昴くんはなにもしない   作:あまも

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めっきり寒くなって、窓開けて寝てたら朝凍えて目を覚ます今日この頃です

もう10月……?

閲覧ありがとうございます!


33-3:大阪の怖いおじさん

 

 

 名探偵が2人揃ってるなら、1日で出る死体も1体じゃ足りないよね。

 

 

 

 お水冷たいンゴね〜。

 

 

 

 …………現実見ようか。

 

 自らその身に火をつけた人が、橋の欄干から落ちかけたところに駆け寄り、なんとか燃えるロングコートを掴んだのは良いんだが、いくら最近鍛えているとはいえそんな状態の人を支えて引き上げるのは到底無理。

 零くんなら可能性があったかもしれないが、少なくとも私は無理。

 

 そんなわけで、ならばいっそと切り替え、そのまま橋の欄干踏み切って飛び降り、下の堀へとダイブした。

 

 雨で増水してるだろうし、消火するならそれが一番早いと思って。

 

 正確には、ダイブしようとした。

 

 

 下も燃えてるなんて誰が思うかよ。

 

 

 しかたないのでええいままよと、掴んだ人ごと足から炎に突っ込もうとして、妙な感触の物を踏みながら水へ着水。

 燃えてる全てを巻き込んで、水に沈めて鎮火させた、までもこれまた良かったのだけれど、いくら夜目が利くほうの私でも炎の灯りを見た直後の目で真っ黒な水中ではどうにもならない。

 なんもみえねぇ。

 てか顔になんか、これ、重い何かが……コートかこれ!邪魔!!

 

 何コレ〜!!溺れちゃうよ〜!

 

 ――――沖矢ハン!!

 ――――沖矢さん!大丈夫ですか!?

 

 

 私を呼んでくれている声を頼りに水面を目指して浮上。早く、一刻も早く水から上がらないと。

 たぶん恐らくコートと思われる何かが死ぬほど邪魔!顔が!顔が重い!もごご!

 

「もっ、もご…ぶっは、げほ、けほ…救急車!!あと警察!」

 

 

 水面になんとか浮上して、声をかけてくれていた、まだ橋の上にいるはずの和葉さんと蘭ちゃんの声のほうへ、救急車と警察を呼んでもらうよう声をかける。

 目が開けられない。しみる。いてぇ。

 

 こう……綺麗な山の水ならいくらでも浴びても良いんだけど、なんかこう……水が……臭くて…………いやこれ灯油臭くね?

 

 あの野郎、油撒いてから火をつけやがったのか。最低。環境破壊だ。汚染された水を誰が浄化すると思ってんだ。

 

 汚いとか言ってられない。眼鏡を外して口で咥えて、もう一度、水で目を擦る。眼鏡どっか行ってなくて良かった。目がしみしみ。

 薄ぼんやり、涙ちょちょ切らせながらちょっとだけ開くくらいまで。後は涙がなんとかしてくれるでしょ。

 

 顔からひっぺがし、ずらした時のそのまま腕に引っ掛かった焦げ臭いロングコートは、これを着ていたはずの中身がいない。

 ……逃げられてしまった。

 その身代わり、というわけじゃないが、新たなロングコートの人物を、私は今、肩に担いでいる。

 橋の上から、携帯のライトで私を、私が担いでいる人物ごと照らしてくれてしまった蘭ちゃんと和葉さんが、女の子らしい悲鳴をあげた。

 

 ……これは、警察呼ばなくても駆けつけてくれそうだな。

 

 

 肩に担いだ人の顔に無遠慮に手をやっても、なんの反応もないし動きも鼓動も感じない。

 そもそも目はかっ開いているし、水で溶けた血が髪を伝って彼女の顔へと垂れている。

 

 こちら、あのツアーメンバーの片桐さん。

 

 の、死体。

 

 うん!シンプルに最悪!!!

 

 

「和葉さん、水から上がれる場所、ありませんか?」

「あ、こ、こっちや!こっち!」

 

 和葉さんが駆け出して、堀から上がりやすいところを照らしてくれて、蘭ちゃんは私の行き先を照らし続けてくれている。

 死体照らすの嫌だろうけど、ありがとうね。

 

 最悪のピチピチチャパチャパである。顔にざぶざぶ当たる水が、沼臭くて嫌になるな。

 

 

 ヒン…

 

 こんなこともあろうかと、ガラケーだけ持ち歩くようにしといて良かった〜!

 

 1台、今私の腰のポーチの中で確定で死んでるだろうけど。

 スマホ持ってたらアウトだったよホント。

 

 せっかく銀司郎さんたちの連絡先もらったのに。

 ……ノアズ・アークがスマホの方に移しておいてくれてはいるだろうけど。

 

 

 先程、蘭ちゃんたちに言葉が通じていたから、阿笠さんに防水性能高めてもらった調声機もまだ無事らしいし。

 イヤホンは、接続先である携帯が死んだから、応答は当然無い。ノアズ・アークのお返事がない。

 あとはメガネと手袋だが、このまま東都帰るまで電源入れられないな、これ。

 えーん、機器類全部メンテナンスしてもらわないと。

 

 

 なんとか、蘭ちゃんたちの手も借りて岸に上がって片桐さんを降ろし、私の濡れた上着ごとロングコートも脱いで絞って、はへとひと息。

 あー、いやだ。

 置いた地面が、じわじわと水に混じって赤く滲む。どう見ても、この人は頭が割れて亡くなっているらしい。

 

 警察と一緒に新一くんたちが来てくれて、濡れ鼠な私はとりあえず真っ先に、救急隊にタオルと毛布で簀巻きにされて救急車に連れ込まれた。

 

 あ、証拠これ……まぁ後でいいか。

 

「怪我?は無いです。

 あっ、すいません、ちょっと手首が焼けました。いや、手は大丈夫で……これは昔のやつでして。着替えは、欲しいです。ありがとうございます。

 お話?大丈夫です!」

 

 

 てなわけで、救急車で処置されながら本日2度目の事情聴取。

 

 氷嚢渡されて、手の上にのっちりと乗せられているため、身動きが取れなくなってしまった。

 冷やすのは大事だ。

 なんでも、蘭ちゃんと和葉さんが橋の上で、私たちとは反対側に誰かがいたのを確認していたらしい。

 

 服部くんと新一くんはこちらで私の話を聞こうとしてくれたのだけど、救急隊の方に邪魔だと言われて退けられてしまって、蘭ちゃんたちに詳しい話と、ご遺体の見聞に戻っていった。

 大滝警部が、近くのコンビニで私の着替えを適当なやつ買ってきてくれている。

 

 ……大滝さん、警部さんだよね?大阪人はフットワークが軽くて助かるけど困る。ありがたやありがたや。

 

 

 さて、銀司郎さんと小五郎さんが話を聞いてくれる。ええとね。

 

「こっちの、コートの人は自分で火をつけて自分で堀へと落ちました。私は、火をつけた直後であればまだ助かると思っていたので水に落とそうとしていたんですが、この人は間違いなく自分で水に落ちています。その上で、火のついたこのコートを脱いで、私から離れたんだと思います」

「……コートの人、ってその言い方だと沖矢。橋の上で燃えたやつと、片桐さんは別ってことか?」

「はい。あそこには、同じ格好をした人物が2人いたんです」

「ほんなら、片桐さんは?」

 

 銀司郎さんが聞いてくる。銀司郎さんは私の話をうんうんと、納得しながら聞いてくれているので良いんだが、小五郎さんのお顔が険しい。

 ……私が燃えてるものを掴んだことか?今回のは無茶じゃないよ、下に水があるのはわかっていたんだから。

 ……下も燃えてたのは、予想外だけど。

 

「私が下に落ちようとした時、下にも炎がありました。それと、灯油の匂い。それで、初めから片桐さんの遺体は橋の下に浮かべてあったのではないかと。その浮かんだ背中に、灯油を撒いて自分が燃えた時のライターかなにかで火をつけたのだと考えましたが……」

 

 やや逡巡。言いにくいな。

 

「なんや、言うてみぃ」

「……すいません、着水の際、思い切り足から入って片桐さんごと沈めたので、遺体を蹴ってしまったことになります」

「それは……仕方ないだろ。あんまり気にすんなよ」

「ほんで、あないに必死に手ェ合わせて拝んどったんか」

 

 小五郎さんが慰めてくれている。肩ポンが優しい…

 皆が来てくれた時、私は片桐さんにうろ覚えながら経を唱える真似事をしていた。

 死体蹴りとかいう最悪なことしちゃって、すごく申し訳ない気持ち。

 

 山歩ってる時も稀にあるんだよね。

 うっかり足を滑らせてしまったとか、背を伸ばし終えて、すっかり大きくなった方とか、大幅なダイエットに成功してしまった方に、草を掻き分けたりつまづいたりした際に、ぞんざいに触れてしまうこと。

 かなり最悪な気分になるぞ。エンガチョ!

 

「自分で燃えたヤツはどこに行ったんや」

「すいません、それも確認できれば良かったのですが…」

 

 手元の氷嚢を退けて、救急隊のおっちゃんが私の手を診てくれている。わかりにくくてごめんなさいね。

 これくらいなら、赤くなるくらいで終わると思う。痒くなるのは勘弁だが。

 

「…水の中が暗くて…恐らく、あの人はコートを脱ぎ捨てて私へ向けて放り投げてから逃げたんですね。ちょっと呼吸できなくて、目も痛くて開けられなくて……焦りました」

 

 てへと、誤魔化し笑いでなんとか誤魔化そうとしたのだが、顔色を変えた銀司郎さんの視線を受けた救急隊のおっちゃんが、即座に私の顔面を鷲掴み、目ん玉を開かせてペンライトを、ちょっ、眩しい眩しい。

 

「瞳孔収縮問題ありません。念の為、洗い流しておきましょう」

「はい……」

 

 そっか、あのよく燃えるロングコート、灯油染みてたのか。それ顔に貼り付けられたなら、灯油被ったようなもんってなわけね。

 しみてたのそれか。

 

「それで、犯人の顔は見たんか」

「それなんですが…」

 

 小五郎さんのほうを見る。

 片眉を上げて、なんだよなんか文句あんのかフェイス。

 

「いえ、もしかして銀司郎さん、犯人のこと――」

 

 

 その時、外から騒ぎが聞こえてきた。

 小五郎さんが救急車を出て、銀司郎さんは顔だけ出す。私は動こうとしたら、救急隊のおっちゃんに止められてしまった。はい……

 

「あれは……平蔵!」

 

 銀司郎さんが、本部長殿の名前を叫びながら出ていったので、どうやら本部長が直々に出てきたらしい。

 小五郎さんも慌ててついて行って、それと入れ替わるように大滝警部が外をちらちら見ながら戻ってくる。

 着替えの入ったコンビニ袋を預かりながら、何があったのかと聞いてみると。

 

「平ちゃんが…本部長に殴られてもうて、ほんで説教されとんのや。毛利ハンが止めてくれとんのやけど、あないに平ちゃんに怒っとる本部長、久々やで」

 

 とのことで。可愛がってる子が大変そうで、酷く気にしておいでである。

 私の方はいいから行ってあげてくださいと送り出す。

 

「堪忍なぁ!」

 

 なぁにその、捨て猫見捨てて逃げるみたいな言い方…

 大滝警部も中々かわいげのある方だと思う。私の中で高木くん枠に入った。

 見た目、小嶋くんみたいなおにぎりなおじちゃんなんだが、愛嬌がある。

 うむ…着替えるか。

 

 

 毛布の中でもぞもぞと、下をさっさと履き替えて、なんとか上を脱いだ辺りで本部長殿を先頭にしておじちゃんたちがやって来た。本部長、刑事部部長、警部、そして名探偵毛利小五郎。

 

 ラインナップの圧がすごい!!

 

 こちらの緊張を読み取ったのか、銀司郎さんがニッと笑顔を作って気さくに話しかけてくれる。

 

「さっきの話の続き、なんやけど、その前にちょっとええか?ああ、着替えながらでええで」

「それは流石に恐縮ですから…少しばかり待ってくださいね」

 

 包んでもらっている毛布がまどろっこしい。どうせここには野郎しかいないし、酷いもんは結構良く見るだろう人達しかいない。

 毛布を取っ払って、ちゃっちゃと肌着とシャツを着て、はい。

 救急隊のおっちゃんに新しい毛布投げられたので大人しく被ります。別にもう寒くはないんだけどな。

 

「すいません、お待たせしました。ええと…」

「……今の傷、火傷か?」

「ああ、古傷です。ご心配なく」

 

 そういうこともある。

 銀司郎さんと本部長殿は流してくれたが、大滝警部はおろおろと、困っておられて。

 ええ?阿笠さんタイプじゃん。かわいい系のおっちゃんかよ。

 

「犯人は見ましたが、もしかして泳がせてました?」

「いや。今回で確信が持てた所やな。沖矢ハン、アレ送ってきよったっちゅーことは、この件、2つの事件が被ってややこしなっとるってのに気付いとるんやろ?」

 

 13年前の事件を起こした人と、今回事件を起こした人。どっちもいる事に気付けば、そうややこしくはなかった。

 どうやって、までを私は考えてないからな!動機しか見てないや。

 

「そうですね……警察は糟屋さんの方を注視していて、片桐さん達を見れなかったために起きた事件だと、認識しています」

「せやな……ワシらの力不足やった。アンタが情報くれとったんに、糟屋のほうの確定を急いでもうたんがアカンかったわ」

 

 事件の規模としてはそっちのがデカそうだからな。仕方あるまい。

 今はサポート終了しているがノアズ・アークに、和葉さんをからかっている間、糟屋さんが何故顔を変えたのか、探らせていたのだけど、おっそろしい話が出るわ出るわで。

 

 てかここまでして殺しにくるとは、ちょっと思えなかったし…仕方ない……で流していいほど人の命は軽くはないが、起こってしまったからには仕方ない。

 

 うむうむと1人納得していたら、警察のお偉いほうの2人が、揃って深々と私に頭を下げてきた。遅れて、大滝警部も一緒に頭を下げている。大滝警部はそれ、わかってて頭下げてる?

 

「この事件は、我々の見落としで起きてしもうた事件や。充分防げたはずやった。あんさんに迷惑かけてもうて……すまなかった」

 

 ……いやいやいやいや。困るが!!!

 

「やめてください!私が勝手に突っ込んだだけです!迷惑おかけしたのは、むしろ私が警察に、の方ですよ。場を荒らすことになりましたし……これだけ警察が彷徨いているところで事件を起こすとは、私もですが、みんな思って無かったでしょうから」

 

 そもそももっと情報は送れたのに、こっちの事情で情報を小出しにしてしまったのだってある。

 

平次(あのバカ)にも言うたがな、本来そないな穴、ワシらが作ったらアカンかったんや」

「堪忍なぁ…」

 

 おじちゃんたちの申し訳なさそうな様子、すごく困る。特に大滝警部。このしょんもり具合、すごく…阿笠さんの気配で…

 小五郎さんですら、なんも言えなくて困ってるし……

 

「そ、そうだ! あまり服部…平次くんのこと、怒らないであげて下さい」

「ああ、あれはええねん。ああして発破かけてアイツに探らせよ思てな」

「はぇ?」

 

 何て?

 

 本部長曰く。

 あの糟屋という男。大規模な強盗グループのボスで、警戒心が強く、警察が動いてる限りは決して尻尾を出さないらしい。

 それで、あえて一旦引き、あの猪突猛進型な服部くんに何クソと躍起にさせて動かせておけば、糟屋さんはあの少年探偵と今回の事件の犯人、脇坂さんをまとめて処理して、宝の総取りを狙うだろうと見込んで、泳がせることにしたのだと。

 

 …………息子の使い方!!

 

「やから、沖矢くんがあんまり喋らんでくれて助かったわ。ロングコートが2着ある事も、アイツらには教えてへんやろ」

「それは……そうですね」

 

 彼らが駆け付けてきてくれたとき、まだ調声機の具合がわからなかったので、あまり使わないように言葉少なめにしていたが…………あれ?

 

 片桐さんの死因は、水から上がる時に見た通り、頭を強く打ったことによる脳挫傷。

 呼び出されたか……それこそ橋の上とかで、雨と夜闇で気配を殺して忍び寄り、何か固いもの…石とかブロックで殴りつけたんだろう。凶器は堀に投げ捨ててしまえばいい。

 

 ……ぎっちょん蘭ちゃんたちから見た限りでは、私は目の前で自殺しようとした1人を追って飛び込んで、1人の死体を担いで戻ってきたわけで。

 彼女は、頭を打っていて、私はかなり勢いよく飛び込んだわけだ。

 

「……もしかして、私、片桐さんを助ける時に、頭を強打させてしまった人……に、なってます?」

「悪いんやけど、そういう(てい)で拘束されとる事にしといてくれへんか? 大丈夫や、警察(ウチのもん)は皆、沖矢くんは救命活動しようとしただけやてわかっとるから。

 これも糟屋を油断させる為や」

「堪忍なぁ……」

 

 堪忍なぁBOTと化した大滝警部!!

 申し訳なさそうな顔したおじちゃん2人!

 

 疑われるのは良くあることなのでこの際、警察が大丈夫と言ってるからそこは良いんだけど…探偵ボウヤたちや、蘭ちゃんたちを心配させるのは偲びない。

 

 こ、小五郎さん……

 最後の保護者たる小五郎さんを見ると、腕を組んで難しい顔をしていたが、やがて鼻を鳴らして頷いた。

 

「……まァ、ガキ共が危険な目に遭わなきゃいいんじゃねーか?親父さんがやると決めたみてーだし、これはヨソが口出すことじゃねえ。

 とはいえ、コナンはどっかであのボウズから引っペがしてやんねーとな。

 ったく、あのガキ……ちいせぇ新一みたいな性格しやがって」

 

 うわ、おっちゃんったらニアピンしてら。

 

「それは任せたってや、毛利探偵。大滝、アイツらの見張り頼むわ。頃合い見て、コナンくんを保護したりィ」

「り、了解しました!」

 

 段取りは大阪府警が総力挙げて頑張ってくれることだろう。彼らが見守ってくれるなら、新一くんたちも蘭ちゃんたちも、この後怪我することはないはずだ。

 それなら安心して、犯人疑いされた哀れな一般人顔しとこうね。

 

「自殺に見せ掛けるんを尽く失敗しとるんは、犯人もわかっとる。恐らく、今日中に最後の1人も狙うやろうから、そこで糟屋もコトを起こすハズや。準備とっとと終わらすで」

 

 キリリと眉を吊り上げた本部長殿の圧が…やっぱ怖い。このタイプの刑事さん、苦手だ。

 銀司郎さんも、キッと固い表情。

 

「了解や。……あ、毛利探偵、沖矢くん。

 ……せっかく大阪旅行来とんのやし、大阪府警本部、見とく?」

 

 銀司郎さんが目尻を下げてウインクまでして聞いてくる。笑顔がこの人、和葉さんっぽい気配で親子なんだなぁなんて。

 それで、なんでこの人たち、本部の中に気軽に一般人招いてくれるの?

 

 ……ま、せっかくだから見せてもらおうかな!!

 

 

「おお、来てくれるか。

 いやな、なんで和葉が教えたる前から、あの2人が焼き物の欠片の番号知っとったんか、とか、昨日ウチのサーバーのセキュリティに一瞬引っかかったモンとか……平次くんからな、沖矢くんはパソコン詳しいて聞いとんで。せやから、ワシら、沖矢くんに聞きたいことぎょーさんあんねん。……美味いたこ焼きとかもあるさかい、楽しみにしたってや」

 

 にっこりとした銀司郎さん。

 

 

 わ、ワァ……それは、楽しみ…だ、ネッ!

 

 

 





一方その頃、白いマントの男、とりあえず捕まえて話聞いてみるべきかなと思案する人がいたりいなかったり。

読んでいただきありがとうございました!
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