昴くんはなにもしない   作:あまも

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お盆ですね。墓参りとかで少し忙しいので更新が遅いか早いか二択です(遅いかも)。すいません
ナンバリングに困りましたね。


誤字報告ありがとうございます!!!助かります!!

閲覧ありがとうございます!


21-1:都市伝説と大阪モン

 

 

 

 景光くんが杯戸町の東都銀行でお金おろしに行ったら銀行強盗に巻き込まれたりしたそうな。

 

 もしかしてなんだけど……米花町が犯罪都市なのではなくて東都そのものが悪性隔絶魔境ってコト?

 確かに新茶(ボンバーマン)新アサ(怪人二十面相)もホームズ(フリーク)もおる……!はわ……!

 

 だからただのミステリーサスペンスラブコメにしてはやけにバトルが多くて、すぐ事件が起きてたのか……

 などという冗談はさておき。

 

 

 景光くんに事件での状況の解決方法を、詳しくは聞いてない。

 けれど、金を回収し終えて油断した去り際の犯人の2人組を強襲して、意識を刈り取った後誰にも気付かれずに銀行から姿を消した謎の青年が居たとか居ないとか……

 現場に居合わせた人々が口々にインタビューで答えたと、テレビの報道ニュースとネットニュースと掲示板で話題にあがっていた。

 

 名乗りもせずに立ち去るというヒーロームーブに、掲示板は賛寄りの賛否両論だ。

 否の方の意見も、あまりに眉唾過ぎて幻覚を見るような、錯乱系の薬物でも撒かれていたのでは?という、そんなヒーロー存在しない方向での批判。

 

 というのも、誰もその青年の顔や背格好を覚えていないという……

 

 妖怪の類を囁く掲示板も出てきた。

 事件現場に頻繁に現れる、メガネにジャケット姿の小さな座敷わらしの噂もあったり。公道を爆走するスケボーに乗った子供だったり、爆発は春の風物詩だったり……

 新たなるヒーローの東都七不思議入りも夢じゃない。

 ……東都七不思議、集めると7個どころじゃなく聞く人によって内容は変わるから、実は既に入ってるかもね。

 

 

 メッセージで彼に『何やったの?』と聞いても、三毛猫アイコンの返事は『頑張った!└( 'ω')┘ムキッ』だそうで。

 だからなにやったんだよ。

 あと本当に顔文字気に入ったのな。どこで学んだ?

 

 その後、景光くんからの、

『手慣れてないのに妙に段取りと手際が良くて、銀行側からも大金がすぐに出てきたんだよ。

 まるで、用意されてたみたいに。

 銀行員のお姉さんも強盗の声に覚えがあるとか言ってたから、もしかして……あの強盗、銀行の関係者じゃないか?』

 とのタレコミから、東都銀行杯戸支店が管理している金の動きを私とノアズ・アークでちょいと見てみた。

 結果、何やら不穏な物を感じたので零くんに報告。

 零くんの方から、捜査一課三係の方に連絡してもらって……無事、強盗幇助でしょっぴかれることとなった。

 こういうの、普通に窃盗罪で良くない? なんなら余罪もありそうだ。

 

 とりあえず無事解決!

 

 

 後日談としては、新一くんがこの間の阿笠さんが怪我した古城での事件についての話をしに警視庁に行った時、噂のヒーローについて心当たりがないかと高木くんに訊かれたそうな。

「小林さんだよね?」と詰められ、「チガウヨー」と顔を逸らす景光くんが見られた。

 

 …………なんか高木くん、“高木くん”って言いたくなるのなんだろうな。佐藤さんに釣られたかな。

 

 

 ■

 

 

 

 東京観光に服部くんと、彼の幼なじみの和葉さんが来たぞ。

 

 

 足は任せろバリバリー! と、張り切って車を出したのだけど、実は東京というのは車で観光する街ではなかったりする。

 

 駅も電車の本数も多く駅前に観光名所……いや、観光名所の前に駅があるようなものだから、わざわざ車の駐車の事を考えるより人間単体で移動した方がずっと早いという……

 とはいえ歩数は嵩むし、駅は階段も多い。

 

 実際体力の調子は本人たちに聞けばよかろうなのだ。

 電車プランと貸切タクシー状態を選んでもらった結果、貸切タクシー運転手の私となった。

 

 人数的にも、平均より背の高い成人男性2名と高校生3名(内訳男1女2恋心有)と幼児を添えて、とやや手狭なので、基本野郎共は電車、適宜車で女の子の移動、となった。

 その方が良いと思う。

 

 女の子のところに幼児こと江戸川コナンくんが入らないのは、服部くんの愛ってやつなのか新一くんのプライドか……服部くんがコナンくんのこと小脇に抱えて、蹴られてもなお離さないもんだからしゃーない。

 

 

 ひとまず買い物がしたい、と渋谷の街にて洋服の買い物中の蘭ちゃんと和葉さんの女子組と、朝飯が足らんわと言って食べに行った男子組とで分かれた。

 

 この2組を、早い方を駅に送るなりそのまま次の目的地向かうなり……今日は大体こんなんばっかになるかな。

 

 面倒という気持ちは確かにある。

 しかしそれ以上に、服部くんには新一くんの身を護って貰った恩が一方的に発生してるので、この程度で返せるとは思わないが存分に東京という雑多で複雑な街を観てもらいたい。

 あと幼なじみちゃんと仲を深めていただいてね。

 

 

 大抵女子のが買い物は長いものだと思って飯屋付近で待機してたのに、予想が外れて蘭ちゃんと和葉さんの回収が先になった。

 

 洋服買いに行ったのに?意外だこと。

 

 そしてこちらの回収の合間に、東京の満員電車乗りたいとかいう理由で男子組が電車で明治神宮に向かうことになったらしい。だから、こちらもこのまま向かうことに。

 

 初対面の女の子を乗せての移動で、蘭ちゃんが頑張って場をもたせようとしてくれてるが、どうにも私の言葉が上滑りしてしまう。

 

 だってなんか……彼女さぁ……

 女子同士だし、和葉さんと蘭ちゃんは仲良いのかなと思ってたら意外とそうでもないみたいというか……なんだか服部くんたちと我々で合流して以来、イライラしておられて…………

 女の子のイライラスイッチ、理解できないところで入るよね。

 

 わからなすぎて話しかけにくい……

 

 

 ま、私が人に話しかけにくいのはいつもだけどね!

 

 

「……ねぇ…」

「ん?なに?」

「何怒ってるの?」

「え?」

 

 

 突然、後部座席でレスバ開始の気配。

 

 や、ヤァ〜ッ!蘭ちゃん!!?

 そんなド直球に!!

 

 これがコミュ強ですか?!

 

 

 しかし蘭さんが上手いこと聞いてくれたところによると、蘭さんの服装が本日の服部くんの服と同じボーダー柄で、なんなら以前大阪に来た時もペアルックだったから、そんな仲良し感見せつけてきて、まったくもってやらしいわぁ恥ずかしいやつらやわぁ気色悪ぅてかなんわぁとのことで……

 

 やらしいてちょっと……子供も聴いてるんですよ(ノアズ・アーク)。

 

 シート後ろからそんな赤裸々な話が聞こえてきてちょっと困る。アオハルが強過ぎて陰のものが住みづらい環境作りが進んでてぇ……

 服装ひとつでそんな……どうでもいい話題過ぎてなんも言えない。

 ペアルックの話しだしたら私と秀吉どうなっちゃうのさ。無頓着過ぎてそんなこと気にしたこともない。

 

「……え? あ、アホ!ここ町ン中やで?!」

 

 和葉さんの戸惑った声にルームミラーを見ると、徐に蘭さん、買い物袋から買ったばかりの服を取り出し、自分の服の中にもごんと突っ込み、袖を抜いてもごもごと…おい待て待て待て待て待て!!

 

 待て!!!!

 

 

 子供も聴いてるんですよ!!(ノアズ・アーク)

 

 慌ててルームミラーから目を逸らし、赤信号で停車中なのをいいことに横断歩道を渡る人々の行動観察に専念する。

 

 き、衣擦れの音が耳に入る……!やだぁ……

 

 ぷは。と息をついた声が聞こえて、チラっとだけルームミラーを見ると、無事着替え終わったのか、ノースリーブのこれまた可愛らしい格好の蘭ちゃん。

 横は呆気にとられた様子の和葉さん。

 

 ヒン…女子高校生の生着替え音とか……小五郎さんとクリスさんに殺される……!

 

 何故だか楽しげにし始めた女の子2人。仲良くなれそうで良いんだけどさぁ。

 

「あの……私の存在忘れてます?」

「「あっ」」

 

 

 君たち人の存在を定期的に忘れるね本当に!!

 影薄いつもりも気配消してるつもりも無いんだがね!

 

 実は小五郎さんだけは忘れないでくれてるのホンマに……普段から粗雑なくせに!!逆に!逆に怖い!!

 

 ■

 

 

 原宿駅前で2人を降ろして、私は明治神宮第一駐車場に停めてから合流しての明治神宮。

 そこで出会った重松さんという執事さんと、片桐さんという女性。服部くんの東京来訪の本来の目的である、お母様の同級生の息子の結婚式……の花嫁さん。

 

 なんだか嬉しくなさそうだな。とも思ったが、そこは私、人を見る目が無いのでね。これはマリッジブルーってやつなんだと思い直す。

 そういうものなんでしょう?

 蘭ちゃんたちもそう言ってるし。

 でも服部くんたちはそうは思わなかったという。

 この場合、女心のわかる女の子を信じるべきか、人の内面も見抜く探偵ボウヤたちを信じるべきか……この探偵ボウヤ共、女心のわからなさ度合いは私とどっこいかそれ以上だし、この場合は信用ならんな。

 

 その後、何故か森園家にお呼ばれする運びとなった。なんで?

 これ前に経験ある流れじゃん。絶対殺人系の事件が起きて巻き込まれるやつじゃん。

 今回こそは、私は余計なことせず大人しく果報を寝て待つとしよう。

 前回のように、特に何もしない癖に妙な余罪を犯人に付与した、無駄な役目はいらないのである。

 

 というわけで。

 重松さんの車に服部くんと和葉さん、私の車に毛利御一行を乗せ、洒落た洋館は森園邸前。

 

 桜庭さん、という、どことなく景光くんに似た雰囲気の執事見習いの青年が樹上から飛び降りて来たり、その彼の腕から飛び出した猫が私に飛び付いてきて一悶着あったり、小姑が意外とお茶目そうでこの人は被害者でも加害者でもなさそうな気配がしたり色々と騒がしくしたわけだが。

 

 なにはともあれ、私は玄関先までお見送りして、もし毛利御一行が帰るならその時は再度連絡をくれるようにと伝えて車へ戻る。

 どうせ新一くんたちは帰らないし、事件が起こるだろうからね。こんな所に居られるか!私は帰らせてもらう!!ってやつだ。

 

 これもまた意外なことに、帰ろうとする私を引き止めたのは新一くんと……服部くんだった。どことなく面白そうに、にやりと笑いながら服部くんが新一くんと私を皆から離してコソコソ話を始める。

 

「ホンマに(こォ)へんのか?沖矢ハン」

「ええ。コナンくんの事、よろしくお願いしますね服部くん」

「……森園家に何かあるの?スバルさん」

 

 何かってなんだよ新一くん。そんな警戒をしなくても森園家には何もないでしょ、たぶん。

 これ人間関係が上手く情報伝達出来ていない感じ。

 

 森園家に関しては私は知らないぞ。調べてもいないし。

 

「じゃあ、勘?」

「うーん、たぶん……」

 

 たぶん。事件は起こる。展開がそうだもの。結婚間近の女性が巻き込まれる事件はここまで新一くんから3件くらい聞いてるし。

「何があるかはわからないです」

「何かはあるんだな」

 

 私の推測を、そんな真面目に頷かれると困るんだが。

 この間の景光くんたちとの話で上がった、私のやっつけ山勘の正答率確認しようとしてる?

 

「何もないかもしれませんよ?」

「スバルさん、この間の長門さんちの事件のこと思い出したでしょう。着いてからちょいちょい頭触ってたし」

 

 むむむ。怪我した頭に触ってたって、別に思い出したからとは限らないだろうに。

 ちゃんと伸びた後、知り合いの美容師に笑われながら気にならないくらいにぼやかしてくれたので今は何の違和感も残っちゃいないけど。

 

「……オレとしても、スバルさんが怪我しないのが一番だから帰るのはいいのだけど……」

 

 あらやだ、そんなこと言ってくれるとは。

 その理論でいくと、私としては皆が怪我しないのが一番なのだしとっとと帰って欲しいんだが。

 

「……『服部へ、大阪での礼を返す』って張り切ってたアンタが、服部の観光が終わった以上ここで帰るのも確かに頷けるが、なんか違和感がある」

 

 あっ! 服部くんが何となく今日の私への当たり方や態度がマイルドだったの、私の言葉を伝えてたからか?!

 しかし違和感と言われてもな。邪魔になると悪いから、以外ないぞ?

 

「何かあるなら……」

「いえ。このままだと私邪魔になりそうですし」

「……兄ちゃん、あん時怪我したの気にしてんのとちゃうか?」

「まぁそれもありますね」

 

 今回はそうはさせない。私が何かしなくとも、結局この2人なら事件解決できるのだし。

 

「……やっぱしあん時、幸さんのことタイプやったんやないかコレ」

「今回はタイプの女性がいなかったってコト?」

 

「風評被害!!」

 

 おっと、心の声が飛び出しちゃった。2人してこしょこしょと……人の事、妙な覚え方してくれちゃって。

 

「わかりました。では、杞憂なら良いのですが、私から探偵のお2人に依頼を。

 ……何か行き違いというか、すれ違っているような……思い違いがあってトラブルになりそうな気がします。先程の重松さんの様子を見てましたよね?」

「スバルさんが気になってたのはアレか」

「せやな、あの時重松ハン、慌てて訂正してたな。アレが関係してる何かが起こるんやな?」

「確証はありませんからね」

 

 断言しないでほしい。

 現状、森園家関連で出会った重松さん、片桐さん、森園さん、桜庭さんの4名誰も、被害者でも加害者でもなさそうな、良い人のように見えたのだけが気掛かりなのだ。こんなお屋敷の話で4人もいて悪いことして無さそうな人しかいないなんて、何かしらの勘違いが原因って展開が1番話としては丸い。

 …………なんていう、自分の信用ならないものを当てにした、根拠とも言えない断言も出来ない当てずっぽうではあれど……

 

 マジで私が余計な事しなければ、この2人なら事件が起こる前に気付いてなんとかしてくれそうだと思った。だから帰る。

 

「後顧の憂いは断ちたいでしょう?……結婚式なんて晴の舞台。悲しい顔では勿体ない。森園家と片桐家に何もないか、改めて一応こちらで調べてみます。が、人間関係については私は門外漢ですから。そこはお2人にお任せします。

 不安のない結婚式にしてあげて下さい」

 

 私の言葉を真面目に聞いていた2人は、合点がいったのか各々なるほど、そういうことかと頷いた。今何を納得したの?

 

「結局美人のためやったか」

「スバルさん、いっつも言ってるもんね、『美人には笑顔が1番似合う』って」

 

 だから!!違うって!!

 ……違わないかもしんないけど!

 

「森園さんの結婚式について、不穏なものが無いかの確認のため、機材のある所に戻るってことなんだね、スバルさん」

「え、あ、えぇ、そうなりますね…」

「それならそう先に言うてくれや。変な勘繰りしてもうたやないか」

 

 生暖かい目で見上げてくる江戸川コナンくんと、バシバシと人の背中叩いてくる服部くん。

 コイツら、この、探偵ボウヤ共がよ……!

 

 

 とりあえず離脱!!

 こんな所にいられるか!私は帰るぞ!!

 

 

 





東京旅行って駐車場に困ります

読んでいただきありがとうございました!
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