンニキの手ごと
兎にも角にも色々あった。
︎︎経過を連絡されるだけでも様々な事があったが……
「ホ〜……上手いこと、連携とれてたんですねぇ。
明け方、FBIが内密に運び込んだ病院で色々と小細工をFBIと一緒になって仕込んできた後、小林くんにあれこれと事情を説明して、彼と合流して帰ってきたこちら、江戸川コナン名探偵殿。
名探偵と元ハムちゃんのふたりして、正座してバツ悪そうにしている。この態度の理由は、彼らの前にて仁王立ちする灰原女史と、その後ろで頬杖ついている私、そして足代わりにされた挙句よくわからないまま帰され、苦笑している阿笠さんに「後で説明すればいっか」のノリで流し流して気付いたら翌日になってたことを、病院からの帰り道で思い出したからだろう。
……私は別に、良いけどさ。丸っと上手くいったなら。
小林くんも新一くんも、上目遣いで見上げてくるし。
「あー……悪かったよ、詳しいことの説明が後回しになったのは、ホント……申し訳ない」
「ごめんなさい、スバルさん、灰原……ハカセにも心配させたよな」
しょんぼりとしたこのふたりのかわいさに、こちとらもういいかなって気分なんだが、そうチョロくないのがこの横の彼女。
「そうね……あなたたち随分と大暴れしてたみたいだけど、結局、誰が何して何がどうなったのか……最初から最後まで、ちゃんと説明してくれない?」
実はこの中で1番困ってるのは灰原さんだ。
色々な事が巻き起こったことは分かっても、現地での様子は何一つ見ていないし聞いた話しかわからない状態で、しかもコトが進むにつれて彼らは情報共有してる場合じゃないからと連絡は流されてくしついには無くなるしで……
ヤキモキと、この一晩過ごす羽目になったのだ。
阿笠さんはふたりのこと……というか工藤家とそれに付随する天才たちのする事成す事をなんでもかんでも信頼しているからね。
今回の様子でも、無条件で“大丈夫だろうな”という、ある意味達観した目線で見てたからか、研究所でひとりすやぴぴと安眠なされていた。
……概ねそれで上手くいくから、そんくらいの方が心臓や精神に負担なくていいのかもしれない。
稀に誘拐されたり大怪我してたりして、大変な事にはなるけども。
灰原さんの圧力によって、ぽつぽつと、新一くんと小林くんが事の顛末を語ってくれた。
︎︎知ってるところもあるが、知らないところもある。直接見てないし、零くんと景光くんの間でどうしたのかの話もあったことだろう。
早速、小林くんが“バーボン”からリークしてもらった今回の暗殺の、組織側の予定されていた流れから聞いた。
このたびの任務の達成条件として、1つはターゲットは必ず仕留める事。
2つ、組織の仕業と知られぬ様、秘密裏に行う事。
3つに、ベルモットと“バーボン”、その他幹部勢の組織任務への姿勢の確認。ちゃんと“やれる”のかってね。
ここら辺をジンはクリア条件としてたらしいが……
まずキールさんが、インタビューと称してターゲットを遮蔽物のない場に1人誘き出し、狙撃する第1案。
︎︎これはまさか人気の朝の顔でもあったアナウンサーの彼女が狙撃犯側の人物とは誰も予想できない事まで含めて、安定した作戦だと言えた。雨も上がっていたし。
しかし、新一くんからの助言を聞いたジョディさんが杯戸公園内のスプリンクラー設備の誤作動を起こすよう、FBIの仲間に指示し、雨の降っていない杯戸公園に雨を降らせた。
運が良かったのは、その後ちゃんと再度雨が降り出した事。
目敏いジンや、
土門康輝に傘をささせ、場所移動させる事に成功。
移動する野次馬集団に紛れて、新一くんが水無怜奈に接触。
そこで上手いこと靴を拾うも、盗聴器の回収には失敗。……残念。
そこから組織側は第2案の、『土門康輝の乗った車両の襲撃』に計画を切り替え、ベルモットさんの出番となったが……
ここで“バーボン”とベルモットさんとで懸念と疑念の提示。
特有のノイズが
“バーボン”はFBIに動きがあることを計画の開始前から再三伝えていたため、ベルモットさんの懸念と合わせて、これらは
こーれ後でひと仕事終えた零くんと合流したら絶対機嫌悪いでしょ。
……と、思ったんだけど……
予定通りに強襲計画を推し進めたジンとキール。
実行前に参加予定だった
この時点でジンのことをベルモットと”バーボン”でネチネチと不平不満と文句たらたら野次りまくったらしい。
ウォッカさんすらフォロー入れにくそうにしてたそうな。
ジンニキったら、歯でも砕けんじゃないかってくらいの歯ぎしりしてるのが通話の向こうから聴こえた、ってバーボンに言われたよ、と
ほな、零くんきっとご機嫌やな。よかったよかった。
状況から、組織のメンバーである
結果、ターゲットを変更。
『毛利小五郎』を狙撃する事となった。
■
一方その頃、研究所で私の作ったARG――の簡易版みたいなもの――を、灰原さんや蘭ちゃんにPC操作のサポートしてもらいながらお試しプレイしていただいて、なんとか研究所に引き留めていた小五郎さん。
すべてはこのゲームのための、架空のものではあるが、我ながら中々の満足度な程度にはリアルに出来上がった個人サイト。その中で、未解決事件となってしまって、手がかりを探している部屋主のお手伝いを……という設定の、殺人事件についての日記や資料を元に進める推理ゲームだった。PC操作のお勉強にもなる。
ところが小五郎さん。
進めるうちに元々なかったやる気が目に見えてどんどん無くなっていき、ついには「パソコンなんて知らねーんだよ!!やってられっか!蘭!代われ!」と、キーボードを投げ捨て、私に事務所までの送迎をさせて帰ってしまわれたのであった。
……地味に小五郎さんから、ちょっと考えたくなるお言葉もらっちゃって、何とも言えない道中だったんだよな。
「本当に人を亡くした哀しみは、ゲームやドラマどころじゃねぇ」……ねぇ。
マンガの中でたくさんの事件に巻き込まれ、人の哀しみってのをたくさん見てきた彼。
しかしそれが現実となった今は、彼の目の前で本当に人は死んでいて……果たして、その被害者や犯人たちから、小五郎さんは何かの意味を、感じたりしてるんだろうか。
︎︎………… それ、小五郎さんか?
……なんなんだろうね。
何はともあれ、小五郎さんを事務所に送り届けた後のこと。
どう考えても囮にされてる小五郎さんの命は大丈夫なのか、不安だった私。
ついつい事務所にそのまま居座ってしまったんだが、小五郎さんからはとっとと帰れとハト蹴散らすみたいに扉から蹴り飛ばされる。
さらに景光くんと零くんからは『あくまで
そこから先がどうなったのかを知りたかったんだが……
■
「ここで俺が何してたのかってのが重要でな」
「でしょうね」
私の作ったコーヒーを啜りながら、研究所のカウンターで、新一くんと小林くんの話を皆で聞いていた。
ここまで、新一くんと“バーボン”、そしてFBIの動きしかわからない。
「まず、俺は東都TVと提携してる番組制作会社の知り合いに例の情報を流して、東都TVでその速報を……“こちらの指示したタイミングで”流してもらえるよう調整してさ」
「……あなた、そんな事出来るほどのコネがあったの?」
「へへ……汚職してたとあるプロデューサーの悪事の告発に協力して……その後色々ありまして」
灰原さんや新一くんから引いた目で見られている小林くん。頬染めでテレテレ、じゃないのよ。かわいいな。かわいいなじゃなくて。
何してんだおめー。社員さんかと思ったら違った様だが、TV会社動かせるのはお前……何したんだ本当に。
……いや、待てよ。もしかして、前に景光くんから私にメッセージで、『探して欲しい』とか言っていた、東都TVについての情報か……?
あれは……確か、ノアズ・アークに任せたんだっけな。
中目黒みたいな……中……なんだったかな。
「ワカメ豊作みたいな響きの……」
「中目な。……内緒にしててね、ハル」
ああ、中目。……名前が思い出せないな。
いや、いいよノアズ・アーク。話は大体思い出したから。もっかい引っ張ってこなくていい。
手元の携帯でノアズ・アークに、待機を指示。
あれだろ。うん。わかるわかる。
胸糞悪いから、ノアズ・アークからも私からも除外してたんだったな。……思い出しちゃった。
弱味につけ込んで女性狙うとかホント最低。
……あの人について報道された覚えが無いから、自社内での不祥事として、広がらないように黙ってる約束したのか……?
………………う、裏取り引き……!
政(ry
小林くんはにこにこしてるから、深くは聞かんさ……
「そんで、ジョディ先生経由でライ……赤井と連絡を取ったんだ。ジョディ先生なら、状況の話はしてると思ってさ」
「ライ……」
灰原さんが顔を顰める。
お姉さんの件で、けれど確かに助けようとは思っていたらしい、なんて話しやら聞いて……複雑だった気持ちが、近頃嫌悪感高まってきたらしい。
事情はわかるんだが、それでも“大好きなお姉さんを裏切った男”、というレッテルがどうにもデカデカとお名前の前に輝かしい称号として刻まれてしまったようで。
私の知り合い、みんな赤井さんのこと「イヤッ!イヤッ!」してる人ばかりで、なんか一周まわってかわいく思えてきた。
もしや口下手コミュ障なだけなのでは……?つまり、私と同じなのではなくって……?
「まずいな、ハルの集中力が切れてきた」
「頑張って、スバルさん。もう少しだから」
「えっ?」
なんで私励まされてるの?
灰原さんを見る。彼女ははぁ、とひとつ、溜息。
「あなた、どんどん首が傾いてるわよ。考え過ぎて、別のことばかり気になってるんじゃない?」
「あらやだ」
頬杖ついていたのだが、言われて気付いた。ほとんどカウンターに乗り上げるみたいな体勢になっていた。
慌ててしゃっきりと立ち上がる。
確かに、思考が飛び飛びになってたかもしれない。
いやだって……景光くんが変なこと言うから悪いんだよ。
隠蔽なんて……悪い子!
「お待たせしました。大丈夫です。続きをどうぞ」
「わかった。早めに終わらせるから頑張ってついてきてくれな」
私ってば、他のこと考えてるの、そんなにわかり易かったのか……
「想定通り、話は通じてたからさ。赤井の動く予定と、こちらの考えを伝えて……アイツの協力も了承取れて。
それで、こちらは毛利探偵を餌とした釣りを始めたんだ」
「……実は、発信機の反応が消えた時は、おっちゃんを囮にするなんて俺は聞いてなかったから……あの時、おっちゃんやあいつらがみんな事務所に向かってるとわかった時、小林さんが『俺に考えがある』って言って、事務所に向かって……アイツらの前に自分を出すつもりかって、凄くビックリしたんだ」
「悪い悪い。でもほら、ハルもよく言ってただろ?『もっと大人を頼れ』って。……子供のやった事に、大人は“そういう”責任の取り方もある事が、君の頭に浮かんだのなら、やる価値あったな」
……えーと、今回は赤井さんが協力してくれてなんとかはなったけど……
もしかしたら小林くん――“スコッチ”が囮として、組織からのヘイト稼ぎに行かなきゃいけなかったかもしれないって?
迂闊な行動は気を付けなはれや!と再三言ってるわけだ。
……でも今回は、本当に偶然が重なっただけじゃん?そりゃ確かに、仕掛けたあとの回収忘れは大問題だけど、新一くんは1度の失敗で学ばない馬鹿じゃないんだから、同じ事はしないだろうし……
つまり、「これはおとり作戦だよ」って言うくらいはしても良かったんじゃん?
「そうですかねぇ?」
「はいはい、悪かったってば」
「えぇ〜?悪いと思ってる言葉じゃないですよそれ」
「リアリティが大事って、お前良く言うだろ?」
うーん……それは……うん……
新一くんみたいな子には、ギリギリまで『想定外』でダメージ与えないと、『これくらいなら切り抜けられるな!』みたいな全能感ばかりアゲアゲになってしまって、クソ生意気なクソガキの出来上がりになっちゃうからね。
定期的に、ガキンチョであることを思い出して貰わないとダメになっちゃうから……。
「後は毛利探偵を狙った、ライフルなんて物騒なものを持ってるキャンティやコルンの姿を、一般の人たちに見てもらえばアイツらは隠れるしかない」
あの時、コーヒー豆を買いに寄った時、ポアロの梓さんが言っていた。「今日はやけにお客さんが多くて、忙しくって。嬉しい悲鳴なんですけど……バイトさん、定期で来て欲しいなぁ!」と。
何か零くんがやって、あの時間帯に事務所周辺の人通りを増やしていたのだろう。
︎︎誰かしらが上を見上げれば、ビルの上なんて目立つところに陣取った人たちが、怪しげなもの構えてるのが目に入る状態だったそうな。
︎︎早く撃てば良かったのにね。
見上げるきっかけなんてなんでもいい。光がチカチカしたとか、物音がしたとか……水滴を落としてみるとか、雲が面白い形だったとか……空で何かあれば、人は空を見上げる。
それは全員でなくてもいい。1人2人が気付けば、米花町民は慣れているから、即座に警察を呼んでくれるはず。
「大勢の一般人に見られたとなると、隠そうにも処理しきれないだろ。……連中は作戦会議する。思考が過激なジンやキャンティたちと、さっさと場から離れたいベルモットと“バーボン”で意見は割れるはずだ。
そこを、ライに撃ってもらった」
赤井さん曰く、どうやら状況は少し違っていた様だが、慌てていた彼らを狙って撃った事には違いないらしい。
でも結局、組織の皆様に逃げられてるわけで。
「それで……仕留めなかったのはどうしてです?」
「……一撃は不意打ち出来た状況のはず。かつて組織一番の射撃の天才とも歌われた
あらやだ、灰原さんたら鼻を鳴らして、物騒な事をおっしゃる。
そんな戦時中の戦略みたいなこと……
「ライは、一般人が大勢いたからこそ、そこで負傷させた後、必ず起きる銃撃戦に、その一般人たちを巻き込まない事を優先したんだ」
……そう言われてしまったら、文句など言えない。ごもっともすぎる。
「それに、目的は達成している。
土門康輝の出馬表明の撤回、それと重要度の低下による、組織の暗殺リストからの除外。
今回の盗聴器はFBIによる罠で、毛利小五郎は囮にされただけ。FBIとは無関係、という証明。
そして、それらの情報をいち早く掴み、中止を勧めていたバーボンとベルモット。
正直、今回の計画を立てたジンの方が分が悪いからな……」
予定していたターゲットは殺せず!
優秀な仲間をひとり、FBIに連れていかれ!
第2案も失敗して!
コルンさんの写真までネットに流出して!(……これはせっかくなのでノアズ・アークに頼んで転載しまくって拡散していた。小さな黒丸サングラスは特徴あり過ぎじゃないか?)
そして宿敵、赤井秀一に嵌められたと知り……滅茶苦茶撃たれただろうに、赤井さんと、待機してただろう小林くんから逃げられたことは……アッパレ。
「それで、水無怜奈はFBIが内密にと口止めして杯戸中央病院に入院している」
「日売TVには、水無怜奈の体調不良により、出演が暫く出来ないことを変声機で彼女の声にして伝えてるよ」
変声機をぷるぷると揺らす新一くん。最後のその2点は、後でカメラとか細工しとく必要あるかもね。
まぁ、大体の流れはわかった。
わかった上で……偶然にも程がある!
偶然のピンチの元凶、江戸川コナンくんは、目と目が合うと頷いてくれた。
「しばらくはFBIとのやり取りは続けるよ。何かあったら連絡くれるって」
何かって……何よ!
「で、俺のほうは“バーボン”とライと、引き続き連絡とってみるよ。“バーボン”からの情報を仲介して、こちらの予定を返す。FBIが標的になるよう仕向けてみる」
……それは……了承は取ってる、とは言うけれど、大丈夫なの?狙われることになる、赤井さん。
︎︎いや、そうか。こうして全てのヘイト引っ被った赤井秀一が死ぬことで、ヘイト管理したのが元々なのか。
なら、これは本来の流れ……なのか?でも辿り着く先は私が堰き止めてるし……
︎︎うーん……よかったのやら、悪かったのやら。
……ひとまず、みんな無事そうならヨシ!
……ってことでいいじゃないの!?
なんかあるなら、これは予測だけど、次は……水無怜奈さんの目が覚めてからじゃないかな!
その前に色々あるんじゃよ
読んでいただきありがとうございました!