昴くんはなにもしない 作:あまも
劇場版の話すると、主人公が勝手に阿笠博士か工藤新一か毛利蘭の怪我の邪魔をして途中退場の流れしかないので、ほとんどの話はだいたい変わらないんですね。
だからあまり劇場版は、このお話では長くやらないのではないかと思っています。
現状、事件に絡んでもタンク役しかやることないんですよね……
閲覧ありがとうございます!
さて。バスがジャックされましたっと。
運転手の小林さんが脅されてるのを聴きながら、ザワつく車内と子供たちをチラリと見やる。
頼むから余計な動きをしないでくれ新一くんと子供たち。
灰原さんは、
まったく良くはないけど、良し。
そこは隣の新一くんに任せていいと思う。
バスジャックのほうも、たぶん最終的には何とかなる。
だってこの車内……反社会勢力ばりに真っ当な悪党とされる人と、それを狙う、元を含む公務員の人が3人乗ってることになってしまった。
しかも悪党とされる人にとって絶対に守りたいであろう人も乗っていて、公務員の方々はその職業の気質的に目の前で悪事働く危険人物がいたなら誰かしらが大怪我する前には動いてくれるはず。
なんなら正義の使者たる名探偵もおる。これなら推理もバッチシ。
ここまで揃ったら、ドヤ顔勝ち誇高笑いで待ってても勝手にみんなで解決してくれると思うんだが、そうは問屋が卸さない。
と言いますのも。
大問題なのが、バスジャック関係なしに悪党とされる人と、それを狙う公務員の人達の内訳なんだよなぁ!
全員身分明かせない状態で乗り合わせてるの何なの?もっと仲良くしろよ。
クリスさんは…………新一くんの目の前にいる限りは良い人のはずだし……
携帯を回収しに来た犯人に、荷物から取り出した折りたたみの携帯を渡す。素直に従いましょうね〜。
興奮させても面倒だし。
隣の女性も、震える手でトートバッグから取り出した携帯を犯人の差し出した袋に入れたが、彼女は耳に付けてるイヤホンマイクを指摘された。
「補聴器です……その、私…耳が、悪くて…」
「指示が聞こえなくなるのは、あなた方も困るのでは?」
か細い蚊の鳴くような声で、歯切れ悪くオドオドと、酷く怯えた様子を見せる女性。つい庇うようにして口出ししてしまった。
犯人は大きく舌打ちして、その隣の黒ニット帽の男へと声をかける。
どうやら、女性を気遣うくらいは許されるらしい。ホー…?
黒ニット帽の男は、ゴホゴホと咳をしている。ややわざとらしい。
上着のポッケに片手を突っ込んだままなの怖いんですけど。
「……あ、すいません…携帯持ってないんですよ…」
低くて小さな声でそんなことを仰る。うせやん。
もっとこう、持ってないアピールとかさ、媚びへつらう感じでさ…するわけないかぁ。
携帯持ってないらしい男に、犯人はまたもや舌打ちし、その隣。ギャルギャルした女性は、ガムを噛みながら反抗的。喧嘩を売り出す。
おいバカ、ここまで連続で思い通りになってない気が立ってる奴を刺激すんじゃないですわよ。
案の定、激昂した男が発砲。女性の顔の横スレスレに弾丸を撃ち込み、怯えた女性は大人しくするとのことで。
…………それでもなおガムをくちゃくちゃ噛めるの、豪胆だなあんた。見た目通りか?
その後、ガム女より豪胆なジョディさんが犯人転ばせて英語パワーで押し切って、新一くんにベリベリエキサイティングね!とワクワクさんしていたが。
どいつもこいつも豪胆過ぎて、こっちの肝が冷えますわ〜!
聞くところによると、何やら矢島とかいう男の釈放だのを要求したりなんなりしておられる。なんかそんな宝石強盗の話を、先月あたりに高木くんがボヤいてたっけな。捕まえた男が中々吐かなくて、二課の方々がピリピリしっぱなしだとか。
そこら辺のごまごました事は新一くんや正義の味方が考えてくれるだろうから、本気で私の考えること、やるべき事は……
今しがたこの、イヤリング型携帯電話で連絡とろうなんてウカッツな行動取ろうとしている名探偵ボウヤを守り抜き、
ばっかも〜ん!!
ほら見ろ、犯人さんたら戻ってきた。背中向けたからってその行動したんだろうが、アイツらミラーで何か確認してたぞ。
多少無理でも仕方ない。
「何してんだこのガ、キ…何だ!テメェ、いきなり立ち上がって!!座ってろ!!」
「すいません、この女性、酷く調子が悪そうで……せめて窓際と席を交換するだけでも許していただけませんか」
話のダシに勝手にしちゃった女性には悪いが、席の交換はしたかったし。提案するだけタダですよ。
そして言われる前に出てきてしまえば、戻るところは空いてた所さ。
前に出るついでに、前の席の背もたれに手をかけたその手で、新一くんの頭を極々軽い力で小突く。よーく見とくが良いさ。
男はたいそう機嫌が悪く、私に向けて拳銃のグリップを振りかぶり、殴ろうという動作。
……頭か。まぁ、それなら良いか。
ガツンと側頭部を殴られる。酒瓶より気合い入ってないな。そして撃たれるよりはずっとマシ。
「勝手に動くんじゃねぇ!――チッ その女!見える所に寝てろ!クソっ!そしてテメェだこのガキ!何持ってやがる!
勝手な行動する奴は容赦なく殺してやるからな…!」
……やっぱり、女性にはちょっとだけ優しいのかこいつ。
というか、1人に長く拘束されるような、面倒なことが嫌なのか。なるほど、なるほど。
新一くんの手からイヤリング型携帯電話をもぎ取って、男は最後のオマケとばかりに、倒れた私に蹴りも加えて前の方へと戻って行った。ミラーのよく見えるあたりで、前と後ろ、2人で手分けして監視中。
えーん、ぽんぽんぺいんぺいん。
あちこちから心配そうに声をかけられるが、吉田さんは席に戻ってもろて。案外このくらいならまだ生きてけるもんだよ。
起き上がるのをしんどそうに見せながら、新一くん側の座席に寄りかかるようにして立ち上がるついでに新一くんに顔を寄せる。灰原さんはフードの下顔面蒼白で俯いていて、新一くんは心配そう。
「……スバルさ、」
「頼むから、軽率に動かないでください。
小声で伝えたこれだけで、彼は気付いた顔をしてくれたので、この後は気を付けてくれるだろう。頭をひとつ撫でてから席に戻る。
……おっとっと、うーんうーん、あたまがいたいよ〜あいたたどんどん。
「とっとと席に戻れ!」
「はいはい…」
はっはっは。怒鳴りおって。
なるほど、確かにバスの車内の人数は多い。1人の動向だけ注視して見てるわけにはいかないのか。
てか急かさないでいただけます?誰だよ追い討ちにけっぽってった奴。朝のキウイ吐いてやろうか。
私がフラフラと遊んでる間に、女性は窓際の、私の荷物と上着に寄りかかるようにして詰めていたので、私は真ん中側、咳をする黒ニット帽の男の隣に座る。
ふふ。緑の目力強過ぎて草。目つきは悪いけれど、これは零くんで予習済み。睨むじゃなくて、観察中の目ですね。
隣の美人が、座った私の袖をつまみ、気を引いてきた。更に顔を寄せて、内緒話の距離。
ドキッとしちゃうからやめてほしい。
「……その……ありがとうございます。でも、あまり…刺激しないでくださいね…」
「いえいえ。吐きそうな時はそこにエチケット袋あるんで……あ、荷物漁ってたらまずいんですかね。外チャックなんですけど」
「えと……」
「ここですここ。この紙袋……あった、これです。中、ビニールもはいってるので、危なくなったら我慢なさらず」
…………口で説明しながら、荷物の外側のポケットから折り畳まれた紙袋を取り出し、女性に手渡す。
前に聞こえる程大きな声ではないが、荷物漁るなんて怪しい行動には違いないのに犯人達はこちらに来なかった。
ははぁ、なるほどね。
このバスの後ろの席は、乗降口以降ほぼ全員私の身内というか知り合いというか、身元割れてる人しか居ない。
犯人はミラーを見ていたが、新一くんは先程、椅子の陰に隠れてコソコソしてたのに犯人が真っ直ぐやって来た。見えてる人が合図したんだろう。
で、この中に、あの犯人に合図出せるのはさっきからくちゃくちゃやってるガム女しかいないってわけ。
ねっ、赤井秀一!
隣のゴホゴホやってる人を見ると、ずっとこっちを観察していた彼は反対隣のガム女を上から下まで眺め、目を閉じ、またゴホゴホ咳き込みに戻った。風邪はほんとなの?流行りなの?
今の私のガサガサやってたやり取りは、前の新一くんも聞こえてるはず。何かしらの手掛かりになればいい。
一方で、犯人たちはスキーバックを通路のど真ん中に、前と後ろ、均等に置いていった。新一くんが席を降りて、まじまじと観察しておられる。
おいバカ、手を伸ばすな。
そんなに気になるの?しょうがないなぁ。
「なんですか?これ」
あ〜私の無駄に長い足が当たりそう〜。
こっちに向かってきていた男が新一くんの後ろで止まる。私の方が近いもんね。1歩でしゃがむ新一くんを跨ぐようにして、間に入った。目の前に犯人の、ゴーグルかけた顔がある。
私もへらりとアホみたいに笑って見せて対抗。
「またテメェらか……おい優男、テメェこのガキの保護者だな?」
「ええ。やんちゃで困りますよね。この袋が子供の興味を引いてしまったのは仕方ないこととして、見逃してあげてくれません?」
その隙に起き上がった新一くんを、庇うようにしゃがみ、自分の体で新一くんと男との間に壁を作る。
できるだけヘイト稼がないと。
というか、ヘイトを稼ごうとしてる動きを見せなきゃならない人がいる。
そういう約束なのだ。
約束の不履行は契約違反。
め、面倒〜怖〜!
「ハッ! 言うこと聞けねぇ“ヤンチャ”なガキ、殺されても文句はねぇよな?」
「えぇ?それは文句ありますよ。どちらかというとこうやって明確にたてついたやんちゃ盛りな私を見せしめにした方が将来的に皆さん黙って大人しくなるんじゃありませんか?
ほら、先程撃たれたのにクチャクチャとガム噛むような余裕ぶっこいてる女性もおられることですし」
親指で背後の、顔についたガムを口に戻そうとしているガム女を示す。女はギョッと肩を跳ねさせた。
「あ、アタシ?!」
「正直あの人が撃たれなかったから私が調子乗ったまであるんですがあなた方あの人がもの凄くお2人をバカにしてると思うんですけどどうお考えで?ガム噛むだけならまだしも膨らませるとか遊んでますよあの人余裕すぎますよね?どう思います?」
「……ッ うるせぇ!調子乗ってんじゃねぇぞ!!!」
まくしたてたら私の言ってる内容やらあの女の放置理由やら説明の必要性を考えるのがめんどくさくなってくれたらしく、短絡的な事に、私に銃口向けてくれたのでOKです。
全然OKじゃないが。
いいんだよ。最悪守ってくれそうな人が4人くらいいるし。私は新一くんと阿笠さんをまもれそうなら良い。
これ、頭狙ってるけど殺す気かな。
さっきジョディさんがなにか銃に細工してくれてたし、たぶん大丈夫なんだけど、もう1人を誰かどうにかしてくれないだろうか。
と、そこに割り込むヒーロー。
「やめてください!」
え、智明くん!?
てっきりジョディさん辺り何かしてくれるかなと思ったのに。
でも嬉しい。
たとえ新一くんのためだとしても、やっぱり良い人だ。
智明くんは、ここで人を殺したら取引の計画が上手くいかなくなるかもしれないから、あの女性も撃たなかったんじゃないかと反論。
そうなの?そうかな?……たぶん違うが、それを理由とするのが一番
もう1人の犯人に、弾が当たったらまずいものがある、様なことを言われて舌打ちしながら引いていった。
「大丈夫ですか?沖矢さん。先程殴られたのも…」
「ふふ。大丈夫、大丈夫。
ありがとうございます、智ちゃん。さ、席に戻ってください。ね、江戸川くんも」
「う、うん……」
や〜心配してくれる智明くんまんま智明くんなんだけどこれクリスさんなのマジ?なんも変わらないよ。
強いて言うなら、心底心配だという表情なのが今の智明くんだが、実際の智明くんは問答無用で私の頭掴んで殴られたところ診てくれるかな。状況が状況なら服剥かれて腹晒されてたかもわからん。まいっちんぐ。
だいたい必要な事はもう出尽くしただろうし、これ以上新一くんが大暴れするタイミングはもうラストスパートくらいだろ。そうだと信じたい。
話のタネを擦り付けたガム女から睨まれながら席に戻ると、さきほど話のダシにされた美人が心配して私の人差し指を折れるんじゃないかってくらい強く握りしめてきた。
次は飛び出させてくれないらしい。
いやいや、もう問題ないはずだから。あとはチャンスを待つだけだから。
ジョディさんはジョディさんで、振り返ったり喋ったりと好き勝手しておられる。今の灰原さんに絡むのやめたげてよぉ…
新一くんのファインプレーと、智明くんと犯人に窘められて止めてくれたが、彼女、灰原さんの事も調べようとしてるのか?
ちなみに阿笠さんが咳止めの薬をポッケから取りだして飲もうとしたら犯人がやって来た。それも確認後、許されてはいた。ゴホゴホうるさいもんね。
……阿笠さんたら、悪化してない?大丈夫?
阿笠さんの咳止め薬、もらって飲みます?と隣のゴホゴホしてるもう1人、目つきの悪い黒ニット帽赤井秀一に声をかけると、いえ……と目を逸らして断られてしまった。
なぁんだ、アンタは風邪じゃないのか。
犯人の、だいたい考えがわかりそうな計画のもと、ゴホゴホやってる黒ニット帽の赤井秀一と智明くんが犯人の身代わり役に、そしてガム女が人質に呼ばれて前へ。
私だって身長は大体赤井秀一と同じぐらいだけどなぁ、なんて思ったが、なるほど。さっきから口答えしてうるさくて、呼んだらまたなんか騒ぎ起こしそうな、面倒臭い私を避けたのか。
せっかくヘイト稼いだのに。
もっと煽り倒してやろうかと意気込むも、隣の美人に手袋の回路がイカれそうな程強く手を握り締められてしまったので断念。ごめんて。
トンネル内で、犯人達の計画が進む一方、新一くんもジョディさんや少年探偵団に連絡している。
私には、隣の美人な女性を支えて、手が届くなら灰原のこと見てて欲しいとのこと。了解。
作戦決行やで〜!
後は流れでお願いしまーす、というやつ。
■
走行中急ブレーキ、転倒。それを好機と見るやいなや、犯人たちに襲いかかる数々の暴力。
赤井秀一が、いち早く首トンで意識を狩ろうと動いたが、その前に新一くんの神エイム麻酔針で倒れた犯人に、鋭い緑目を丸くしてマジマジと眺めておられる。
何か知らんが勝手に倒れた、みたいなもんだもんね。
その横で、フルボッコだドン!をキメたジョディさんがもう1人のほうに馬乗りになって英語で煽り散らかしている。
ちょっとアメリカ〜血の気多すぎ〜!
で、智明くんが拘束してるガム女は?
「い、今の急ブレーキで時計の起爆装置が動き出しちゃったのよ!」
うん!
爆破オチなんてサイテー!!
急いで車内から人間がゾロゾロと出ていく。私の荷物を美人に任せ…………良いから行けって。
あんたも面倒ごとになると面倒ごとになっちゃう人なんだから。
さて、灰原さんだ。
彼女は立ち上がろうとしていない。自嘲する表情は、ここで終わるのが最善とでも考えているんだろう。
ちょっと江戸川くぅーん!!!カウンセリングの予約しといてぇー!!
もう! 後のことは全部新一くんに任せることにしよ!
犯人が落としていったトカレフを全弾撃ち込んでリアガラスを割り、灰原さんが何やらもにゃもにゃ言ってるのも纏めて抱えて飛び出した。
ここハリウッドか?
安室さんとのトレーニングのおかげで受け身だけはベテランになりかけてる。前回りからの横受身。新一くんがかけてきてくれるが、その後ろに子供たちやら阿笠さんやら……高木くん!!
ごめん、智明くんとジョディさんは今は呼んでない!!
美人さんにインターセプトしてもろて。
「スバルさん!また怪我…」
「いいから。コナンくん、灰原さんをここから離すには?」
「……加工して、高木刑事に頼もう」
「了解」
おやおや、丁度こんな所に新鮮な血液が。
治ったばかりの左腕から伝って手首へと垂れる血を、抱えていたままの灰原さんの足に擦り付けて、服に吸わせる。
せっかくのおろしたての赤いコート、汚しちゃってすまんね。
……なんか女児の足に触るって、変態みたいじゃないですか。いやいや全然、やましい気持ちないです。
その隙に、新一くんが高木刑事を説得してくれて
自分の運命、ねぇ……
……っと、実際のところ、新一くんに怪我は?無い?子供たちも?阿笠さんも?
「無いよ。俺たちは大丈夫だった。……でも」
「それなら良いんです。今回は、事情がありました。あなた達が無事なだけでもかなり最高の結果だ」
今回は予定外が山ほどあったけれど、
しかも私は、クリスさんに新一くんを守ろうとしている意思をしめせたし。
大きく見るなら大金星じゃない?怪我のお釣りも来るってもんよ。
智明くんが美人な女性の吐き気の様子を診ている隙に抜けてきたジョディさん。新一くんに受け答えしてもらって、私は赤井秀一の黒いニット帽を探す。
……いた。鋭い目を、智明くんと美人さんの方に向けている。あそこ周り、どうしような。
困るなこれ。もう任せて良いかな。
「沖矢も凄かったですねー!まるでジェームズ・ボンドのようでしたー!」
「ジェームズ・ボンドがあんなバカみたいに目立って犯人煽ったりはしませんよ」
「アレはクールキッドや他の乗客から、犯人の目を集めたかったんですねー?」
「タゲ取りですね。いやぁ、ゲームと違って、実際やっても上手くいかないものです。タンク職って大変ですね」
新一くん、この人もらってくれない?私、あの美人に荷物返してもらって急いでお話しないといけなくて……あいててててててててて
「ま、た……こんな大怪我して!!沖矢!君はいつもいつも無茶ばかり…!」
左腕を掴まれた。割れたガラスで引っ掻いた、左腕の、今回は前腕部のほうだね。またさっぱりいってそう。
掴んだ人は智明くんで、その後ろに心配そうにしている美人さんが、私の荷物を抱えてオドオドと困っている。
「む、無茶じゃないですよ。今回はあの人たちが面倒が嫌いらしいので面倒な人になって」
「それでもし撃たれてしまっていたら、どうするつもりだったんだ!それでなくとも、君は殴られて、しかも蹴られてもいるだろう?」
「だって、彼らが邪魔な死体を出して客の混乱を招く面倒を避ける筈だってのは智ちゃんも言ってたじゃないですか」
「そうは言ってない…!とにかく、沖矢さんは早く治療を!事情聴取は後回しにしてもらいましょう!」
「ウワー」「気の抜ける声を出さない!」
やだ、凄い心配の心を感じる……優しい人じゃん。
佐藤刑事に直談判でもするのか、引き摺られて行く私と連れ去る智明くんを、心配顔で見送る新一くんと、真剣な表情で見詰めるジョディさん。
遠目に、黒ニット帽の男に近寄る、荷物をたくさん抱えた灰色のセーターに黒いショートヘアの美人が近寄って行くのが見えた。
よし、あそこの交流さえ上手くいけば今回は万事解決、大勝利だ。
後は頼んだぞ〜!!
こんかいだけ!今回だけは守る必要があったから!ね!
いつもこんなことしてる訳じゃないですよ!
今回だけは無茶してでも体張る必要があったので!ね!
でも真面目な話、このままだとベルモット編はもう一回だけ体張る必要あるんですよね…
なんとかならんかな……ねっ、赤井秀一!
読んでいただきありがとうございました!