昴くんはなにもしない   作:あまも

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博士に爆弾作らせちゃダメだってあれほど


閲覧ありがとうございます!



38-1:それはきっと最高の発明

 

 

 

 

 ♤

 

 学校からの帰り道。灰原がため息をついた。

 これみよがしな態度に、愚痴を聞かせたいのだろうと話を聞く。

 

「……阿笠博士と沖矢さんが、昼夜問わずガラクタを作っては壊してを繰り返しているのよ」

「作って、壊す?」

 

 

 少し前までスバルさんはやらなきゃならない作業が山積みだとかで俺の家を拠点にして忙しくしていた。

 

 それがようやく一段落ついて、「気楽ですわぁ」なんて言って博士んちの2階のギャラリー(定位置)でゴロゴロと日がな一日暇を持て余していたのは先日からのこと。

 

 灰原から、「朝も夜も家に居るのよあの人」と嘆息を聞いていた。

 

 ……毎度思うが、大学の方はどうした。

 

 

 

「それが小林さんに頼まれたみたいで、突然張り切ってPCと向き合い出して、以来ずっとガチャガチャカタカタと騒がしくしてるの。

 …居候の身分で家の主人にあまり言いたくないけど、正直夜も深夜も関係無しにうるさくて仕方ないわ」

「言っちまっても良いかんな?ハカセとスバルさんがそんな作業ばっかりやってるってことは集中してて周りにまで気が回ってないんだろ」

「そうなのよ。沖矢さんのほうは、食事の時に謝ってくれるのだけど、作業中は没頭してしまってるわね」

 

 その2人がそんなに真剣に、灰原の言うには“ガラクタ”を作って、なのに壊してる?

 それも、小林さんの頼み……?

 

 そういえば、あの屋敷で別れる前に小林さん、「ちゃんと特訓しないとな」とか言ってたっけ。

 なら……

 

 

 ♤

 

 博士の家に行くと、玄関を開けて早々に、電子音と騒ぎと大笑いが聞こえてきた。

 

 騒ぎのほうに視線を向ければ、ソファーのほうで小林さんがスバルさんの胸ぐらを掴んで揺さぶり、怒声を上げていた。

 

 珍しいな。比較的温厚な彼らが、本気の喧嘩か?

 

「お前…!性格悪いぞ!!ハル!!」

「ぁっはっは!見事ひっかかりましたねぇみっちゃん!!素直過ぎて変わってなくて、安心しましたわァ!」

「てめぇ!」

「はははちょっ首はやめグェー」

 

 

 なんだ、おじさんたちのいつものバカ騒ぎか。

 珍しく小林さんが声を荒らげているから、本気で怒ってるのかと思ってしまった。

 

 

 灰原と一緒に白けた目で見ていたら、スバルさんの首を腕で締め上げていた小林さんが気付いてくれた。

 

「おかえり、江戸川くん、灰原さん」

「ぬわわ…あ、江戸川くんに灰原さんだ。おかえりなさい」

 

 うん。いつも通りのふたりだ。さっきの喧嘩は悪ふざけで間違いないな。

 普通の挨拶を挟んで、またスバルさんを振り回す作業に戻ってしまった小林さんたちを置いて、せっせと箱を運んでいる博士の元へ。

 

「おお、おかえり哀くん。それに、よく来たのお」

「博士、まだやってるのね」

「なぁ、ハカセ。それって爆弾だろ?」

 

 

 おお、よくわかったのお、なんて言いながら箱の中身を持ち上げる。

 

 小林さんもいることだし、火薬などは入っていない実際には爆発しない訓練用のだろうけど、それは回路や基盤、沢山のパーツが組み込まれた、時限式の仕掛け爆弾だった。

 

 

「小林くんがこの間の事件で、自分の爆弾解体の腕前を痛感したそうでな。知り合いの、“爆弾に詳しい友人”に相談して、さっきまで講習会をしてもらっておったんじゃ」

「えー!何それ俺も聞きたかった!」

 

 あの小林さんがものを教わるほどの腕前の人の話なんて、タメになる講習だったに違いない。

 

「ダメに決まってるだろそこのお子様!!」

「うわっ」

 

 宙に浮く身体。脇に手を入れられて、小林さんに持ち上げられていた。

 ソファーのほうでは、スバルさんがぐでぐでになって目を回して倒れ込んでいる。

 

「えー!でも、すっげー興味ある」

「えーじゃない!爆弾なんて危ないんだからな!!そんなこと言ってる悪ガキには……、おりゃー!」

 

 ぐるんぐるんと、足が遠心力で横に浮かぶ程の回転。め、目が回る……!

 

「うわぁぁぁ」

 

 こ、この人…イタズラの方向性が、スバルさんと同じ……!

 

「ちょっと! 建物の中で暴れないでくれる?」

「おっと、すまん」

 

 灰原からの心底冷めきった目を向けられて、大回転をピタリと体幹任せに止めた小林さんは俺を下ろしてくれた。

 のだが、足元も視界も全部ぐるぐるぐにゃぐにゃで立っていられない。

 ついつい四つん這いの体勢になってしまって、小林さんはケラケラと、灰原もフンと鼻で笑っている。

 コンニャロ……!

 

「……小林くんたら、江戸川くんに八つ当たりはやめてくださいよ」

 

 まだグラグラしてるのか、頭を振りながらフラフラと、スバルさんもこっちに歩いてくる。自然、みんなカウンター周りに集まってきた。

 

「だって彼が爆弾に興味があるとか言うもんだからさ」

「そりゃ、彼なら爆弾との遭遇も多いでしょうから学んでおくに越したことはないですよ」

「お前まで何言ってんだよ!子供に爆弾解体なんて!」

「小林くんだって何言ってるんですか。江戸川くんですよ?どうせそのうちどこかに閉じ込められて、誰も手を出せない状況で、こうなったら爆弾解体は彼がやらなきゃならない!……とかになる」

「ぐ……ありそう……!」

「あなたたちふたりして何言ってるのよ……」

 

 そういう意味で言ったのではないが、何故かスバルさんは俺が爆弾解体を学ぶべきだと言い、小林さんはそれは尤もだと思いつつ、反対したいようだ。

 

「彼だって状況が状況なら大人に頼ることは出来ます。けれど、どうせそうできない時は必ず来る。断言しますが、絶対に学んでおいた方がいい」

「ぬぐぐ……ハル、お前今日はずっと意地悪だな」

「そのようにしろと指定したのは君たちですよ。終わるなら終わりでもいいですけど」

「……もうちょっと続けてくれ」

 

 ……?

 今の話、今日のスバルさんはわざとこうして悪い人みたいに振舞ってくれてる、らしい。それも、小林さんの要望で。

 確かに、さっき本気の喧嘩かと思ってしまうような状態ではあった。

 いつものおじさんたちの、まるで高校生みたいなじゃれあいが始まったから気にならなくなったけど、こうしてまじまじと見ると小林さんの表情は硬い。

 スバルさんもいつも通りではない。いつぞやの、灰原に噛み付いてた時や、俺に注意してくれた時みたいな、裏を感じるヘラりとした、警戒したくなる笑顔とも違う……どこか冷たいような、気を許せないような態度を貼り付けている。

 

「……というか江戸川くん。あなた優作先生から、爆弾解体も触りくらいは教わってますね?」

「え? あ、うん。少しだけね」

「はぁ〜!? 工藤先生、何を……!」

 

 小林さんが素っ頓狂な声を上げて突っ伏した。その様をせせら笑って、スバルさんは博士にメモを渡している。

 

「阿笠さん、次はこれを。……ほら、小林くん。そろそろ指定の時間です。始まりますよ」

「クソがよ!やってやる!!」

 

 スバルさんからコーヒーを受け取り、一気飲みしてまたソファーの方へと駆けて行った小林さんと、メモを見ながらえっほえっほと地下へ向かった博士。

 スバルさんが俺と灰原を見て手招きしているので、カウンターの下にランドセルを置いて座ると、それぞれに温かいコーヒーとアイスコーヒーを出してくれた。

 

「今日は何もありませんでしたか?」

「何も、ってのは?」

「ほら、あなたたちは学校帰りもよく事件に巻き込まれますから」

 

 ああ。なるほど。

 

「今日は探偵さんが駆け出すような事は無かったわ。私の相談を優先してくれたのかしらね」

「相談ですか?」

「あなたたちが最近何かやっててうるさいって話」

「ああ…それは本当にすみません。今日の講習会の用意をしていまして」

 

 つまり、爆弾解体の練習用の模擬爆弾を作っていた、ということなんだろう。

 

「作ってたのはわかったよ。でも、壊してたってのはどういうこと?」

「……今回の講習会は小林くんの知り合いの、“爆弾に詳しい警察の(・・・)方”に協力してもらったんですがね」

 

 「来た!」と声がしたので目を向けると、ソファーのほうで小林さんが真剣な眼差しでノートPCの画面を見つめて何か操作していた。

 あっちも気になるが、スバルさんの話も気になる。

 

「今回、彼らの練習用のモノを阿笠博士に組み立ててもらう代わりに、これまでの事件の捜査資料や実際に使われた物や、最新式とされるものの資料の閲覧許可をもらいました。持ち出し禁止だったので私が見せてもらって来まして。戻ってから仕組みと、最近多いトラップの傾向等を阿笠さんに伝えて、一緒にいくつか模擬爆弾を作ったんです。

 もちろん、材料の在庫や予算の兼ね合いもありますから、作っては解体して…と、小林くんの特訓も兼ねてやってたんですね」

 

 なるほど、作っては壊してた、というのはそういうことか。

 

「アッ!!!」

 

 ……後ろから悲鳴みたいな声が聞こえる。同時に、ピィ――と、高い電子音。

 スバルさんが手元でノートPCを操作してその音は消えたが、小林さんはまたPC画面に齧り付いて熱心にマウスで操作している。

 

「……彼はどうしたの? 講習会は終わったんでしょう?」

「…………ひと通り、これまで使われたものや、過去のメジャーどころの基本は押さえたんで、確かに講習としては終わりました。後は、彼が速さと正確性に重きを置いていたので彼個人の反復練習やり込んで貰うしかないです。なので今も模擬爆弾で練習中……それは良いんですが……」

 

 言いにくそうにしている。むしろ、少し照れが混じっている?

 

「その……今彼が弄ってるのはちょっとそれとも違いまして……」

 

「出来たぞい!」と、博士が地下から箱を抱えて戻ってきた。

 しかし小林さんが真剣にPC画面と向き合っているのを見て、すごすごとこちらに寄ってくる。

 博士の抱えた箱の中身を見せてもらうと、バラされていた物がちゃんと元通り組み上がっている。模擬爆弾たちらしい。

 スバルさんはそこからひとつ取り出して、俺の前に置いた。

 彼の手より少し大きい程度の、表示画面もなく数本のコードとライトが出ているだけのシンプルな、小さな箱状の物だ。

 

「試しにひとつ、バラしてみますか?江戸川くん」

「良いのか?」

「これ講習会用に阿笠さんに作ってもらったものなんです。教材として使うから、後で回収されちゃうので試すなら今だけですよ」

 

 今だけ、とか言われると気になる。

 けど、さっきの言葉の続きも気になるし、なにより今また頭を抱えて苛立ってるような声で叫んでいる小林さんがものすごく気になる。

 

「時間内に複数箇所に仕掛けられた場合(ケース)用の、遠隔信号感知作動かつ時限連鎖式なのでひとつ失敗すると未解体のもの全部アウトなんですよ」

「良いのか!?」

 

 それ、今軽い気持ちで手を出したら、また博士が直しに行かなくちゃならなくなるんじゃないのか!?

 

「……てかはぐらかすなって!小林さん、何してるの?」

「……」

 

 バレたか、みたいな嫌そうな顔しやがって。

 灰原はとっくに興味を無くしたのか、騒がしくしている小林さんを迷惑そうに見つめた後、博士やスバルさんが散らかしたであろう地下の様子を見てくる、と降りていった。

 危ないぞいと、博士もついて行って……危ないのかよ。

 

「で、何してるわけ?」

 

「……なにぶん、久しぶりに阿笠さんとふたりで何か作れるとなって、恥ずかしながら楽しくなってきてしまい……その、深夜までかかってしまって……こう……その、大変“おもしろい(・・・・・)”ガラクタができてしまいまして」

 

 俺は、彼が『おもしろい』と称した事に戦慄した。

 

 この人の使う『おもしろい』は3種類ある。

 ひとつはそのままの意味。

 ひとつは、彼が苛立ってる時に皮肉として使う。

 

 そしてもうひとつが……

 

「いわゆる、『興が乗る』というやつですね。支給された材料を余計に使ってしまったこともあり、深夜で小林くんも居なかったし作ったからには解体可能な物かを確認するために、一旦私が解体してみたんですが……」

 

 そうか、彼もその知識は持っているのか。

 

「失敗しまして」

「ん?」

 

 流れ変わったな。

 

「流石に製作者なら解体可能ではあったんですが、今度は解体予定として設定した時間が足りない。

 これはまずいと思って、とりあえずその、小林くんの知り合いの、“爆弾に詳しい警察の方”に解体してみろと提出してみたんですが、ちょっと……失敗しまして(・・・・・・)……」

 

 えへと、恥ずかしそうにはにかむ。

 

「今レイドバトル状態です」

 

「何それ」

 

 

 ♤

 

 

 件の“爆弾に詳しい警察の人”は、一応その阿笠博士とスバルさんの面白模擬爆弾の解体は出来たそうだが時間がギリギリだった上に3回まで可能と設定されていたミス判定をひとつ付けてしまったのを酷く悔しがって、その彼がワンミスすらも“失敗”と判断してしまった……ことこそが、彼の言う“失敗(・・)なのだそう。

 

「元々練習用ですから、大きくて複雑なものはミスがあっても仕方ありません。だからそれにも、猶予を設けていたんですが、それをどういうわけか挑戦状と受け取ったみたいで……」

 

 話を聞いているだけでも優秀そうなその人の事は俺は知りもしないが、何故スバルさんからの挑戦状と捉えたのか、なんとなく察しがついてしまった。

 本来ワンミスすらも許されないような代物に、練習とはいえミスを出してしまった事が、自分の事ながら許せない。

 きっと俺もそんなもの持ってこられたら、完全クリア目指して練習したくなる。

 

「それと、状況設定も良くなかったんでしょうね…」

「状況設定?」

「例えばこの連鎖式なら、この間の黄昏の館の車や橋に取り付けられていたそうですが、そんな感じの運用のされ方をされていた、として解体時間の設定を決めていたんです」

 

 一緒に、どのような状況で使用されるのかを設定して提出していたらしいが、その面白爆弾の設定もまた、その人の癇に障ったそうな。

 

「……こちらもそこは、我ながらやったなと思いました……彼の覚悟に返したつもりだったんですけど、やり過ぎましたね……」

「何、どういう設定にしたの?」

 

「ビルの一室、解体時間は長め、民間人は避難完了済。…ですかね。仕掛けた最大のトラップとして表面上はただの少しめんどくさくて厄介なだけの爆弾なんですが、完全に解体できていない場合――遠隔操作で起動できてしまい、犯人側の好きなタイミングで即座に爆発します」

 

 ピク、と、たまたまなのか話を聴いていたのか、小林さんが反応した。

 

「実際の事件を基礎として設定して制作しました。……実際には、この仕掛けで1名、殉職者が出ております。

 小林くん。手が止まってますよ」

「……」

 

 もそ、と小林さんがまた作業に戻った。スバルさんの表情も、彼の顔色も硬い。

 

「……知り合い、だったの?」

 

 自然と、声を潜めてしまった。スバルさんは変わらぬ調子で続ける。

 

「そうですね。小林くんや、その“爆弾に詳しい警察の人”と知り合いでした。……それでまぁ、なんというか、実はその事件の犯人は数年後、更にもうひとつ爆弾事件を起こしているんですが、『それも再現して作れ』と指示されまして」

 

 それはまた……

 

「今度はそういう、ミス猶予とか悪ふざけも無い、純粋に、その犯人のいやらしくて性格の悪い部分の再現まで頼まれたので……

 

 こうしてちゃんと、その事件の捜査資料を元に推測されている犯人になりきってみました。

 

 とにかくおちょくって、優位を主張して、……如何に正義気取りの“勇敢なる警察官殿”を苛立たせる犯人が相手であろうとも、例えその“勇敢なる警察官殿”が犠牲となったとしても、冷静に対応できる練習を、と」

 

 ピィ――と、またもや甲高い電子音。

 ゆらりと、ソファーから立ち上がる小林さん。

 

「…アイツにも、そうだけど。あんまり、言うのはさ、やめてくれないか?ハル」

 

 静かに、ぽつぽつと。ゆっくり噛み締めるように。

 …………俺たちが帰ってきた時と、同じだ。2回目に見たら、わかってしまった。

 あの時も、今も、小林さんは本気で怒ってる。

 

 なのに、スバルさんは鼻を鳴らしてせせら笑って見せた。

 

「さっきよりミスが早いですね!それじゃメッセージまで辿り着けないのではないですかァ?」

「おっまえ…っ!」

 

「爆弾はもうひとつあるのに、そんな事してたらそちらも爆発してしまいますよ、みっちゃん!」

「――ッ、ほんっとに、性格の悪い…!」

 

 “みっちゃん”、というのはきっと、スバルさんと小林さんの間の、友人として通じる大事な名前なんだろう。言われた途端に小林さんは、くしゃりと顔を歪めて、何か耐えるように震えて拳を握り、改めてソファーに座り直している。

 

 ああ、わざとか。

 爆弾解体は、時間制限のある中で集中して、繊細な作業を必要とする。

 それでこんなに、腹立たせて追い込んで、作業して……練習してるんだ。

 

「でも、こんなことまでして練習する必要……あるのか?」

 

「なくはないです。

 実はその犯人、捕まってないんですよ」

 

 うわ。

 

「……もしかしたら、ってこと?」

「もしかしたら、……いいえ、必ずその犯人はまたやらかします。彼らがその事件に遭遇してしまうかもしれない。そうなった時…彼らは絶対に対応に向かうでしょうが、冷静に向かえないと。ああやってミスさせてしまうのでは困る。このままなら私は行かせることが出来ない」

 

 そっか。スバルさんの表情がなんとなく硬いのも合点がいった。

 捜査資料まで読んで、その真似を練習でやっただけで、普段なら出来そうな小林さんも、その“爆弾に詳しい警察の人”もミスを出してしまうような犯人と、その事件。

 せめて練習のうちに、安全なうちに、怒りに任せて手元が狂うことのないようにしたいんだろう。

 ……だとしても、あの温厚な小林さんがあんなに怒るなんて、よっぽどだろうけど。

 

「彼の知り合いの言葉ですが、君にも教えてあげますね」

 

 ここで、スバルさんは少し声を張り上げた。

 

「『冷静、沈着、慎重に』はいつもの言葉。でも、爆弾と向き合うときはこれですね。

『焦りは最大のトラップ』。……良い言葉ですね」

 

 小林さんにも聞こえるように。ずっと通話状態のまま置かれた、携帯電話の向こうに聞こえるように。

 

 ……その警察の人も、スバルさんの友達なのかな。

 

 

 





しれっと流されてますが爆弾の作り方を覚えてると見せかけてカンニング(ノアズ・アーク)してる男がいたり仕組みを全て覚えてしまった人工知能がいたり作った端から解体されるからこれくらいの爆弾は普通なんだろうなと思ってしまっている発明家がいたりします。怖いですね。
でも解体してる側はかつて若くして爆処のエースだった男たちに仕込まれてることをこっちの人達誰も知らないんですね。怖いですね。


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