昴くんはなにもしない 作:あまも
流れはあまり変わりませんが、すいません誤字脱字多くてちょこちょこ修正入るやも……
こいつまーた同じこと繰り返してら
誤字脱字報告ありがとうございます!
閲覧ありがとうございます!
本堂くんは、自身の行動が客観的に見ると私と同じくらい怪しかったことを自覚したのか、ポツポツと行動の理由と意図を話してくれた。
毛利小五郎を訪ねた理由は、水無怜奈からの依頼を本当に受けていたのか……ネットのうわさ話や目撃情報をまとめて推測したはいいけれど、その確信は持てていなかったために直接確認しに来たのが最初。
水無怜奈が悪い人だとすれば、最近名前が売れてきた毛利小五郎も、彼女と組んで悪いことして名前売ってるんじゃないか、なんてことまで考えた。
そうしたら、丁度名前が売れ始めた頃から彼の横に小さな人影が目立つことに気付き――って、おいおい。
新一くんに先に目を付けてた事を暴露されて、つい顔が歪みそうになったがなんとか堪える。
わたくし、なんにも気付いてませんわよ〜!
それで、いくらなんでもこんな子供が何かしらの足しになるもんか?と思い直し、毛利探偵の周囲を重点的に、もっと詳しく調べることに。
すると『小林』をはじめ、“助手”や“見習い”、“お手伝い”を名乗る、またはそう見られている人間が毛利探偵の周りに複数いることが判明。
それらが現れ始めたのは、全てほとんど同じ頃だと気付き、子供はその“お手伝い”たちに利用されているのだと……判断してくれたそうなので、ヨシ!
ただ、新一くんについて語る時にちょっとだけ言葉を濁らせていたから、新一くんについては最近違う気がしてるのではないかな。
新一くんから溢れ出る聡明さ!
またの名を、『コイツ、普通のガキじゃねぇな?』というギフテッド疑惑!
……となると、最も怪しく、警戒し、調べるべき相手は、初対面からジロジロと見てきた男……こと、この私。
沖矢昴という怪しい男。
いざ調べてみようにも、顔写真の1枚も出てこない。
個人情報もほとんどない。
わかったのは、東都大学院の情報電子工学部に通う2年生で、現役の大学院生だということだけ。
……そりゃ君、私についてをPCで探しても、なんも出ないよ。
出ないようにしてあるんだから。
使い道が特殊過ぎて閲覧者も居ないようなろくでもない論文しか出してないし、価値のある研究成果は“サワダヒロキ”やポンした准教授、そして阿笠さんの名前がメインのものばかりだからな。
むしろ、私について調べようとした時点で使用されているアドレスは辿ってある。
私自身に利用価値はほぼゼロだからな。
その私について調べるってことは、私経由で私の周りの“どれか”について調べたいからになる。
阿笠さんについて知りたいってんなら許してやるけど、他はそれぞれに報告しなきゃいけないからね。ちゃんとカウンター決めますとも。
……今回の本堂くんに関しては、主に毛利探偵についてを事細かに調べてた様子なので見守ってやったが。
ちなみに本堂くんはあまりやっていなかったけれど、私についてを人に聞いたとしても、ロクな情報は出なかっただろう。
私は友人以外とはあまり関わってないからね!
このクソ陰キャがよ!
話を戻すが、本堂くんたら、その“怪しい男”の私が、何かと怪しい動きで自分のことを探ってきていて……若干の身の危険を感じたりもしてたそうな。
いやぁ、そこは私の標準装備なので外せなくて……
どうなってんのか、ただでさえてんてこ舞いなのに混乱してしまった、ってところか?
……いやぁ、私の不審な行動は私が発生した時から現在まで続く伝統工芸なので……
それでも今日、ちゃんと私の話を聞いてくれて、自分を省み、確かに焦って迫り過ぎた事を自覚してくれた。
その上で、私によってある程度調査されて『安全な人間だ』と判断されたことを喜んでおられる。
………………良いか?
君はかしこくて、ちゃんと落ち着いて考えればまともなほうの人種であることを見込んで、今回はこの私が“信じてあげる”んだからな?
君、お前、あんた、これ……これで組織に意図的に情報流したり誰にも相談無しに早まった行動したり毛利さんたち困らせたり、クリスさんやバーボンがピンチになったりしたら……あまつさえ景光くんになんか起きたら…………いやもう本当に…………勘弁してくれ。
人の命に優先順位つけさせないでほしい。
――――などと、せっかく和解したのにそんな脅すようなことは言わないが。
私は君が心配なんですよ!本堂くぅん!
でもでも、みんなのことも大事なんだよねェ!
「朝から変なテンションだねスバルさん……」
「あ、江戸川くん」
チリチリとドアベルが鳴り、梓さんの明るい声に返事を返した後の言葉は呆れてどどっとトーンが落ちている。
子供らしくないぞ江戸川くん!
ぞろりぞろりとキメキメな毛利御一行がご来店。
梓さんとひとことふたこと挨拶して、私たちの座るテーブル席の横にそれぞれ座った。
さりげなく、蘭ちゃんと本堂くんの間に挟まる位置に陣取る新一くんが男子高校生してるのに、見た目がお姉ちゃん取られたくない幼い弟で微笑ましい。
梓さんもニコニコでオーダー取りに来て、モーニングを3つ。
おっと、ついでにこちらもコーヒーのおかわりをお願いしますね。
「小五郎さん、蘭ちゃんも。おはようございます」
「おはようございます!本堂君も一緒だったのね」
「おう……なんでおめーらがいんだよメガネ小僧共」
「朝、毛利探偵にお伺いしようとしたら彼に捕まりまして……」
「捕まえまして!」
「迷惑かけてんじゃねーぞ沖矢ァ」
同じく壁側に座った私へ、ペシンとその手にあった新聞で叩かれてしまった。
4つ折り程度なので別に痛くもないけども、メガネがズレてしまう。
んもう、新聞でもメガネに傷付くんだぞ!
■
なんとか新一くんが止めてくれていたが、話の終わりの気配を察した彼が開放した小五郎さん。
デキる男の目覚めのお供、アチアチコー
蘭ちゃんがご機嫌な理由は、朝ごはんの用意しようとしてたのを、小五郎さんが「今日はポアロで整えるぞ」とか言って連れ出してくれたからだそうな。
手間が省けたんだろうね。
……毎朝それにすればよくないか?
蘭ちゃん大変でしょうに。
ああ、そっか。あむぴが実装済みだ。
毛利家、そして新一くんとの親密度を透くんが上げたら彼にたまにおすそ分けしてもらえばいっか。
透くんは拘りぬいた料理たくさんつくれて、「うまい美味い」と食べてくれる女子供とかいう日本の未来がリアルタイムで見えて嬉しかろう。
………………お前、ホントに何処から視点で何見てんの?
私から見てると、零くんはたまに日本愛が大暴走して日本国民の健やかな成長見守る男に見える時があるが、アンタも健やかな成長すべき日本国民やろがい。
食育か……キウイ食わせるか。あいつセロリばっか食ってるもんな。
おいしい10種の栄養素!!
「……で、小五郎さん。今日って依頼なくて暇ですよね」
「あ? ……まぁ、依頼はねーが……暇ではねーぞ」
どうせパチスロか競馬だろて。
本堂くんとの相談話が出る前から、新一くんへは会話の内容をマイクでダイレクトに伝えてある。
だから私が、本堂瑛祐についての大体の調べが済み、後は彼からの『何故、姉だと思えないのか』という心の内だけもらえればその反論揃えて誤解解くだけで全部済む状態なのは共有してある。
「良かったら、本堂くんの相談を聞いてあげてください。中々面白そうな依頼なんです」
「あぁ?」
「えっ!いえいえいえ、だって、それってあなたがほとんど既に調べてしまったんじゃ……」
「あぁ〜?」
今日は運気を試したいからか仕事入るのが嫌そうな小五郎さんと、何故か自分の持ち込み企画に毛利小五郎を乗らせたがっていることに困惑している本堂くん。
そして、そんな本堂くんをじっと見つめる新一くん、
蘭ちゃん以外から顰蹙と不信感バッチバチな食卓となってしまった。
えーとね……
「“水無怜奈”について調べている方が……関わってそうなんです」
私の言葉で、途端に蘭ちゃん以外の皆さまの目付きが変わった。
小五郎さんは半目継続中。ただし、もっと鋭く。
本堂くんはきょろりと小五郎さんの様子を見て、なんとなく私と情報共有されてるのであろうことは感じ取ったようだ。やや緊張が見える。
で、新一くんは……何?そのお顔。
プランCは破綻したのでもう無理です。
名探偵沖矢さんは閉店しました閉店ガラガラ。
「本堂くん、小五郎さんに、その『変なバイト』について説明してあげてください」
「あっ……はい」
…………まぁ、詳しくは実際行って確かめてきてもろて。
「依頼料は私が出しましょう。『変なバイトと、それに関係する周辺の異常』の調査をお願いします」
色々まとめて、見てくると良い。
■
毛利探偵事務所が調査に向かわれたので、私はポアロのカウンター席に移動して中途半端なままで終わっているレポート作成の続きでもやろうかなと。
ショバ代は払うから。また入り浸らせてね梓さん!
作るのはあの教授とのおはなし会の時のやつ。
彼との話で1番まとめやすそうで、かつあの教授が、気に入りそうな話となると……『技術の進化と犯罪』でまとめちゃったほうがいっか。
やだよねぇ、変にずる賢い人。
開発者や制作側は、そんな使われ方考えてなかったのに、悪い使い方考えて悪用しちゃうんだぜ。
のび太くんとか江戸川くんみたいなのなら、まだ可愛いけどさ。
……そのために作られたものじゃないのに。
AIなんて本当にそういうの多いんだから。
気を付けなよ〜ノアズ・アーク。
悪用出来るものを出しちゃう方も悪い?
うーん……人の良心と相談すべきかもしれない。
……………………植物族リンクは……あれは美しいのでOKです。
あそこまでいくと逆に見つけた方が偉いから。
でもAIの悪用は本当にダメだぞ!
特に、人が悲しむような使い方はホント…………ダメだぞ!!
『……ミキモト教授?』
レポート作成の画面の縁が白く、ポンと明滅した。ノアズ・アークがこっちに帰ってきたらしい。
さっきまで、今日の事の次第を小林くんと零くんに伝えて来てもらっていた。
それで……そうそう。その名前が気になったの?
そういえば、教授と話した時にはノアズ・アークは小林くんとこに行ってたっけね。
小林くん、最近何してんの?
『…………お兄ちゃん、ミキモト教授のお顔見た?』
おや。こっちの質問が保留されている。
顔?
見たけど……なんで?
掘りが深くて、イケイケなイケてるおにいやんって感じの人だよ。
こう……眉毛が特徴的な。
『……ううん、一旦置いておこうか。
今日は景光さん、奥穂町の倉庫警備みたいだよ。零さんに言われて昨日と今日と。
それで……今は毛利探偵と本堂くんの様子を見てくればいい?』
そっちも保留された。……新しい試みだね?調整中なら変に口出さないでおくか。
……奥穂町?なんかあるんだろうか。私に言われてないから、危ないことかな?
まぁ、今日の所は小五郎さんたちが行ったのは鳥矢町だし、奥穂町で何かあっても蘭ちゃんも本堂くんも大丈夫だろう。
新一くんのメガネの盗聴器経由で現場の様子を中継してもらおうか。
ぞろぞろと向かって、現場に到着したあたりかな?本堂くんが怒られてら。
……さて、小五郎さんと新一くん、そして本堂くんをまとめて送り出した。
本堂くんが教えてくれた話から察するに、あれはもう、些細なきっかけ積み上げて、そのうち新一くん……“江戸川コナン”が毛利小五郎へ助言することで、“名探偵の毛利小五郎”が出来上がってる事には気付いてしまうだろう。
これを下手に隠そうとするのはもう止めた方がいいと判断した。
あれは疑問に思ったら最後、疑って見るのを止められない人種。
探偵向きとは言ったけれど……どちらかといえば監視員。
疑っても、それを自力で真相解明できる名探偵ではない。
……疑い続ける相手なら、こっちも疑ってかかるのが普段の私なのだけども。
本堂くんに、これ以上疑心暗鬼で暗中模索してセルフ四面楚歌してほしくない。
彼のまわり、敵なんて組織の人しか居ないのである。普通に前見てれば良いだけなのに、勝手に敵作ってるだけなのだ。
この状態でプランC……『私が主導して、複数名で“毛利小五郎”を
新一くんとしては、それで私に彼からの信頼を勝ち取って欲しかったようだけど、ハナから無理だって言ってるじゃんね。
だからもうね……好きにさせようかなって!
彼がやることなすこと、やる前にPC使って下調べしてから行動するのは確認出来たし、なら全部先回りして『ね、言った通りでしょう?』で推し通るしかあるまい。
今回、船本兼世の射殺事件については本堂くんが誘導するだろう。
そこで、船本さんちの『透司ってガキ』が『水無怜奈似の顔の女性が事故って吹き飛んだところを見た』話をすれば、小五郎さんは事件がそういう危ない人たち関係かもと思ってくれるだろう。
そして新一くんは……
……弔問客に『真っ黒な格好した外国の綺麗な女の人』が来た話、聞いてくれるかなと。
………………ここなんだよなぁ。
となると、出来ればなる早で結果出させてあげたいのである。
と、いいますか……普通に今夜、クリスさんからお誘い来ててさ。
今日中に『どこまで話していいか』決めてもらわないといけない。
クリスさんには、新一くんがクリスさんが探ってる事に気付いたことを教えれば、恐らく私から情報取ろうとするのは一旦やめてくれるだろう。
彼との駆け引きを楽しみつつ、愛しの王子様がどういう動きするのか見ようとしてくれるはずだ。
彼女に報いるためにも、ちょっとは協力してあげたい。
そうだ、バーボンが何処で『特定した』報告していいかのタイミングも決めてもらわないと……
零くんがFBIと直のやり取りするくらいならFBI全員しょっ引いておっとうっかりで本堂瑛海も公安で確保しちゃいたいところだろうに、本堂瑛祐とかいうイレギュラーが……
彼が出てきたせいで色々とバレる可能性が生えてきて、色んなところが迂闊に動けなくなってるのが現状なのだ。
全部まとめて何とかしてくれ、赤井秀一!
…………いや、本堂くんが信頼出来て、『この人の言うことなら信じられる』って人がいればいいんだよ、本当に。
彼は彼なりの方法で調べを進めているようだけど、やっぱりこっちの持ってる情報の方が多い。彼が誤解してる可能性の方が高い。
ならば最も信頼できるのは実の姉。
その姉である、水無怜奈の目が覚める気配さえあれば、彼と直接会わせて真相を彼女の口から伝えてもらうのが最前だと思う。
姉弟でしかわからない、昔の思い出や共通する記憶とかで照らし合わせればどんなに信じ難くとも本人と認めるしかあるまい。
彼自身の存在が“本堂瑛海”にとってどれほどの脅威となるか、彼女の秘密がバレてしまえば、様々な問題が出てくることも含め、キチンと理解していただきたいところ。
逆に目が覚めていない所に会わせたら、彼女の存在を隠していたFBIも、知ってて黙っていた私たちも彼から信用されなくなるだろうし……
何より、彼女に本堂くんが何しでかすかわからん。
勘違いでお姉さん殺しましたとかは悲しいが、そうとは知らずに親族殺してた話は稀によくあること。ちょくちょく起こる悲しい事件。
最悪のケースの1つとして考えとかないと。
他の最悪は……組織に“本堂”がバレることと、FBIとCIAと公安と組織でドンパチ始まることかな。
新一くんや小林くんやバーボンの正体がバレる?いやぁ、なるべく離してるから大丈夫……だと思うけど……
同時進行で別の何かが進んでたなら、そっちはわからんなぁ。
どうも小林くんが何か、バイトの他にしてることがあるっぽいけど。
いうて杯戸町でブルーパロットメインにバイト入れてるっぽいし……
…………黒羽くんと何かしてんのかね?
…………とりあえず。
今日のところ、この後のやるべき私の仕事は――
レポートと、帰ってきた新一くんと相談。
それと……帰ってきた本堂くんが、事の顛末を私に話すかどうか。
そこを見極めよう。
彼がどれくらい私を『善悪どちら寄り』に見てるかわかる。
……ここまで、彼に嘘をついた覚えはそれほど無いんだけど……どうだろう。
蘭ちゃんブーストでどうにかなってないかなぁ。
上手いこと、
ここが上手くいったら……
クリスさんへの楽しい話題も増えて、クリスさんとのお話時間も延びるんだが。
「……あら。沖矢さん、何か面白いことありました?」
カウンターの向こうで梓さんがにこやかに聞いてくる。
「なんだかすっごく楽しそう」
クリスさんとの久しぶりのお話があまりに楽しみすぎて、笑ってしまっていたようだ。
気をつけながら話さなきゃいけないから、いつも以上に気を遣うだろうが……
でも、すごく久しぶりなんだもの。
本当はもっと、なんの気兼ねもなしに存分に彼女のご尊顔を拝みたいところなんだが。
「………実は、今夜とある女性との約束があるんです。それが、私とても楽しみで……ついソワソワしてしまいますね」
照れ笑いしてはにかんで見せたら、にこやかだった梓さんの顔が固まった。
奥からドタドタとマスターが飛び出してくる。驚愕の事実知ったみたいな顔。
梓さんが、ボリューム捻るみたいに徐々に音量上げてく悲鳴じみた感嘆の声。
「えぇ〜っ!!!……えっ、えーっ!は、はわわ……お、沖矢さんが!?女性と、ででで、デート!?」
「デートではないんですけど」
…………いや、そんなビックリする?
私、なんだと思われてんだ?
美人好きだけど男友達が多いからそういうことかもしれないけど面と向かって聞くのは失礼だよねとか思われてたかもしれない
そんなことはないしそんなこともないです
ただ女性の友人と2人っきりとかスキンシップを迂闊に取らないなどは徹底しているだけで女性の美人の友人もまあまぁいるらしい。
読んでいただきありがとうございました!