IS×機動戦士ガンダムGQuuuuuuX 自由な「ソラ」   作:ミヤトルト

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フッハハハハ!! 長くなりすぎた!
2つに分けます。
タイトルを少し変えました(2025/06/07)


クラス代表決定戦のマチュ セシリア戦1

色々と情報が多く、イギリスの代表候補生との戦いが決まった入学初日から1週間。

織斑先生により指定されたその日の放課後、私は指定されたアリーナの待機室にいた。

 

「おっそいねー、織斑君のIS」

『オソイ、オソイ』

「…………」

NYAN kintyou sinaide

「なぁ、これ本当に間に合うのか?」

「うむ……ここまでギリギリだと……」

 

私とハロの声、それからコンチの機械音に続いて織斑君と篠ノ之さんの不安げな言葉が響く。

元々この戦いは織斑君とオルコットさんの戦いだ。なので最初に二人が戦って、次はオルコットさんと私。

その筈なんだが……織斑君の専用機が未だにやって来ない。

彼に専用ISが与えられる事が分かったのは入学2日目の事だ、織斑先生から男性操縦者のデータ収集が目的で専用機が与えられる事が分かり、オルコットさんは倒しがいがあると息巻いていたのをよく覚えている。

 

「はい、織斑先生」

「なんだ、ユズリハ」

「このまま織斑君の機体が届かなかったら、オルコットさんと織斑君の試合はどうなるんですか?」

「……そうだな、時間を守れないのであればオルコットの不戦勝になるだろう」

「えぇ!? そりゃねえよ千冬ね「織斑先生だ」おごごご……!」

 

スパァン! と良い音が鳴った直後に頭を押さえる織斑君という、この一週間で良く見る光景になった一連の流れを見ながらその場合を考える。

……あれだけオルコットさんに噛み付いて、当日は機体が間に合わなくて不戦敗。

あまりに情けなさ過ぎる。私だったらその後のクラスに耐えられる気がしない。

それは流石に……という事で提案。

 

「じゃあ、もう順番を入れ替えて私がオルコットさんと戦いに行っても良いですか?」

「マチュ!?」

「……オルコット側が認めれば問題はない。が、オルコットは時間に間に合わなかったからと言って譲るような性格ではないだろう」

「むぅ、確かに」

「やはり来るのを祈るしか無いのか……」

「頼む! 早く来てくれ、俺の機体!!」

 

『時間通りに戦う事すらできないとは……やはり男は下らない生き物ですわ』とか言うオルコットの姿が想像できる、できてしまう。多分、順番変えをただ提案しても受け入れないだろうな

織斑君と篠ノ之さんはお祈り態勢に入った。

私としては、このまま祈るのはあんまり意味が無いと思う。

とは言え、2人の心情も何となくわかる。

私と織斑君の入れ替えによる時間稼ぎを私本人に頼むのは、余りにも自分達に都合が良すぎるという事だろう。

でも私は、まだ何かができるというのならそれをやるべきだと思う。

 

「うーん……うむむむ……」

『ムムム、ムムム』

 

要は、オルコットに私と織斑君の入れ替えを認めさせれば良い訳だ。

多分あいつのプライドと言うか、代表候補生としての誇りにこう、ちょっかいかければ行けそうな気がする。

気がするが……どうした物か。

私的にはイマイチピンと来ない。

 

「ニャアンは何か無い? オルコットを説得するアイディア」

「わ、私!? なんで!? 私今回は特に関係ないじゃん!?」

「まぁまぁ、私を助けると思ってさぁ……実際、ニャアンの知識でどうにかならない?」

tomodatiwa tasukerubeki NYAN

「えぇ……まぁ確かに、ここでマチュを応援できるのは特別か……うーん」

 

私と同じように頭を捻り始めたニャアンだったけど、それも数十秒で終わった。

流石ニャアン、私よりも頭が良い。機転に関しては私も負けてないけど、知識とか静かに考えるならニャアンの方が上だ。

おずおずと、ニャアンが手を上げて発言権を主張する。もっと自信ありげに行けば良いのに。

 

「あの……織斑、先生」

「どうした……2組のニャアンだったか、アマテと同じジオンの代表候補生」

「は、はいぃ……あの、試合まで残り時間はどれくらいですか……?」

「およそ5分といった所だ」

「やっぱり……なら、こんな感じなら」

「ほうほうほう。良いじゃん、行けそう! それじゃ早速!」

「え、ちょ、いきなり!?」

 

私はニャアンから策を与えられ、それがイケると確信した。そのまま既にアリーナの中央で浮いているオルコットに対して連絡を入れる。

まぁ待機室からアリーナへ向けて、直接大声を出すだけなんだけど。

ニャアンが驚く、けどこの事を伝えるなら早い方が良い。

特に、織斑君のI()S()()()()()()()()()()

 

オルコットさーん。聞こえるー!?

「はっ!? ユズリハさん? 何ですの、直接大声を出してはしたない……ハイパーセンサーで拾いますから、普通に話してくださいまし」

「あ、そう? じゃ甘えて。実は織斑君の機体が届くのギリッギリになりそうでさー、先に私と戦わない?」

「……ハァ、まぁそんな所だろうと思っていました。ですが、私からしたらそんな提案を受ける理由がありませんわ。所詮は男なんてその程度、このまま不戦勝で貴女と戦った方が無駄な労力を割かずに済みます」

 

うん、予想通りの反応。

織斑君達2人は落ち込んで倒れてるけど、ここまでは想定内。

むしろ不味いのはこっちかな。時間切れだ。

 

「と、届きました! 織斑君の専用機!!」

「山田先生!」

「マジか! よっしゃ、間に合ったなら「はいストップ」な、何だよアマテさん!?」

「聞こえてましたわよ。無事に届いたのなら結構、予定通りに始めましょう?」

 

山田先生が持ってきた織斑君の専用機。

織斑君と篠ノ之さんは喜んでいるが……ちょーっと交渉が不利になってしまった。

というか大前提として私と織斑君を入れ替える意味があるのかって話だ。

まぁ、まだニャアンの入れ知恵でなんとかなる。

 

「マチュ、別にもう良くない?」

「うーん……そうと言えばそうなんだけど、さ」

 

でも、このままは多分良くない。

何が良くないって説明するのはちょっと難しいけど……何だろう? 多分オルコットにとっても、クラスの代表を決める戦いとしても、()()()()

 

「さぁ、早く出てきなさい。例えISを扱えるとしても所詮は下等な男。何も変わりませんわ!」

「……オルコットはさ、それで良いの?」

「何をおっしゃってますの? ユズリハさん。いえ、貴女と戦うのは後です。今は……」

「このまま織斑君にハンデを貰って、戦って勝ったとして、胸を張って自分がこのクラスの代表だって言える?」

「……なんですって?」

 

おぉ、オルコットからとてつもない怒りや憎しみみたいなドロドロの暗い感情を感じる。

普通な織斑君や篠ノ之さんすら感じ取り、ニャアンはプルプル震えて立ってるのがやっとみたい。大丈夫かな。

でも、ここで引くのは駄目だ。

このままじゃ、オルコットの方が傷付いてしまう可能性がある。

 

「ハンデ? 私が? 男と戦うのにハンデがいるですって!? 取り消しなさい、アマテユズリハ!! こんな侮辱はありませんわ!!」

「取り消さないよ。それにハンデが必要なんじゃなくて、実質的にそうなっちゃうって事」

「どういう事です!? 貴女は何が言いたいのですか!!」

「だってこのままだと、初期設定の織斑君と一次形態移行済みの貴女が戦う事になっちゃう。それがハンデじゃなくて何なのさ、それが貴女の望む()()なの?」

「っ!?」

 

驚愕したようなオルコットが動きを止める。

これがニャアンからの入れ知恵。このまま進めば初期設定の織斑君と、一次移行した専用機を持つオルコットとの戦いになる。

それは彼女が求める戦いなのだろうか。クラスの代表を決めるなら、対等な戦いに勝ってこその決闘じゃないのだろうか。

そんな心理的な隙を付く作戦だ。

それに決闘って言い出したの向こうだし、そこら辺も使わせて貰った。

 

「なぁ、俺会話に着いていけてないんだけど、どういう意味なんだ?」

「い、いや私もイマイチ……」

「えっと……今来た織斑君の専用機は真っ白な初期状態で、ISにはパイロットのデータを入力した初期設定状態、専用機になるとそこから更に一体化を進めた一次形態移行状態があって、それぞれの間にはどうしても差が生まれるの。一次形態移行するにはどうしても時間がかかるから、規定の時間通りに始めるなら織斑君の一次形態移行は間に合わない。そのままオルコットさんと織斑君が戦うと、一次移行済みのオルコットさんと初期設定の織斑君が戦うと事になって、対等じゃない。って事なんだけど……」

「むぅ……分かるような、分からんような」

「ご、ごめん。そうだよね、こんなに一気に話しても分からないよね……ごめんね……」

「そう落ち込むな。お前の理論は正しい。その上目の付け所も悪くない」

「それにアマテさんに頼まれたとは言え、考えてくれてありがとうな。ニャアンさん!」

「え……いやいやいや、こちらこそ……ありがとう、ございます」

 

ニャアンによる解説とそのフォローをしてくれる織斑先生。素直にお礼を言ってくれる織斑君。

うん、ニャアンにも良いことだ。

個人的にニャアンはもうちょっと交友関係を増やした方が良いと思うし。

んじゃこっちも。

 

「私は……私は……!」

「どうする? このまま始める? それとも……」

「……良いでしょう、貴女の提案を受けます。先にユズリハさんと戦う事にしますわ」

「オッケー。じゃ、準備が終わったらすぐ出るから待ってて」

「えぇ、待っていますわ……」

 

話を終えて、私は待機室の中に一先ず説得に成功したVサインを構えて戻っていった。

 

「よし。これで万事オッケー! まずは私から!」

「あの、ごめんなアマテさん。本当なら俺とオルコットの筈なのに……」

「気にしてないよ。ていうか機体が届かないのは織斑君の責任じゃないし。それにオルコットにも言ったけど、このまま二人が戦うのはオルコットにとっても良くないし」

「相変わらず無茶苦茶だよ、マチュ」

「ふふん!」

「そこは得意気になる所か?」

 

ニャアンの引き気味の言葉に、篠ノ之さんのツッコミまで貰うけど無問題。

私は自分の耳……専用機の待機形態に触れながら、その名前を呼ぶ。

 

「行くよ、ガンダム」

 

まばゆい光が私を包み込み、私のやる気にガンダムが応えてくれる気がした。

そうして私の全身を包んでいた光が消えて、光の中から現れたのは……

 

「か、カッコいい……!!」

「これがジオンの新型、全身装甲型(フルスキンタイプ)か」

「頭は……単眼、なのか?」

『マチュ、マチュ』

「ハロは私と一緒だよ」

MATHU kirakirawo wasure naide

 

機体色は青と白が主体で赤と黄色もある落ち着いた感じのトリコロールカラー、それに全体的に黒の差してあって落ち着いてる感じの色合い。

顔は……人で言う目の部分にはバイザーが付いてて、そのせいで単眼に見えなくもない。この辺りはジオンの趣味というか、伝統? らしい。

とにかく人体に近い形、という事を目指したこの機体は生身の人間と同じような動きが可能だ。

そんな私の専用機を見た反応は人それぞれ。

織斑君の反応が男の子特有のヤツだ。

エグザベ少尉も目を輝かせながら同じ事を言ったし、なんなら緑のおじさんも「これは……悪くないですね」なんて言ってた。

男の人ってこういうのが好きなのかな……

 

「それじゃ、行ってきまーす!」

「気を付けてね」

『ガンバレ、ガンバレ』

itterassyai

「負けるなよ!」

「勝ってこいよ!」

「オルコット共々、怪我はしないように」

 

皆からの声援を受けながら、私はアリーナに飛び出していった。……それにしても、こっち側に人が居すぎじゃない? オルコットにはこんな事言ってくれる人は居るのかな。

そんな事をふと思いながら、アリーナ中央で待っていたオルコットと向き合う。

 

「やっほ、お待たせ」

「……それが貴女の専用機ですか」

「そ、良いでしょー」

 

正直挨拶位返せやと思う。

が、それはそれ。私はオルコットの前でガンダムを纏ったまま一回転して見せる。

全身装甲というと、装甲の変わりに重い、というのが一般的だ。

けどこのガンダム・クアックスことジークアクスはその辺りもクリアしていてとても軽やか。

ISなのに、普通に動いているみたいに違和感が無い。これって凄いことだと思う。

 

「戦いの前に、貴女に言いたいことがあるのですが。良いでしょうか」

「何? 負けた時の言い訳?」

「違います……ええ、今ので確信しました。私は貴女の事が嫌いです」

 

唐突にオルコットから嫌いと言われた。

酷くない?

確かに色々と言ったかもしれないけどさ、喧嘩を売ってきたのはそっちじゃん。

まぁ、私はそういうオルコットが嫌いでは無いけれど。

彼女は真っ直ぐだ、良くも悪くも。

 

「酷い嫌われようだね、でも私は貴女の事は嫌いじゃないよ。そうやって真っ直ぐ嫌いって伝えてくれる所とか」

「貴女の! そういう所が……まるで心の中に無断で入られているようで、嫌いなのです!!」

 

へぇ。

思わず感心してしまう。

やっぱり、オルコットもこっち側なのかな。

でも、それなら余計に私は嫌いになれないかも。

そして待機室で「ちょっと分かる」とか言ったニャアンは全部終わったら問い詰めよう。

あぁ、でもそうだな……

 

「別に良いよ、私も貴女の事は嫌いじゃ無いけど……それはそれとして、私の夢を馬鹿にしたのは許してない

「っ、良いでしょう……貴女は私の全力で打ち倒します!!」

「当然でしょ。手加減なんて許さない」

 

お互いが挑発して、やる気は十分。

始めよう。

私達の意志に応じるように、カウントダウンが始まった。

 

3.

2.

1.

 

大きく息を吸って、吐く。

私の頭の中をクリアにしていく。

意識を集中させて、目の前の敵を見る。

そうだ、敵だ。

目の前にいる彼女は……だ。

 

GO!

「ハァッ!!」

「この! ぐっ!?」

 

バトル開始と同時に私達はそれぞれの武器を呼び出す。

選んだのはどちらもライフル、ただしその後の早打ちはオルコットの方が早かった。

オルコットのライフルから発射されたビーム、対ビームとして教わった盾の角度を合わせる事を意識しながら受けた。

けれど出力が高い一撃に、盾の上から衝撃で態勢が崩れる。

ていうか、相手もビームライフルじゃん!

 

「まだまだ行きますわよ!」

「上等!」

 

続けて撃たれるビームは、空中で態勢を立て直して加速することで回避。

バックパックと足の裏にあるブースターで加速すれば、既存のISで追い付くことは不可能!

そのままオルコットの射撃を避けて、銃を盾に隠しながら撃つ!

 

「そちらもビーム兵器! ですが、速度はこちらの方が上のようですわね!!」

「くそっ!」

 

こっちの攻撃はオルコットに回避され、逆に撃たれた反撃の一撃を盾で受ける。

オルコットの言う通り、速さが違う!

お陰でジオンでやった練習の時より防御が上手くいかない!!

 

「まだですわ、行きなさいビット!!」

「なっ!?」

 

オルコットの専用器、その一部が分割されて4つのパーツが単体で動き始める。

凄く嫌な感じ……まるで一つ一つがオルコットの敵意を纏ってるみたい。

それがぐるぐると私の回りを舞い始める。

そして

 

「堕ちなさい!」

「やっぱりか!」

 

4つのビットが私を囲いビームを撃ってくる。

ビームを回避しても、その先でもまだ別のビットが狙っているのが分かる。

全部がオルコットの敵意を持ってて、私を絡めとろうとしてるみたいだ。

邪魔くさい、ていうか鬱陶しい!

 

「こんのぉ!!」

「甘いですわよ」

 

私の反撃のビームは、動き回るビットには掠りもしない。しかも反撃の瞬間を狙ってまた撃って来るし!

ビットの攻撃を盾で受ける。その一撃はオルコット本体の攻撃よりは軽い、けど数が多すぎる!!

上下左右、右往左往にスラスターを吹かして何とか回避に専念する。

すると突然、ビットによって周囲の空間に漂っていたオルコットの敵意が消えた。

 

「? ……ハッ!!」

 

疑問を覚えた次の瞬間に強く鋭い敵意……いや、それ以上のモノが私に向けられる。

まるでもう着弾したような感覚。

これは……オルコット本人か!!

 

「ぐっうぅぅぅ!!」

「防いだ!? っ構いません、ビット!!」

 

オルコットのビームはやはり重い。防いだとしても態勢が崩れる。しかもまた始まるビット達による敵意の檻。

また始まった無数のビームを避けながら、敵意の息苦しさに飲み込まれる!!

 

「くっそぉ!」

 

4つのブースターを吹かして距離を取る。

これで一旦はビットから抜け出せた、けれどこれは不味い……

 

ーーーーーーーー

 

「これが、ISバトル……!」

 

アリーナの出撃待機室で織斑一夏が呟く。

彼はこれまでISに触れてこなかった、故に姉の戦い以外にここまで詳しくISの戦いを見たのは始めてだ。

目の前の戦いに引き込まれながら、同時にこの戦いについて考える。

 

「でもこれ、アマテさん不味くないか?」

「ああ、セシリアがあの飛んでいる武器を使い始めてからは圧倒されている……」

 

不安気に聞く一夏と、答える箒もその声は不安が滲んでいる。

そんな二人に対して、担任の千冬が会話へとが割って入った。

 

「あれが第三世代機の特徴である特殊武装だ」

「第三世代機……?」

「ISには世代があるの。第一世代は白騎士を目標にとにかくISの完成を目指した世代。第二世代は今の主流で後付け武装で色々できる世代。第三世代は今開発段階の機体達で、イメージインターフェースっていう……頭だけで動かす特殊な武器の搭載を目的にした世代……です」

「ニャアンが言った通りだ。あの飛び回っているのがイギリスの特殊武装のビットだ。本人とは別に動かす事で全方位攻撃を可能にしている」

「あれ全部、一人で動かしてるのか!?」

「そうだ。それがイメージインターフェースであり、その適正を持つものは少ない。オルコットはその中で最高レベルの適正を持つ」

「そんな……」

「じゃあ、アマテさんは……」

「馬鹿を言うな、ちゃんと見ろ」

 

ニャアンと千冬の解説を聞いた一夏と箒の表情が絶望に染まる。

が、そんな二人に勘違いも甚だしいと千冬に促されて二人は視線をモニターに戻した。

千冬が更に解説を続ける。

 

「ユズリハのシールドエネルギーを見ろ、殆ど減っていないだろう」

「え? 本当だ……」

「ユズリハとて代表候補生だ。攻撃は全て避けるか盾で受けるかの二つ、直撃はしていない」

「確かに……言われてみればそうですね」

「それに、あの機体もジオンの第三世代機体。ユズリハはそのパイロットである以上、イメージインターフェースの適性はある」

「そ、そうなのか? ニャアンさん!」

「え!? そ、それは……」

 

千冬がマチュの実力とその才能の話をした事で、一夏が同じくジオンの代表候補生のニャアンに質問を投げ掛ける。が、ニャアンからすれば一応専用機の話は機密事項。しかしその適性については話して良いのか悩む……

 

『マチュノテキセイ、スゴイ』

「ちょ!? ハロ!」

sainoutoyoberubetaha mou gakuennidasiteiru

「……そういう訳だ、ユズリハとてまだまだ負けてはいない」

 

千冬の言葉に一夏と箒にまた火が着いた。

そのままマチュの応援に回る。

そんな二人を見ながら、会話に入れなかった山田摩耶はおおらかに笑みを浮かべ、千冬は真剣な顔でモニターを見る。

 

「(だが、遠距離機体相手に距離を取った以上はこれからはユズリハが不利だ。この状況から逆転できるとは今の所は思えん……気になるのはジオンの特殊武装か)」

 

思考を回しながら千冬がそれを知っているであろうニャアンの様子を盗み見る。

しかしニャアンは何も表情には浮かべていない。

ただモニターを見ている。

 

「……ハァ。とにかく二人とも無事に戻れよ」

 

ため息を交えながら呟いた千冬の一言。

それはただ教え子を心配なしている教師であり、彼女達の先を行く大人としての言葉だった。

 




続くよ!
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