昴くんはなにもしない   作:あまも

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実際のところ、時代がごちゃ混ぜになってるせいで上手く機能してない想定なので実際のシステムは違うと思いますので決してディスではなくこのお話における設定として読んでいただきまして……


閲覧ありがとうございます!


64-1:隣の家のお兄さん

 

 

 

 阿笠さんの研究所、その一角。

 

 キッチンカウンター横に、2階のギャラリーから放り落とされたクッションソファーやらなんやらをかき集め、なんかいい感じの巣を作って収まっている。

 

 灰原さんからは「散らかさないでくれる?」と怒られたが、玄関から見たら物陰だからセーフセーフ。

 

 

 博士自慢の生活空間に、突如出現した生活感の寄せ集めみたいな有り様だけど、手の届くところに必要なもの置いてたらそうなっちゃっただけなので灰原さんも強く出れないのさ。

 

 なにより、家の主人がのほほと笑うだけだからね。

 

 

 大勝利!

 

 

 ソファーonクッションソファーで快適度爆アゲしたソファーの横には、サイドテーブルに保温機能付きのマグカップとポット、数種類のタブレット端末。

 歩くなと言われ続けて腹立ってきたので、ありったけの機材を小林くんに頼んで車から降ろしたのをまとめてここに置いてある。

 

 ……結果、繊細な精密機器類を床に直に置くなと更に怒った灰原さんが、棚とテーブルを小林くんに組み立てさせて、傍らに追加させていたが。

 

 敷マットの上だから床直じゃないのに。

 

 

 

  にしても、私、こんなにたくさん車に載せてたっけかなぁ。

 

 世の機材が新調される度に新しくて古い奴らを買ってたからだろうか。

 これを機に、ちゃんと選別しようかね。

 FDとかMDなんてもう見なくなって久しいし。

 

 代わりに、世間にもスマホやタブレットが増えてきた気がする。

 いよいよここでスタートダッシュの差、頑張らないとね。

 

 

 自分の右側ばかりに物がズラリと並び、左に体重かけるのは動こうとした時だけで済むように灰原さんが物の配置を組み替えてくれたが、足元には、医師の言いつけ通りに左脚を水平に保つためタオルで嵩上げして高さを出したスツールが置かれている。

 

 おかげさまで、今の私は若干偉そうな態度。

 仕方ないじゃん、動くなって言われてるし……

 

 

 その他、阿笠さんがあれやこれやと持ってきてくれた絶妙なラインで使えない発明品。

 マジックハンドは重いもの持てないし紙はシワが出来てしまう。

 簡易手すりは杖があるし、傍にカウンターとその椅子があるから使わない。

 唯一、超延長コードは有難く使ってるけど……これ市販じゃない?

 え?他の機能がある?……いやぁ、コンセントとして使えればいいです。

 

 

 そんなわけでこの数平方メートルの敷マットの上にマイルーム建設してすみかとして居座ってるが、かといって座ってるだけでなんもしてないわけじゃない。

 今もなお、右の膝の上に置いたノートPCが、ポカポカと稼働中でとても温か熱い。

 ……せっかくだから阿笠さんに排熱ファン、外付けのやつ頼むか。

 

 今日は阿笠さんはかねてより楽しみにしておられたご友人こと、あの伊豆に行けなかった通信仲間さんとの旅行に行っていて、灰原さんも学校だ。

 私はひとりでお留守番である。

 

 

 学校なんて子供がいっぱい居るところで事件……は、少年誌で起こすはずないから、起きたとしても不正とかミスとかかわいいもんだろ。

 ……不正はまったくかわいくないな。なんも無いことを祈ろう。

 

 彼らの担任の“小林先生”という方が、少年探偵団に非常に好意的な先生だそうで、活動の顧問みたいな立場に収まろうとしているらしいが、少年探偵団曰く『小林はもういる』と渋られてるのだと灰原さんから聞いている。

 

 

 小林くんはあげないぞ!

 

 

 

 なんにせよ、惨劇はないだろうけど何かあるとしたら誤解とかミスとか子供特有のかくしごとだろうから、危なくはないはず。

 小林くんが私の車を持ってってしまっているし怪我人の私はそもそも何かあっても動くなと言われてますしおすし。

 

 おとなしくお留守番してるさ。

 ……お留守番しながら……格闘中である。

 時代との!

 

 

 膝の上の画面の中では、ノアズ・アークが仕分けて表示してくれているウィンドウが、次から次へと開くので、それらを片っ端から順繰りに捌いて捌いて捌いて……

 

 

 

 まるでそういうゲーム。

 

 

 

 実際はゲームでもなんでもなく、主に大学の教務システムに提出する諸々。

 休んだ分だけやらなきゃならんモノである。

 

 協力してくれた教授やら事務員さんやら宛のお礼はちゃちゃっと終わったんだが……時代錯誤、いやある意味妥当?

 もはやよくわからんが、最新を謳ってるくせにこの手続きやら手回しやら書類やら報告やらの、めんどくさいことこの上ない作業が目白押し。

 

 なんでいっぱいあるんですかねぇ。

 

 私、入院前にそこら辺の苦労しないようノアズ・アークに手伝ってもらって、色々準備してたはずなのに。

 

 

 たくさんあったそれらをひとつずつ片付けて、どうにかなりそうな気配が見えてるが、先に簡単なのや急ぎの話をまとめて捌いていったので残ってるのはそりゃもう大変なものばかり。

 

 研究実施計画書のデータでついに匙を投げて、手の届くところに置いてたパイポに手を伸ばした。

 ちょいと休憩しなければ別の疲れが溜まってしまう。

 

 スピスパと、換気扇の傍でミントの香りを楽しんでいるけれど、車から降ろした箱もこれで残り1箱。

 

 ……せっかくこつこつ溜め込んでたのに、ここぞとばかりにどんどん減るな。

 

 

 

 いやはや、やってられん。

 なんで今どき、この承認印の欄がデジタル署名じゃなくて原本郵送指定なんだ。おかしいだろ。

 書類をデジタルで作っていいならそのまま送れば良いだろ。なんで印刷挟む必要あるんだよ。

 

 ミントの香りの空気で肺と鼻の中は幾分かスッキリしたが、ついつい右脚はパタリと揺れてしまう。

 貧乏になっちゃうからね、揺するのは止めようね。

 

 大学の事務方さんへのメールには『療養中につきご不便をおかけしますが、研究進捗には万全を期しております』などという、もう何度目になるか、この際コピペで良さげな定型文を打ち込んだメールを作成。

 あっちも私からの再三同じような文面のメールが飛んできて大変だろう。

 

 

 もうさぁ、だからちゃんともっとそういうのは整備してやりやすくするとかさぁ。あるじゃん。

 

 ……この、国立特有の石橋を叩いて壊すような慎重さ、マジで時間の無駄じゃない?

 ああいやセキュリティにケチつける目的ではなくってね。

 ただちょっと……だいぶこれ……うーん……。

 

 こっちは“T.E.B.A.H.(テバ)”のサーバー費用用口座からの引き落としチェックだのコクーンの修正箇所の確認だの……まだまだやること残ってるのに。

 

 紙の領収書を台紙に貼って郵送しろとか、どこの中世の話だ。

 他のもあったけどさ。

 封筒だの収入印紙だの、コンビニに買いに行くのは小林くんなんだぞ。

 

 

「……ふぅ」

 

 ようやく出来上がったデータをプリンターへの出力に送り込み、パイポ越しの空気を吸い込みながら出てくるのを待つ。

 連日モニター見過ぎて、流石に目の奥が痛い。

 

 これでも、入院中の暇な時間にやれる部分は先に処理したはずなんだが、人が退院しました報告送るやいなやここぞとばかりに不備があっただの確認事項がだの更新だのヒアリングだの…………

 

 これ……

 狙ってんだろ!

 

 嫌がらせだろ!?

 

 

 ため息みたいな深い呼吸。

 いや、ぶっちゃけため息だ。

 不幸になっちゃう。はーやだやだ。

 

 

 ……いやねー、わかってんのよ。

 こちとら、准教授が亡くなって以来、特例で研究室の存続させてもらってる身分である。

 しかも、その内容が遺伝子……それも、公開せざるを得なくなったので仕方なく公開したが、T.E.B.A.H.も含めてヒトの遺伝子にも手を出してるとってもナイーブなお話だからな。

 

 今、順調に片付けているが面倒くさそうなのが残っていて、さてどうしようかと……ノアズ・アークも、提案はできても実行はできない話だからね。

 だからデジタル署名でいいだろってのに。

 

 

 

『ひとりでなんとかするもん!』と意地張って、協力を申し出てくれたり引取りを提案してくれた教授たちの手を借りないでしばらくやってたからなぁ。

 こういう……やるべきことはやってるのに、何故か追加で必要になってくる『それはさておき義理と仁義』案件は私の一番苦手な分野。

 

 やっぱりあの人の手を借りるしかないんだろうか。

 いや、それもそうなるように仕組まれてる気がして、どうにも力を借りにくい。

 

 ……やっぱり人間関係は苦手だよ。

 陰キャにこんなことさせないでほしい。

 阿笠さんなんてシレーっとそこら辺本人も知らないうちにどうにかしてるが、あの人は敵を作らないというか、敵も絆されてしまうというか……

 

 私の顔も雰囲気も、あの朗らかさとのんきさは醸し出せてると思うんだが。

 なんで私は敵ばかり増えるのだろう。

 ふしぎだねぇ。

 

 

 画面のウィンドウもビッシリあったのが大分減って、ようやくデスクトップの壁紙が見えてきた。

 

「ノアズ・アーク、ひと段落が見えてきましたね。いやぁ長かった……」

『……その、お兄ちゃん。とっても言いにくいんだけど……』

 

 言いにくいことは言わなくていいぞぉノアズ・アーク。

 恐る恐るといった調子のノアズ・アークの声に、確実にめんどくさいのが残ってる気配を察知。

 

 …………そうとも言ってられないので、聞いてあげるしかない。

 

「……なんです?」

『次は……磁気不良でヒロキが研究室に入れなかった件で』

「はぁ!? いや、ICチップの更新は去年――」

『新年度で更新掛かってるみたいなんだ。お兄ちゃんの学生証の在籍シールと内部チップの更新も必要だったけど、お兄ちゃん、最近大学行けなかったでしょう?……両方とも、再発行の申請出して、“直接窓口に”、持っていく必要があるみたい』

 

 もう投げていいかな?

 

 ノアズ・アークが表示してくれた規約を見るに、残念ながら確かにしっかりと、長ったらしく事細かに……要約すると『身分証、個人情報なので郵送不可』『本人が窓口に来て、旧カードと引き換えに受け取ること』と書かれている。

 

 

 

 書留費用ぐらいこっちで持つっての!

 そもそもこの日本の郵便職員さんがそんなミスすること基本ねぇっての!!

 

 

『あと、その……ヒロキの客員研究協力の手続きの更新も……』

「へ、なんで?」

『T.E.B.A.H.の話が広まってて、あれ、シンドラー・カンパニー時代の集積データも一部使ってるから……原本照合が必要なため、コピーではなく本紙を持って事務局まで来い、って。それに関連して、倫理審査委員会(ERB)が“ 対面での ”ヒアリングも含めて、再審査を……』

「カァーッめんどくさっ!!」

 

 表示された書面には、これまたしつこく『なお、紛失防止のため郵送は認めません』の文字。

 

 人が、足怪我して、動くなと言われてるのにも関わらず……直接来いと!?

 

 

 

 これが嫌がらせ以外の何だってんだ!!

 

 こっちだって動きたいのは山々だが、止められてるんだからあの広い構内を歩き回るなんて真似したら怒られるに決まってる!

 

 頭抱えて、いや、頭掻きむしってどうしろってんだよとジタバタしていたら、私にとっての玄関、研究所の裏口が開く音。

 

「何やら暴れてるのが見えましたが、どうかしましたか?」

「あ、橋波さぁん……」

 

 そこから、鏡合わせのような、見慣れた私の顔がひょこりと顔を出した。

 橋波さんが、土で汚れた軍手を外しながらそのまま肩で扉を開けて入ってくる。

 私と同じ体格なので、庭いじりセットがそのまま貸し出せて良いね。

 

 ……じゃなくて。

 

「今、嫌がらせを受けてまして」

「おやおや。それは一大事だ」

 

 ちゃんと靴の土を払って上がって、スリッパに履き替えてきてくれたが、敷マットまでは踏み込まない。

 そんな彼に画面に表示した“出頭要請”を見せると、いつもの「ホホォー」の鳴き声出しながら、彼は自分の顎を撫でた。

 

「足を怪我した人間に、わざわざ来い、と?」

「ですね。私、しばらく顔を出さなくとも済むように……それが必要無いように準備してから病院に行ったはずなのですが、何故かこうして“後から”必要だと言われている状態で」

「ホォー?」

 

 首傾げながら、マジマジと画面を見ていたので早々に向けてた画面を元に戻す。

 ヒロキくんについての記述が無かったので見せたが、倫理審査委員会の文字は見えちゃったかな。

 

 いや、全然……ヤバい研究してるわけではないのよ。

 

 

「植え替えの方はひと通り終わりましたが、午後はお送りしましょうか?」

「へ、植え替えもう終わったんです?」

 

 今日の橋波さんは、この阿笠研究所の裏口側の一角に、木馬荘から救出された生き残りたち数本、私の野菜たちや彩りのお花ちゃんなんかの移送と植え替えをしてくれていた。

 地味に水やりとか、私が入院中も菜園のお世話してくれていたようで、だからこそ『赤い人』だったらしいが。

 

 数年前の家庭菜園の跡地を掘り返して耕し返して、からの作業だったから、救出出来た野菜たちは少ないとはいえ、大変だったろうに。

 

 しかし、驚いた私を不思議そうに見てから、橋波さんは得心がいったのか、あぁ、と小さく頷いてから、クツクツと笑った。

 

「“もう”? ……フッ、随分集中されてたんですね。お昼、過ぎてますよ」

 

 言われて見た画面の時計は、12時過ぎ。

 あれまぁ!

 

「え、それじゃあ橋波さん、お昼抜きで作業して下さったんです?」

「抜きも何も。今でもまだまだお昼ですよ」

 

 キッチンで手を洗ってそのまま冷蔵庫から作り置きの野菜炒めと、下からは冷凍ご飯を取り出している橋波さん。

 本当なら、私が長時間キッチン立たなくてもいいように用意されたそれを出して、温め直してから、「お昼休憩を」と橋波さんに声掛けるべき所を!

 

「え、いえいえ、大丈夫ですよ橋波さん。用意しますから。座ってお茶でも飲んで、休んでください」

「そういう沖矢さんこそ、座っててください。君に極力何もさせるなと、あちこちから指示を受けていますからね」

 

 にこりと橋波さんが笑っている。あちこちからって、小林くんや新一くんからだけじゃないの?

 え、もしや灰原さんからも?

 

 

 申し訳ない気持ちと同時に、私経由でも灰原さんと彼の間にちょっとでもやり取りが生えてたならそれはそれで嬉しいというかなんというか……

 

 

 いやでもこの人になんかこういう雑用やらせるのはなんかしのびねぇっすよ。

 

 

 あっ、こら!

 冷凍ごはんはあたためボタンだけでいいから!時間とか決めなくていいから!ラップ剥かなくていいから!

 熱くなるから皿の上であたためて!

 

 

 あんた、なんか地味に家事はちょっとダメ臭いの、ここ何日かでよくわかっちゃったんだよ!

 

 

 ■

 

 

 

 温めてもらったごはんと野菜炒めを取り分けてくれたものと、適当に沸かしたお湯で作ったインスタントスープとインスタントのコーヒー。

 

 コーヒーと中華風な野菜炒め、合わなくない?

 

 ……と思いながらも、用意してもらったんだから文句も言わず、阿笠さんの作ってくれたしょっぱい野菜炒めを頬張っていたら、食べるのが早い橋波さんがにこにこの顔で首を傾げた。

 

「むしろ、代わりに行ってきましょうか?」

「はい?」

「この通り、同じ見た目なわけですし」

 

 私を指さして、その後自身の顔をくるりとその指で示している。

 要は、足を怪我して動きにくい私の代わりに、大学の手続きやら更新やら、配管点検やら倫理審査やらに臨んでくれるとのこと。

 

 

「……ええ? 流石にそれはさせられません。というか、それで成りすまされては困ります」

「おや」

 

 私の学生証だけなら頼むかもしれないが、その他の用事が色々と……問題ありありなのでね。

 特にヒロキくん関係は、ヒロキくんやノアズ・アークが私を信じて任せてくれてるものが沢山ある。

 ひょいと渡せるものではない。

 

「……意外ですね。てっきり、そういった所は……」

 

 ………………しかし、言葉はそこまでで、コーヒーをひと口含んで止めてしまった。

 おい、言葉を切るなよ。『緩いのかと思った』とか?

 

 そりゃ“私個人”なら別にいくらでも貸せるのだけど、ヒロキくんとか、扱うデータの話は別だからね。

 

 橋波さんのこと、信じてないとかでは無いんだよ!

 

「では、やはりお送りしましょうか。東都大学ですよね」

「そうですが……今日でなくて良い話なので、大丈夫ですよ。小林くんか阿笠さんに頼みますし」

「おや」

 

 自分には頼まないんだ、フーン。……みたいな顔?

 あんた、そんなにひょいひょい出歩いて良いのか?

 ……出歩かれても、私を知らない限り私と見分けつかないし、今の私が勝手にフラフラ動けないのに動いてる!なんで!となるのは余程私と親しい人でもない限りはそんなに心配はされないだろうし……だから……まぁ……

 大丈夫……ではあるのか……?

 

「ふむ。では今日はまた、あの邸の掃除の続きでもしますかね」

 

 ああ、植え替え終わった後の午後の予定、決まってないからその話をしたかったのか。

 

 私が入院してる間も、蘭ちゃんたちが掃除していてくれたから中はそれほど散らかってはいないだろうが、彼が自分で住みやすく整えるにはまだまだかかるだろうからね。

 

「いいと思います。そうだ、今度 業者を呼びますので、庭の方に私物は置いておかないようにしておいてもらえますか?」

「……僕がやりますよ?時間はありますし」

「ふふ」

 

 素人は黙ってろ――とは言わないが。

 やる気あるのは良いのだけど、庭いじりなんて始めると後から後から気になるところ出てきちゃうし、あの庭は工藤夫妻のこだわりもあるだろうからね。

 定期的に業者は入れているが、知らんものあったら聞かざるを得ない。

 

 ……あれか。業者(知らない人)を入れて欲しくない的な意味だった?

 まぁまぁまぁ。信頼できる……人だと思うし。そっちに対しては私のフリしてくれて良いし。

 

 

 

 そんな遅い昼ごはん食べながら、橋波さんが片付けまでしてくれるつもりなのか私が食べ終わるのを待っててくれて恐縮しながら急いで食べていたら、今度は研究所の玄関側からチャイムの音。

 

 橋波さんと顔を見合せて、彼はひとつ頷いた。

 そのまま、こほんと軽く咳払いしてから彼は玄関へ向かってくれて、来客対応までしてくれるつもりらしい。

 

 やだ、便利……

 

「あれっ?沖矢さん? 」

「あーっ!なんで立ってるのよ沖矢さん!動いちゃダメって言われてるでしょーが!」

「あ、おふたりとも、この人は……」

 

 む。

 この賑やかな声……

 

「蘭ちゃん、園子さん、本堂くんですね」

「えっ?」

「えっ?えっ?あら、なんでそっちからも声が……」

 

 カウンターから見えるように手とタブレットを伸ばして左右に振ってみせると、パタパタと足音と律儀な「お邪魔します」の声が聞こえる。

 

 

 

 ……ん?

 ︎︎本堂くんには雑談ついでにお兄ちゃんの話はしてたが、蘭ちゃんたち、知らなかったっけ?

 

 

 

 





知らなかったっけ?


システム周りは嫌がらせ2割仕方ないの3割設定4割ふんわり1割なので真面目には見なくて大丈夫です。
行かなきゃいけない理由のためだけですので決してディスっては……

読んでいただきありがとうございました!
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