IS×機動戦士ガンダムGQuuuuuuX 自由な「ソラ」   作:ミヤトルト

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ジークアクス10話が面白すぎて滅茶苦茶捗りました。
具体的には普段5000字前後を意識してるんですが、1万5000字行きました。
通常の三倍!
流石に前後で分けました。


ニャアンのキラキラ(前編)

「大丈夫そう?」

「うん。問題ないと思う」

『システムオールグリーン、モンダイナイ』

daijoubu NYAN nokoremade ha uragira nai

 

今日の朝、転校生である中国代表候補生である「凰鈴音」にクラス代表の座を求められてから数時間後のアリーナ。

二組の代表を決める戦いの為に、ニャアン(わたし)はその待機室に居た。

……正直、クラス代表とか面倒だし。

やるならパイロット科と整備科に分かれる二年生からが良かった。なんて思ってた私からすれば凰さんの提案は悪くなかった。

だから自分から譲ったし、この戦いも不戦敗で良いと思ってた。

けれど

 

「やっちゃいないよ! あんなちっちゃい奴!!」

「それ、マチュが言う?」

「私はあいつより大きい!」

 

……身長の話だろうけどさ。

そうやって胸を張られるとまた別の意味にも見えてくる。

セシリアさんや篠ノ之さんと関わることが増えてきて麻痺しがちだけど、やっぱりマチュも良い環境で育ってるんだなぁ、と実感が出る。

 

私とは違う。

でも友達なんだ。

 

私とは違って恵まれた環境で育って、でも何か心に穴がある。

だから彼女はソラに手を伸ばしてる、その姿はいつだって私の前を走っている。

そんな友達(マチュ)は私が否定されるのを怒ってくれた。

応えたいと、思った。

マチュの言うとおり、私は凄いんだと、自信を持って言いたい。

そんな動機で、私はここにいる。

 

「(朝は本気でどうでもよかったのに、今は友達の為に勝ちたいとか。我ながら自分勝手な女)」

 

自分で自分を俯瞰する。

勝手に負けて良いと言って逃げようとして、友達に言われて戦おうとしている。

他人に流されて自分を変える、簡単な女。

そんな感想が思わず漏れる。

でも、そうだ。

キシリア様も言ってた。

 

『強さとは肉体が強いだけではない、心も強くなければな』

『心の、強さ?』

『我を通す力とでも言おうか、お前もそれを持っているが出し方を知らぬ。何、お前の友人である娘……『マチュですか?』そうだ、あの娘を見ていれば自然と分かるだろうさ。あれ程までに我が強いと私でも中々敵わんがな』

 

そう言ったキシリア様は笑っていた。

マチュは強い。

体とかIS技術とか、そう言うのを抜きにしても。

自分の中に明確な「宇宙に行きたい」という夢を持ってる。それで世界と自分が変わると信じてる、その為に全力で前に進んでいる。

そんな友達が「ニャアンは凄い」と言ってくれたんだ。私達の関係が壊れるかもしれない恐怖を持ちながら。

……その強さを、私も欲しい。

ここで勝てれば少しは近付けるかな。

 

『ジカンダ、ジカンダ!!』

「よし、頑張ってきてね! ニャアン!」

「うん」

NYAN ganbatte

 

時計を見ればもう戦いの時間だ。

私は纏っているIS「ガンダム・フレド」通称ジフレドと共にカタパルトに足を乗せる。

私は戦う。結果を出して、私は生き残る。

そしてマチュの友達として……また一歩、先に居るマチュに追い付いて見せる!

ふーっと息を吸う。

『恐れる必要はありませんよ、ニャアン』

「ニャアン、ジフレド。出ちゃいます!」

 

そのまま私は、アリーナへと飛び出して行った。

 

ーーーーーーーー

 

マチュが居る待機室とは別にアリーナの管制室では一夏、箒、セシリア、さらに管理者として千冬がアリーナを眺めていた。

本来ならば学生は入ることはできないが、管理者である千冬の権限によって許されている。

本来ならマチュもここに入ることができたが、それは「ニャアンを近くで応援したい」という本人の願いで断られた。

とは言え

 

『ニャアンがアリーナに出たよ』

「ああ、こっちでも見えたよ。ニャアンさんだ」

「……相変わらず、奇抜な見た目だな」

「ジフレドでしたか、ジオンはああいうデザインが伝統なのでしょうか……」

『なんか最初期の気体が単眼とかで、その影響なんだってさー』

 

マチュはISの専用機持ち、その通信機能を使えば居るのと大差はない。

そんな中での話題は、やはりこの試合の行方だ。

 

『私はニャアンを全力で応援するけど、皆は?』

「余りにも堂々とした身内贔屓ですわね、私はニャアンさんと凰さんの両方です。……と言いたいですが、関係がある以上はニャアンさんを贔屓して見てしまいそうですわね」

「そうだな、私達ではどうしても鈴とやらとの関係が薄い。その点一夏はどうだ?」

「あー、そうだな……鈴を応援したいけど。ニャアンさんにはお世話になったからなぁ」

 

そう言った一夏の目はどこか遠くを見ているような、もしくは疲れきったような目だった。

そして思い出されるのはクラス代表決定戦の後に行われた、一夏、箒、セシリア、マチュ、ニャアンの5人で行われた練習風景。

 

『うーん』

『どうしたん、ですか?』

『ニャアンさん。いやさぁ、俺まだ空を飛ぶのが上手くできなくて。他のメンバーに相談したんだけど……』

 

当時の一夏は自由な飛行が課題だった。

クラス代表決定戦の時は無意識下で自由自在に操っていたが、その後はてんでダメだ。

練習当日の授業では落下を止められずクレーターを作ってしまった。

そんな失敗から、同じクラスで話しやすい三人にISの飛行について聞いてみたが……

 

『飛行ですか? そうですわね、最初は自分の前に三角頭をイメージすると良いでしょう。具体的には高さは自分の身長と同じくらいで幅は体の半分、一夏さんの体格ですと……』

『わ、分かった。ありがとうセシリア』

 

『飛行か? ガッとしてビューン! だ』

『ごめん箒、分からない』

『む、分かりづらかったか。ならばビュッとしてビュビューン! だ!』

『……ありがとう箒。参考にする』

 

『アマテさん! 飛行のイメージ教えてくれ!』

『飛行? そりゃあれよ、こう、ぐぐーっと?』

『ぐ、ぐぐーっと?』

『なんかこう、前に引っ張ってくれる奴がぐぐーっと引っ張ってくれる? みたいな?』

『……ありがとう。アマテさん』

『なんかごめん』

『いや、良いんだ……』

 

見事に全員、教えるのが苦手だった。

ニャアンについては寮のお隣ではあるが、基本はマチュとしか一緒におらず、マチュを挟んで会話をした回数も少ない。

更に別のクラスなのも相まって一夏から声をかけるのを躊躇ってしまった。

が、その時はマチュから「教えてあげて欲しい」と言われニャアンも勇気を振り絞って彼女の方から話しかけたのだ。

 

『皆感覚派っていうか、セシリアは詳しすぎてよく分からないというか』

『なるほど、飛行のイメージ……』

『……ニャアンさんはどんなイメージで飛んでるか、教えて貰って良いか?』

『そうですね……代表候補生の訓練では最初にISのシミュレータを使うんです。その時は自分のISの向きと今の向きで進む方向を教えてくれるガイドがあって、最初は現実でもそのガイドがあるのをイメージしてました。多分セシリアさんが言いたいのはそれじゃないかな』

『なるほどガイドか……三角形で周りに浮いてて……ん? まてよ、なんか見たことあるような』

『え、そうなんですか?』

『あ、そうだ。ISブレイクだ! あのゲームのIS操作もそんな感じだった!!』

『げ、ゲーム?』

『助かったよニャアンさん! よし、やってやるぞー!!』

『た、助けになったら良かったです……セシリアさんにもお礼言ってあげてください』

『おう。皆にも勿論言うさ、でも一番はニャアンさんだ! ありがとうな!』

『い、いえ……良かった

 

その後、一夏の飛行は緩やかではあるが安定した。現在ならば、下に急速落下飛行してクレーターを作る事は無いだろう。

そのアドバイスをしてくれたニャアンは、一夏の中では感謝しても足りない程だ。

更に言うなら

 

「それに、鈴の奴もなぁ……なんか変というか、あそこまで調子に乗る奴だったかなーって」

『なるほど? 意外と揺れてるんだ』

「大方、本国で持ち上げられて天狗になっているのだろう。だが世界は広い、凰はそれを知る時かもしれんな」

「ちふ……織斑先生もニャアンが勝つと?」

「そうは言わないさ、世界の広さを知るのはニャアンも同じだからな」

「どちらにせよ2人のお手並みを拝見させて頂きましょう」

『お、凰の奴も出てきた』

 

鈴もまたアリーナに現れ、中央にやって来てニャアンのジフレドと向かい合う。

その姿は鈴の専用機である「甲龍」を纏い、その手には存在感を放つ青竜刀が握られている。

 

「へぇ、逃げずに来たのね。てっきり不戦勝かと思ったわ」

「そうしようかとも、思った。でも私は、私を信じてくれた友達を裏切りたくない……!」

「そ、少しは楽しめそうじゃない?」

 

鈴の挑発に対して、ニャアンもまた覚悟を決めた声で答える。

二人の緊迫した空気感が伝わって、興味本位で観戦しに来た生徒達も息を呑む。

そして

 

3.

2.

1.

GO!!

 

二人の戦いが始まった。

 

ーーーーーーーー

 

「一気に!」

 

戦いが始まってすぐに私はビームライフルを手にとって相手の凰さんに向ける。

見た所相手に遠距離武装は無い、このまま距離を取って……

「いいえ! 防ぎなさいニャアン!!」

「っ!?」

「初見で防ぐなんてやるじゃない!」

 

頭に響いた『声』に従うまま、私はシールドを構えた。直後にシールドに何かが当たってその衝撃に驚く。

クソっ、見た目に騙された。

遠距離武器は無いと思ってたけど、違う。

あのウィングユニット、あれ自体が遠距離武器!

一先ず予定通りに距離を取って、そのまま射撃を牽制狙いで数発放つ。

 

「当たらないわよ! そんな攻撃!!」

「早い、それに」

「おりゃぁ!!」

「っ! 攻撃が見えない!」

 

ビームは凰さんが駆るISに回避された。

ただ早いんじゃ無い、巧いんだ。

滑らかに動かす事で次の動きへのロスが少ない、だから普通の速度でも早く感じる。

……分かってたけど、凰さんは強い。

それでも!

 

「この!」

「そんなビーム、当たってやらないわよ!!」

 

相変わらず見えない攻撃を仕掛けながら、青竜刀を構えて突撃てくる凰さん。

でもそれで良い。そう、ここだ。

 

「いくよ、ジフレド」

「!? 目の前から消えた! 上ね!」

 

ジークアクスと同じくバックパックと足のブースターを利用した急上昇からの攻撃。

気付かれてるけど、これなら……

 

「当たる!! ……なんて思ったかしら?」

「へ? ぐぅっ!?」

 

私は考えが読まれた事に驚きを隠せず、そのまま例の不可視の攻撃が直撃した事で動きが止まって攻撃は中止するしかない。

なんで……っ!!

いや、とにかく体勢を!?

 

「はっ!!」

「ぐっ!」

 

接近と共に振るわれた青竜刀をシールドで受け止めたけど、その重さで私は下へと飛ばされた。

何とかブースターを使って凰さんの真下に入る、この死角で体勢を立て直す!

『まだです、ニャアン!!』

「え、っぐう!?」

 

そしてその次の瞬間にはまたあの攻撃を受ける。

いや、なにそれ!?

ウィングユニットから撃ってるんじゃ無いの!?

正面向いたまま、直下にも撃てるって何!?

 

「私の専用機の特殊兵装、味わいなさい!」

「くっ……まだ、まだ!」

 

ーーーーーーーー

 

「なんだ? ニャアンさん、攻撃を受けてる……のか?」

「恐らくだが……相手の攻撃が見えん」

「なるほど、中国の特殊兵装と言うことですか」

『はぁ!? 何あれ、ずる!』

『ズルイ、ズルイ』

「馬鹿を言うな、敵の情報がないのは凰も同じだろう。むしろその状態でよく最初から切り札を切った物だな、余程自信があると見て良い」

 

戦いの始まりを見て、管制室のメンバーとアリーナ待機室マチュのが現状への感想を言い合う。

マチュは鈴の正体不明の攻撃をずるだと言うが、千冬がそれを否定した。

事実、ニャアンがまだ見せていない札を知っているマチュは黙るしかなかった。

 

「鈴の奴は何を撃ってんだ? 見えない弾ってなんだよ?」

「あれは『空気』だ」

「織斑先生は知っているのですか?」

「ああ。一応生徒の専用機については事前に国の方から資料が貰えるからな」

「そういや、セシリアのビットも知ってたな」

「む? しかしアマテのアレ……顔の変形に付いては知らなかったですよね?」

「あれはジオンの第三世代機が独特過ぎてな……正直今でも理解したとは言えん」

『そうなんだ。なんか、ごめんなさい?』

「ユズリハが謝ってどうする。所詮は政治の一貫だ、気にするな。それよりも凰の機体の特殊兵装についてだが」

 

千冬が鈴の攻撃について解説を始めれば、その場にいた全員が注目する。

なぜその情報を知っているのか話しつつ、その上で分からなかったジオンの第三世代機についてマチュの謝罪を気にするなと言う。

そして甲龍の説明をメンバーへ進める。

 

「凰の専用機は中国の第三世代機「甲龍」、特殊兵装へのアプローチを簡単にした分機体の燃費と安定性を重視した機体だ。その特殊兵装は「龍砲」と言い、圧縮した空気を弾丸として放つ。特徴として攻撃が見えない事、更に弾を発射する砲身すらも空気で作ることが上げられる」

「えーっと、攻撃は空気弾だから見えなくて?」

「砲身を空気で作る?」

「っ! なるほど、その砲身に制限はないということですか」

「流石だなオルコット。そうだ、見えない弾と見えない360°自由に作れる砲身、これにより甲龍にとって攻撃面での死角は無い事になる」

『それで真下のニャアンにも攻撃当てたの!?』

「恐らくな」

 

千冬に鈴の専用機「甲龍」とその特殊兵装である「龍砲」の解説を聞き、その脅威に付いて真っ先に理解したのはセシリアだった。

360°狙える見えない攻撃。

さらに鈴が見せた青竜刀捌きから、恐らく近接戦闘も問題ない。

強い。

そう全員が理解する。

 

『でも、ニャアンの武器もまだある』

「例のサイコミュですか」

『……あと、ファンネルっていう特殊武装』

「それは初耳だな、そんな武器もあるのか」

『いやまぁそれは、うん。ファンネルだから』

「なんだそれ?」

「動くぞ、お前達」

 

マチュが語るファンネルなる武装、妙に歯切れが悪いマチュに疑問に思う面々に対して千冬がモニターを見るように促した。

 

「ジフレド!」

「へぇ、それがあんたの特殊兵装って訳ね」

 

ニャアンの声に合わせてジフレドの頭部、その耳に当たる部分が外れた。

その二つが動きながら鈴を狙う。

そして

 

「ふっ!!」

「なるほどね! 移動する砲台って訳か!!」

 

動きだしたファンネルは不規則的に動きながら鈴を狙いビームを放つ。

鈴はそれを回避して見せたが、その隙を突いたニャアンがビームサーベルを抜刀。

そのまま斬りかかった。

 

「甘いわよ!」

「ぐっ! まだ、ファンネル!!」

「っち! このぉ!」

「くそっ!」

 

サーベルは青竜刀に防がれたが、同時に動かしたファンネルによって鈴を狙うニャアン。

しかし一つは先に撃たれた龍砲を回避する為に攻撃を中止、もう一つの攻撃は鈴がニャアンのビームサーベルを青竜刀で弾いた反動で回避された。

舌打ちをするニャアンに対して、応援側では。

 

「ビットじゃないですか!!」

『い、いやファンネルです……』

「いえ、あれビットですわよね! しかもさらっと自分は近接戦闘を仕掛けながらの攻撃って……私よりも操作技術が上じゃないですか!!」

『ファンネル! ファンネル!』

『技術は別だし……』

「流石に見過ごせないのですが!?」

「見た目はビットと同じだったな……」

「ち、千冬姉、実際どうなんだ?」

「織斑先生だ馬鹿者。……アマテの言う通り技術としては完全に別だ、あれもジオンのサイコミュとやらの一つらしい。用途もオールレンジ攻撃ではなく機体攻撃のサポートとなっているな」

(サイコミュ……)やはり同じでなくて!?」

『ち、違いますー! 多分

「聞こえてましてよ! アマテさん!?」

「はぁー……落ち着けお前達、試合を見ろ」

「……そうですわね、今は試合を見ましょう」

『そうだね、それが良いよ』

 

ファンネルについてセシリアが猛抗議を仕掛けたがマチュはあくまでも別物と言い、千冬も後押しした。

が、それで止まることはできないセシリアに対して千冬は試合を見るよう進めることで一旦落ち着けと言外に伝える。

それでセシリアも、一旦この試合では追及することを止める事にする。ただしその裏で本国からジオンに問い詰めようと決めるのだった。

 

ーーーーーーーー

 

試合が始まってからもう十分は経った。

ファンネルを使って、私は何とか凰さんと渡り合えてる。

 

「はぁっ!!」

「くぅっ!」

「まだよ!」

「っ! 来た!」

 

ファンネルの攻撃を避けきった凰さんの青竜刀をビームサーベルで受け止めるも、弾かれて距離を取られる。

そこから撃たれた例の見えない攻撃。

結局攻撃はまだ見えない……でも!

 

「このっ!」

「甘いわ!」

 

確かに攻撃は見えないけど、撃つタイミングを決めるのは凰さん!!

なら、その瞬間を読み取って避けることは可能。

避けた後の隙はファンネルの射撃で潰す。

これで何とか……!

 

「思ったよりはやるじゃない。正直もっと早く倒れてくれると思ってたわ」

「そう簡単に、負けてられない……!」

「でも、私が有利なのは変わらないわよ?」

 

凰さんからの会話に、思わず驚きが顔に出る。

全身装甲で良かった。普通なら相手に情報を与えることになる……でもこの感じ、凰さんは確信をもって言っていると分かる。

嫌な汗が伝った。

 

「どういう意味?」

「気付いてないとでも思った? 馬鹿にしないで。その飛び回ってる奴、飛ばし続ければいつかは止まって落ちるでしょ。なら充電にしろ落ちるにしろいつか無くなる時が来る。そうしたらこの勝負、私が一気にもらうわ」

「…………」

 

バレてる……

凰さんの言うとおり、ファンネルはずっと飛ばし続ける事はできない。

この状況でファンネルのアドバンテージが消えれば、流れは最初と同じように凰さんに傾く。

そしてその時は近い、ファンネルの残りエネルギーを見てその事実を再確認する。

けど、今の私ならあの見えない攻撃には対応できる。流石に最初と同じようには行かない筈……

 

「返事が無いってことは図星かしら?」

「それでも、最初とは違う」

「そうね、その通りだわ。でも、()()()()()()()なんて思ってないわよね?」

「え?」

「こっからは、もっと激しく行くわよ」

 

そう言った凰さんはもう一振青竜刀を取り出し……って二刀流!?

ここに来て新しい戦術なんて!!

 

「行くわよ!!」

「まずいっ!」

 

両手に青竜刀を持った凰さんが、攻撃を仕掛けながら一気に接近してくる。

まずいまずい!!

とにかく回避とファンネルで迎撃!

 

「おっりゃぁあ!!」

「嘘!?」

 

ファンネルの被弾も物ともせずに突っ込んできた!?

左手の青竜刀はビームサーベルで受け止め、右手の青竜刀の叩きつけはシールドでガード。したけど、衝撃で落ちる!

ブースターを使って落下は耐えた。

こっちからも、攻めないと!!

 

「うおぉぉ!!」

「そっちも二刀流って訳ね! 上等!!」

 

私ももう一つのビームサーベルを展開して二刀流になった。

そのまま凰さんに接近、ファンネルで迎撃は封じる! これで!!

 

「おりゃぁ!」

「甘いってんのよ!!」

 

私の攻撃は凰さんの二刀流に防がれた。

それは分かってた、だからファンネル!!

『まずい、ニャアン!!』

「遅い!!」

「がっ!?」

 

ファンネルが撃つよりも早く、凰さんの青竜刀が私のビームサーベルを二つとも押し上げた。

それによって、晒した隙を容赦なく撃ち抜いて来る例の衝撃。

でも、まだ! まだファンネルで!!

『……足りません』

ピー ピー

「えっ?」

 

エネルギー切れを知らせる音と共にファンネルの自動帰投システムがオンになる。

嘘、ここで……?

絶望的な状況に頭が真っ白になる……どうしよう、どうすれば。

ガション、という音と共にファンネルが頭部に戻ってきたのが分かる。

 

「飛び回る奴は終わりね」

「あっ」

「じゃ、終わりよ」

 

凰さんが、両手の青竜刀を連結させて新しい武器に変える。

また新しい攻撃が来る。

た、対応しないと!

 

「はぁあっ!」

「うぁっ!?」

「一気に行くわよ!!」

 

しまった、見えない攻撃を忘れてた。

避けられずに直撃して止まった私に、距離を縮めた凰さんが仕掛けてくる。

ぼ、防御しないと!

 

「おりゃららら、らっあ!!」

「う、うわぁぁぁあ!?」

 

武器をを持ってる自分自信を回転させて、それを利用した連続攻撃。

私のビームサーベルも、シールドも、全部引き剥がされて連続で直撃する。

衝撃で下がった私に、見えない攻撃が向けられてるのが分かる。

まずい、避けないと!

『ニャアン、そっちじゃない!』

「そうよね。避けられるんでしょ? なら下に逃げると思ったわ、あんたの性格ならね」

「え……ガァっ!?」

 

避けた私に、何かが直撃した。

重い一撃、シールドエネルギーが結構減ったのが分かった。

何をされて……両手に青竜刀が無い?

そうか、連結したのをブーメランみたいに投擲したのか……待って、なら帰ってくる時も!

咄嗟に後ろに振り向いた私の目の前に、その武器はあった。

 

「気付くのが遅いっての。ま、これで分かったでしょ。あんたは私より下よ」

 

そう言われたまま、私は何も言い返せずに武器が直撃したことでバランスを崩して落ちていく。

そしてそのままーーー

 

ドゴン

 

音を立てて、地面に落ちた。

 




続くよー。
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