IS×機動戦士ガンダムGQuuuuuuX 自由な「ソラ」   作:ミヤトルト

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こちら2話更新の後編となります。
最新話から飛んできた方はご注意下さい。
タイトルを少し変えました(2025/06/07)


クラス代表決定戦のマチュ セシリア戦2

「くっそぉ!」

「この程度なら、押しきらせて貰いますわ!!」

 

オルコットのビット攻撃からひたすら逃げながら、私は焦り始める。

距離を取った事で、オルコット本人の攻撃は減ったしビットも大振りな動きに変わった。

多分この距離で細かく動かすのは苦手なんだと思う。ただし、距離が空いていれば攻撃を避けやすいのは私だけじゃない。

 

「ふっ!!」

「残念ですわ、ね!!」

「だぁっー! この!」

 

私の反撃もオルコットに全く当たらない。

それにビットの攻撃は減ったけど……纏っている敵意の檻は未だに広い。

この檻が、私の動きを阻害する。

常に敵意を向けられていて、息が休まる暇も無くて苦しい。

 

「はっ、はっ、はっ、くっ!?」

 

また始まったビットの連続攻撃をスラスターを使って回避する。

くそっ。敵意が多過ぎて、対応がしんどい。

そんな事を思いながらビームを避け続ける。

そして、また敵意が消える。

 

「やっば!」

 

オルコット本人から撃たれた一撃。

攻撃は避けられたけど、その前の敵意が尋常じゃない。本当に私が嫌いなんだな!!

何回か繰り返して分かったのは、オルコット本人とビットは同時に攻撃してこない。

さっきみたいに、本人が攻撃する時は敵意の檻が消える。って言っても。

 

「ぐぬぅ!!」

 

すぐさま始まるビットの攻撃でまた閉じ込められるんだけど!!

くそ、これをどうにかしないと。

だけど私は避けるのに精一杯で、息苦しさも相まって呼吸が短くなる。

 

「はっ、はっ、はっ、はっ」

 

苦しい、まるで溺れているみたいだ。

海じゃなくて、空に溺れる。

いや笑えないよ。自分で自分に突っ込みながら、またビットの攻撃を避ける。

 

「どうにかしないと……どうしたら良い!?」

 

息がつまりそうになりながら、どうにかする方法を考える。でも考えようとする瞬間も撃たれ続けて、考えが纏まらない。

どうする、どうすれば……!!

『上だ、マチュ』

「っえ?」

『自由になるんだ』

焦る私に、一瞬だけ『声』が聞こえた気がする。

それは、確かに『上』と告げた。

 

「上……そうか!」

 

『声』に従うように、私は上を目指してブースターを起動する。

バッグパックと両足のブースターを使い、とにかく上を目指す。

ビットが撃ってくるけど、全部無視。

上へ、上へ、昇れ!!

 

「ビットですら追い付けない!?」

「お、りゃぁぁぁ!!」

 

昇る、昇る、昇る。

全部置き去りにして、敵意の檻を突き抜けて。

私は空へと上がった。

そうして

 

「はっ、はー……あ」

 

やっと息が楽になって、呼吸の仕方を思い出す。

そして深く息を吸って、ようやく目の前に広がる光景を見た。

青い空、真昼の月、視界を動かせば青い海。

自由に飛ぶ、海鳥達。

太陽の光を反射して、光ってるみたいな海。

 

「綺麗……」

 

でもやっぱり、私を引き付けるのは別。

この青い空、その向こうにある星達の宇宙(うみ)

それが見える。ううん、感じられる。

 

Ω Psycommu system

 

そうだ、なんで忘れていたんだろう。

確かに私はまだこの地球に居る。

重力の下に居る。

でも、この機体を。

ISを纏っている私は……

 

Unlock

自由なんだ!!

 

刹那、私の世界がキラキラで溢れだす。

暗い宇宙が、色付いていく。

世界(わたし)が広がる。

どこまでも広がって、全部を感じ取れる。

オルコットの戸惑いも、織斑君と篠ノ之さんの心配も、織斑先生と山田先生の怪我の心配、それに……

 

「あっ」

『ロックガ、ハズレタ』

Mathuga kirakira wo mituketa

「うん、頑張れマチュ」

 

頑張るよ、ニャアン。

キラキラの中で私は、ガンダム(わたし)と向き合う。

ガンダムの顔が変わっていく。

バイザーのロックが外れて、開いていく。

バイザーは角に変わり、上へとずれる。

そうして露になった緑色の瞳。

行こう!!

右手の武器をライフルからヒートホークに変えて、そのまま落ちるように、下のオルコットに向けてブースターで加速する!

 

「うぉぉおお!!」

「何ですの今のは……っ、行きなさい!!」

 

また私を押さえるように向かってくる、相変わらず敵意を乗せたビット達。

でも、もう大丈夫。

だってあの敵意に満ちた空間すらも、世界の一部だから。

世界が私に教えてくれる、私に応えてくれる。

なら、全然怖くない!

 

「よ、ほ、とと、ごめんね!」

「ビットが当たらない……!? 顔が変わった程度で、あり得ませんわ!!」

「そうかも!」

 

1つ、2つ、ビットの攻撃を避けながら、3つ目はどうしても避けられないから蹴り飛ばした。

オルコットの言葉に答えながら、また距離を詰める。このまま、一気に勝つ!!

 

「おりゃぁぁあ!!」

「くっ、このぉ!!」

 

オルコット本人の攻撃も、全部避ける。

さっきまであんなに痛かった敵意も、今の私なら無問題。行ける!!

この距離なら次で決める!

 

「っ!?」

 

その瞬間、私の頭に電気信号のプラズマが走るみたいに突き抜けて行ったイメージ。

隠し玉、ビット、6、2つ、ミサイル。

そんな単語達と共に流れていった、オルコットの機体の一部が変形して、ミサイルに撃たれる私のイメージ。

そうか、これは罠。

……でも、上等じゃん!!

 

「おぉぉぉ!!」

 

ブースターを更に吹かして突撃する。

そうすれば、待っていたオルコットが嗤う。

ニャアンも気付いた。

でも、そんなのはとっくに知ってるんだよ!!

 

「残念ですがーーー」

「マチュ! 正面!!」

「分かってるよ、ミサイルが2つ!」

「ビットは6つありましてよ!!」

 

イメージ通りにオルコットの隠してた2つのビットが私へと向けられる。

だからどうした、私は盾を構えてそのまま突っ込む……いや、更に加速して行け!!

 

「行っけぇぇぇ!!」

 

ミサイルに私から突撃する形。

当然、ミサイルが爆発してそのダメージを私は負う。けれど吹き飛ばそうとする爆風は、加速してた分で帳消し。

そのままオルコットへ突っ込む!!

 

「ここだぁ!!」

「ぐぅっ! ミサイルの中を!?」

 

振り抜いたヒートホークはオルコットを捉えて叩き付けた。

でも、まだ!

まだ終わってない!!

 

「ふんっ!!」

「左手も拘束? ……まさか貴女!?」

 

重力は、あんまり好きじゃないけどさ!

両手でオルコットを抱えたまま、ブースターを更に加速させる!!

向かう先は当然ーーー

 

「きゃ、きゃぁぁぁ!!??」

 

ドコン!!

 

鈍い音を立てながら、私とオルコットがアリーナの地面に叩き付けられる。

痛く……は無いけど、オルコットは衝撃で動けないはず。

それにこの土煙、相手の位置は見えない。

センサーに頼るしかない……私は違うけど!

 

「そこ、だ!!」

「なっ!? っ見えていますの!?」

 

どうだろうね!!

初撃は当たった、でも追撃をするより早くオルコットが土煙に隠れる。

でも、その程度で!!

 

「ここ! っなぁ!?」

「このっ!!」

 

追い付いた先には、ライフルを構えているオルコットが居た。

咄嗟に横へ跳んで、オルコットの攻撃は避ける。

その瞬間にまた私の中で弾けたプラズマ。

今度のイメージは、避けられない。

 

「くうぅっ!」

 

真上からのビーム、ビットか!

でも、まだ!!

また土煙に隠れて、今度は後ろから!

 

「そこですわ!?」

「うそ!?」

 

また待ち構えているオルコット。って、なんでオルコットも戸惑ってるんだよ!!

しかも……

 

「ハァっ!」

「ぐっ、うわぁ!?」

 

正面からのビームは盾で防いだ。

けれど同時に放たれた上からのビットは避けることもガードもできない!

ビットと本人の同時攻撃できるんじゃん!?

たまらず、上昇。土煙が晴れて地面から浮いたオルコットと上下で向かい合う。

 

「っはー、はー、ふぅ」

「何なんですの、この感じは……さっきから急に……!」

 

一旦深呼吸。

それで、オルコットの言葉から何となく今の彼女の状態を知る。

多分、今のオルコットはキラキラに充てられている。だからさっきまでできなかったビットとの同時射撃ができるんだ。

私は機体の残りシールドエネルギーを見る。

結構減ってる。まぁミサイルに直撃しながら地面に落ちたし、そりゃそうか。

……次が、最後。

息を、整える。

 

「勝つのは私」

 

宣言して、また世界が広がる。

少し違うのは、さっきまで敵意に満ちてたオルコットとビットはもう居ない。

変わりに、ただ私を狙っているのがわかる。向こうもその気って事だ。

行くぞ、セシリア・オルコット!!

 

「来なさい! アマテ・ユズリハ!!」

 

もう一度、ブースターを全開でオルコットに向かい始める。

当然、迎撃してくるビットとオルコット。

世界は変わらず教えてくれるけど、それでも避けきれない。きっとオルコットも今の私も同じだ。

世界に教えて貰っている。

なら、全部置き去りにして、飛び込め!!

 

「おぉぉおおお!!」

「早い! でも、撃ち抜きますわ!!」

 

更なる加速で速度を上げる。

世界に教えられるまま、右へ左へと体を揺らしながら攻撃を避ける。

ビットも本人の狙撃も、全部!!

これで、届く!!

 

「まだです!!」

「なに!?」

 

避けたはずのビットのビームが、()()()()

正面からのオルコットの射撃と一緒に、私を挟むような位置取り。

不味い、ここで失速したらやられる!!

 

「終わりです!」

「ま、だだぁ!!」

 

トップスピードの中で、私は体を回転させる。

とんでもなく負荷がかかるけど、これなら!

回転によって、オルコットの射撃もビットの曲がるビームも、私の体すれすれを通り過ぎた。

驚愕に染まるオルコットの顔。

でも、これで!!

 

「終わり、だぁぁああ!!」

「な、きゃぁぁぁ!!」

 

加速と、回転。

2つの力を更に加えたヒートホークはオルコットへと叩き付けられ、そのまま私とオルコットの二人が落ちていく。

 

『白い彗星』

 

誰かが、私をそう呼んだ気がした。

 

ーーーーーーーー

 

ビーッ!!

 

試合終了を告げる音が鳴り響いて、私は立ち上がる。表示された結果は……

 

WIN アマテ・ユズリハ

 

「よっしゃぁ!!」

 

思わずその場で機体を纏ったままガッツポーズを取った。よーし! 私の勝ち!!

良かった良かった、あんだけ勝つと宣言して負けたら堪ったもんじゃない。

実際は滅茶苦茶苦戦したけど、結果は結果!

 

「……負け、ましたの?」

「そうだよ、私の勝ちで貴女の負け」

「そうですか」

 

アリーナに倒れたままのオルコットは、負けたのが信じられないのか、それとも別の感情か。ただそのまま地面から空を見上げていた。

それからしばらくして、立ち上がった。

 

「ユズリハさん」

「何?」

「先日の無礼、謝罪いたしますわ。貴女も紛れもなく、代表候補生にふさわしい人です。それに宇宙に行きたいという気持ちも……なんとなく、分かった気がします」

「そう? ……じゃ、遠慮なく受け取るよ。そうだ、なんならアマテって呼び捨てで良いよ? ユズリハって言いにくくない?」

「別にそんな事はありませんが……そうですね。今後はアマテさんと呼ばせて貰いましょう、私もセシリアで良いですわ」

「そう? じゃ、セシリア。良い試合だった!」

「ええ、私もそう思います」

「じゃ、次は織斑君との試合頑張ってね!」

「……そんな物もありましたわね」

 

おい、露骨に嫌そうな顔をするなよ。

むしろそっちが本命だろうに。

ため息をつきながら、やれやれって感じで戻っていくセシリアに話しかける。

 

「案外戦ってみたら何かしら変わるんじゃない? セシリアもさ」

「そうかもしれませんわね。ええ、ほんの少しだけ、期待しましょう。では私はこれで」

「うん、じゃねー」

 

セシリアとの会話を終えて、私もまた自分が出てきた待機室に戻っていく。

 

ーーーーーーーー

 

「たっだいまー」

「お帰り! マチュ!!」

「おう、すごかったぜ! アマテさん!!」

 

元の待機室に戻った私がISを解けば、駆け寄ってくるニャアン。

それと意気込み十分そうな織斑君。

織斑君は真っ白な専用機を纏っている。

ふむ……

 

「準備よさそうじゃん」

「おう、なんとか一次形態移行ってのまでは終わった。ただ、なんかまだ使えない機能もあるんだけど……」

「大丈夫なのそれ?」

「機体側からロックされている。恐らくは何かしらの条件があると思われるが……それが何なのかは私達には分からん」

 

ふーん。

まぁ、機体はともかく織斑君本人のやる気は十分。これなら問題無いでしょ。

じゃ、行ってらっしゃーい。

 

「あ、セシリアは遅れるかもだから」

「おう、やってやるぜ!!」

 

そう意気込んだ織斑君はアリーナへ飛び出して行った。……本当に分かってるかなアレ。

まぁ、良いや。

取りあえず

 

「つ~か~れ~た~」

「お疲れ様、マチュ」

『オツカレ オツカレ』

「ありがとーハロ」

 

思いっきりニャアンに寄りかかって疲労回復に当てる。

あー……ニャアンの高さちょうど良いわ~。

ハロを抱き抱え、ニャアンに寄りかかりながらモニターに目を向ける。

 

「お、セシリア来た」

「マチュ……呼び方変わったね」

「まぁねー、あんだけやりあえばもう友達みたいなもんよ」

「むぅ……」

 

お、なんだなんだ。

ニャアンがいっちょ前に嫉妬してる、珍しい。

でもまぁ、今後はこういう事が増えていくんだろうな。だってこれからの学生生活、私もニャアンもきっと友達は増えていくんだから。

 

「できるかな、友達なんて……」

「できるできる、大丈夫だって」

 

なんなら私を通じてセシリアとだって仲良くなれると思う。

 

「そういえばマチュ、オルコットさんって」

「あー、そうだね。多分()()()()()()()

 

ニャアンが驚く。

まぁ、気持ちは分かる。

私だってイメージインターフェースの話を聞いた時からもしかして、なんて思ってたけどいきなりビンゴとは。

 

「ま、暫くは良いんじゃない」

「そうかな……」

 

どうせ何かするべきならあの緑のおじさんが何か言ってくるでしょ。

そんな考えでハロを撫でる。

あー……もうこのまま部屋に戻ってベッドにダイブしたい。でもなぁ……

 

「緩んでいる所悪いがユズリハ、この試合が終われば次はお前と織斑の戦いだ。忘れるなよ」

「……はい」

 

そうなんだよなぁ……

はぁー、とため息を1つ吐きながら私は次の事も考えて自分で立つ。

そしてそのまま、モニターの戦いを見つめることにした。

……あ、セシリアがビット展開した。

またドロドロしてる……




次回、オリジナルのジークアクスの2号機をニャアン専用機にするつもりだったけど、公式で出されてしまった……
ジクレド君……ちょっとお休みで(
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