昴くんはなにもしない 作:あまも
寒すぎて投稿用のスマホが起動してくれなくて困りました。
お前もおフトゥン(¦3[_____]欲しいのか……
閲覧ありがとうございます!
別荘から成実さんが引き上げてきたので、現在別荘は主に景光くんのセーフハウス扱いになっている。
成実さんが生活していたお陰で、近頃は少しだけ生活感が出てきて、それが維持されていつでも人が寝泊まりできる状態にはなっている。
やはり家というのは人が住むと変わるなぁとしみじみ。
とはいえ、痕跡残さない生活している景光くんがメインで使うようになったので、使わない部屋はほとんど手付かず。
たまに掃除や換気をしててもどこか埃っぽく、物寂しい。
定期的に、全部まるっとお掃除してくれる完全な部外者を雇った方が“普通”の別荘として見られやすいかしら。
………………あ、いや、でもそれはそれで安本さんみたいな『家政婦は見た!』なことなったりしそう……
どうしよう。
景光くんたちに相談してから決めようかな。
屋敷の管理といえば、人が住まなくなった工藤邸だ。
ネズミ入り込んでて駆除祭りすることになってたり。
恐らくは、前回の定期お掃除中に開けていた窓や扉から入るなどしたのではなかろうか。
そこに、有希子さんが帰ってきて少年探偵団連れて映画の試写会に行った時、ついでに備蓄の買い足ししてた物が狙われたのだろう。
話聞いた時点で、研究所の倉庫に移しとけば良かったな……
ハムスターは許されるけどネズミは許されないのはなんか違う気もしつつ、幼く(なってしまって)小さな新一くんや灰原さんが立ち入る可能性のある場所で
じゃけん、カゴ罠に掛かった憐れなドブネズミはドブに沈めましょうね〜
………………と、側溝掃除ついでに水貯めて、カゴごと沈めて処理していたところ。
研究所に遊びに来ていた少年探偵団に見られてしまった。
辛うじてコケやら草やら泥やらなんやらでカゴを隠して、ドブ掃除してただけの近所のお兄さん顔はできたが、手伝おうかと名乗り出てくれた円谷くんの申し出を断固として拒否することに。
てかドブさらいは子供にやらせることじゃないし。
胡散臭いひとが妙なことやってら、と、小学生たちは胡散臭そうに去っていったが、頭脳は大人な現小学生たちは物言いたげであった。
…………うーん。
気をつかうくらいなら、家まで連れてってから処理すりゃ良かったかな……いやあっちも神出鬼没なボウヤがいたっけ。
ひとしきり遊んで少年探偵団が帰った後、新一くんと灰原さんに呼ばれて研究所へ。
ちゃんと手洗い消毒はきちんとした手で、服も手袋も替えて夕飯の用意をしていたら、案の定話はその話となった。
とはいえ食事前にすることでもない。飯食ってからね。
そしてバッチリ、水に沈めたカゴは見られていたらしい。
「なんであんな方法で……」
「薬も必要無いですから。あとは包んで生ゴミで、“ポイ”ですからね。……団子とかトリモチとか、用意するのは結構大変なんですよ」
この世界特有の問題。
毒団子とか買ったり所持したりしてた日には、何故か近くで遺体が見つかったり毒殺事件や食中毒事件が起きて、持ってた買ってた使ってたってだけでご近所さんやらお店の人やら警察さんやらみんなから疑われるのである。
ネズミや害虫の死体も死体で、嫌がらせに使うつもりかとかなんとか難癖つけられるし……
有害動物を生活圏から排除するの、マジでめんどいのだ。
見た目怪しくしてるとこんなことになっちゃってねぇ。
その話で、灰原さんが首を傾げた。彼女は薬品とかも扱っていたから、博士に頼めば良かったのではないかとか思ってそう。
頼んでもいいけど……阿笠さんに『生き物を殺すためのもの』は作らせちゃいけないだろ。あの人はそこに手を出させてはいけない。
一方の新一くんは、顎に手を当てて考えてからこの発言。
「……そんなに大量に買ったのか?」
つまり疑われるほどの量だったのかと。
「昔ですよ。ひとり暮らし始めたてのころ、良い拠点求めて転々としてた時ですね。ネズミとハエと……色々な虫と……害虫がとても多く出てくるところでして」
心理的瑕疵の物件が多い米花町。
大抵の建物には、『以前事件がありまして……』、なんて話がほとんどだが、中にはそれらの物件よりも圧倒的に安い物件というものがいくつかある。
現在進行形で“何か、(不)愉快なことが起こる”ために住人が長続きしない所だね。
この私は幽霊なんて見たことないので、現役で『何か起こるかも』って聞いたら……そりゃ、試してみたくなるじゃん?
そんな理由から、建物自体は新しくて、建物が出来てからは死体は1体しか出てないという部屋を借りた時の話。
以前建ってた建物を調べたら、基礎に墓石使ってた民家だったとかで、そういうのが出てきそうな期待値が高かった。
どっこい、出たのは害獣であったとさ。そんなん気分ダダ下がりですよ。
部屋にずっといるわけじゃない私には、天敵みたいな奴らでねぇ。すぐに連中が楽園作り始めたので、こちとら罠だトリモチだ毒の餌だと徹底抗戦してたのだ。
しかしそれでも出るわ出るわ、生ゴミとして処分する量が半端なくて、ご近所さんから後ろ指さされまくって……
当時の大家さんは、そういう部屋だと知っていたから理解があったんだけど。
そりゃ原因が、あの時点で大家さんはうすうすわかってたからなんだろうが。
隣の部屋の大家さんの身内……の、引き篭もりの方が、“ネズミとハエが多い原因”に“なって”いたとはつゆ知らず。
一生懸命に処理してたら、ある日、パトカーやら色々来て規制線張られて……とまぁ。
後の流れは新一くんたちが良く知る感じ。
新一くんと灰原さんが顔を顰めている。
ね?食事前にする話じゃないだろ?
で、そんな“事故死”があった物件の話は、以前新一くんにしたことがある。
「………………え、あれ?もしかしてそれって……」
「ええ、私が直近で過ごしていた、1番長く借りてる部屋の話ですよ」
なぁに、新一くんにとっては些細なことでしょうとも。たまに遊びにきてた部屋の隣が腐海だったからって、知ったこっちゃなかろう。
︎︎今はもうとっくに内装総張り替え済み。ご近所さんたちも、誤解が解けて私はただの苦労してた苦学生。そんな感じで落ち着いて、スッキリ快適住み良い環境となったのだ。
それに、ここまで暮らしていても
ここで灰原さんから冷静なひとこと。
「………………あなた、だから火災によく遭遇するのではなくて?」
「“だから”って何です?」
因果関係がわからんが!
でも呪われてそうって言われたら……確かに!?
やっぱ呪い……ってコト!?
だから、
■
掛け声と共に出した手。
ハサミ、ハサミ、紙、紙、ハサミ。
「え〜っ!ま、また負けた……」
「はーい!また10分荷物持ち!お願いねぇ〜♪」
「負けちゃいましたねぇ。ではまた分担して持ちましょうか」
「ごめんなさい、瑛祐君、沖矢さん……」
隣でガックリと肩を落とした本堂くんの背を軽く叩いて励ます。
最終決戦はまた保留してやろう。
本日は、園子さんの計らいで鈴木家の別荘へと避暑ついでのお泊まり会である。
…………………………夏の山でね!
いいよもう。季節感は後から来るから。
雪山走ったあの日の後、なんとなく新一くんと少年探偵団が出かけたとか、色々あったような気がしないでもないが、大体の出来事は小林くんに任せてジャンバリしてたので、春越えて、なんてそんなに経った覚えはあまりない。
未だに水無怜奈は目覚めないし居場所もバレてない。
景光くんや零くんは警戒しているし、組織もFBIも日本で行動中だ。
季節がコロッと変わっているだけの期間が空いてるのに目覚めないって、脳に障害でも残ったんか?
もし目覚めても社会復帰までさらにかかるんじゃないのか?
……真面目に考えちゃ、だめだなこれ。
いつも通りってことで諦めよう。
まず冬の雪山じゃないし。
夏の大自然、海でもない。
山なら全然無問題。
うむ!行楽シーズン!
平地より高く、陽射しも適度に遮られた山の中は下より余程涼しいが、冷感グッズひと揃えして装備していても、じんわりと暑い。
こうしてメンバーの荷物持ちして林道を徒歩で登ってるからのほうが大きい。
今回のメンバーは、主催の園子さんと、蘭ちゃんと、新一くん(小)。
そして本堂くんである。
……あと、小五郎さんと鈴木会長から頼まれて、保護者兼
本堂くん、転校生として最初はちやほやされたそうだが、有り余るドジっ子っぷりが災いして、次第にやや遠巻きにされるようになってしまったらしい。
最初から変わらず付き合ってくれている、世話焼き気質な蘭ちゃんと、気のいい園子さんとその御学友たちと必然的に仲良く一緒に行動することが増えたそうな。
……かわいい女の子2人横に侍らせて、あざとい失敗して点数稼いでる、かわいい系の顔の男の子か……
大丈夫?学校でいじめられてない?
現在進行形でお嬢様に荷物持ちさせられてはいるが、まだお遊びの範疇かい?これ。
でも彼、嫌な時は嫌ですと素直に言える性格だよね。そういうところもいじめられそうではあるけど。
スクールカーストで別枠扱いされてそうな蘭ちゃんや園子さんと友だちやってるかぎりは、問題ないとは思うけどね。
キャッキャと賑やかな高校生たちをよそに、降ろした荷物を再度バランス考えて背負い直す私。 今回の私は、保護者ではあるが荷物持ちや雑用係として来ている側面もある。
本堂くんが全部押し付けられそうなんだもん。
その私の横で、小さな握りこぶしをポッケに戻し、何か言いたげな顔で見上げてくる新一くん。
「スバルさん、いつもはジャンケン、勝てるのにね」
「ふふ。今日は私、運が悪いんですかね」
「……」
物言いたげというか、目は口ほどに物を言うというか。
『ジャンケンつえーだろおめー』の顔だな。
いやいや。
強くはないし、わざと負けてるつもりも無いよ。
女子は荷物持つ時間にハンデありとはいえ、そもそも鈴木家のお嬢様とクリスさんのエンジェルちゃんに荷物持たせるわけにはいかないし。
今の新一くんに私の荷物持たせたら潰れるだろうし。
そうなると、自然とね。
あとはタイミング見て、本堂くんと同じ手を出してるだけだよ。
……だから、5人でのジャンケンなのにあいこもほとんど無しに、的確に負けの手を出せる本堂くんが本気でジャンケン弱いだけです。
これわざとじゃないってマジ?
「ハイ、では江戸川くんの荷物をお願いします」
「……沖矢さん、またほとんど荷物を……大丈夫ですか?」
「元々荷物持ちついでに来たんです。むしろ君が手伝ってくれて、助かります」
「そ、そうですか?」
なんだかんだと私にノリが似ている彼。自分では真面目にやってるつもりなのに、本気でやれよと言われがちだよねわかるわかる。ふざけてない時とふざけてる時の違いがわかりにくい人柄ってやつ。
陽キャ寄りの空回り気味な根暗。
そうだな……人見知りか人見知りじゃないかくらいの差だろうか。
本堂くん側も、服部くんと違って、私がいじられキャラしてるからか仲間意識的な親近感持ってくれてるようだ。
人見知りで子供嫌いではあっても、仲良くしてくれる気が相手にあるなら、こっちだって吝かではないのだ。
本堂くんの目的が、実のお姉さんこと本堂瑛海さんについての情報を求めていることは、彼本人も肯定していた。
そのお姉さんに顔も声も非常に良く似てはいるが、全くの別人であると言う“水無怜奈”が、長期の休みをとる直前に、何かを依頼した相手で、直接会って会話したであろう毛利小五郎に、“水無怜奈”は何故自分の姉と同じ顔なのか、調べてもらいたかったようだ。
てか独自にそこまで調べたのかこいつ……え?どうやって調べたの?普通の高校生怖いわ。
なんか、最近ひとりで調べすぎちゃう人たちが多くて、純粋に困る。
無理すんなって言ってるのに長野のやべーところつつき回ってる所轄の匿名さんとか、この姉を探して三千里してる準レギュラー候補の大きなメガネ少年とかさ。
どこでいつ、その爆弾が組織なり啄木鳥会なり泥参会なりのやべーところの導火線に火をつけて、暴発してしまうかとこわやこわやの戦々恐々している。
赤井さんがFBIと一緒に水無怜奈の監視に回って、大人しくしててくれてると思ったら次から次へと変な人たち集まってくるんだからもう!
おもしれー町だな米花町!
ギリギリ、匿名さんのほうは
今1番熱いのは、水無怜奈関連。
その中でも筆頭となる、この本堂瑛祐だろう。
本堂くん担当、沖矢さんは暑い夏ですが頑張りますわよ!
……………………ただ、仲良くしてくれようとは本堂くんもしてくれてるんだが……
どうも……犯罪者への向き合い方だけは、私とまったく気が合わない。
潔癖気味というか……結構、自分の正義に忠実だね本堂くん。
新一くんがちょっと理解があるだけに、ならぬことはならぬものですな気質で、遂には思い込んで自刃しないか心配だわぁ。
■
今回、この山までは私の車で来たが、下の駐車場からは荷物担いでえいこらよいこらどっこいしょと、はるばる山道を徒歩で向かっている。
車に乗る前に園子さんに物陰に連れ込まれ、耳打ちされたんだが、今回の目的地である『鈴木家所有の別荘』、というのが……以前、江戸川コナンくんと蘭ちゃんと園子さんとで向かい、凄惨なバラバラ殺人事件に遭遇した別荘、そのものなのだそう。
後日に、ファイルにまとめるために聞いたっけな。
たしか……「人ひとりは重いけど、首だけなら抱えて走れるよね!」みたいなトリックの事件……だっけ?
どこかのひょろひょろなヒスイ抱えおじさんみたいなことする人だなと思っちゃったよ。
ありゃ後生大事に持ち歩いてたんだっけ?
生首!とか、腕!だの脚!だの、パーツ分けされないはずのものが分割されると途端に中々ハードな事件になる。
その現場だと気付いてしまったら、蘭ちゃんがきっと嫌がるだろうから、逃げられないように離れた所に車を停め、徒歩で向かうのだと……そんな計画を事前に伝えられていた。
今しがた、その園子さん本人が口滑らせて蘭ちゃんにバレて、どういう事かと詰められてるけど。
まぁまぁ。ここまで来たんだし、別に良いじゃないの。
1度事件が起きた場所。
では事件は起きないか?
…………かの有名なお孫さんが向かった、とある孤島のホテルでは幾度となく事件が起きたように、何度だって舞台となる場所ってのは存在するわけで。
……このメンバーで……新たなるレギュラーキャラ加えて、自ら
そらもう、そんなんもう、……ねぇ?
事件、起きるっしょ!
………………ただ、園子さんの話によると今のところは別荘には私たち以外誰もいないらしいんだ。
食料とかは既に冷蔵庫や保管庫に運び込んで置いてあるそう。そして夜にはお姉さんたちがいらっしゃるそう。
それに私がついて来てるから、最悪どうしても必要なものがあれば、車まで戻って買い出し行けるし。
園子さんと一緒に、怖がる蘭ちゃんを宥めていっぺん試しに行ってみようずと背中を押す。
楽しみだと笑顔で語る本堂くんに、怖がる蘭ちゃんと楽しげな園子さんを見て、呆れながらだがこちらも楽しげな様子の新一くん。
高校生たちは楽しい楽しい合宿気分だ。
蘭ちゃんも、ノせられて少しくらいなら見てやっても……と、乗り気になってきたので、ここぞとばかりに畳み掛ける。
山奥の屋敷で事件が起きたからって、そんな……怨念がいるわけないし、大丈夫大丈夫!
おんねん!
……………………怨念、というか幽霊のことは頭に無かった蘭ちゃんが、あの事件の時の霊がまだ残ってるかも……!と気付いてしまって、私に車まで戻ろうと縋りついて来る姿を新一くんと園子さんに半目で見られることとなった。
幽霊なんか、居たら今頃米花町は特級だらけになってるって。おんねんおらんねん。
しょうがないなぁ。
正論言えばいいんでしょ?
「そもそも、今回は私たちとその身内しか行かないんですから。殺人事件なんて起こりようがないですよ」
「でも、ゆ、幽霊が……」
「断言しますけどいませんって。……森の中の開けた土地で、霊場的にもあの立地はあまり幽霊が溜まらない地形なんです。
むしろ、その周りの崖や吊り橋のほうに――」
「いやーーーっ!」「ギャーッ!!」
園子さんに後頭部を、新一くんに太腿を叩かれてしまった。
蘭ちゃんはわかるけど、本堂くん、幽霊ダメなの?
「ふふ、冗談です。大丈夫、ここら辺は何もないですよ」
「ここら辺は、って何ですか!?他の所にはいるんですか!?」
「……蘭ちゃんや園子さんって、海に良く行きますけど、海って――」
「キャーーーーッ!!!」「へっ!?え、アッグエッ」
蘭ちゃんが隣にいた本堂くんに手を伸ばし、思いっきりその首を締め上げた。一瞬役得だと思ってしまった本堂くんは、甘んじてその手を受け入れてしまい……アワレ、逃げる事も出来ず……
とはいえ。
そんな簡単に、幽霊に出てこられてたまるかっての。
しかしなぁ。
身内しかいない屋敷、となると……
じゃあ、誰が殺されて、誰が犯人になるんだ?
……ってなるじゃん?
……一応、群馬近郊で、殺人鬼や強盗犯、殺人犯が逃げてる、とかのニュース、なかったはずなんだが……この山道移動中に生えたりしたかな?
…………あぁ、ノアズ・アークに調べてもらおうにも圏外!!
■
橋が、落ちとるんじゃが!!
これ……心霊現象……ってコト!?
丸々と太ったデカイのがうちの納屋で捕れたので記念に
餅と干し柿を狙うとは不届き千万
読んでいただきありがとうございました!