昴くんはなにもしない 作:あまも
いつまでエタらず続けられるか分かりませんが、更新が無くなっても気楽にお待ちいただければと思います。
イロモノではありますが、読んでいただけてありがたい限りです。
ストーリーとしての進みは遅々としたものですが、元々日常系のつもりだったのでどうかお許しください。
そして14番目を忘れていた件
感想ありがとうございます!
読んでいただきありがとうございます!
結局、食事時や寝る時以外工藤氏にご指導ご鞭撻していただいてしまったり。
どんだけメタメタになっても最終的に1度すやと寝てしまえば、ケセラセラな心持ちでメンタルリセット出来るのが私の唯一良いところ。
その前でも、一旦後で考えようねの思考はいつでも切り替えられる。
保留癖はあまり良くないけれど、死にたくなっても死のうとしてないのだから一旦置いとくのはいい事には違いない。
本気で死ぬわけにはいかないんだけど、頻繁に死にたくなりがちなのはコミュ障のサガと言いますか……
今どんぐらい保留してる事あるのかって、そりゃもう……考えたくない量あるけど。
たまにはゆっくり、今なら解決できることもあるかもしれないから思い返してみろとは言いますがね。その日その日を生きるのに精一杯ですよこちとら。
しかしまぁ、今回は良い機会となった。
正真正銘全てが出来る賢人に、『お前はここが良くないから、こうしていけたら良いよね』と言ってもらえるのは良いことだ。
改善出来るとは言ってないが、改善しようと努力することはできる。
完璧にはなれないが、目指すことは誰だってできるからね。
問題は、このたび言って貰えた助言のひとつが、『昴は自己評価が低いね』だったのが納得いかない。
私、自己評価結構高いつもりなのだが。
なんてったって
以前の私なら、景光くんやヒロキくんや零くんと友達になんかなれやしなかっただろうし。知り合えたとしてもここまで縁が繋がってるはずがない。
この技術力の高さを維持できているのは、ひとえにこの体がどの方面にでも伸ばせるスキルツリー構成してたお陰である。
それを管理しきれない私が、こうして一芸特化型なんて無駄な使い方してるわけで……
本来赤井秀一と安室透は並び立つレベルのライバル関係なんだから、その赤井秀一とほぼ同スペックあると思われる沖矢昴だってやれば出来る……はずなのだ。
「やりたくねぇ〜」「やれるわけねぇ〜」とか泣きごと言ってる場合じゃなくなってきたし、競技クレー射撃とかまた再開してみる?
久しぶりに織田さんとも連絡取ったことだし。
最近は零くんに巻き込まれて、何となくそれなりにやってた筋トレも、しっかり筋肉育成メニューとして考えられた構成にされてしまったせいで様になってきてしまい、今回の旅でも3人分の荷物を抱えて移動しても苦では無かったし……
荷物持ちに使える程度の筋力は必要か。
とはいえ武芸は……武芸は流石に……
「合気道とかはどうだろう。あれは迎え打つものだが」
とは紅茶を嗜みながらの工藤氏の言。
合気道。相手の力を上手く使うってやつか。なるほど……?
1回だけ、警察学校に通っていた頃の景光くんや零くん相手に逮捕術の特訓に付き合った時、「こういうのもあるぞ」と、袖を引いたり受け流したり足を引っ掛けたりの極々軽い力でも、相手を転ばせる手段があると教えられた、あれだろうか。
「受け身取れないと痛いですよね、あれ」
「そうだな」
頭から落ちたりしたら脳震盪でポックリかもしれないし……でも確かに、動きとかもう少し頑張れば、スタンガン当てるのも楽にはなるのかもしれない。
合気道かぁ……
「昴がその気になるとは思わなかったが、最近はそれほど危険が多いのか?」
「そうですね……とりあえず、優作先生の扮した
「護身術は大事だな。あまり女性を怒らせてはいけないよ」
「はい……」
あれ、なんか私を襲った相手、全員女性な気がするな……最悪なモテ気か?
「ヒロキくんとの開発は順調か?」
「ええ、ノアズ・アークは今も勉強中です」
「Nebulaはどこまで?」
「……進行度としてはゼロです。ノアズ・アークに分割思考が可能である事がわかって、このままだとノアズ・アークを使えばNebulaも再現可能だと分かってしまったのがどうも……」
「作る意味に悩んでいるんだな」
んまぁ……そうなる。
私の作りたかったものが、ノアズ・アークなら出来てしまう。
なら、新しく作るより、ノアズ・アークの学習に力を入れてやれば良かろうなのだ、と。あたり前田のクラッカー。
ノアズ・アークの方もその方が良いよと言いたげに、私の理想としたAIのような動きを見せてくるし……
それほど得意でもなかったボードゲームの学習も積極的なのは、ヒロキくんの性格の模倣からくる子供らしい負けず嫌いかとも思っていたけれど、ここまでくるとNebulaの代わりになろうとしている動きにも見えてくる。
なんならサブカルチャーやゲーム好き方面の成長してるの、もしかしなくても私のせいだろこれ。
ちなみにこの話、今もノアズ・アークが聞いてる訳だが。
返事は無い。訊ねてないからそりゃそうだ。
「……ノアズ・アークは自己の成長に貪欲です。学習の機会を増やす為、私の開発リソースを自分に割かせようと彼なりに努力してくれている。……その個性を、成長を、見てやりたいと思えてしまって……わざわざ新しく開発し始める必要も無いですし……」
脳内めちゃくちゃな自覚はある。心がふたつある〜ってやつ。3つにまとめるのも難しい。
ぶっちゃけ、物覚えの悪いバカと賢い天才に1から10教えるとして。
丁寧に教えなきゃ伝わらないバカの世話焼くより勝手に10に辿り着いてる天才の方が見てるだけで楽って話。
ま、どっちも私より賢いのだけど。
とはいえ自分好みを詰め込んだ『自作』って言葉には憧れと執着が拭い切れない。
かといって、ナンバーワンが確定している所に産まれた
「悲しみを背負わせたくはないのだね」
「ふふ、かっこいい表現ですね」
人格のあるものを作る気は無いが、どこぞの人造最強遺伝子モンスターのように『誰が産めと頼んだ、誰が作ってくれと願った』なんて言われたら立ち直れる気がしない。
全部まとめてノアズ・アークがスゴすぎるのが良くないよ〜
今、ヒロキくんと秀吉の天才2人の良いとこ取りみたいな性能になってきてるんだもの。
このまま順調に景光くん、零くん、阿笠さん、灰原さん、新一くん、工藤氏あたりの天才達の思考とか学んでいったらどうなっちゃうのかと。
ここにポンコツをひとつまみ、ってね。
……うん……人格は与える気はないけれど、比較は学習には大事な要素。入れれば必ず、ノアズ・アークと自己性能を比べるだろうし。
資金より何より、行き詰まってる点はそこなのである。
「どうしても自作に拘りたいのか?」
「ノアズ・アークはヒロキくんのものですから。保育園でお預かりしてる園児みたいなもので――」
『――お兄ちゃんのことは、“お兄ちゃん”だと思ってるよ、ボクは』
「――――」
「昴?」
耳から聞こえたのは、ここまでダンマリだったノアズ・アークの声。
はげましのつもりか、はたまた別の意図かは直ぐにわからないが。
お兄ちゃんってのは、案外近くて遠いもんだぞ。
「……この問題はまだ先延ばしに出来そうなのでまだ大丈夫です!」
「……そうか」
なんにせよ、ノアズ・アークが上手くいっているなら余計なことしないで見守ってやるのが良いだろう。
なんやかんや言おうが、資金不足なのは間違いないし。
次の論文の題材、勝手に喋り出す人工知能に人格はあるのかってのどう?
……あーあ、考えないようにしてたのに。
「――そろそろ札幌駅ですね。駅ホームで犯人を待つんですか?」
「あの小説通りならそうなる。カマを掛けた青年が、人混みの中ホームから突き落とされる……有希子がその役回りをするのか……あるいは」
「あるいは?」
「……いや。ホームに着いてから見ようか」
何を?
思わせぶりなこと言って、確定するようなことは言ってくれないんだからまったく!
■
さて、解決編である。
札幌駅にて、無事……無事?北斗星3号が遅れていると確認した工藤氏は薄く微笑んだ。
何かが想定通りだったらしい。
我々3人分奢ってくれると言うので、札幌駅前でカニを食べて、2人をJR展望台タワーへと連れていき、そこから行きたいところ探しておいてもらって、駅へ戻ると、無事北斗星3号は到着していた。
私は工藤氏と7番ホームへ。
…………向かいのホームに小さい子供がキョロキョロと誰かを探しているのが見えるんだが、あれ新一くんじゃない?なんで?
……………………ああ、そりゃそうか。事件だもんな。事件が先か、新一くんが先か、みたいな話だな。
…………って事は?
「沖矢?」
「ワッ」
背後から声をかけられてビックリしてしまった。
なんてことない、普通の青年。小林くんである。まるで羊蹄山に登山にでも来たかのようなハイキング装備。
いつも通り、偽装は完璧なようだ。
「小林くん…ビックリさせないでください」
「沖矢も有希子さんの様子を見に来たのか?」
「いえ、私はたぶん出番は無いですよ。優作先生がネタばらしまで全部やると思います」
「そっか。……いやー、今回の事件も結構大変だったぞ」
「お疲れ様です」
変装の勉強に必要な道具は、カバンを2重にすることで隠して持って来ている。
今回は事件が起こるかもしれない事を考慮して、有希子さんに協力してもらっての潜伏となった彼だが、部屋は別なのに親しげな様子の彼らに、新一くんから母親の浮気相手と疑われて大変だったそうな。
そんなことはない旨を必死で伝える無駄な時間を使ってしまったと。
正体が景光くん……もとい小林くんだとわかって安心してもらえたので事なきを得たが。
彼女の変装術を教わりに来たのだと、ご理解頂けてなにより。
さて、目の前では工藤優作氏による推理ショーが開演している。こいつぁレアだぜ。
その目で見てきたかのように犯人の行動を言ってるが、この男、乗ってた列車は別である。
小林くんに目を向けると、尊敬の眼差しで工藤氏を見つめていたので状況は彼の言う通りで合っているらしい。
「……合ってます?」
「合ってるはずだ。出来事は少なくとも合ってるよ。工藤先生、兄さんみたいでかっこいいよなぁ…」
兄さん……ああ、長野県警にお勤めの、景光くん曰く『超頭良くて超カッコイイ超頼りになる』お兄さんね。
会いに行かせてやりたいが、長野県警、なーーーーんかきな臭いと零くんと噂してたんだよなぁ。巷に拡がる物騒な凶器の数々、出処が……
ワンチャン、公安案件かもとかなんとか。
行くとしたら、一旦警察関係なしに私が新一くん連れて行って事件に遭遇してみるとかの荒療治であっちの県警察職員に繋ぎ作ってみる……とか……?
まぁそっちはおいおいだな。景光くんにはもう少し我慢しといてもらおう。
ちなみに北斗星の事件の方。
更に新一くんのアシストも入り、犯人は言い逃れも出来ず、工藤氏に諭される形で無事解決となった。
……なんか最近、薬物によって拗れた事件が多いな。……景光くんがそういう事件に絡んでる……のか?
てかまた拳銃を一般人が持ってる……ネ!
正義の心〜!
■
耳役として小林くんに通話を繋いだまま新千歳空港への工藤夫妻のお見送りに新一くんを連れて行って貰い、私は阿笠さんと灰原さんを連れて北海道神宮へお参りに。
向かう前に、ご挨拶に伺ったら小五郎さんには怪訝な顔されたが、小林くんの取材旅行に一緒にまとめて予約取ったんですよ〜で無事通った。チョr……
小五郎さんと蘭ちゃんには仕事の取れないフリーライター(メイン職アルバイト)で通っている小林くんである。
フリーターじゃないよ。フリーライターだよ。
灰原さんは腿の傷もあるので、嫌だろうけど私が背負い、足代わりになっての参拝だ。
蝦夷の新 一の宮にして日本有数の一大パワースポット。北海道だけあって敷地は広いし、階段も参道も長いし、一部は山道に近いから、まぁこれが結構歩くんだ。
その足では辛かろう。我慢してくれ。
阿笠さん。「そうしてると親子みたいじゃのお」じゃないんだよ。灰原さんに我慢してもらってる時にそういうこと言わないでくれ。
そして年齢差を明確に叩き付けないで。私まだ心はピチピチの若々しいつもりで生きてるから。
北海道神宮には傷の治療の直接的なご利益とかはないが、
開拓神社も行っとく?身体健全祈願しとく?
開拓のフロンティアスピリットパワーがこう……上手いこと……ね!
本人が『神頼みなんて…』と斜に構えた態度なので、ご利益あるかはわからないけども。
一方、通話先では工藤氏の小説のオチが簡単に解けてしまったとドヤ顔していそうな新一くんに、だからあの小説はボツなのさと笑い飛ばすなどという、天才小説家の大人げないのか本気なのかわからない話をしていたり。
静観と青函は寒いッスよ。
そして景光くんを海外に連れて行こうとするのはやめてくださいって。
確かについて行けば有希子さんの変装術、完璧に教えて貰えるだろうけど。
今回、とにかくパッと見までならギリギリ及第点貰える程度の変装を1枚教わるに留まった。芸術系のセンスの塊の景光くんでさえ半日ではその程度。
どの程度がどの程度なのかわからない分野なため、半日で1種類だけならギリギリ覚えた景光くんが凄いのか、詰め込めた有希子さんが凄いのか、1種類ギリギリまでしか覚えられなかった技術の奥の深さが凄いのかわからない。
……全部かもね。
あと景光くんももっとハッキリ断りなさい!
満更嫌でもなさそうな態度してるから2人が諦めないんだからね!
さてさて……ほとんど山に近い公園みたいなここならまだしも、テーマパークや街中をおんぶ移動は灰原さんも恥ずかしいだろうし、あまりあちこち動くのも、今度は阿笠さんが疲れるやもしれない。
今日の17時発の北斗星でとんぼ返りで帰るが、昼過ぎておやつ時すら迎えてない今、まだまだ時間はある。
……とりあえず、小林くんが戻ってくるまで、エゾリスでも探すかぁ!
……てか令和の大鳥居無いのか!
調子に乗って書いてたら8000文字越えてたので切りました。
そうしたら次がキリ悪くなりました。あまり別の人の視点に切り替えたくないのですが、どうかご容赦ください。
工藤先生に悪いところ指摘させてたらセルフダメージ食らってメンタルメタメタになったので切り取りました
ダメ人間に自己診断させてはならない……!
読んでいただきありがとうございました!