いらっしゃいませ!
イヴの時間へようこそ!
短い間かもしれないけど、楽しんでいってね!
最近は色々なことがありすぎて忙しい。
肉体的に忙しいというわけではないが、
頭を考えさせられることばかりだ。
僕は朝食を食べながら頭をふらふらさせていた。
「あんた大丈夫なの?ねぼけてる?」
姉さんはそんな僕を見て心配する。
まぁ確かに目の前で頭をふらふら前後させてたら寝ぼけていると思われても仕方ない。
「だいしょぶです、ありがとうございまふ」
「なんで他人行儀?ってか言えてないし」
そんな風に朝食を2人で食べていた。
父さんも母さんも朝は早いので僕たち姉弟が家を出るのが最後だ。
うとうとしながらテレビを見ているとCMに変わった。
そのCMは倫理委員会の作ったものだった。
といっても流れるCMはほとんどが倫理委員会のものである。
そしてニュースに変わった。
今日のニュースでは倫理委員会の人がゲストにまぬかれているようだ。
そのゲストが言うのは簡単に言うとこういうものだった。
「最近、アンドロイドに安らぎを求める人が増えている。
アンドロイドを選ぶ際もパートナーを選ぶ目線で購入したりして、
あまり良いことではない。
そもそもアンドロイドを人間視すること自体が問題である。」
だけど今の僕にとって一番響いたのは次の言葉だった。
「結局、アンドロイドには感情も個性も無いのだから」
姉さんはそれを見て、ふ~ん少子化が進むのも
こういうのが原因なのかもね~などと言っている。
だけど、僕にとってはアンドロイドが無感情、無個性という言葉が
どうしても納得できなかった。
「ねぇ、雫は・・違うよね?」
「え?何が?」
突然話しかけられて僕は驚いた。
けれど、姉さんは続けた。
「いやだからさ~、その~アンドロイドを人間視したりとかしたりしないよね?
いや、別にドリ系の弟がいやってわけじゃないんだけどね?」
最近の姉さんがこれだ。といっても最近というか高校入学する前から少しこんな感じがあった。
昔はドリ系なの?ふ~んくらいで軽くすませるような感じだったのに、
なぜか僕がドリ系というかアンドロイド相手に仲良くしている所を見ると
機嫌が良くなくなったりする。理由はよくわからなかった。
「いや、アンドロイドはどこまでいってもアンドロイドだよ、人間とは違う」
僕はとりあえずそういった。
「だよね!うん、まぁどれだけ似てても人間とはちがうもんね~」
姉さんはそう言ってニコニコしながら食べ終えて、じゃあ先に行くわと言って
家を出て行った。
僕も姉さんの後を追うように朝食を食べ終えて席を立った。
玄関まで行くと後ろからペールが着いてきた。
鍵を閉めてくれるのでまぁ当たり前といったら当たり前の動作だ。
僕はペールにいってきますと言って家を出た。
そのとき一瞬振り返った僕はペールを見た。
なぜかその顔は悲しんでいるように見えた。
なぜか僕には・・わからない。
学校に着くとクラスにはもうすでに大河と柊は来ていた。
「おっす雫!何か眠たそうな顔してんな?寝不足か?」
「おはよう大河。いや、ちゃんと睡眠はとってるよ」
「体が大事だぜ?それにそろそろ中間考査じゃん?めんどくさいわ~」
「めんどくさいって、あんた勉強できるからいいじゃん!」
「まぁ、これでも法学部目指してますからね~」
大河は小さい頃から法学部を目指しているらしいということは前々から知っていた。
何でも父親は法学部出身で今は倫理委員会で働いているらしい。
その点、柊のほうは頭は悪くはないのだけど、僕たち3人で比べると下ってことになってしまう。
柊は女性には珍しく理系志望らしい。というのも理数が得意で国語が苦手らしいのだ。
始業の鐘が鳴り先生が教室に入ってきて朝のHRが始まった。
まぁ特に取り立てて何かあるわけであないが、
来週に中間考査の試験範囲を書いた紙を掲示されるらしく、
クラスのみんなも入学してから初めてのテストなので割と気合いが入っているみたいだ。
一限目の数学が終わった頃に一体のアンドロイドがクラスに来た。
クラスの一人の生徒が3限目の体育の授業で必要な体操服を忘れていたみたいだ。
その生徒はアンドロイドが持ってきた体操服を受け取り、お礼も言わず
もう帰れ、ただその一言を言って友だちの輪に戻った。
あぁ、この前までの僕だったらこの光景を見ても仕方のないことだ。
それが今の世の中なのだから、と思えた。
けれど、イヴの時間で知り合ったアキコちゃんのような存在がいると
今の生徒の態度に君はどう思ったのか?
いやそもそも君は何かを感じるなんていうことがないのだろうか?
そう尋ねてしまいたくなってくる。
僕はいったい何を考えているのだろう。
何に対して迷っているんだろう。
わからない。
横に座っていた大河が僕に言う。
「ドリ系ってわけじゃねぇけど、やっぱああいう態度ってよくねぇように感じねぇか?」
「うん、まぁ見てて関心はしないよね」
「だよな~、まぁ俺の家にはアンドロイドいないからよくわかんねぇんだけどさ」
そこで前に座っていた柊も考えを言ってきた。
「でもさ?ロボットなんだよ?自分のものなんだしいいんじゃないの?」
「うん、まぁそれを言ったらそうなんだけどね」
柊の考え方が一般的で僕や大河のような感じ方をするほうが問題だと言われるだろう。
でも、やっぱり僕がアキコちゃんにあんなことはできない。
次の日の放課後、僕はとうとうペールに会ってみようと思った。
あぁ別にいつも会っているけど、イヴの時間でという意味だ。
今まではペールが来ている曜日は外していたけど、
もうそんなことはしなくていいと感じた。
会ってみよう、確認してみよう。
僕が何をわかっていないのか。
それがペールとイヴの時間で会えばわかるような気がしたから。
イヴの時間に着くとやはりナギさんが出迎えてくれる。
とりあえずいつものイヴレンドを頼んで僕は二階のテラスに昇って
ペールが来るまで待つことにした。
二階を利用する人はあまり少ないようで今日は僕だけだった。
時々チエちゃんが遊んでいるが今日は一階で遊んでいるようだ。
僕は1人静かに椅子に座って待った。
・・・来ない。
おかしい、もうかれこれ30分はたつ。
別に待つのに飽きてきたというわけじゃない。
だけど、僕が帰宅している時間にはだいたいペールは家にいるのだから
僕はそろそろ来てもおかしくはないと思っていた。
「もしかしてもう来てたのか?」
おそらく今日が来ない日ということはないと思った。
過去の履歴では決まってこの曜日に来ていたから。
そうしていると下からチエちゃんが上がってきた。
「にゃ~」
「こんにちは、チエちゃん」
後ろからシメイさんもついてきていた。
「どうも、雫さん。お一人ですか?」
「はい、といっても僕はもともと一人が多いですけど」
「はは、そうでしたね。ですが今日はなぜかそわそわしていうように感じられますよ?」
「あ~、そうですね、ちょっと人を待っていて」
「あぁそうでしたか。もしかして彼女さんですかな?」
「え!?・・・からかわないでください」
「これは失礼。けれど待ち人はどのような人なのでしょうかな?」
おぉ割と踏み込んで質問してきたと僕は思った。
けれどなかなか来る気配もないのでとりあえずシメイさんと
談笑でもして時間をつぶそうと考えた。
「そうですね、まぁ来るのは簡単に言うと家族というのが簡単かもしれないですね」
「ほ~ご家族ですか?それは雫さんのご紹介でこの店に?」
「いえ、今から来る方がもともとこの店を知っていて
僕が後からこの店を知ったんです。」
「なるほど~雫さんはその人が気になってこの店に来たんですな?」
「・・そうですね。その通りです。彼女が何でこの場所に
通っているのか、気になってしまって」
「やはり待ち人は女性でしたか、どのような人なのですかな?」
「ど、どのようなというとそうですね。雰囲気は結構落ち着いた感じの雰囲気ですね。
まぁ見た目も結構大人びていて、まぁ身長は僕より低い感じですね」
「ほほぅ~それはそれは。雫さんにとってはお姉さんということですかな?」
「・・まぁ、そうなります」
この時、僕は
「ところで、雫さんの待ち人はさんはあの方ではないのですか?」
「え?」
シメイさんに言われて一階を覗いてみるとカウンターに座っている女性がいた。
いつものセミロングの髪はポニーテールにされており一瞬わからなかったが、ペールだ。
僕はペールに気づかれないようにゆっくり階段を下りていった。
なにやらペールはナギさんと話しているみたいだった。
ペールの横には小さな瓶が置いてある。
その瓶を僕はどこかでみたような記憶があったが、
僕は今はここにやはりペールは来ているんだという事実に驚いていた。
そして僕は一階におり彼女に声をかけた。
「ペール、何しているの?」
彼女は僕と目が合うと椅子からすぐに立ち上がりカウンターから離れた。
驚いた彼女は、え?なんで、とおろおろしている。
「なぁペー「ご、ごめんなさい」え?ちょ、ちょっと待てペール!」
彼女は僕の言葉も聞かずに一目散に扉から出て行った。
「ちょっと待ってくれペール、俺はただ君と!」
追いかけても扉が閉まってしまったため追いつくことはできない。
ここの扉は一度閉まると、一定の時間がたつまで開かないのだ。
僕は扉の前で立ち尽くしていた。
さっきのがペールなのか?
あんな表情、あんな行動をするのがペール?
いつも家では無表情、言われたことだけをする行動。
それがやはりここでは関係なく人間のように振る舞える。
やはり、この店が何か原因なんだ。
システムに何か入り込む要因がおそらくある!そう思った。
今日、何か新しいことがわかったり
最近疑問だった感情もよくわかりはしなかったけど
少なからずペールはこの店に来ている。
それがなぜなのかはわからないけど
この店に深く関わればわかるはずだ。
とりあえず、僕はナギさんにイヴレのおかわりを頼むことにした。
ふぅ~話が思いつきませんね~
とりあえず、頑張ります!
それでは!イヴの時間はまたのお越しをお待ちしています!