昴くんはなにもしない 作:あまも
拉致が手慣れてきた友人とか怖いです
閲覧ありがとうございます!
帰国して早々、空港内でお迎えに来てくれていた零くんにはっ倒された。
警備の人が来る前に外に連れ出され、フォレスターに押し込まれ、運転席ではにっこにこの笑顔で景光くんがお待ちかね。
そのまま、別荘直送の道中、2人からいじめられた。
クリスさんとは何してきたんだとか、何されたんだとか、お前ホテル相部屋ってマジかとか、ホテルで何してきたんだとか……プライベートで赤裸々なことを……
せくはら!
やましいことは無いんだけど、彼女の私の扱いが子供だから恥ずかしいのは恥ずかしいんだからね!
到着した別荘で、新たに待ち構えていた成実さんに手の細かい傷の確認と健康診断される。そして無事を確認された後…
別荘の一室に閉じ込められた。
………………あれっ!?閉じ込められた!?
これ、拉致監禁じゃない!?
別荘の2階の客室として利用しているこの部屋は、鍵はあるけどガチガチの鍵ではない。
だから厳密には全然閉じ込めでもなんでもない。
ただ、荷物を取られて押し込められたのは事実。
ちゃんと、飛行機でのフライト時間使って事情の説明とか話の流れとか、全部済ませたはずなのに。……いやホテルでの話は詳しくはいいじゃん。要らないじゃん。
お風呂がジャグジーでテンション上がったけど水が合わなかったのか泡がよくなかったのか痒くなっちゃったとかそういう話は別に
「ハル、お風呂沸いたよ」
「え」
お風呂セット持ってやって来た景光くん。
……私、汗臭かった?身綺麗にしてたつもりなんだが。
「化粧臭くて仕方ないから全身洗えって、ゼロが」
「あー……」
荷物も部屋も、クリスさんと同じところに置いてたから匂いうつりしちゃったかな。
……シンガポール出る前に、ランドリーで全部洗ったはずなんだが。
零くんの気分的に嫌なんだろう。
良かろう、がっつり洗ってきてやるとも。
成実さんにここで生活してもらうにあたって、電気、ガス、水道と水周りの整備はきっちり済ませてある。
電化製品もひと通り総交換して買い換えてあるので、なんなら私の部屋より過ごしやすい。
お風呂とかもおしゃんな感じ。温泉近くに湧いてないかな。
しかし…なんで成ちゃんから健康診断されたのやら。
怪我なんて、素手で過ごしてたフランスで出来た小さいのくらいしかないのに。
精神的にも、まだ自己診断できるくらいだから問題ないし。
ふむ。
心配かけ過ぎたか?
「だから言っただろ、沖矢はああ見えて一線だけは越えないんだって」
「でも怪しいじゃん!!まさか相部屋だなんて思わなかった!最低!不潔!」
「唯景さん、アンタ本当にやばい所に潜入してた人? 身持ち硬すぎじゃない?」
「そ、……ういうお誘い俺もあったけどぉ!」
「あったのかよ。アンタも大概だな。……なら人の事言えねーだろ……あ、沖矢。サッパリした?」
リビングに戻ると、ギャンと騒ぐ景光くんと成実さんがお茶をいれているところだった。
「はい。いいお湯でした。……安室さんは?」
「沖矢の荷物漁って、どっか行ったぞ」
「提出と報告に行ったよ。今日は戻らないと思う」
ああ。バーボンが引き継いだってことね。
「ちなみに本当に何もないですからね、私と彼女」
「ホントに?」
「ほんとほんと」
あの人、子供見る目ってより、たぶん孫とかひ孫とかが庭できゃっきゃしてるのを縁側で見てるくらいの気持ちでこっち見てるから。
……ごめん言い過ぎた。
孫と一緒に走り回ってる犬の方だった。
畜生ごときに盛り上がるような、特殊な方では無いからね。
「私としては、あなたが高木刑事を蹴り飛ばしたり名探偵をほっぽり捨るなんて任務放棄して、ひとりで突っ走った方が問題は大きいと思ってるんですが」
「ぐっ」
歯をかみ締め、目をそらすみっちゃん。
新一くんや高木くん、佐藤さん、そして零くんがみっちりねっちょり注意したそうで、私がおフランス行きの飛行機で飛んでいた頃には既にしおしお状態だったらしい。
だからこそ、私からのそんな連絡されて大混乱であわあわしてしまい、『ハルが組織に売られた!!』とか言って大騒ぎだったのだろう。
そう言われると、なんか、悪いことした気になる。
「つまりどっちもどっちってことだろ」
呆れて冷めた目で私たちを見る成ちゃん。
結局、今回景光くんも私も、お互いに心配させたし心配したし、零くんを多大にヤキモキさせたのは間違いない。
『もちろんボクもヒロキも、ずっと心配してたんだからね?』
ノアズ・アーク……ごめんて。
ヒロキくんから、「暇ができたら是非うちに来てね。ぼくたちをこんなに心配させたお兄さんに、是非試してみて欲しいものがあるんだ」というメッセージが来ているのが怖すぎるんだよな。
試すって何……?
「……本当に何もされてない?」
「何もないですよ」
結局、私がクリスさんに美味しくいただかれてないか心配だったってこと?
やだなぁ、恥ずかしいこと考えちゃって。
さっき成実さんも言ってたが、裏社会で活動していた、現在もチラチラとその影を裏に出してる男の心配事か?これが?
なんというか、硬派な男だね景光くん。
零くんをえらいえらいするより先に、景光くんをえらいえらいと撫でることになるとはな。
…………
私もその手の話題は苦手だからここで終わりとしようか。
恥ずかしいからね!
「それで、白鳥刑事は?」
「あ、うん。無事だ。処置が早かったから、少しリハビリの必要はあるけど後遺症の問題はなさそうって」
「それは良かった」
今回の2日間に渡る爆弾騒ぎで1番大きな怪我をした白鳥刑事。
次点は、炎上する車に触れて手のひらに火傷を負った佐藤さん。あと蹴り飛ばされた高木くん。
その他、建物や物、車に被害はあれど、
佐藤さん、火傷した手のひらで銃握ったり大立ち回りしようとして、怪我を少し悪化させたとかで今は半謹慎というか、安静目的で書類まとめ係として本庁に縛り付けられているそうな。
一方、高木くんはピンシャンしている。
ドロップキック、ちゃんと手加減してたんだね。
それとも高木くんが耐久性高いのか……?
「……江戸川くんと高木刑事に諭されてしまってさ。2人とも歳下なのに、情けないよな。
……死んでしまった人のこと、“甦らせる”ことが出来るのは、生きてその人のことを知ってる俺たちが、“思い出している”その時だけなんだ。
……『生きなきゃいけない』って、そういうことなんだな」
松田さんの事を忘れるべきだと自嘲した佐藤さんを、高木くんは忘れちゃいけないと窘めたそうな。
松田さんの仇を何としても必ず、と飛び出した景光くんを、新一くんは“何としても”じゃなくて、“何とかして”、にしろと諌めたそうな。
エレベーターの中で、ふたりはそれぞれ蘭さんを助ける意志と、佐藤さんに伝えたい事があるという想いを込めて、無事で爆弾を処理し、外に出るのだと力強く宣言したのだと。
「……今生きて、そばにいてくれてる人達ってのをちゃんと記憶に残してさ。残してもらって……そうして、みんなをさ、大事にしたいなって。すごくつよく思ったんだ」
ホー。
そりゃとっても良い事だ。
やはり新一くんはもちろんだが、高木くんも今を生きる人なんだなぁ。
人の記憶ねえ。
良い事だし嬉しい事だが、景光くんにはあんまり変わらないでいて欲しい気持ちもある。
……案外、私の知らないところで、とっくの昔に私の知ってる景光くんではなくなってたりするのかも、なんて思ったりもしたけど……人なんて変わるもんだし。
より良くなるならそれが1番か。
その理論だと私には、消滅するまでなんでも際限なく覚えててくれる人とモノがいるから、何も心配無いな!ってなっちゃうから、ね。
ちゃんと生きていかねばなるまいて。
……ところで、私、いつまでここに?
え?『色々な確認と片が付くまで』って、何が?何があった?
…………どうやって約5300km先から日本をって、いや、それは……色々……えー、……何したかの確認?
やめてやめて、何も、何もしてないし!何も出ないよ!何もないったら!
どうせ“今”見ても、誰も何もわからないってば!!
私が何したかなんて、わかるわけないもんね〜ノアズ・アーク〜。
『……お兄ちゃん、あれって悪い事だったの?』
そそそそそんなことないよ必要な捜査!
『でも高木刑事がとっても不思議そうにしていたよ』
……そりゃ高木くんだし……
まぁ、高木くんだからな。
■
さて、今日は私、イチョウ並木で美人と朝からデートしている。
なんちゃって。
朝から待ち合わせして、このイチョウ並木で雑談したあと、彼女とそのお付きの男性に食糧や暇つぶしの提供をしながら雑談枠をたびたび設けて、一緒に1日待ちぼうけする。
そんな10年に一度のワクワクイベントである。
……前回は10年前だってのに、本当にきっちり10年でちゃんとここに来るあたり、とても真摯で、健気なこの彼女。
ついつい慰めの気持ちが強くなってしまう。
キレイな金髪と、イチョウ並木が良く似合う彼女の名前は、フサエ・キャンベルさん。今をときめくフサエブランドの生みの親。
実は彼女、阿笠さんの初恋の人なのだ。
最初は、私が阿笠さんに引き取られ、研究所に居候させてもらうこととなって暫くのこと。
……あのズボラな阿笠さんの代わりに家の掃除をして、へそくりかリスの貯蔵餌みたいな溜め込み方してた手紙の束を見付けていた。
仕分けさせていた時、阿笠さんの手が止まった手書きの手紙。その内容。
そして約束の場所。
その時点で工藤氏に聞いたりもしたんだが、答え合わせするにも年数がズレていてその年は何もなく。
その約束の年になる頃には忘れてたんだよな。
そして、私が高校生の頃になる。
あの日は雨が下校時間に降り、傘を忘れた新一くんと蘭ちゃんに傘を持って行った。
その途中、何故か既に傘を差して、新一くんを相合傘スタイルできゃいきゃいと楽しげに帰る蘭ちゃんがいたのでその傘をどうしたのか聞くと、「イチョウ並木で出会ったおばさんが、傘をくれたの」と。
持ってきた傘をふたりに渡し、その傘を私が返してくることにして……そうして、この彼女と出会った。
びしょ濡れになりながら、悲しそうにイチョウの木からパラパラと落ちる葉っぱを眺めていた姿が印象的だった。
傘を返し、あげた物だとのやり取りを経てから、何故雨の中ここで何を待つのかと話を聞いてしまって…………どう聞いても、その数年前に阿笠さんちで見つけた手書きの手紙の差出人の“木之下さん”がこの人だとしか思えないその話に驚いて。
思わずそのまま聞いてしまった。
「木之下さんですか?」と。
その時は既に木之下の名前ではなく、母の再婚相手の姓を使い、フサエ・キャンベルとしてクリエイターの活動をしていた彼女が驚いて……
「何故その名前を知っているの?」と聞かれ。
そして私は困ってしまった。
その日、阿笠博士は学会の発表で、東都に居なかった。
下校時間のその時から連絡したとしても、約束の日没にはとても間に合わない。
私がもっと早く思い出していれば……なんて思ったのだが……
思った末、行き着いた答え。これ悪いのは本人である。
こちとらちゃんと工藤氏の力も借りて解いたというのに何故約束の相手である本人が忘れてるのかと。
当時の私は血気盛んでチクリ魔の鑑みたいな奴だったので、そのまま喋ってしまった。
「阿笠博士は、どうしても外せない学会の発表があって、本日来ることが出来ない」と。
ちゃんと悪気は無いものとして説明しただけまだマシだったはず。
そこから、阿笠博士は約束の女性が手紙に書いたなぞなぞが解けなくてずっと頭捻って、蝶野さんちや野井さんちに張り込んだりしてた話を伝え……
そも「そんなに詳しいあなたはいったい?」となり。
私は彼の養子だが、阿笠さんは身寄りのない私を引き取って面倒を見てくれている。
今も彼は結婚せず独身である、と。
その時、彼女は私の髪を見て、安心したように笑っていたから、何か思うことがあったんだろう。
それで、約束をした。
今年はとても間に合わない。
だから10年後、阿笠さんが来るかどうか試してみようと。
あの人は、そう。
ちょっと忘れっぽくて、ズボラな人だから。
……もし本気で来なかったら、私がふん縛って転がしてでも連れて来ると言ったら、彼女はそこまではしなくていい、と笑って……「忘れてしまったなら、それでいいの」とか、寂しそうに言うもんだからさ。
こらもうやるしかないじゃん。
しっかりと外部絶対記憶ツールの秀吉に覚えさせて、前日に私に教えてくれやと頼んだ。
せっかく今年の11月は日付がちゃんと認識出来てるのだし、こら来ますよ当日が……!と張り切ってたのだ。
ちゃんと前日に秀吉は『明日だよ』と連絡をくれて……ちゃんと、今朝、その日の朝が来たのだ。
そりゃやるでしょうよ。最高の演出。
そのために、ビリーさんと灰原さんに協力を頼んである。
探さなきゃいけない手紙の存在を思い出させ、その捜索を新一くんに任せる。
一方ビリーさんには、最高のシチュエーションである夕方まで何とか粘ってもらう。
……当日、阿笠さんが朝から来なかった時点で、フサエさんはちょっとだけ落ち込んでいた。
けれど、朝のうちにウサギ小屋のウサギと待ちかねている彼女を見に来た灰原さんを、私の妹……というていで紹介したところ、気分を持ち直したらしく。
お昼、午後、と辛抱強く待ってくれて。
けれど夕方も深まって、日もどんどん沈み始め、世界が柔らかなオレンジ色に包まれてきたらもう、彼女はどこか吹っ切れたみたいな表情になってしまってね。
そして私も私でちょっと焦る。
遅くない?なぞなぞ、まさか解けないなんてことは……?
あの時のことをよく考えてみたら、工藤氏のおかげで答えに辿り着いたのはいいけどその答えを阿笠さんに伝えた覚えが無かった。
もう!このポンコツ!!
ビリーさんと一緒に、もうちょっと待ってみませんかとか、ほら、イチョウ並木が1番キレイなタイミングじゃないですかとか、ほらイチョウの葉っぱって束ねたら薔薇みたいでしょとか必死で演出して…………ついにその時となり。
無事、阿笠さんと、フサエさんは夕日に照らされた黄金色のイチョウ並木の中で、再会を果たした。
…………ってワケ。
「じゃあオメー、答え最初から知ってたのに俺の連絡に出なかったのは、そのドッキリのためってことかよ」
ど、ドッキリちゃうわい。演出じゃい。
新一くんだけでなく、少年探偵団がじとっとした目で見あげてくる。
どうやら手紙捜索のため、少年探偵団全員を集めたらしい。
少年探偵団に振り回されつつだったなら、ちょっとかかっちゃうのも仕方ないか。
もし早すぎたら、灰原さんから新一くんにも伝えてもらって夕日の丁度良い時間まで答え合わせは待てと頼むつもりだったのだ。
「だって、フサエさんが言うんですよ」
『忘れてるならそれでいいの。バカな女を40年も待たせ続けてたなんて、彼が知ったら心を痛めてしまうでしょ』
「……って。そんなの言われたら、もし忘れてたなら私がこれ以降毎年同じ日11月24日になる度にフサエさんのこと思い出させてやる気しか湧かないじゃないですか」
「なんでそうなるのよ」
べちんと灰原さんに腿を叩かれて、彼女にも睨まれてしまった。
「それだけ、今年の今日この日に合わせてやる気だったって話ですよ。……彼女、私や灰原さんを見て、阿笠さんが本当は既に結婚して、孫までいるのを私が隠しているのでは?って不安だったみたいで」
灰原さんが私の娘みたいに見えたんじゃないかとか……ビリーさんにも言われたんだから!そんな事言わないでビリー!そんなわけないでしょ!
阿笠さんの子供が私だったなら、もう少し私は若いはず。
「その誤解さえ解けてしまえば、あとに見えるのはこの通り」
自分の頭。紅茶色、ピンクゴールドなんて言われた事もある、あまり日本人にはない色の頭を指差した。
「私も灰原さんも、2人とも髪色が明るいでしょう?昔から、阿笠さんは髪の色で人を判断したりしない人ですが、特に――」
「イチョウは!今でも大好きです!!」
……阿笠さんの、顔を夕焼けだけではない赤に染めての、並木中に響き渡るような大声。
照れくさそうに頬を染めて、けど誇らしげに、にっと笑顔で宣言した彼。
その真っ直ぐな目に、フサエさんが口元を押さえて、その後帽子のつばをちょいと下げている。
私からは彼女の目元は見えないが、身長の低い灰原さんたちからは良く見えたらしい。
ちょっとだけ驚いて、そして吉田さんや円谷くんがきゃっきゃと、声を潜めてはしゃいでいる。
「――特に、イチョウみたいな金色の強い髪には、思い入れがあったんじゃないですかね」
「へっ。バーロー……思い入れ、なんてもんじゃねーだろあの顔」
「……良いじゃない。40年間無意味に待たせ続けた挙句、そんな気持ちは微塵もありませんでした。……なんてオチだったら私が怒ってたわよ」
「そりゃないでしょ〜」
そんな事言われたら、マジで転がして帰ってたぞ。
なんにせよ、年月は随分かかってしまったが……なんだか阿笠さんに春が来そうだ。
良いねぇ!私、こういうの大好きさ!
きゃきゃとはしゃぐ子供たちと、もじもじしているふたりから離れ、ビリーさんの元へ。
手伝ってくれたこともそうだが、彼が10年ごとに彼女を連れてきて、そして悲しみに暮れながらついた帰路を慰めてくれていたのは間違いない。
私が近寄るのを見て、車の窓を開けてくれた彼。サングラスが良く似合うが、この人のサングラスからは胡散臭さを感じない。普通にかっこいい。車とシチュエーションと合ってる。
これぞまさにオシャレヒゲダンディズム。
あの男とは違うな!
「ありがとうございます。ビリーさん。成功みたいです」
「フッ……彼女が喜ぶ結果となったなら何よりだ。なんせずっと…、40年も待ち焦がれていたのだから…」
うーん、渋カッコイイ。フサエさんのお母様の、旦那様のご友人らしいが、直接の関係ないのに付き合ってくれるあたり、良い人〜!
「次も、10年後ですかね?」
「どうかな。もっと早いかもしれんな…」
ビリーさんが、ミラーにうつる後ろの、初々しい2人を見る。
私からは直接見えている2人のやりとり。おじちゃんとおばちゃんではあるのに、どうしてこんなにかわいらしくていじらしくて、素敵な2人に見えるのか。
……内面だな。滲み出る内面が全てを語っている。
ところでさ。
「…………あれ、連絡先交換すると思います?」
「……………………」
「……一応、これ、阿笠研究所と彼と私の連絡先書いてある名刺なので……」
「……ではこちらも、ミス・フサエのブランド会社のものにはなるが」
「良かったら、貴方の連絡先もいただけませんか?」
「…………」
フスと鼻をいちどだけ鳴らして、サラッと、ビリーさんはフサエさんの名刺の裏に電話番号を書いてくれた。
やったあ!字もかっこいい!
「ありがとうございます!かけて困る時間帯はありますか?」
「あまり、普段は電話は出られないんだ。私の連絡先は緊急用と思ってくれ。……こちらも、もしミス・フサエが…の時には連絡する」
「では、こちらも阿笠さんが…な時は、ですね」
もにょらせたところは、この2人がそれぞれ自分で連絡するかと言われたら、なんだか『忙しいかも...』とか言ってお互い気を遣いあって連絡しないんじゃないかという恐れがあるためにね。
阿笠さんが日和ってる時は連絡しますね!!
目立つ赤いコートに謎の女のギトギトメイク跡付けて帰ってきたパリッと整った友人を見た赤色嫌いの男の反応「銀座のクラブ帰りのモデルか貴様」
阿笠博士は思い出さなかったわけではなく、ちゃんと約束の場所が分からなかった男ですがばっちり灰原さんに誘導されて昼過ぎになるまでひとりで悩んでました
読んでいただきありがとうございました!