イヴの時間 Another Episode   作:キリュウ

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いらっしゃいませ!


イヴの時間へようこそ!


短い間かもしれないけど、楽しんでいってね!


第四話 un myosotis

 

 

 

アキコちゃんがアンドロイドだったという衝撃で

僕は帰宅するまでイヴの時間のことを考えたりすることはできなかった。

 

「ただいま」

僕は玄関を開けてリビングに移動した。

まだ誰も帰ってはきていないいようだった。父も母も帰宅するのはだいたい夜だし、

姉さんも今は大学生で友だちと遊んだり、まぁ詳しくはないけど大学のゼミと言われるものに

参加したりと忙しいらしい。

 

けれど、彼女ははいる。ペールだ。

彼女は僕が帰ってくるなりおかえりなさいませ、と言って僕にコーヒーの用意をしてくれていた。

まぁ僕は大抵帰ってくるとコーヒーを飲んで少し休憩するので

それを学習していたのだろうとそのときは思った。

 

僕は用意してくれたコーヒーを飲みながら、ペールに昨日のことを質問しようか迷った。

ペールが誰の命令も受けずに自分の意志であそこに行った理由を知る、

・・・いや違うな。アンドロイドには『心』はないのだから

どういうシステムが働いたのかを聞くかということだ。

 

「なぁぺー「た~だ~い~ま~」・・・おかえり」

何の因果かタイミング悪く姉さんが帰ってきた。

姉さんは帰ってくるなりリビングと玄関を仕切ってる扉を豪快に開けながら

リビングに入ってきた。

「ただいま~、って帰ってたんだ!雫!」

「いやさっき僕おかえりって言ったでしょ?聞こえなかったの?」

というより靴がある時点で気づくよね普通は。と僕は思ったがここで

そんなことを言ったら姉さんの暴りょ・・・もとい、おしおきが来るのでそんなことあ言わない。

「うん?そうなの?うんじゃあもう一度、ただいま!」

「うん、おかえり」

僕がそう言うと姉さんは笑顔でうんうんとうなずいた。

「雫も帰ってきたところなの?」

「そうだよ、ほら」

僕はそう言って制服をまだ着ていることを姉さんに見せた。

「そっか~じゃあ何か食べに行かない?

 近くに新しい喫茶店ができたんだけど一人じゃはいずらくてさ~、

 それにちょっと気になるでデザートがあってね、あんたも気に入ると思うよ?」

喫茶店か~僕はそれを聞いて頭の中にはイヴの時間が浮かんでいた。

 

というか姉さんが入りづらいと言うことはよっぽどなのだろう。

だいたい姉さんも僕もあまり他人の目線などは気にするタイプの人間ではなく、

人にどう思われようが自分がこうだと思ったらその道を突き進むタイプだ。

 

だから、正直姉さんの言う喫茶店がイヴの時間なのでは?という考えが大きくなり僕は返事をためらっていた。

それを姉さんは行きたくないと僕が思っているように思えたらしく、

「うん?行くのか出発するのか決めなさいよ!」

もう行くしか選択肢は無いみたいだった・・。

「じゃあちょっと待ってて、すぐ着替えてくるから」

「え?別にそのままでもいいのに」

「いや、あまり制服を汚したりしたくはないしね」

僕は自室に入って制服を脱いで私服に着替えた。

「それじゃ行こうか」

姉さんはもう玄関で靴を履いていた。

ペールには姉さんがもう何か命令を出したらしくキッチンで動いていた。

「ちょっと待ってよ姉さん」

僕は玄関を出て行こうとする姉さんを少しだけ急いで追いかけた。

 

 

 

姉さんに案内されて着いた喫茶店はイヴの時間ではなかった。

まぁあんな場所を見つけてくることも行くこともそうそうないとはわかっていたのだが。

しかし、案内された喫茶店『un myosotis(アン ミオゾティス)』は

とてもおしゃれな雰囲気をだしていた。

場所は家から徒歩で15分くらいしたところにあった。

場所の大きさはイヴの時間とそう大差ないように思えた。

何か違うとすればあの看板があるかないかくらいだ。

「姉さんが僕を連れてきた理由がわかったよ」

店のなかを見てみるとどこも二人組のお客が多いようだった。

というかカップルばっかりだった。

まぁおそらくカップル専門店ではないだろうが有名なデートスポットなのだろう。

でもやはりカップルでない客も少なからず、いや少なくいる。

姉さんなら普通に来れてもおかしくはないと思ったがまぁ姉さんにも

苦手なものはあるのかもしれない。そう結論づけた。

 

「いらっしゃいませ、奥の席えどうぞ」

店のウエイトレスさんに連れられて僕と姉さんは移動した。

この店のウエイトレスは全て人間でアンドロイドは一体もいなかった。

「姉さんはこの店どうやって知ったの?」

「うん?友だちの子に教えてもらったんだ~何かおいしいパフェがあるみたいだよ?」

「え?僕、甘い物苦手なんですけど」

「大丈夫!あんたはいるだけでいいから!」

「?うんまぁわかった」

そういって姉さんがウエイトレスを呼び、食べたいものを注文することになった。

「えっと~じゃあ僕はこのベーグルサンドとアイスティーをください」

僕は一応晩ご飯のことも考え軽めの注文にしておいた。

姉さんは何か楽しそうにさっき言っていたパフェを注文していた。

そうしてかしこまりましたと言って戻っていった。

ただその時、僕のほうを見てにこっと微笑んだのが少しだけ気になった。

 

 

注文した物がくるまで僕と姉さんは適当な会話で時間つぶしていた。

 

 

まぁ姉さんとは仲は悪くはないので会話にも特に困ることはない。

兄弟は仲の悪いものだ、みたいな感じが一般的なものらしいが僕たち姉弟は

小さいころから部屋が一緒だったのが大きくて、姉さんと遊んだりすることがよくあった。

だけど、一年前は受験もあり少しぴりぴりしていた性もあってかあまり口をきくことはなかった。

だから一年前は姉さんはよく母さんと買い物に行ったりペールで遊んでいたりしていた。

けれど最近はこうやって時々だが一緒に出かけたりする。

ただなぜかいつもペールはついてこさせない。

まぁアンドロイドと一緒に歩いてるだけで『ドリ系』などと陰口たたかれたりするが

姉さんはそのような事を言われても気にしないだろうし、

それにまず姉さんに陰口を叩くような()はいないだろう。女は知らんが・・。

まぁ姉さんの話は今はこれくらいにしておこう。

 

 

「この店の名前、何て意味なのかわかる?」

僕は姉さんに聞いて見た。

姉さんは頭が良いというか知識が豊富なので割といろんなことを知っている人間だ。

「あぁお店の名前は、アン ミオゾティスって言うのよ、フランス語で忘れな草を意味するのよ」

「忘れな草?」

「そうだよ、知らない?」

「花の名前は詳しくないからね、というか姉さんが何で知ってるのか不思議だよ」

「まぁそりゃ伊達にあんたの姉やってないからね!」

そういった姉さんの笑った顔は僕以外の男性ならおそらく

一目惚れするであろう無邪気な笑顔だった。

姉さんと談笑していると注文したパフェとベーグルサンドがきた。

ベーグルサンドは思っていたよりは少し大きかったがまぁ食べきれない大きさではなかったのだが・・

「姉さん、それ大丈夫なの?」

「大丈夫だよ~お姉ちゃんだからね!」

「いや、だけどさ・・」

僕にとっては信じれないくらいの量のパフェが目の前にあった。

これがパフェいがいのものなら別に残しても僕が食べてあげるよと言えるのだが、

僕は甘い物が苦手だから協力があまりできないのだ。

しかし姉さんは何も気にせずいただきま~すと言い食べ始めた。

 

小さい頃から、食事中はしゃべらないようにと仕付けられてきたので自然と食事中は静かになるが、

「う~ん、おいしい~」

こういう軽食の場合は、無礼講というかある程度は緩くなってしまう。

「おいしいのはいいけど、ちゃんと晩ご飯食べれるようにしときなよ?」

「あんたは私のお母さんですか!」

そんなたわいなく食べていたら姉さんが突然、ほれ、と言って僕にスプーンをつきだした。

スプーンには姉さんが食べてるパフェのいちごの部分がのっていた。

「うん、見てよ。僕は今ベーグルサンドを食べてるんだ、レタスのしゃきしゃきした食感とチーズの香りと

 ハムのおいしい味を味わっているんだ。僕がいいたいことわかる?」

けれど姉さんは僕がそんなことを言っても、ただほれとスプーンをつきだしたままだ。

もうこうなると僕の負けしか道は残っていないので、僕はその差し出されたスプーンを口に含んだ。

姉さんは僕においしいでしょ?と確認してくる。・・まぁおいしいですよ。

するとなぜか周りの視線が僕たちに向いてることに気がついた。

ある3人組の女子達は僕たちを見ながらキャッキャと何か楽しそうに話していた。

他には、男子2人で食べにきている学生がこちらを見ていた。というか眼鏡の少年の視線はこちらを凝視しすぎだ。

それを隣の生徒、友だちなのだろう、が頭を殴っていた。

 

まぁ姉さんは一般的に言って美人なたぐいなのでおそらく姉さんに見とれているのだろうと思った。

姉さんも何が楽しいのかわからないがニコニコしていた。

 

結局、姉さんはパフェを一人で完食してしまった。

時間的にもそろそろ帰宅したほうがいい時間になったので会計をすませることにして席を立った。

まぁここは姉さんがお金をだしてくれた。別に僕が出してもよかったのだが、

ガキは大人に甘えてろ!となぜか胸を張って言われたのでとりあえず甘えといた。

といっても僕が出しても両親に言えば後から金をくれるので別に甘えるも何もなかったのが。

店を出るときにまた来てくださいねとウエイトレスの人から言われた。

けど、言われたのはそれだけではなかった。・・・お幸せにと。

とりあえず、ありがとうございますとだけ言って僕は店を出た。

 

 

「それにしても、姉さんはモテるみたいだねどこでも」

僕が帰り道を歩きながら姉さんにそう言うと姉さんは何で?と首をかしげていた。

「気づかなかったの?お店のお客さんに姉さんよく見られてたよ」

「そうかな?」

「まぁある程度は自覚すべきだと思うよ」

姉さんは本人は否定しているが少々天然なところがあるのがネックだ。

人はそこがいい!と言うらしいが弟としては割と困ることだ。

 

「にしても雫、ウエイトレスさんに帰り何か言われてたよね?なんだったの?」

「あぁ、それね。何かお幸せにとか言われたんだけど、どういうことだと思う?

 僕ってそんなに不幸せな顔に見えるかな?」

姉さんはそれを聞いて、あぁ~と目を泳がせながら口ごもっていた。

「うん?なにかしってるの?」

「え!?いや、たぶん雫が可哀想な子に見えたんじゃない?」

「か、可哀想な子って・・・」

「まぁまぁ!雫にもいつか幸せはくるって!というか今が幸せでしょ!こんな綺麗な女の子と一緒に歩けてさ!」

「・・・ウン、シアワセダヨ」

「棒読み!?」

「ハハハ、まぁ今日は割と楽しかったよ、ありがと姉さん。」

そう言って僕と姉さんは家にたどり着いた。

 

 

「ふぅ~とりあえず、晩ご飯まで僕は勉強してくるよ」

「は~い、医者になりたいなら姉さんくらい超えられるようにね~?」

「姉さん超えれたらそこら辺の医学部くらいすぐに合格できるよ」

そんな姉さんなりの応援をもらいながら僕は部屋に入って勉強を始めた。

 

 

 

姉さんは姉さんの部屋に移動したらしい。

部屋に入った姉さん(明日香)は一枚のチラシを手に取った、

 

 

「・・・これが、ホントの姉弟だよね?」

 

 

そこには先ほど雫と二人で行ったun myosotis(アン ミオゾティス)の店が書かれていた。

 

『カップル限定、幸せになるパフェ期間限定発売中』と・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





少しづつアレンジを組み合わせていきたいと思ってます!

優しい感想お待ちしています!


それでは!イヴの時間はまたのお越しをお待ちしています!
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