IS×機動戦士ガンダムGQuuuuuuX 自由な「ソラ」 作:ミヤトルト
プラモ情報でもそれっぽいパーツは無し、あの犬猫みたいなのが顔なのか……オリジナルで中にツインアイ入れてもばれへんか……
所でマチュはこれから緑のおじさんをヒゲマンと呼ばせるべきだろうか。
あの、一年一組のクラスの代表を決める戦いから数日。
IS学園にも慣れてきて、少し油断というか気が抜ける今日この頃。
私とニャアンは同じく部屋からそれぞれの教室に向かって登校していた。
「ねっむ……ふぁ」
「マチュ、だらしないよ」
「仕方ないじゃん、クラス代表を決めたあれから何も起きないしさ」
「良いことじゃん。ていうか、何も起きてないは無いでしょ。結構な出来事あったよ」
「そうかな?」
んー。あの後と言えば。
織斑君の要望でセシリアと箒さんと私とニャアンの5人で放課後に特訓する事が決まって。
授業の実技で織斑君がクレーターを作って?
後は……あぁ、ジオンの人達に報告もあったな。
学園生活についての経過報告。ついでにニャアンがセシリアにニュータイプについて話したことも正直に伝えた。
結果としては……
「よかったね。ジオンがニュータイプについては昔から世界に提唱してたから無問題で」
「世界からは新しい人類とか夢物語、て事で無視されてるのはちょっと悲しかったけど……って! そうじゃなくて!」
「? 他何かあったっけ」
「いや、私達と織斑君とセシリアさんの練習! 普通、国の専用機持ちがそれぞれの機体性能を語りながら練習ってとんでもないことだよ!?」
「そっかな?」
「(駄目だ、マチュの中じゃ「別に個人同士で仲良いから良くない?」で止まってる……下手をしたら国際問題になりかねないのに!!)」
「聞こえてるよ」
そんなに凄いかな……まぁ確かに私達の専用機、「ガンダムシリーズ」の性能を教えた時のセシリアは凄い顔をしてた。
『私達の機体はサイコミュってのを起動すると完全脳波操縦になって体を動かす必要すら無いの。全部頭で動かせる』と伝えたら『何言ってるんですこの人達』と全力で伝えに来る表情だった。
まぁ、私としてはそれよりも気になる事がある。
「それよりもニャアンこそどうなのさ。ほら、クラス代表戦」
「考えないようにしてたのに……一応、やるだけはやるよ」
「ふーん。ま、織斑君とニャアンの戦いは期待できそうってことかな」
「うっ、男性操縦者との戦いかぁ」
「言っても、もう結構やってるよね。特訓で」
「それと公的な戦いは別でしょ」
そうかなー、と思っていた所で教室に到着。
私は一組、ニャアンは二組なので別れる。
そして私は教室で一時限目の準備を終え、グラス内の友達と適当に話をしていた。
相手は意外と情報通な相川さん、その中でも代表戦の話題は出てきた。
「デザートの無料券?」
「そう! このクラス代表戦で勝利したクラスは半年間、食堂のデザートが無料になるのだ!!」
「へー、良いじゃん」
「だよねだよね! これはもう織斑君に是非とも勝って貰わないとだよね!」
「あー、そっか」
ちょっと悩ましい。
私個人としてはニャアンを応援したい。
けど私がデザートの無料を求めるなら応援するべきは織斑君という事になる、正直デザート無料は大変魅力的だ。
「うーん」
「あら、どうされました? アマテさん」
「お、セシリアおはよう」
「えぇ、おはようございます」
「オルコットさん! 実はね……」
私に話をした相川さんはセシリアにも同じようにクラス代表戦とその勝者に送られるデザート券の話をしている。
で、それを聞いたセシリアはというと。
「これから一夏さんへの特訓は厳しくする必要がありますわね!!」
そうなったかー
意外とセシリアはスイーツ好きなんだな。
その上でプロポーションとはとてつもない。
私も体型に関しては結構恵まれていると思うが、セシリアには敵わない。
篠ノ之さんもかなり……織斑君はそういう子を集める性質でもあるのか?
いやいやそうじゃなくて!!
「おはよう、と?」
「む、どうした一夏」
「織斑君!!」
「織斑君だ!」
「私達の希望の星!」
「デザート券を私達に!」
「な、なんの話だよ急に!?」
「一夏さん」
「セシリア、これはどういう……」
「今日からの特訓は昨日までより厳しくさせていただきますわ」
「なんで!?」
「待て待て、何がどうなっているのだ!?」
クラス代表の織斑君が到着した。
即座に相川さんが情報を与える。
織斑君はどうやらピンと来てないらしい。
まぁ男子からしたらそんな物なのかな。
とは言え、その隣の人は……
「一夏」
「ほ、箒?」
「私もセシリアと同意見だ」
「箒!?」
篠ノ之さんもか。
と言うことはあの抜群の体型は天然物か、セシリア共々凄いなー。
いやいや、違う違う。
うーん、私は織斑君とニャアンのどっちを応援すれば……いや、何かが私の中で閃きそうな気がするんだよ。
何か、何か……どうすれば良い!?
教えてよジークアクス!!
『えぇ……二人とも応援すれば?』
「はっ!!」
その瞬間に私の頭の中で『声』と共にプラズマがフラッシュした。
そうか、そうだったんだ。
何かを選んで捨てる必要なんて無い!!
「み、皆が怖い……アマテさんはどう思う!?」
織斑君が私に思いすがる様に聞いてきた。
どうやらクラスメイト達にだいぶ追い込まれているらしい。
だけど私にとってもうその問題は大した問題じゃなくなった。
「織斑君が勝てば、一組のデザート券を使ってニャアンと私の分のデザートを無料で貰う。ニャアンが勝てば、二組のデザート券をニャアンに使ってもらって私も無料でデザートを貰う。そうすれば二人とも応援して良いね!」
「「「っ!?」」」
「なんか全然違う問題を考えてた!?」
「そのやり方があったか……!」
「他のクラスと手を組めばデザート券は確実な物になる!?」
「やはりアマテ・ユズリハが最強か」
「これが分かり合う事を求めたニュータイプの真髄ということですわね……」
このクラス全員の考えがが一つになりかけた。
まあいいや。
とにかく、私の悩みはこれで問題ない。
昼休みにニャアンに話を着けておこう。
さて、そろそろ織斑先生が来そうだし準備をしなくちゃ。
「悪いけど、その望みは叶わないわ!」
「何ィ!?」
「誰だ! ……いや本当に誰!?」
「誰?」
「お前は!?」
突然響いたこのクラスの人とは別の声。
教室の扉の前に立っていたのは……ちんまい女の子だった。私も小さい自覚はあるけど彼女よりは流石に……怪しいかも知れない。
「残念だけど、あたしが二組の代表になる以上は優勝は私の物。そして他のクラスへの貸し出しなんて許さないわ! 覚悟なさい一夏!」
「む! 一夏、あいつを知っているのか」
「えーっと……あ! お前、鈴か!?」
「一夏にしては早く気付いたわね」
「こんな所で再会するとは思わなかったな」
「ふふん。驚いたでしょ?」
「一夏さん、この方は?」
「おう、こいつは鈴っていう俺のセカンド幼馴染で……」
どうやら彼女は織斑君の知り合いだったらしい。
いや、セカンド幼馴染って何?
とにかく、織斑君の話を聞いているとどうやら彼女の名前は「
篠ノ之さんが引っ越して織斑君と離れ離れになった後、入れ替わるようにやって来て織斑君と中学を過ごし、およそ一年前に両親の離婚で中国に去ったという。
しかし私達が一番驚いたのは
「鈴が中国の代表候補生!?」
「そう、向こうでIS適正を計ったらかなり高くてね。そっから一年は滅茶苦茶頑張ったわ、今じゃ期待の新星って感じよ」
「一年で代表候補生」
「なんという……」
「凄いな!」
「軍部から進められても最初はこの学園も興味無かったんだけどねー。でもあんたが男なのにIS動かして学園に入るって言うから受けてやったわ」
凄い行動力だ。
その行動力の原は……織斑君の前で言うのは野暮ってやつか。
そんな鈴さんが二組の代表、ニャアンは……ん?
「ちょっ、ちょっと待って!? 貴女が二組の代表って、ニャアンは!?」
「……誰? このちんまいの」
「ちんまいのはそっちも一緒だろ!!」
「はぁ!?」
「お、落ち着けって二人とも。鈴、この人はアマテさんって言ってジオンの代表候補生。それで……そうだ、確か二組の代表もジオンの代表候補生だったはずだろ? ニャアンさんっていう」
「そうだよ!? ニャアンはどうしたの!」
「へぇー、あんたがあの根暗の友達なのね」
「あぁん!?」
「アマテさん、落ち着いて下さい」
ニャアンがいるはずだった場所を自分の物だという彼女に私はかみつき、そのままセシリアに押さえられた。
たが今なら確実に言える、私がこいつより小さい事は絶対に無い!
「安心しなさいよ、まだ代表はあいつ。でも今日からは私の物よ!」
「なんで!?」
「私が変わってって言ったからよ」
「はぁ!? そんなんで変わるの!?」
「落ち着いて下さいアマテさん。しかしそうですわね、そんな無茶が通りますの? 一度決まった後でしょう」
「別に? 本人から別に良いって言われたけど?」
「ぐぬぬぬ……」
たしかにニャアンも不本意だとは言っていたし、あんまりやりたくないとは言ってた。
でもさ、だからと言ってこんなぱっと出の奴が。
あからさまにニャアンの事を下に見ている奴に、ニャアンが、友達が馬鹿にされるのは黙って見てられるか!!
「ふん、むしろ感謝してほしい位だわ。あいつ普通に譲ろうとしてきて抵抗も録にしやしない、それじゃ私の格好がつかないから私から一組と同じクラス代表決定戦を提案してやったんだから」
「む」
「それも断って不戦勝で良いとか言い出して……どうせ、私に勝てないのが分かってるから戦いたく無いんでしょうけど。あんなのが代表候補生とかジオンだっけ? 国の名前も知らないし、大した事は無いでしょ。あんたも同じ」
「……………………」
「アマテさん、待てです。待てですわよ!」
「り、鈴。その二組の代表決定戦ってのはいつするんだ?」
「今日よ今日、放課後にアリーナを貸し出してくれるみたい。一夏も見に来なさい、今の私の力を教えてあげる」
相変わらず鈴とかいう奴の意識は織斑君にのみ強く向いてる。
対戦相手である筈のニャアンは視界に入ってないというのかコイツ。
それも、ムカつく。
「ニャアンは!!」
「なによ、ちんちくりん」
「ぐぬ……ニャアンは! 絶対負けないから!!」
「あんたが吠えてどうするのよ。ま、良いわ。ある程度は相手も強くないと私のIS学園デビューが地味になるし?」
「ぐっぬぬぬぬ……!!」
私はセシリアの制止も振り切ってこのちっこい奴に喰ってかかる。当然だ。
私はニャアンと同じ代表候補生で、仲間で、何よりも友達なんだから!!
それに分かる、こいつに悪意は無い。
ふざけんな、私の友達はお前よりも何倍だって凄いんだよ!!
『っマチュ、それ以上はいけない!』
「ふーっ……ふーっ……」
「何よ? 別にそこまで怒る必要無いでしょ」
「……ねぇ。なんか、変じゃない? 何がって言うとあれだけど」
「私も、なんか寒気っていうか」
「う……あ、アマテさん」
グルグルと、ドロドロと、私の中で黒いモヤが渦を巻く。
怒り、憎しみ、敵意、殺意、そんな悪意達。
ダメだって分かってる。でも止まらない、止められない、止めようとも思わない!
こいつは……こいつは……!!
スパパパァン!!
「いっだい!?」
「あだぁ!?」
「なんで俺も!?」
悪意を渦巻かせた私と、鈴とやらと、織斑君。
私達三人にそれぞれ凄まじい音と共に一撃が与えられた。
痛い、ジンジンする。
これは、この出席簿は。
「いい加減にしろ、馬鹿共」
「げぇ! 千冬姉ぇ!?」
「嘘!? 千冬さん!?」
スパパパァン!!
「織斑先生だ」
「うごぉ……」
「いったぁ……」
「私、言ってないのに……」
「その物騒な気配を一度で消さないからだ、大馬鹿者めが」
何か言いたいけど、織斑先生の判断が正しいから何も言えない。
今さっきの私は不味かった、それこそ他のクラスメイトやセシリアにも悪影響を出すくらい。
本国なら緑のヒゲおじさん、大佐、天パ大尉辺りが容赦なく押さえ付けただろう。
正しい、正しいからなんか納得いかない。
仕掛けてきたのは向こうなのに……
「ふっ」
スパンッ!
「いったぁ! 3度も!?」
「今回のように、お前が不穏な雰囲気を出したら徹底的にするようにジオンの……シャリアさんだったか? あの人から言われていてな」
「うぇー」
余りにも容赦なくて正しい判断に泣きそうになる……あの緑のヒゲマンめぇ。
はぁ、もう良いや。
さっさと席に戻ろう。ていうかもう授業始まる時間じゃん。
そりゃ織斑先生の出席簿も火を吹くか。
「(今の嫌な感じはアマテさんの覇気って事?)」
「(さぁ~それより織斑先生って気配とか分かるんだね~)」
「(千冬様なら分かってもおかしくないでしょ)」
「(所で私の目だと三人に落ちた一撃は一振にしか見えなかったんだけど)」
「(恐ろしく早い出席簿、私でも見きれないわ)」
「(見えないんかい)」
「ほらお前達も早く席に戻れ! 授業を始める!」
私に続いて他の皆も自分の席に戻っていく。
そんな中で立ち止まっているのが一人。
当然このクラスの一員じゃない凰だ。
「凰、お前も二組に戻れ。授業が始まるぞ」
「うっ、は、はい」
なんだ?
織斑先生が苦手なのかな……別に興味ないけど。
そんなの知った所でニャアンの勝率が上がるわけでもないし、そんな弱点をついて勝っても意味がない。
……でも終わったら時々織斑先生のイメージを押し付けるくらいはしてやろうかな。
ーーーーーーーー
そんな事があった日の昼休み、私はまた(というか毎日だけど)ニャアンと同じテーブルで昼食を採りながら朝の話をした。
「って話があったんだけどさ」
「私の知らない所で大事になってる!?」
「ごめんって」
話を聞いた、ていうか途中から顔色が悪くなってたニャアンは全てを聞いた後に叫んだ。
うん、正直ニャアンの戦いで勝利宣言はやり過ぎたと思ってるよ。
そんな訳で今日の塩鯖の身を1/4渡す。
ニャアンは鯖の味噌煮なので私の塩焼きは皿ではなくご飯の上に乗せられた。
それを一口食べて、飲み込んだニャアン。
続いて湯呑みの緑茶を飲んで一息ついた。
いいよね、その流れ。日本で味わって良かった。
「ふー……って流されるか!! なんで私の戦いにマチュが怒って凰さんを煽ってるの!?」
「そりゃあ、友達を馬鹿にされたら怒るでしょ」
「それは嬉しいけどさぁ」
大きく溜め息を吐きながら頭を抱えるニャアン。
その感情は……諦め、呆れ、それと他人事。何で他人事? これはニャアンと凰の戦いだろうに。
……まさか。
「ニャアン、放課後の試合をバックレて不戦敗になろうとしてるでしょ」
「ギクッ、……だって私からすれば凰さんと戦う理由は無いし」
「無くない! あんだけ言われてるのは私は我慢なら無い!!」
「それはマチュの理由じゃん」
「うぐぐぐ……でも、私はニャアンが凄いって知ってるんだからそれを否定されるのは嫌だ!」
「だから、それはマチュの考えでしょ? 凰さんは一年で代表候補生になった努力家で天才の凄い人。クラスの代表として問題は無いし、私も元々周りに無理やり代表にされただけで望んだ訳でもない。良いじゃん」
ぐむむむ、と私は唸るしかない。
そりゃそうだ。
だって今回の戦いに関しては私は殆ど部外者だ。
戦うのはニャアンと凰の二人、どう戦いクラスの代表を決めるのは本人達だ。
私は口出しはできるけど、それだけだ。
選ぶのは、ニャアン。
「……私は凰よりもニャアンの方が凄いと思う」
「そんな事ないよ」
「いいや、凄い。……ニャアンは嫌な気持ちになるかもだけどさ、ニャアンはここまで生きてきたんだよ? それは間違いなくニャアンの強さじゃん。私はニャアンと同じになりたいなんて言えないし、言わないし、言う資格すらないけど」
「…………マチュ」
「わかってるよ、ごめん。でも言わせてよ、あの凰が一年で代表候補生まで上り詰めたのが凄いって言うならニャアンが必死に代表候補生になって、そこに居続ける為にしてる努力が下なんて言うの? そんな風に私は思いたくないし思わせたくない。だってニャアンの頑張りを、全部じゃないけど私は見てきたんだから」
「……………………」
そうだ。
ニャアンは間違いなく頑張った。
それこそ文字通り、死ぬ気で頑張った。
そしてそれはまだ続いている。
……ニャアンは元難民だ。
ジオンは数年前に領土拡大の為、周囲の国へと侵略戦争を仕掛けた。
結果としてジオンは一年をかけてジルクスタン王国やアザディスタン王国などの国から土地を奪って勝利した。
しかし、その戦争は帰る場所を失った難民も生み出してしまった。ニャアンもその一人。
だけどニャアンには才能があった。
ISへの高い適正とニュータイプとしての適正。
キシリア様に目を付けられ、その才能の高さを買われて漸くスタートライン。
そこからジオンの代表候補生まで上り詰め、結果を出してその地位を維持し続けている。
ニャアンはキシリア様に気に入られているから、贔屓だという人もいる。
でも私は知っているんだ。キシリア様がニャアンを気に入っているのは、強いから。
贔屓されて今の地位にいるんじゃない、自分で今の地位に上り詰めた力を気に入られてキシリア様に贔屓されている。
もしもニャアンが過分に甘えれば、キシリア様は切り捨てる。あの人はそういう冷徹な部分も持ち合わせている。
だから女傑なんだ。
「…………ま、そうだよ。私もマチュの事を分かるなんて言えない」
「ニャアン」
「お父さんもお母さんも居て、二人とも公務員で、お金に不自由してなくて、小中一貫の学校に通って、そのくせそんな生活に満足できずにISで宇宙に行きたいなんて言い出す。そんな事は私にはできない」
「うっ、ぐふっ、がはっ、う、う~」
ニャアンの一言一言が痛い。
分かってるけど、私とニャアンの生活というか恵まれ具合の差を考えると私達が友達になれたのって奇跡に等しいと思う。
どっちかが相手の事を嫌っておしまい、なんて普通にあり得る。そんな中で私は今回結構踏み込んだ訳で。
ニャアンと友達じゃ無くなるのは、嫌だなぁ……でもそれを決めるのは私じゃないんだよ。
「でも、私はそんなマチュが好きだよ」
「……ふへぇ!?」
「だってマチュはずっと前に進んでる。ずっとずっと、私が代表候補生になる前から、なってからもずっとマチュは宇宙を夢見て走ってる」
「あ、ああ! そういう話ね!」
びっくりした……告白されたかと思った。
いやニャアンとそういう関係になるのが嫌って訳じゃないけど、だけど私はやっぱり普通な訳で。
って違う違う。
これは真面目な話だ。
うん、ニャアンがこっちをジトーと見ている。
ごめんってば。
「ハァー……ま、良いや。とにかくマチュはずっと私の前を走ってる、走ってくれてる。だから私だって前を向けるの、マチュが居なかったら私はきっと何処かで止まってた。それこそキシリア様に甘えちゃって切り捨てられてたかもね」
「に、ニャアン」
「確かに、私の長年の努力が凰さんの一年に劣るとは思われたくない」
「! じゃぁ!!」
「出るよ、今日の試合。勝てるかは別だけど」
「ニャアンなら勝てるって! 私より強いし!!」
「私とマチュの対戦記録なら私の大敗だったと思うけど」
「でも私に勝つときは圧勝じゃん」
「それ、10回やって1回出るかどうかだよ」
「今日の放課後にその1回を引くんだよ!」
「無茶言わないでよ」
そう言っているニャアンの顔はどこかスッキリしてるように見えた、て言うのは私にとって都合が良すぎるかな。
それでもニャアンは私と話をして、受け入れてくれた。
それがとてつもなく嬉しい。
自分の顔が笑っていると分かる。
「でもクラス代表はなぁ」
「私みたいに勝者権限で譲れば?」
「ああ、それがあったか」
「あ、でも凰が代表になると……」
「何かあるの?」
「えーっとね、代表戦の賞品についてで……」
「なるほど、じゃあさ……」
そのまま私達二人は放課後の凰との戦いについて色々と考えながら昼休みを過ごした。
その裏では織斑君を巡って、セシリア、篠ノ之さん、凰の間で一悶着あったみたいだけど……今の私達にとってはそんなの重要じゃない。
二人でとにかく話し込んで、私もニャアンも、とても良い時間だったと言いきれる。
そんな昼休みだった。
次回はまるっとニャアンvs鈴です。
鈴派の人達は今回悪役みたいになってしまったのは許してくれ。
鈴が良い子なのは分かっているんだ……今はちょっと天狗になってるって事で……