ジャッジ・ザ・デーモン タナトス・アサイラム 作:セイントドラゴン・レジェンド
今回ジャッジ・ザ・デーモンは筋肉増強剤GODの製造を阻止する為にタナトス・アサイラムの所長ハワード・ラグラフトを追跡していく。
[マッド・ハウス]
無事にザ・ハングリーの魔の手からDrヤンを救出したジャッジ・ザ・デーモン。
だが、Drヤンが所長の隠し金庫を開けた途端、金庫の中に仕掛けられてた爆弾が爆発し、ジャッジ・ザ・デーモン諸共Drヤンは爆発に巻き込まれてしまう。
その結果、Drヤンは爆死してしまい、更に其処へ押し掛けてきた怪盗ジーニアスが拉致したハワード・ラグラフト所長と同伴で、ジャッジ・ザ・デーモンの生死を確認しに来た。
怪盗ジーニアスは生存してたジャッジ・ザ・デーモンを囚人達に襲わせるが、ジャッジ・ザ・デーモンは容易く囚人達を蹴散らしてしまう。
囚人達を一掃したジャッジ・ザ・デーモンは、タナトス・アサイラムの植物園の何処かにあるという筋肉増強剤GOD製造所を見つけだす為に、拉致された所長ハワード・ラグラフトを追跡し合流する事に。
その為に、ハワード・ラグラフト所長のDNAを痕跡として追跡するジャッジ・ザ・デーモンは、タナトス棟の屋外へと出る。
すると目の前には、惨殺された守衛の死体が吊るされており、更に周りにも多くの守衛の死体が転がっていた。
(また脱獄した囚人達が面白半分に惨殺している様だ……許し難い)
と、ジャッジ・ザ・デーモンが島内を駆け抜けていく中、島全体に拡声器からハワード・ラグラフト所長の声が聞こえてくる。
「当施設の床を歩いた者は罰として両足をもがれる……だ、駄目だ! こんなの、言えない……うわっ」
どうやら怪盗ジーニアスに無理やり言わせられているのか、ハワード・ラグラフト所長は暴力を振るわれている様子だった。
一刻も早くハワード・ラグラフト所長を救出するべく、島の通路を通ってタナトス西部へと向かうジャッジ・ザ・デーモン。
すると通路でジャッジ・ザ・デーモンを待ち受ける囚人達の会話が聞こえてきた。
「ゲートはこれで全部ロックした、これでアイツも入ってこれないだろう」
「そもそも、なんで開けたんだ? ジャッジ・ザ・デーモンを来させたくないんじゃないのか?」
「またボスに質問なのか。お前、ずっとその調子だな」
「命令された事をやる、それだけさ」
そう会話する六人の囚人うち二人は銃器を持って武装してた。
囚人達の頭上位置に上がったジャッジ・ザ・デーモンは、手始めに武装囚人二人へジャッジラングを投げて転倒させ、その隙に滑空して他の囚人に飛び蹴りを喰らわした。
「ジャッジ・ザ・デーモン!」
突然のジャッジ・ザ・デーモンの襲撃に、慌てふためく囚人達。そのままジャッジ・ザ・デーモンと囚人達の乱闘に突入した。
最初にジャッジラングを当てられて転倒した囚人二名は、その際に銃器を落としてしまい素手でジャッジ・ザ・デーモンと戦う事に。
しかしジャッジ・ザ・デーモンは果敢に拳や蹴りを叩き込んで囚人達を次々に薙ぎ倒していく。
此処で一人の囚人が地面に落ちた銃器を拾ってジャッジ・ザ・デーモンに銃口を向けようとするが、ジャッジ・ザ・デーモンはその囚人に向けてデーモンクローを射出して引き倒して、そのまま馬乗りに乗ると囚人の頭部を拳で叩き付けた。
「ジャッジメント」
こうして六人の囚人達を倒したジャッジ・ザ・デーモンは、再びハワード・ラグラフト所長を追跡するのだった。
通路を通ってジャッジ・ザ・デーモンがタナトス島の西部へと辿り着いてみると、現状は更に悪化していた。
タナトス島西部では、七人の囚人達が暴動同然に暴れ回り、そのうち一人が警備塔でスナイパーライフルを装備してジャッジ・ザ・デーモンを待ち受けていた。
そしてその他六人の囚人達は、炎上した車を高所から落としては面白がっていた。
ジャッジ・ザ・デーモンは静かに物音を立てずに狙撃手が見張っている警備塔に近付き、グラップネルガンで上昇すると狙撃手の背後をとって静かに倒す。
「所長だ。全員、速やかに武装解除せよ。……こんなの読めない! 皆、銃を持ち、自分の頭に向け……弾を撃て……」
そんな間も、ハワード・ラグラフト所長は自分を拉致している怪盗ジーニアスに命じられて、無理やり通告書を言わされていた。
その間、ジャッジ・ザ・デーモンは他の六人の囚人達を倒すべく忍び足で接近する。
「俺達を縛っておかないと、威張られないくせに」
その頃の六人の囚人達は、まだ意識のある医師を取り囲んで暴力を振るっていた。
ジャッジ・ザ・デーモンは一人の囚人が拳を振り上げて、医師を殴り掛かろうとした所に、その囚人の腕をグラップネルガンの先に取り付けているデーモンクローで捕らえて引き倒す。
「ジャッジ・ザ・デーモンだ!」
他の囚人達が騒ぐと同時に、ジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを三つ投げて三人の囚人を一度に倒す。
そしてその他の囚人達に駆け寄っては、攻撃をかわしながら反撃して囚人達を痛め付けて気絶させていく。
最後は囚人の後頭部に鋭い拳での打撃を叩き込んで、囚人達を全員叩きのめした。
すると囚人達に取り囲まれてた医師が立ち上がり、ジャッジ・ザ・デーモンに礼を言う。
「ありがとうジャッジ・ザ・デーモン。彼も危ない所だった」
「その守衛は大丈夫なのか?」
「頭を強く打って気絶しているだけだ」
「彼を連れて、なるべく早く医療棟に向かうんだ。今はあそこが一番安全だ」
「分かった。意識が戻ったら、すぐに行く」
それからジャッジ・ザ・デーモンはハワード・ラグラフトの痕跡を辿って、監房棟へと入っていった。
出入り口を抜けた監房アクセス、その奥に三人の囚人が居り、うち一人が武装している状態だった。
ジャッジ・ザ・デーモンは武装してる囚人をデーモンクローで引き倒し、続け様に他の二名の囚人達にも攻撃を浴びせる。
一人目を回し蹴りのハイキックで転倒させ、二人目を掌底で悶絶させると、ジャッジ・ザ・デーモンは最初の囚人に急接近して頭部を殴り付けて気絶させた。
そして他の二人も同様に気絶させてから、先へと急いだ。
ハワード・ラグラフト所長のDNAを追って、対人センサーが反応して開く扉の奥に進んでいくと。
そこはメイン監房ブロック。更にその奥の扉を通過すると……。
多くの精神に異常が見受けられる収容者達が収容されていた。まさに其処は……マッドハウス(狂気の館)そのものだった。
言葉にならない絶叫や阿鼻叫喚などの奇声を上げる収容者達を横目に、ジャッジ・ザ・デーモンは監房棟最深部へと進んだ。
するとハワード・ラグラフトの痕跡を追って、更に監房棟の奥へと進行したジャッジ・ザ・デーモンは、グリーンマイルと呼ばれる、ある囚人専用に造られた特別監房に辿り着く。
そこでジャッジ・ザ・デーモンと再会したのは……。
「おお、ジャッジ・ザ・デーモン、ジャッジ・ザ・デーモン……! お願い、私の子供達を助けて!」
「アイビーか。ゴッサムに移送されるまで、大人しく特別監房の中で待機してるんだ」
「あの子たちが泣き叫んでいるの。「助けて」と訴えているの!」
「此処に居るんだ。今はタナトス内は混乱の最中だが、逃げるんじゃないぞ」
「ああ、可哀そうな子供達……」
そうジャッジ・ザ・デーモンに断れて悲観するのは、以前アニメタウンで事件を起こしてジャッジ・ザ・デーモンや聖龍HEADによって捕まったアメリカのゴッサムシティを拠点に活動する環境テロリズムの思想を持つポイズン・アイビーだった。
ポイズン・アイビーを閉じ込めておく特別監房グリーンマイルを後にし、ハワード・ラグラフトの追跡を再開するジャッジ・ザ・デーモン。
そして監房棟の最深部、セキュリティコントロール室にジャッジ・ザ・デーモンは到着した。
「頼む、誰か助けてくれ!」
セキュリティコントロール室に着いたジャッジ・ザ・デーモンに、助けを求めるのは所長の声だった。
だが、所長の声がするコントロール制御室に上がる階段前の強化ガラス張りの小部屋の中には、あのアーロン・キャッシュが閉じ込められていた。
「俺だ、此処から出られない! 協力してやれる、此処から出してくれ!」
小部屋の中に閉じ込められているアーロン・キャッシュを横目に、ジャッジ・ザ・デーモンの耳にハワード・ラグラフト所長の声が聞こえてくる。
「私は此処だ、上だ!」
所長を助ける為にコントロール制御室にジャッジ・ザ・デーモンが入ると、監房棟の監視カメラに怪盗ジーニアスの姿がちょうど映った。
鼻歌混じりに陽気に監房棟内を歩く怪盗ジーニアスがグリーンマイルの中を通過しようとすると、あのポイズン・アイビーが怪盗ジーニアスに嘆願する。
「お願い!」
「わっ!」
「お願い、助けてちょうだい!」
「アナタって確か……ポイズン・アイビー?」
「植物たちが……子供たちが苦しがってるの!」
「申し訳ないんだけど……ちょっと時間が押しててね」
「お願い、出して! あの子たちが死んでしまうわ!」
「でもなあ、アナタ、パーティの招待客リストに載ってないし……」
そう言って所持している紙を見る怪盗ジーニアスが、その場を後にしようとするとポイズン・アイビーは更に懇願する。
「お願い!」
ポイズン・アイビーの懇願に、怪盗ジーニアスは根負けした。
「ああ、もうっ。分かったよ、出してあげるよ」
そして怪盗ジーニアスは、持っていたカードキーでグリーンマイルの特別監房の扉を開け、ポイズン・アイビーを解き放ってしまう。
「おかげで楽になったわ」
自由になったポイズン・アイビーは意気揚々と外の酸素を吸っては、去り際に怪盗ジーニアスに投げキッスをすると、そのままグリーンマイルから出て行ってしまう。
この怪盗ジーニアスとポイズン・アイビーのやり取りを、監視カメラで傍観してたMrフェイクは面白そうにジャッジ・ザ・デーモンに語った。
「これってひょっとして……百合が生まれる瞬間なのかな? ハッハァ、百合のカリスマもビックリだね! ところで……そろそろひと騒動いっちゃう?」
そう言うと、Mrフェイクは監房内の精神異常のある収容者達の檻を全開させ、精神異常者達を全員解き放ってしまう。
ポイズン・アイビーに続き、Mrフェイクの手によって精神異常者達も全員が解放された事態の中、ジャッジ・ザ・デーモンにハワード・ラグラフト所長が訴える。
「た、頼む! 早く解いてくれ!」
助けを求められ、ジャッジ・ザ・デーモンは所長を縛り上げる縄をジャッジラングで切断して助けるが、それと同時に二人がいる制御室の電子ゲートが閉ざされて、閉じ込められてしまう。
「アイツらにセキュリティを乗っ取られた。シーケンサーは手元にあるが……端末であるターミナルがないと無用の長物だ」
「ターミナルは破壊されてる。シーケンサーを貸してほしい」
「ターミナルが……? 分かった、預けよう」
ジャッジ・ザ・デーモンは所長からカード式のシーケンサーを借りる。
「片方だけでは役に立たない。我々は閉じ込められてしまったんだ」
そう嘆く所長を尻目に、ジャッジ・ザ・デーモンは所長から渡されたシーケンサーを所持していた暗号シーケンサーで読み取って、使用可能にした。
暗号シーケンサー。セキュリティシステムを回避するために、超音波の周波数を使用。セキュリティ・プロトコルを破壊できる。
ジャッジ・ザ・デーモンは所持している暗号シーケンサーを使えるようにすると、所長に言った。
「どんな事態でも、抜け道はあるものだ」
そう言うと、ジャッジ・ザ・デーモンは自分達が閉じ込められている制御室の電子ゲートの端末に暗号シーケンサーでハッキングして、操作しながら超音波の周波数を発生させて端末をショートさせて破壊して抜け出した。
「鍵をロックしておいてくれ。安全の為に」
「そうだな……要人である私が、また掴まってはマズい」
制御室を出る際、ジャッジ・ザ・デーモンは所長に制御室内に籠るよう言い渡す。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは暗号シーケンサーを駆使して、今度は怪盗ジーニアスを追いながら監房から出る事に。
[投獄される怪盗ジーニアス]
ハワード・ラグラフト所長からシーケンサーを入手した事で、強引に超音波で端末を破壊できる暗号シーケンサーを使用可能にしたジャッジ・ザ・デーモン。
ジャッジ・ザ・デーモンはハワード・ラグラフト所長に制御室内に安全の為に籠るよう言い渡すと、そのまま階段を降りて制御室から退室して怪盗ジーニアスを追った。
すると、制御室を出た先の強化ガラス張りの小部屋には、今度はアーロン・キャッシュではなく先ほど別れた筈のハワード・ラグラフト所長の姿があった。
「本物の私は此処だ! ジャッジ・ザ・デーモン、早く私を出してくれ!」
その声にジャッジ・ザ・デーモンが強化ガラス張りの小部屋に歩み寄ると、室内の所長は更に訴える。
「私は国連が推薦したアニメタウン、タナトス・アサイラムの所長だぞ! いつまで、こんな囚人専用の部屋に閉じ込めておく」
そんな訴えを叫ぶハワード・ラグラフトに、ジャッジ・ザ・デーモンが冷静に告げた。
「役野、お前だって俺はとっくに勘付いているんだ。相変わらずの三流芝居はやめろ、くだらない」
すると室内のハワード・ラグラフトは変身を解いて巨大なインクの塊に変わると、ジャッジ・ザ・デーモンに笑いながら言った。
「ひゃっはっは、ダメか。ジャッジ・ザ・デーモン、いつかお目の高いアンタの観察眼をも欺けるほどの役者になってやるぜ」
先ほどからアーロン・キャッシュやハワード・ラグラフトに変身してジャッジ・ザ・デーモンを欺こうとしていたのは、あのザ・インクやブロッドンの細胞を取り込んで変幻自在の肉体と変身能力を得た役野勤ことMrインクだった。
ジャッジ・ザ・デーモンはMrインクとの会話を終えると、早々にセキュリティコントロール室から出ていく。
と、ハワード・ラグラフトの無事を確認し、ジャッジ・ザ・デーモンが監房棟から出るため来た道を戻ってくと。
メイン監房ブロックに辿り着いたジャッジ・ザ・デーモンの目の前に、あの彼女が現れる。
「サプラーーイズ」
なんと檻の陰から怪盗ジーニアスが姿を現してジャッジ・ザ・デーモンにお辞儀をする。
「ねえ、デーモン。ボクたち
次の瞬間、怪盗ジーニアスは身軽な身のこなしで跳躍し、監房ブロックの二階部分、本来は守衛達が監視する為の階層に上がった。
そして怪盗ジーニアスは、囚人鎮圧システムである強力な電気が流れる床のスイッチを蹴って押して発動。
すると監房ブロックの床が発電し、強力な電撃が放電されて床の上に腰を下ろしていた守衛の一人が感電して気絶してしまう。
「これがホントのショッキングって奴でしょ! ボクを捕まえてごらん、デーモン!」
ジャッジ・ザ・デーモンを挑発する怪盗ジーニアス。そんな彼女を止めるべく、ジャッジ・ザ・デーモンは囚人鎮圧システムである電気床の上を駆け抜ける。
急ぎ電気床の上を駆け抜けるジャッジ・ザ・デーモンは、怪盗ジーニアスが上がっていったフロアへの隙間をグラップネルガンを用いて登り追いかける。が、そこには怪盗ジーニアスが引き連れた囚人達の姿もあった。
「銃ならすぐにカタがつくんだけどな」
怪盗ジーニアスの言葉に、囚人達は上のフロアに設けられている銃器が保管されている箱を強引に開けようと、警報音を鳴らす。
ジャッジ・ザ・デーモンは素早く銃が保管されている箱を開けようとする囚人たちを倒し、確実に一人ずつ気絶させていく。
「お手柔らかにね、デーモン!」
この怪盗ジーニアスの声が合図となり、更に増援の囚人達が上フロアへと雪崩れ込んできた。ジャッジ・ザ・デーモンは囚人達が銃器を手にしないよう注意しながら懸命に闘う。
「うわ、痛そう」
殴り倒される囚人達を見下ろし、頭上の照明にぶら下がりながら観戦する怪盗ジーニアスが呟く。そんな中、ジャッジ・ザ・デーモンは囚人を持ち上げては必殺のシュミット流バックブリーカーで背骨を折って気絶させる。
「まだ動ける! もっと殴るんだ!」
怪盗ジーニアスが呼びかける中、ジャッジ・ザ・デーモンは捕まえた囚人を持ち上げて上の階から下のフロアへと敢えて落として感電させて気絶させる。
「攻めるなら、パンチの届かない場所からだよ」
助言のつもりで囚人達に呼び掛ける怪盗ジーニアス。しかし囚人達の攻撃を、ジャッジ・ザ・デーモンは避けつつ即反撃に回って攻撃を仕掛ける。
「そこの君、大丈夫?」
怪盗ジーニアスが呆れる中、ジャッジ・ザ・デーモン最後の囚人をハイキックで顔面を蹴り付けて気絶させて乱闘を終わらせる。
と、全ての囚人を倒し切ったジャッジ・ザ・デーモンだったが、当の怪盗ジーニアス本人は身軽な動きで一人別フロアへと移動した上でジャッジ・ザ・デーモンが追って来られないよう電子ゲートを閉じた。
「もっと簡単だったと思った? そんなにあっさり捕まらないよ!」
そう捨て台詞を言い残して颯爽と逃げ去る怪盗ジーニアスを追跡するため、ジャッジ・ザ・デーモンは囚人達が雪崩れ込んできたゲートの先のセキュリティ・プロトコルの前で暗号シーケンサーを使用。
暗号シーケンサーを使い、セキュリティ・プロトコルを破壊するジャッジ・ザ・デーモン。
「囚人鎮圧システム 停止」
逃げ出した囚人を取り押さえる為の鎮圧システムである電気床の電流を止めたジャッジ・ザ・デーモンは、怪盗ジーニアスを追尾する事に。
そして怪盗ジーニアスを追うジャッジ・ザ・デーモンは、監房ブロックを徘徊してた二人の狂人に襲われるのだが、速攻で倒してしまう。
怪盗ジーニアスを追ってジャッジ・ザ・デーモンが辿り着いたのは、守衛室だった。
「誰かと思ったら、ダークヒーロー様! 調子はどう、デーモン?」
守衛室の監視室で、守衛室に入ったジャッジ・ザ・デーモンを見て声をかける怪盗ジーニアス。
「あっちの二人は見た? ショッキングだよね。さて、どうやって助けるのかな?」
怪盗ジーニアスの視線の先には、宙にロープで吊るされている二人の守衛が。しかも守衛の足元には水が溜まっており、その水には電流が流れていた。
ジャッジ・ザ・デーモンは吊るされている二人の守衛を助けるべく、最初は暗号シーケンサーで電流を司るケーブルと繋がっているセキュリティ・プロトコルを破壊する。
「面白いモノ持ってるじゃないの。ボクにもちょうだい!」
そんな暗号シーケンサーを使うジャッジ・ザ・デーモンを見て、怪盗ジーニアスが羨ましがる。が、そんな彼女の戯言を気にせず、ジャッジ・ザ・デーモンは二つ目の電流を司るセキュリティ・プロトコルを暗号シーケンサーで破壊。
「ズルいね、ホント……まあ、いいか。カウントダウンまで、あと2分だよ」
怪盗ジーニアスの視線の先には、大きな包装された箱があり、どうやら室内を吹き飛ばす爆弾が詰められている様子だった。
「あのままずっと、二人を宙吊りにしておく気かい?」
怪盗ジーニアスに指摘されつつ、電流を止めたジャッジ・ザ・デーモンは次に守衛達の救出を行う。
「早く降ろしてくれ、電気が戻っちまう」
焦る守衛をジャッジラングで降ろすジャッジ・ザ・デーモン。
「一人、救出できたね」
他人事のように言う怪盗ジーニアスを尻目に、ジャッジ・ザ・デーモンは二投目のジャッジラングを構える。
「あと何秒かで黒焦げになっちゃうよ!」
ジャッジ・ザ・デーモンを焦らせようとする怪盗ジーニアス。だがジャッジ・ザ・デーモンは焦る事なく冷静に二人目の守衛を救出。
「おっと、もう時間だ、行かなくちゃ。寂しくなるよ……なんてウソ! 残りあと30秒だよ、バイバイ」
「ジーニアスにやられた、爆弾と一緒に閉じ込められたぞ!」
颯爽と言い残して去っていく怪盗ジーニアスを前に、守衛達が爆弾と一緒に閉じ込められた現状に慌てふためく。
此処でもジャッジ・ザ・デーモンは焦らず、冷静に暗号シーケンサーで守衛室と通路を隔てるゲートのロックを開錠し、扉を開いた。
「急げ急げ!」「急げ! 早く逃げるんだ!」
慌てて室外に逃げ出す守衛と共に、ジャッジ・ザ・デーモンも室外へと出る。
「ふぅ、みんな死ぬかと思ったよ」
「もう大丈夫だ」
「あのガキを追うんだろ? ドアから出ていくのが見えた」
「まだ遠くには行ってないだろう。なに、Mrフェイク共々捕まえるさ」
「子供だからって手加減するなよ。こっちは換気系統を操作してみる」
そう守衛と話し終えたジャッジ・ザ・デーモンは、再び怪盗ジーニアス追跡を再開した。
「さっきの見たか? 彼は何を使って俺達を助けてくれたんだろう」
「何でも良いじゃないか、俺達は助かったんだ」
走り去るジャッジ・ザ・デーモンの背後で、助けられた守衛二人が先ほどジャッジ・ザ・デーモンが使ってた暗号シーケンサーについて話してた。
その一方で怪盗ジーニアスを追って監房棟の通路を突き進むジャッジ・ザ・デーモンに、監房棟の奥で待ち受けている怪盗ジーニアスが皮肉交じりに話し掛ける。
「「おめでとう」って言ってほしいの? だったら、ボクを捕まえてごらん」
一刻も早く怪盗ジーニアスを止めるべく、ジャッジ・ザ・デーモンが監房棟の通路を突き進んでいくと、息を潜めていた一人の狂人がジャッジ・ザ・デーモン目掛けて突進し、襲い掛かってきた。が、ジャッジ・ザ・デーモンは速攻で返り討ちにして痛め付けて気絶させる。
「ボクを探してるのかい、デーモン?」
そんな狂人を完膚なきまでに痛め付けるジャッジ・ザ・デーモンに、怪盗ジーニアスが問い掛ける。
「ちゃんと付いてきなよ! 疲れたら、手を引いてあげるよ」
完全にジャッジ・ザ・デーモンを挑発する怪盗ジーニアス。
怪盗ジーニアスからの挑発を聞き流し、ジャッジ・ザ・デーモンは隔離室へと辿り着く。
「ターゲットにまっしぐらって感じ?」
隔離室に着いたジャッジ・ザ・デーモンに再度挑発する怪盗ジーニアスの言葉を聞き流し、ジャッジ・ザ・デーモンは行く手を阻む電子ゲートを暗号シーケンサーで突破する。
そして通路を駆け抜けると、またしても脱獄した狂人が襲い掛かって来たので、ジャッジ・ザ・デーモンは慈悲なく撃破した。
怪盗ジーニアスを追ってジャッジ・ザ・デーモンが辿り着いたのは、六角形の間取りに六つの独房が囲んでいる、三つの高低差のある電気床のフロアが目を引く極刑室だった。
電気床の上に立つと、ジャッジ・ザ・デーモンの通ってきた電子ゲートは閉ざされ、部屋を見渡せる中央の守衛室には怪盗ジーニアスの姿が。そして守衛室の窓の下に並んでいるテレビ画面にはMrフェイクの姿が映し出される。
「ノコノコ来たよ、MrF!」「好きにしていいよ、ひびき……!」
Mrフェイクからの許可を得ると、怪盗ジーニアスは号令を叫んだ。
「やっちゃいな!」
すると極刑室のフロアに囚人達が雪崩れ込んできて、ジャッジ・ザ・デーモンへと襲い掛かる。
すかさずジャッジ・ザ・デーモンは囚人達を殴打したり蹴り付けたりして応戦するが、その最中に守衛室から怪盗ジーニアスが三つのフロアの内の一つのフロアに強力な電流を放流する。
ジャッジ・ザ・デーモンは囚人達と乱闘するのを一旦やめ、電流が流れてない別のフロアに移動。それに続いて囚人達も電気が流れてないフロアに移動するが、ジャッジ・ザ・デーモンはそんな囚人達にジャッジラングを投げて転倒させ、電撃が流れるフロアで感電させて気絶させた。
(紫京院ひびきは一度に一つのフロアにしか電気を流出させられないみたいだ。電撃が流れる床を利用すれば、囚人達を素早く片付けられる)
ジャッジ・ザ・デーモンは怪盗ジーニアスの操作では、電撃を流せるフロアに限界があるのだと察し、電流が走る床を利用して囚人達を倒していく戦法を思いつく。
そんな中、囚人達は更に流れ込んできて、ジャッジ・ザ・デーモンを襲撃。ジャッジ・ザ・デーモンは電気が流れてない床の上で乱闘を繰り広げ、その最中で囚人を持ち上げて電撃が流れている床へと放り投げて感電させていく。
時には拳などの打撃で囚人を気絶させ、時には腕や足をへし折って気絶、そして時には囚人を持ち上げて電撃が流れる床へと放り投げて感電させるジャッジ・ザ・デーモン。
三つのフロアを行き来し、感電を逃れながら囚人達を撃破していくジャッジ・ザ・デーモンを守衛室から観戦してる怪盗ジーニアスが更に電撃の威力を上げる。
「強火にしちゃおう! 誰か、鬼の丸焼き食べない? ちょっとザ・ハングリー連れてきて!」
電圧を上げてジャッジ・ザ・デーモンはもちろん誰彼構わず感電死させようと躍起になる怪盗ジーニアスの言動を聞きながらも、ジャッジ・ザ・デーモンは囚人達と乱闘を続ける。
そして極刑室に流れ込んできた囚人全員を気絶させて戦闘不能にさせたジャッジ・ザ・デーモンを目の当たりにし、怪盗ジーニアスが感情的になる。
「信じられない、またやったよクソ! もうっ、ボクが行く!」
と、そんな怒声を放つ怪盗ジーニアスに、監視カメラで同じく観戦してたMrフェイクが言った。
「ちょっと待った、プランの変更だ。ジーニアス、いや紫京院ひびき、君は戦わなくても大丈夫」
「そんな! ボクだって頑張ったのに!」
「2等は商品ナシなんだよ。君はパーティ追放だ、まあ次は頑張ってよ」
「そんなのイヤだよ……」
Mrフェイクに見放されて、泣き崩れる怪盗ジーニアス。
と、囚人たち相手に乱闘を終えたジャッジ・ザ・デーモンの前に、守衛室から走り出てきた怪盗ジーニアスが襲い掛かってきた。
「死ね! 醜い鬼野郎!」
怪盗ジーニアスが悪態をつきながら、ジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かる。
が、ジャッジ・ザ・デーモンは瞬時に怪盗ジーニアスの足を掴んで、そのまま彼女の顔面を床へと振り回す要領で叩き付ける。
「ぎゃっ!」
朦朧とする怪盗ジーニアスの腕をジャッジ・ザ・デーモンは掴もうとするが。
「やめてよ! ボクに触んないで!」
するとジャッジ・ザ・デーモンは怪盗ジーニアスの衣装から覗いていた紙切れに着目し、紙切れを奪って凝視する。
「取らないで! 大事な招待客リストなんだ」「静かにしろ」
ジャッジ・ザ・デーモンは紙に書かれている名前を黙読してみる。
「このマークはなんだ?」
リストに記されている囚人達の名前の横の印を問い詰めるジャッジ・ザ・デーモンに、怪盗ジーニアスは突っぱねる。
「君は探偵なんだろ、当ててみなよ」
そしてジャッジ・ザ・デーモンが招待客リストの紙をデーモンスーツに仕舞い込んだ次の瞬間、怪盗ジーニアスはジャッジ・ザ・デーモンに殴り掛かる。
が、怪盗ジーニアスの殴打をジャッジ・ザ・デーモンは素早く腕を掴んで力強く一本背負いで床へと叩き付ける。
「ハイ、大人しくしろよ」「何すんだよ!」
そしてジャッジ・ザ・デーモンは怪盗ジーニアスの手の指紋を、暗号シーケンサーで読み取った。
「入ってろ」
ジャッジ・ザ・デーモンは遠隔操作で極刑室の部屋を開けて、その中に怪盗ジーニアスを投げ込んて閉じ込める。この際、怪盗ジーニアスは顔面を強打して鼻血が出てしまう。
「MrFはいないよ! 今は植物園の研究室に……あっ!」
ジャッジ・ザ・デーモンに閉じ込められて発狂した怪盗ジーニアスは、思わず口から事実が出てしまった。
「知ってるさ」
「いいよ! どうせMrFが出してくれるしさ。そうだ……きっと出してくれる筈……」
自分の状況に悲観し泣き崩れる怪盗ジーニアスを尻目に、ジャッジ・ザ・デーモンは極刑室から出ていくのだった。
「フェアじゃないフェアじゃないフェアじゃない!」
独房の中に閉じ込められた怪盗ジーニアスは何度も何度も発狂して泣き叫ぶ中、ジャッジ・ザ・デーモンは通信士キャシーに連絡する。
「キャシー、紫京院ひびきの指紋をスキャンした」
「これで探せますね、植物園の秘密のラボってのを」
「紫京院ひびきは島中を動いていたからな。植物痕であるクロロフィルを含んだ指紋だけを追跡できるようビジョンを調整する」
「聖龍隊の衛星からガーデンに巨大な熱反応があるのが確認されました。何かがあるのは間違いないです」
こうして紫京院ひびきこと怪盗ジーニアスを拘束できたジャッジ・ザ・デーモンは、怪盗ジーニアスの指紋を追跡対象として追う事に。
「紫京院ひびきは、ホンの準備運動だよ。評価で言うとBプラス。だけど僕はAプラスを目指してるよ。こっちの調合も、あと一息だ」
怪盗ジーニアスの指紋を痕跡に植物園に向かうジャッジ・ザ・デーモンに、監視カメラでその様子を眺めているMrフェイクが余裕を示し付ける。
Mrフェイクが筋肉増強剤GODをまだ完成させる前に止めるべく、ジャッジ・ザ・デーモンは駆け足で監房棟から出ていこうとすると。
「ジャッジ・ザ・デーモン死亡の噂もありますが、まだ未確認情報です。詳しい事情は分かりませんが、ジャッジ・ザ・デーモンが死亡したとの噂が。動きがあり次第またニュースを、ここで番組を再開します」
監房棟の出入り口付近の守衛ロッカー室に置かれているラジオからのニュースを聞いたジャッジ・ザ・デーモン。
だが足を止める訳にはいかない。早々にMrフェイクを取り押さえ、筋肉増強剤GODの開発を止めなければならないからだ。
[囚われの身の聖騎士達]
監房棟から出て、タナトス島西部に出たジャッジ・ザ・デーモン。
やはり監房棟から脱獄した狂人達に襲われて、多くの守衛達がまた犠牲になっていた。
タナトス・アサイラムの混乱が更に加速した状況を悲観するジャッジ・ザ・デーモンの耳に、拡声器から聞こえるMrフェイクの声が届く。
「パーティに飛び入り客が来たよ。また一段とイカレちゃってる狂人だ」
Mrフェイクは、自らの手で解放した狂人達がタナトス・アサイラムの敷地内に蔓延っている現状に喜々とする。
そんな中、ジャッジ・ザ・デーモンは行く手に迫る狂人達を一人ずつ確実に気絶させながら植物園へと向かった。
そして扉を通って、温室植物園入口に入館する。
(紫京院ひびきの痕跡を追おう。これ以上、時間を無駄にする訳にはいかない)
ジャッジ・ザ・デーモンが急ごうと、奥へと続く電子ゲートに向かうが、其処には二人の武装囚人がゲートを守ってた。
「この臭いはなんだ?」
「さぁな、Mrフェイクが実験してんだろ」
「あぁ、ひでぇ臭いだ」
「自分は天才だから人体実験しても良いんだとか思ってんじゃないか」
「実験台にされるなら、俺は降りるぜ」
「同感だ、ただでさえ大変な仕事だって言うのによ」
電子ゲートを見張る囚人二人に、ジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを二つ投擲して囚人達の頭部に直撃させる。すると囚人達はそのまま電気が流れる電子ゲートに頭から突っ込んで感電しては気絶さした。
そして二人の囚人を電撃で気絶させた直後、ジャッジ・ザ・デーモンは暗号シーケンサーで電子ゲートのロックを開錠する。
電子ゲートを開錠して進むと、そこは温室植物園だった。
温室植物園には、あのドレファス、ヘンドリクセン、ヘルブラム、ギルサンダー、ギーラ、ジェリコといった聖騎士達が、銃器を武装して見回りしてた。しかも首にはご丁寧に気絶すると警報音が鳴るスーサイド・カラーが装着されてた。
六名の武装した聖騎士達の見張りを掻い潜り、ジャッジ・ザ・デーモンは彼らの真上にあるガーゴイル像にグラップネルガンで飛び移って聖騎士六人を観察した。
(聖騎士達はもちろん、タナトス・アサイラムの連中は囚人服に装着されている特殊能力抑制装置で、魔法はもちろん如何なる特殊能力も使えない状態。普通の囚人同様、倒す事ができる)
ジャッジ・ザ・デーモンはガーゴイル像の上から、六人の聖騎士達を狙い定める。
そして慣れない手つきで銃器を持つヘンドリクセンがガーゴイル像の真下に移動した瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンはヘンドリクセンを捕まえてガーゴイル像の上まで引き上げる。
「な、なんだ!? うわあっ!」
絶叫するヘンドリクセンをガーゴイル像の上から真っ逆さまに落とすジャッジ・ザ・デーモンは、同時にヘンドリクセンの足にロープを縛り付けて彼をガーゴイル像の真下に宙吊りにした。
「なんだなんだ!」
ガーゴイル像に宙吊りにされたヘンドリクセンの絶叫を聞いて集まり出す他の聖騎士五人。しかし既にジャッジ・ザ・デーモンは向かい側のガーゴイル像に移動して姿を晦ましていた。
そして五人の聖騎士達が宙吊りにされたヘンドリクセンに集まる中、ジャッジ・ザ・デーモンはグラップネルガンを射出してデーモンクローで走っているギルサンダーを捕まえて柵の上から真下へと引き倒す。
「うわっ!」
ギルサンダーが驚き絶叫するが、同時に彼は真下の床に叩き付けられて気絶してしまう。
「だ、誰なんだ、一体!? ジャッジ・ザ・デーモンか?」
「貴様なんぞ怖くないぞ!」
ドレファスとジェリコが恐怖で脅える中、ジャッジ・ザ・デーモンは最初に捕まえてガーゴイル像に宙吊りにしたヘンドリクセンのロープを遠くからジャッジラングを投擲して切断し、ちょうど真下にいたジェリコの頭上に落とした。
「「っ!」」
頭蓋と頭蓋が激突し、ヘンドリクセンとジェリコは同時に意識を失ってしまう。
残ったドレファスとヘルブラムとギーラが恐れ戦いている中、ドレファスが命令する。
「ち、散るのだ! ジャッジ・ザ・デーモンを見付けるんだ!」
三人はそれぞれ散って、ジャッジ・ザ・デーモンの姿を見つけ出そうと辺りを見渡す。
すると各々で散開したところを狙って、ジャッジ・ザ・デーモンはヘルブラムの背後に忍び寄り、そのままヘルブラムを窒息させて気絶させてしまう。
ヘルブラムが気絶した事で、彼が装着しているスーサイド・カラーが鳴り響き、ドレファスとギーラが何事かと慌て出す。
だが、ヘルブラムに駆け付ける最中、ガーゴイル像の上に移動していたジャッジ・ザ・デーモンが今度はギーラを捕えて彼女の顔を睨み付ける。
「お、降ろせ! うわあっ!」
そしてギーラも先ほどのヘンドリクセン同様にガーゴイル像の真下に宙吊りにされた。
一人残ったドレファスは、恐怖心で銃器を発砲しようとするが、慣れない銃火器と動揺したのが災いとなって銃が弾詰りしてしまう。
(ドレファスは現代武器である銃器の扱いに慣れてない為に弾詰りを起こしたらしい。攻撃するなら今だ)
そう判断したジャッジ・ザ・デーモンは、暗闇の中から滑空し、戸惑うドレファスへと飛び蹴りを喰らわして転倒させると、そのまま跨って頭部を殴り付けて気絶させた。
「ジャッジメント」
六人の聖騎士達を倒したジャッジ・ザ・デーモンが決め台詞を放つと、そこに監視カメラで傍観するMrフェイクが語り出す。
「揃いも揃って負けちゃうなんて。どうしたら勝てるのかな? ヒーローみたいな怪物を使えば勝てるのかな?」
Mrフェイクの発言を聞き流し、ジャッジ・ザ・デーモンは再び植物園の屋内を進んだ。
紫京院ひびきの指紋を追跡して、ジャッジ・ザ・デーモンが進んでいくと、温室植物園を抜けた先は浸水している廊下だった。
しかも廊下の浸水している箇所を挟んだ向こう側には、Mrフェイクの後ろ姿が見受けられた。
「もうやめろ、ジャクソン。取り返しがつかなくなるぞ!」
そうMrフェイクに警告するジャッジ・ザ・デーモンに、Mrフェイクは人質にしている守衛の首を両手でしっかり掴んだまま振り返る。
「やめる訳ないでしょ。みんな楽しみにしてるんだから!」
「放すんだ!」
「君がそこまで言うなら」
ジャッジ・ザ・デーモンが守衛を解放する様に説得すると、Mrフェイクはヒューズボックスを水の中に蹴り倒して落とし、溜まった浸水に強力な電気が流れ出す。
「や、やめろ、助けてくれ!」
守衛が助けを乞う中、Mrフェイクはうっかり落としてしまった風体で、守衛を電流が流れる水の中にわざと落とした。
「おおっと」「やめろ!」
ジャッジ・ザ・デーモンが制止するが、それも空しく水に落ちた守衛は感電死してしまう。
そして守衛を感電死させたMrフェイクは、植物園の奥へと歩みながらジャッジ・ザ・デーモンに告げた。
「ボクを追うスピードを上げないと、もっともっと死人が出ちゃうよ……修司」
すると次の瞬間、Mrフェイクは通路口を爆発させて瓦礫で塞いでしまった。
「この調子じゃ、更に死人が増えちゃうだろうけどね! ハッハッ」
冷酷なMrフェイクの言動を前に、ジャッジ・ザ・デーモンは落胆する。
が、落ち込む暇もないまま、ジャッジ・ザ・デーモンは何とか先へと進める様にしなければと思い立つ。
(この部屋の電力を落とさなければ)
浸水廊下へ電力供給している発電機の電源を止めなければ、浸水に放出される電流は止まらない。そのためジャッジ・ザ・デーモンは発電室へと方向転換した。
六人の聖騎士達が気絶している中、再び温室植物園の中を通り、発電室への通路へと向かうジャッジ・ザ・デーモン。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは銅像通路を通って、発電室へと向かう。その道中、ジャッジ・ザ・デーモンは手塚プロダクションとディズニー社から寄与されたベンチを見詰めて居た堪れない心中に耽るのだった。
銅像通路を駆け抜けるジャッジ・ザ・デーモンが温室発電室に着くと、そこでは囚人達に囲まれて椅子に縛られている守衛が、囚人達と言い合っていた。
「やめてくれ、わしにそんな価値はない」
「ボスがお前には手を出すなと。エサにはもってこいなんだとよ」
縛り付けた守衛を、ジャッジ・ザ・デーモン用の囮として利用するリーダー格の囚人が、未だに自分達に反発する守衛に向かって拳を振り上げようとすると。
リーダー格の囚人が振り上げた拳を止めた、別の囚人が制止する。
「やめろよ、もう十分痛い目見せただろ」
そう言ってリーダー格の囚人に意見を言うのは、他の囚人達と同様にタナトス・アサイラムに収監されている七人の聖騎士の一人である熱血漢ハウザーだった。
「ああん? お前、俺に意見するってのか?」
「無意味な暴力はやめろと言ってるんだ」
しかし、このハウザーの言動にリーダー格の囚人以外の、他の囚人達もハウザーに詰め寄る。
「おい、テメエ。なに自分だけいい子ちゃんぶっちゃってるんだ?」
「知ってるんだぞ。お前、聖騎士っていって、異世界じゃ平民を暴力で虐げて弾圧してきたんだろ? 俺らと同じじゃん」
「そ、それは……」
囚人達から正論を言われて、言葉を詰まらせるハウザー。そんな彼にリーダー格の囚人が迫った。
「分かってねえな。此処に収監された時点で、俺達は世間から危険視されて見捨てられた人間のクズ……いや、ゴミクズの溜まり場なんだよ、此処は」
そうハウザーを睨み付けるリーダー格の囚人は、ズボンのポケットからナイフを取り出した。
「分からねえんなら、痛みで教えてやるよ。お前ら聖騎士も、俺らと同じ……世間から捨てられたゴミクズだって事をな……!」
次の瞬間、リーダー格の囚人はハウザーに向かってナイフを振り上げて、切り掛かろうと刃を突き立てた。
「!」
ハウザーが目を見開いた、その瞬間。ナイフを振り翳したリーダー格の囚人の、ナイフを持つ手にグラップネルガンから射出されたデーモンクローが捕えて、リーダー格の囚人の動きを止める。
そして次の瞬間、唖然とするリーダー格の囚人のナイフを持つ腕が引っ張られて、転倒しそうになると同時にジャッジ・ザ・デーモンの手で頭蓋を太ももに叩き付ける「ヤシの実砕き」で悶絶して気絶した。
「ジャッジ・ザ・デーモンだ!」
突然のジャッジ・ザ・デーモンの来襲に、囚人達は騒然と驚き、各自ジャッジ・ザ・デーモンを取り囲む。が、ハウザーだけは部屋の片隅に移動して乱闘から逃れてた。
群がってくるように襲い掛かる囚人達の攻撃を、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く反撃したり回避しながら転倒させていくと、それを見た椅子に縛り付けられている守衛が囚人達に言う。
「ジャッジ・ザ・デーモンが相手じゃ、お前ら1分ももたんぞ」
守衛の野次を聞き流しつつ、囚人達はジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かるが、ジャッジ・ザ・デーモンは転倒させたり体を持ち上げて投げ飛ばしたりして囚人達を一人ずつ気絶させていく。
「やっつけてくれ、ジャッジ・ザ・デーモン!」
そしてハウザー以外の囚人達を全て倒し切って気絶させたジャッジ・ザ・デーモンは、最後に部屋の片隅に突っ立っているハウザーに詰め寄って言い迫る。
「何故お前は乱闘に参加しなかった」
「……俺は、確かに聖騎士の一人として王国の弾圧と支配を傍観してた。でも、だからと言って、無意味な暴力そのものが間違いだって事は理解している。もう無毛な争いはごめんだ」
「結構。だが、お前は既に聖騎士の頃から大罪を犯している」
「い、いや、俺は平民に暴力なんか振るってない……!」
「いや、お前は他の聖騎士達の非道な行いや弾圧を傍観した、見て見ぬふりをしていた。それだけで立派な……同罪だ」
ジャッジ・ザ・デーモンが話し終えた瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンはハウザーに強烈な頭突きをお見舞い。ハウザーは額から流血を滴らせて白目をむいて気絶してしまう。
「ジャッジメント」
ハウザーをも容赦ない断罪で気絶させたジャッジ・ザ・デーモン。そんな彼に、椅子に拘束された守衛が助けを求める。
「解いてくれ、手首が痛い」
ジャッジ・ザ・デーモンは守衛の助けを聞きつけ、彼の手首を締め付ける縄をジャッジラングで切断した。
「ありがとう、あんたは大丈夫か?」
「大したことじゃない。こいつ等は此処で何を?」
「動力制御機をいじってたようだ、細かい事はわからんが」
守衛から囚人達が何かをしていた様子だと聞いたジャッジ・ザ・デーモンは、発電機の動力制御装置を停止させようと暗号シーケンサーを使おうとするが。
(Mrフェイクのブービートラップだ)
発電機の動力制御装置に取り付けられている、左右に小さいガスボンベがついた装置を見てジャッジ・ザ・デーモンは、下手に解除しようとすれば毒ガスが噴出される仕掛けだと認識する。
(前よりセキュリティを突破するのが困難になっているが、リスクを冒さなければMrフェイクを止められない)
ジャッジ・ザ・デーモンは、更に慎重に暗号シーケンサーで動力制御装置を停止しようと試みる。
暗号シーケンサーで一つ目の波長を合わせると、すぐに二つ目の波長と合わせなければトラップを破壊できない仕組みだった。
(慌てるな、慎重に慎重に……)
ジャッジ・ザ・デーモンは慌てる事無く、落ち着いてブービートラップの波長を合わせていく。そして三つ目の波長を苦労の末に合わせて、動力制御装置ごとブービートラップを破壊して発電機を止めた。
(発電機の電気を落とせたようだ、先を急ごう)
浸水した通路に放流される電気の元を止めたジャッジ・ザ・デーモンは、再び筋肉増強剤GODの製造所を探しつつMrフェイクを追う事に。
[完成されたGOD]
浸水した通路に戻って来て、浸水箇所を渡って爆破で塞がれた通路の前に辿り着いたジャッジ・ザ・デーモンは、瓦礫の横にある通気口の鉄格子を外して通気口内を通って先へと進行する事に。
「君もしつこいね、デーモン。いつもボクの先手を行こうと必死になってるのが見て取れるよ」
発電機を止めた事に気付いたMrフェイクが、ジャッジ・ザ・デーモンに語り掛ける。
「でもね、ボクの命令で動くGOD軍隊の完成まで、もうすぐなんだよ。想像してごらん、罪のない大勢の人々が踏み潰され、その中を優雅に行進するボクの姿を」
自分専用のGODの軍隊を作り上げ、脅威を振るおうとするMrフェイクの企みを止めるべく、ジャッジ・ザ・デーモンは通気口内を突き進む。
そして通気口を通って行き着いた先は、廃れた空間だった。
廃れた空間には、不敵なMrフェイクの鼻歌が何処からか聞こえてきた。
ジャッジ・ザ・デーモンはMrフェイクを追い詰めるべく、自力で廃れた空間を登っていく。
「赤をちょぴっと……青も足して……ふふふ、幼い頃にやった色遊びを思い出すな」
廃れた空間を登っていく道中、Mrフェイクの独り言が聞こえてきた。
「赤を少々、緑を小さじ一杯……」
廃れた空間を自力で登っていくジャッジ・ザ・デーモンの耳に、Mrフェイクの声はハッキリと伝わっていた。
「軽く混ぜ混ぜして……」
どうやら筋肉増強剤GODの調合をしている様子だった。
「それじゃ、早速試してみよう」
と、Mrフェイクが調合したばかりの試作品を実験体にしている囚人に投与した直後。
「う、うおおおおおおおお……ッ!」
囚人の断末魔が廃れた空間に響き渡る。
「おおっと、これはダメみたいだね。よし! これは捨てちゃって。新しいのを連れてきてちょうだい」
そうMrフェイクが喜々と吐き捨てた直後、廃れた空間を進行していたジャッジ・ザ・デーモンの目の前に、先ほど試作品の筋肉増強剤GODを投与されて身体の一部が膨張した状態で死亡した囚人の亡骸が投げ棄てられた。
(Mrフェイクは筋肉増強剤GODを完成してない様だ。急がねば)
死亡してる囚人の状態を一目見て、ジャッジ・ザ・デーモンはMrフェイクが筋肉増強剤GODの調合を完成させてない事を把握し、急ぎMrフェイクが研究しているであろうGOD製造所へと進行する。
そして廃れた空間を抜けて、浸水通路から通気口を通ってジャッジ・ザ・デーモンが抜けた先では、一人の守衛が二人の囚人に痛め付けられていた。
「た、助けてくれ!」「質問に答えろ!」
床に寝そべり必死に助けを乞う守衛に、囚人二人が取り囲んで暴力を振るってた。
ジャッジ・ザ・デーモンは素早く通気口内から飛び出ると、二人の囚人と乱闘を開始する。
「ジャッジ・ザ・デーモン!」
囚人二人は突然現れたジャッジ・ザ・デーモンに動揺し、動揺している間にジャッジ・ザ・デーモンは囚人二人を痛め付けて気絶させた後に暴力を振るわれていた守衛を救出する。
「あ、ありがとう」
「大丈夫か」
「大丈夫に見えるか? 殺されるところだったんだ! 俺達は野鳥観察室に居たんだが、アイツ等がMrフェイクと一緒に現れて……他の仲間はカゴに押し込められたんだ」
「その仲間はまだ?」
「分からんが、まだ誰も逃げて来ない。助けてやってくれ!」
「分かった、此処に居ろ」
怯え切っている守衛に手を差し伸べ、立ち上がらせたジャッジ・ザ・デーモンは、野鳥観察室へと続く道を駆け抜けて下根場へと急ぐ。
野鳥観察室に入っていくジャッジ・ザ・デーモンは、そこで衝撃の光景を目の当たりにする。
「誰か! 此処から出してくれ!」
なんと野鳥観察室の高所に、大きな鳥かごが2つ吊るされており、その中にはそれぞれ医療スタッフが囚われていた。
「ジャッジ・ザ・デーモンが向かってるよん。彼が来たら、ドクター達を殺すんだ……!」
「了解だ、奈落の底に送ってやるぜ!」
「首輪のアラームが鳴ったらジャッジ・ザ・デーモンが来たって事だからね」
拡声器を通して、鳥かごの操作をしている制御室に立て篭もっているリーダー格の囚人と連絡するMrフェイク。
リーダー格の囚人を含めて、野鳥観察室には武装した囚人が四名それぞれ見張りに着いていた。
(下手に手下達を倒すと、首輪が鳴ってしまう。倒す順序を間違えないよう慎重に進まなければ……)
ジャッジ・ザ・デーモンは慎重に囚人達の見張りを掻い潜り、一番最初に制御室に籠っているリーダー格の囚人を倒してからでないと鳥かごの中の二人は救出できないと判断する。
「奴に勝ち目はない、ひとかけらもな!」
そしてジャッジ・ザ・デーモンは囚人達の目を盗み、見張りをかい潜って慎重に最上階の制御室に籠っているリーダー格の囚人の許へと進行した。
「ジャッジ・ザ・デーモンめ、さっさと死ねばいいんだ!」
時には通気口を抜けて、そして時には両腕の力だけで壁伝いをよじ登って進み、最上階のリーダー格の囚人の背後に迫る。
リーダー格の囚人が鳥かごの中で脅えている医師達を嘲笑っている中、ジャッジ・ザ・デーモンはリーダー格の囚人の背後を取り、リーダー格の囚人を窒息させて気絶させることに成功する。
(一番の脅威は退けられた。だが人質は、依然危険な状態には変わらない)
こうして他の囚人達に気付かれずリーダー格の囚人を倒したジャッジ・ザ・デーモンは、完全に安全な状況にするべく他の囚人達にも忍び寄っていく。
「パズルが解けたのかな、良かったね。ボクの警告を覚えてたのかい」
鳥かごを操作するリーダー格の囚人が倒されたのを警報音で認識したMrフェイクが、他の囚人達に命じる。
「君たち、タクシーを停められなかったね。ジャッジ・ザ・デーモンをボクの所に来させないで!」
警戒する囚人達を静かに、気付かれずに倒し終えるジャッジ・ザ・デーモン。
そして見張りの囚人達を全員倒し、ジャッジ・ザ・デーモンは遠隔操作で宙吊りの鳥かごに囚われていた医師達を救出する。
(MrフェイクはGOD製造所入口を守りたがっていた。もう一度、紫京院ひびきの指紋を追おう)
ジャッジ・ザ・デーモンは再び紫京院ひびきの指紋を追ってGOD製造施設の入口を探すべく、最初は鳥かごに囚われていた医師達に話を聞いてみる事に。
「すまない、Drヤンを探そうと思って……まさかMrフェイクが絡んでるなんて。ラボに乗り込んで来たんだ」
「ラボの場所は?」
「あっちの方だ。隠し扉になっているんだ、見つかるといいんだが」
「探してみる、此処で待っててくれ」
ジャッジ・ザ・デーモンは医師が示してくれた方へ梯子を駆け上り、同時に紫京院ひびきの指紋を追っていくと、鉄製のパネルがはめ込まれた壁へと辿り着き、そのパネルを外してみると其処にはMrフェイクのブービートラップが仕掛けられた暗号端末があった。
先ほどと同様に、ジャッジ・ザ・デーモンはブービートラップの毒ガスが噴出されないように、慎重に暗号シーケンサーで波長を合わせていき、どうにかGOD製造施設の隠し扉を発見した。
植物園内に造られた筋肉増強剤GODの製造施設へと続く隠し扉を開けたジャッジ・ザ・デーモンは、いざGOD製造施設へと足を踏み入れるのだった。
「おやおや、誰かなァ、こんなところまで。まあ、折角だし、いいものを見せてあげちゃおう」
GOD製造施設へと踏み込んだジャッジ・ザ・デーモンの到着を待ち望んでいたかのように笑顔で振り返るMrフェイク。
そしてMrフェイクと共に作業してた二人の囚人がジャッジ・ザ・デーモンの前まで迫ると同時に、ジャッジ・ザ・デーモンが渡ってきた渡り通路が折り畳まれ、ジャッジ・ザ・デーモンの背後は奈落の底へと変貌してしまう。
するとMrフェイクは、不意に筋肉増強剤GODが内蔵された注射針を発射する銃を取り出して、徐にジャッジ・ザ・デーモンへと向けた。
そして次の瞬間、Mrフェイクは自分と共に作業してた二人の囚人にそれぞれ注射針を発射して、筋肉増強剤GODを打ち込んだ。
「ッ!」「わッ!」
囚人二人が驚愕する中、注射針の中のGODは囚人の肉体に変化を与えていた。
「ハハハハハ……ッ」そんな混然とする状況を笑い飛ばすMrフェイク。
その一方で、GODを打ち込まれた囚人二名は全身に激痛が走る中、悶え苦しむ。
血液の中を赤褐色のGODが流れ込み、筋肉が瞬く間に膨張、背骨などの一部の外骨格は皮膚から剥きだしになり、最後には悍ましい形相に変化してしまう囚人二名。
そうして巨体化した囚人二名が興奮して、ジャッジ・ザ・デーモンと対峙する中、Mrフェイクは一人悠々とGOD製造所から脱出してしまう。
GOD製造所に残されたジャッジ・ザ・デーモンは、筋肉増強剤GODで巨体化した囚人二名と死闘を展開する事に。
[GODの猛威]
Mrフェイクによって筋肉増強剤GODを打ち込まれた二人の囚人は、GODの影響か豪く興奮状態になっており、ジャッジ・ザ・デーモンを前にドラミングする。
そしてGOD状態の囚人はジャッジ・ザ・デーモンに向かって雄叫びを上げながら突進。だが突進に合わせてジャッジ・ザ・デーモンは、ジャッジラングをGOD状態の囚人の顔面に投げ付けて視界を奪った状態にして壁に激突させた。
GOD状態の囚人が壁に激突して朦朧としているところに、ジャッジ・ザ・デーモンが追撃の嵐を打ち込んでいくが、そこにもう一体のGOD状態の囚人が突進してくる。
ジャッジ・ザ・デーモンは突進してくるもう一体のGOD状態の囚人にも、同様にジャッジラングを顔面に投げ付けて壁へと激突させた。
そうして何度もGOD状態の囚人のダメージが蓄積されていき、囚人が朦朧としてるところに、ジャッジ・ザ・デーモンが背後から顔面を押さえる様に捕まえて、GOD状態の囚人を手引きしてもう一体の囚人へと攻撃させる。
暴れ馬に跨るロデオの様に、暴れ回るGOD状態の囚人の頭部に捕まるジャッジ・ザ・デーモンは、上手くGOD状態の囚人を誘導してもう一体の囚人に激突させていく。
するとGOD状態の囚人が朦朧とする中、床に強烈な拳を叩き込んで凄まじい衝撃波を繰り出して周辺にいたジャッジ・ザ・デーモンに痛手を負わせる。
一時的に困惑するジャッジ・ザ・デーモンに、巨体なGOD状態の囚人は迫るが、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く攻撃を回避する。
GOD状態の囚人は、床の各所に転がっているMrフェイクが殺した守衛の死体を片手で掴んでは、それを物凄い速さでジャッジ・ザ・デーモンに投げ付ける。が、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く回避。
何度も何度もGOD状態の囚人が突進してきては顔面にジャッジラングを投げ付けて壁に激突させていくジャッジ・ザ・デーモンは、徐々にGOD状態の囚人の体力を消耗させていく。
激しい死闘の中、ジャッジラングを顔面に投げ付けられて、そのまま一直線に突進していくGOD状態の囚人が、筋肉増強剤GODが詰まったタンクに直撃。その瞬間、タンクは爆発し、連鎖反応で他の全てのタンクも爆発して貯蔵されていた筋肉増強剤GODは霧状に分散されて使用不能になった。
しかしまだ筋肉増強剤GODを打ち込まれて巨体化した囚人二名が残っていた。ジャッジ・ザ・デーモンは、果敢に巨体化した囚人二名と死闘を続ける。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは息も絶え絶えになっている巨体化した囚人に、大跳躍して顔面を床に叩き付けて完全に気絶させて倒した。
だが、まだもう一体GODで巨体化した囚人が残っている。ジャッジ・ザ・デーモンは諦めずに懸命に応戦する。
そして激しい死闘の末、最後の巨体化した囚人も、ダメージを蓄積させた上で先ほどの囚人と同様に顔面を床に叩き付けて倒した。
二体のGOD状態の囚人と死闘の末、その死闘の最中で偶然にも貯蔵タンクが大破した為にGOD製造施設そのものが破壊されたのだが、既に製造された分はMrフェイクによって持ち出された後だった。
「キャシー、GOD製造施設の破壊に成功したが、Mrフェイクに逃げられた。既に製造された分は運び出されてしまっている。厄介な事になりそうだ」
「いつ状況が悪化するか分かったものじゃないわ」
「GODの製造には特別な植物が使われている様だ。その植物が鍵と俺は見た。植物といえば、知恵を貸してくれそうなのが一人この島に居る」
「ポイズン・アイビーね。でも彼女が素直に力を貸してくれるかしら?」
「植物を愛している彼女なら、力を貸してくれるかもしれない。彼女のフェロモンのデータは既に持っている。この植物園内に来ている筈だ、見つけ出す」
キャシーと話し終えたジャッジ・ザ・デーモンは、自分が入ってきた通路のセキュリティ制御盤を暗号シーケンサーで破壊した。
しかし屈強な鉄格子が上がったが、その先には奈落の谷底が行く手を阻んでいた。
(何とかして、この谷を越えなければ)
するとジャッジ・ザ・デーモンは、デーモンスーツの操作システムを使って、遠隔操作で専用機であるステルス戦闘機ジャッジウィングを呼び出した。
そして一分もしない内に、ジャッジウィングはGOD製造施設のガラス屋根を突き破って屋内で滞空すると、機体からジャッジ・ザ・デーモンの生体認証でしか開けられないカプセルを放出し、そのまま再び上空へと消えていった。
ジャッジウィングが置いていったカプセルを開けて、ジャッジ・ザ・デーモンが取り出したのはラインランチャーだった。
ラインランチャー。水平な2地点間を素早く移動する事が可能。射距離100m、移動速度13,3m/sec、線耐用加重600kg。
装備したばかりのラインランチャーで、谷を越えてGOD製造施設から脱出したジャッジ・ザ・デーモンは早速ポイズン・アイビーを追う事に。
(これでアイビーを探せるな)
ラインランチャーを使って何とか野鳥観察室へと戻ったジャッジ・ザ・デーモンの目に飛び込んできたのは、先ほど救出した二人の医療スタッフの死体だった。
(二人とも殺されている。俺がGODと戦っている間に殺されたんだな。Mrフェイクめ、この代償は払ってもらうぞ)
ジャッジ・ザ・デーモンは静かな怒りを胸に秘めて、今はポイズン・アイビーの追跡を続ける事に。
浸水して床が陥没した通路へと戻ったジャッジ・ザ・デーモンは、ポイズン・アイビーのフェロモンの痕跡を辿って、床が陥没して奈落の底と化している通路をラインランチャーを用いて渡った。
そして陥没した床を渡った先の扉を通って、奥へと進むと其処には愛しい植物達と戯れている妖艶なポイズン・アイビーが優雅に過ごしていた。
「大丈夫よ、愛しい子供達。私はここよ、可哀想に……」
そんな植物と戯れているポイズン・アイビーにジャッジ・ザ・デーモンが歩み寄る。
「ええ、鬼に見つかったわ……でも大丈夫、何とかするわ」
歩み寄ってくるジャッジ・ザ・デーモンの存在を認識し、ポイズン・アイビーは植物に語り掛ける。
そんなポイズン・アイビーに歩み寄ると、ジャッジ・ザ・デーモンは徐に彼女の隣へと腰を下ろす。
「隣、いいか」
「ええ、あなたはダークナイトと違って話し合いを中心にしてくれるから嬉しいわ」
ポイズン・アイビーの了承を得て、彼女の隣に座ったジャッジ・ザ・デーモンはアイビーと会話を始めた。
「アイビー、Drヤンは此処の植物から筋肉増強剤GODを作ったらしい」
「ここの子供達から聞いたわ。魔女は代償として死で償ったらしいわね。フフフ……」
「解毒剤を作りたいんだ、力を貸してほしい」
「どうして? Mrフェイクの邪魔をするつもりはないわ、あなたも精々苦しみなさい。私が以前、アニメタウンを緑の楽園にするのを阻んだ報いを受けるのよ」
ポイズン・アイビーは、以前ジャッジ・ザ・デーモンによって阻まれたアニメタウン支配下の犯罪計画の事を指摘して、協力を拒んだ。
しかしジャッジ・ザ・デーモンは再度ポイズン・アイビーに訴える。
「Mrフェイクは今以上に筋肉増強剤GODを欲しがるだろう。そうすれば、植物達も手当たり次第に搾取されて根絶やしにされかねないぞ」
ジャッジ・ザ・デーモンからの切実な訴えを聞き、ポイズン・アイビーの気が変わった。
「筋肉増強剤GODに対抗できるのは、この島の奥にある植物だけよ……」
「どこなんだ?」
「キラー・タートルの巣よ。そう簡単には行けないわよ」
「それだけ聞ければ上等だ」
そう言って立ち去ろうとするジャッジ・ザ・デーモンに、ポイズン・アイビーが訊ねる。
「私は捕まえないの? ジャッジ・ザ・デーモン……?」
するとジャッジ・ザ・デーモンは振り返り、ポイズン・アイビーに返答した。
「ああ、今はMrフェイクの事で手いっぱいだ。だが、今夜の内に牢屋に自分から戻らなければ、Mrフェイクの次はお前の番だぞ」
「ふふふっ、やっぱりダークナイトと同じで容赦ないのね。デーモン……」
ポイズン・アイビーが寛いでた部屋を出て、ジャッジ・ザ・デーモンはすぐにキャシーと連絡を入れる。
「キャシー、キラー・タートルの巣に行く必要がある。この島の何処かにある筈だ」
「アサイラムの図面やシステムには、その場所の事はないですよ」
「デーモンハビタットの近くで入口を見付けたが、完全に封鎖されていた。どこかに別の入口がある筈だ。キャッシュなら何か知っているかも知れない。まだタナトス棟に居る筈だ」
通信士キャシーと連絡を終えたジャッジ・ザ・デーモンは、陥没した通路の向こう側に八人もの囚人達が群がっているのを視認する。
ジャッジ・ザ・デーモンは陥没した通路を渡るのにも使ったラインランチャーで、高速移動して囚人達の中に突っ込んでいく。
『うわあっ!』
ラインランチャーで高速で突っ込んできたジャッジ・ザ・デーモンに弾かれて、囚人達が床に倒れ込む。
そこにジャッジ・ザ・デーモンは素早い動作で囚人達に拳を振り下ろして連続攻撃を浴びせていく。やがて朦朧としながらも立ち上がる囚人達にジャッジ・ザ・デーモンは拳だけでなく蹴りもお見舞いして気絶させていく。
回し蹴りからの拳を振り下ろしての頭蓋強打、そして次第に囚人達は次々にジャッジ・ザ・デーモンの攻撃を浴びて脳震盪を起こして気絶し、最後に残った囚人も強烈な攻撃で気絶させられる。
「ジャッジメント」
八人全員の囚人を倒し切ったジャッジ・ザ・デーモンは、植物園を出るために来た道を戻っていった。
[変異する妖艶なる美女]
するとジャッジ・ザ・デーモンが来た道を戻っていくと、例の浸水した通路に止めた筈の電気が再び流れており、浸水の向こう側にはドレファスとハウザーの二人が得意気に立っていた。
「残念だったなジャッジ・ザ・デーモン、また電気を入れたからな。もう戻ってこれないぞ!」
「あ~あ、残念だったな」
電気が浸水している溜池状態の通路に流れている状況で、自分達の方へは来れないと踏んだ二人はいきり立っていた。
が、ジャッジ・ザ・デーモンはラインランチャーを使って、簡単に悠々と二人の方へと渡り切ってしまう。
「なんだ、アレは!?」
ラインランチャーで渡ってくるジャッジ・ザ・デーモンに、ドレファスとハウザーの二人は騒然とする。
そしてジャッジ・ザ・デーモンはラインランチャーで移動すると同時に、ドレファスとハウザーの二人を蹴り付けて二人を床に倒した。意識が朦朧とする二人を、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く頭部を殴り付けて気絶させた。
浸水した通路に電気を再び放出させて、行く手を阻もうとしたドレファスとハウザーの二人を撃破したジャッジ・ザ・デーモンは温室植物園へと戻る。
其処には聖騎士のうちの五人、ヘンドリクセン、ヘルブラム、ギルサンダー、ギーラ、ジェリコの面々が変わらず銃器を装備して見張りに着いていた。
「Mrフェイクが言うには奴はこっちに向かっているそうだ。警戒を続けろ」
「私達はいつになったら強くしてもらえるの? 奴より強くしてやるって言ってたじゃない」
「もう化学式とやらは完成している。順番待ちだ」
「強くなったらジャッジ・ザ・デーモンの頭をもぎ取って、聖龍隊本部の壁に突き刺してやる」
各々が各自自由に不満や愚痴を零している中、ジャッジ・ザ・デーモンは浸水通路出入り口のほぼ前で見張っているヘンドリクセンの背後に忍び寄って、静かに窒息させて気絶させた。
するとヘンドリクセンが装着しているスーサイド・カラーが鳴り響き、拡声器からMrフェイクの声が響き渡る。
「彼はどうやら上に行ったみたいだ。まるで空飛ぶヒーローみたいに。なんかお土産も置いていったみたいだね」
「今の聞いたか!」
ギルサンダーがMrフェイクの指示と鳴り響くスーサイド・カラーに導かれ、気絶しているヘンドリクセンの許へと駆け付ける。
「Mrフェイクの言うとおりだ。一人倒れてる!」
気絶したヘンドリクセン以外の、残された四名が蒼然とする中、暗闇からグラップネルガンに装着されたデーモンクローがヘルブラムを捕える。
「うわっ!」
ヘルブラムは、そのまま策を越えて下の階へと落下して気絶してしまう。
「き、気を付けろ! ジャッジ・ザ・デーモンは何処から襲ってくるか、解らないぞ!」
ギーラが注意するよう呼びかける一方、ガーゴイル像の上に移動していたジャッジ・ザ・デーモンが真下に居たギルサンダーを捕まえて像の上へと引き上げる。
「や、やめろ! うわっ!」
そのままギルサンダーはガーゴイル像の上から宙吊りにされて気絶してしまう。
「わ、私たちだけか……行くぞ、ジェリコ」「あ、ああ」
残されたギーラとジェリコは、共に行動してジャッジ・ザ・デーモンの奇襲から互いを守ろうと移動する。
だが、そんなギーラとジェリコが移動していると、足元に付着されているデーモンのシンボルで描かれた固形物を発見する。
「なんだ、これは?」
ギーラとジェリコが注意深く足元の固形物に凝視していると、次の瞬間その固形物が爆発して二人を吹き飛ばす。
「「わあっ!」」
ギーラとジェリコは爆破ジェルの爆発に吹き飛ばされて、二人とも気絶してしまった。
「ジャッジメント」
ガーゴイル像の上から下へと着地したジャッジ・ザ・デーモンは、温室植物園の見張りを一掃したのを確認してから出入口へと続く通路へと足を運んだ。
すると此処で異変が。
異変はジャッジ・ザ・デーモンが温室植物園を出て、植物園入口に続く通路へと出た時起こった。
「鬼を殺すのよ! 私のベイビー達に手出しできないように!」
突然のポイズン・アイビーの声が響いたと思いきや、次はMrフェイクがスピーカーからジャッジ・ザ・デーモンに発言する。
「あの妖艶なポイズン・アイビーを此処まで泣かせちゃうなんて、君って酷いね!」
そしてジャッジ・ザ・デーモンが植物園から出ようと出入り口前まで辿り着くと、突然謎の地震が起きた。
そしてジャッジ・ザ・デーモンの目の前で、出入口が巨大な植物の蔦で塞がれてしまった。
と、ここでMrフェイクが現状をジャッジ・ザ・デーモンに語り明かした。
「フフフ、実はねデーモン。彼女に、アイビーにホンの少しGODを与えちゃってみたんだ」
どうやらMrフェイクは、現在ポイズン・アイビーと一緒にいるようで、何かしらの話術でポイズン・アイビーを説得させた上で筋肉増強剤GODを彼女に投与したらしい。
「思ったのと違う結果だけど、また打ってみようかな」
そう語るMrフェイクは、更にポイズン・アイビーへとGODを投与した。それと同時にジャッジ・ザ・デーモンの目の前を更に巨大な植物が自生して行く手を塞ぐ。
出入り口を巨大な植物で塞がれたジャッジ・ザ・デーモンは、巨大な植物が空けた床下の空間から何とか抜け道を発見。そこから地下を通って出入口へと辿り着くと植物園から脱出した。
植物園から出ると、タナトス島は完全にポイズン・アイビーの巨大な植物によって埋め尽くされていた。
(GODはアイビーに特殊な変化をもたらしたようだ。アイビーの植物は尋常じゃない。このまま放置すれば誰にも制御できなくなるぞ)
巨大な植物に埋め尽くされたタナトス島を見渡してみると、GODの影響で変異した植物から猛毒の胞子がばら撒かれ、植物に近付いた狂人が容易く倒されてしまっていた。
(植物が更に変化している)
GODを投与されて変異した植物を観察してみると、ジャッジ・ザ・デーモンはある事に気付く。
(あの植物は、アイビーがアニメタウン本土を襲撃した時に使ったものと良く似ている。危険だ!)
筋肉増強剤GODの投与の影響で、自身の植物を操作するという能力が強化・変異した顛末に、ジャッジ・ザ・デーモンは頭を抱える事に。
ジャッジ・ザ・デーモンは急ぎ、GODに対抗出来得る植物の胞子を採取するべく、キラー・タートルの巣を目指すべく行動に移るのであった。