ジャッジ・ザ・デーモン タナトス・アサイラム 作:セイントドラゴン・レジェンド
[悪党たちの小話]
前回、植物園の筋肉増強剤GOD製造施設で、二体のGODと死闘を展開した末に製造施設の破壊成功に至ったジャッジ・ザ・デーモン。
だが、既にMrインクは製造された分のGODを持ち出しており、未だ危機は去ってはいなかった。
そこでジャッジ・ザ・デーモンは、GOD製造に使われているのが特別な植物という点から、GODに対抗できる術を、植物を操れるポイズン・アイビーから助言をもらおうと向かった。
そしてポイズン・アイビーからGODに対抗できるのは、キラー・タートルの巣の中にしかない植物の胞子しかないと告げられ、ジャッジ・ザ・デーモンはキラー・タートルの巣について知っているであろう守衛アーロン・キャッシュから情報を聞き出そうとタナトス棟へと向かう。
しかし、タナトス棟に向かおうと植物園から立ち去ろうとする時、事もあろうにMrフェイクがポイズン・アイビーにGODを投与した事で、島中にGOD変異植物が自生してしまい、事態が悪化してしまった。
この事態にジャッジ・ザ・デーモンは、被害が更に広がる前に急ぎポイズン・アイビーを止めるべく行動するのだった。
植物園を出て、島中にGOD変異植物が自生してるのを視認したジャッジ・ザ・デーモンは、動きを感知すると猛毒の胞子をばら撒くGOD変異植物に気を付けながらタナトス棟へと移動する。
ジャッジ・ザ・デーモンはGOD変異植物を片付けるべく、忍び寄っては植物の中核部に手を突っ込んで破壊しながら慎重にタナトス棟へと向かう。
時には、未だ活動している狂人達の突撃に反撃しながら、ジャッジ・ザ・デーモンはタナトス棟へと辿り着いた。
そして出入口が巨大な植物で阻まれているタナトス棟の前に辿り着いたジャッジ・ザ・デーモンは、先に侵入した様に出入口の屋根の上にある通気口を通って建物内へと侵入。
だが、タナトス棟入口ホールに入ってみると、そこには既に巨大なGOD変異植物で埋め尽くされ、下層部の方には猛毒の胞子が空気中に溜まっていた。
そこでジャッジ・ザ・デーモンは、先ほど装備したラインランチャーで水平に移動して、向こう側の通気口へと渡っていく。
そしてメインホールに到着するが、そこは更に巨大植物で埋め尽くされていた。
ジャッジ・ザ・デーモンは両端の渡り通路にラインランチャーで移動しながら、メインホール奥へと辿り着いてみると其処にはアーロン・キャッシュを始めとする守衛達が集合していた。
「ジャッジ・ザ・デーモン!」
ジャッジ・ザ・デーモンの姿を見て、キャッシュが声をかける。
「そろそろ来る頃だと思ってた。このバカでかい植物はなんだ?」
「話すと長くなる」
「どうせポイズン・アイビーだろ。Mrフェイクと組んだのか」
「島の植物は何とかなる。だが……」
「何だか、いつも「だが、しかし」ばっかりだな」
「キラー・タートルは何処に? 下水の扉は閉まっていたが」
「集中処置棟の特別房さ。昔の地下水路だ。Mrフェイクなんかの犯罪者よりも警備が厳しい。入るなら所長のコードが必要だ」
「分かった。植物には近付かないでくれ、下手をすれば殺されるぞ」
そう言い残して、急ぎキラー・タートルが潜んでいるであろう集中処置棟にジャッジ・ザ・デーモンが向かおうとすると。
「それにしても誰だ。釣鐘なんか落とした野郎は。此処まで滅茶苦茶にしやがるなんて……!」
と、守衛の一人が落下して辺りを滅茶苦茶にした釣鐘を前に怒っているのを聞いたジャッジ・ザ・デーモンは。
(ごめんなさい、それ俺です)
と、心の中で静かに謝罪するのだった。
そうしてタナトス棟の外に出たジャッジ・ザ・デーモンは、集中処置棟へと駆け足で急いだ。
その頃……。
「さあ、とっとと殺るんだよ!」「お前ら、トロイぞ!」
「早く殺さないと、お前らが死ぬんだぞ!」
そう三人の強面の囚人達から指示されて、手に鋭利な刃物を持たされる五人組。
「た、助けてくれ……俺には、家族が……!」
「お、俺達はあんた達を……怪我人を助けに来ただけだ。なのに……!」
そう八人に訴えるのは、タナトス・アサイラムの非常事態に駆け付けた救命士達だった。
そんな救命士達を殺害するよう三人の強面囚人達に命じられているのは、竹内元教師/川井みき/島田一旗/植野直花/広瀬啓祐の五人だった。
「だ、だけど……俺達は、この人たち……救命士達には恨みはないし……」
そう広瀬啓祐が訴えると、強面の囚人達は睨み付ける。
「あぁん!? 今さら、いい子ちゃんぶってんじゃねえよ!」
「そうだそうだ! お前らだって、もう立派な俺達の同類だろうが!」
「俺たちゃ知ってんだぞ。アジア州立刑務所の火事も、本当はお前らが仕掛けた事だってよォ」
「そ、それは……Mrフェイクに指示されて……ウッ!」
三人の強面囚人達に竹内元教師が反論するが、逆に腹を殴られて黙らせられてしまう。
「さあ、とっとと救命士達をぶっ殺して、ジャッジ・ザ・デーモンが此処に来た時に奇襲する為の準備をするんだよッ!」
強面の三人組に怒鳴られて、怖気付いた五人は手に刃物を持って救命士達に歩み寄る。
「や、やめろ……殺さないでくれっ」
悲痛な救命士達の声が響く中、遂に五人は各々で救命士達を手に掛けた。
「ひゃっはっは! よくやったぜ、おめえら!」
「これで立派な殺人鬼! 俺達の同類だな!」
「特に女ども! これで肉便器から俺らの同類に格上げだな! ヒャアッ」
下種に大笑いする三人を前に、何の罪もない、恨みも何もない救命士達を殺害した五人は蒼然としていた。
だが救命士達を殺さなければ、自分達が暴力や凶刃によって最悪の場合命を奪われてしまう。
そう五人は思い、感じていた。そう、アジア州立刑務所で学んだように。
「やめてーーっ! いやあっ!」「許してよーーっ!」
悲痛な絶叫を上げる、川井みきと植野直花は男の囚人達から容赦なく囚人服をはぎ取られ、嬲り回される。
「ひゃっはっは! イジメなんてクズ中のクズをした囚人なんて、収容所のカーストが最下層なんだよォ!」
狂気にも近い声を挙げて、川井みきと植野直花の権限を踏み躙り、性器はもちろん口や肛門にも男性器を突っ込んで強姦し尽くす囚人達。
国連管轄の凶悪犯収容施設は増設されているが、その数に囚人達の人数が追い付かないため、男と女の囚人は同じ施設内で、しかも同室に放り込まれる傾向にあった。
「いやーーっ! やめなさい! やめなさいって!」
「ひゃはァ! この女、元王女なだけに生意気だぜ! 徹底的に調教して、肉便器のビッチだって事を解らせてやろうぜ!」
そんな男女共同のアジア州立刑務所では、川井みきと植野直花だけでなく、あのマルティ=S=メルロマルクも同様に男の囚人達から強姦されて嬲られていた。
「や、やめてくれ。私たちは何もしてないだろ……ぎゃあっ!」
「や、やめて……ぐはっ」
「ご、ごめんなざい……」
「イジメに加担したクソ教師も、イジメをしてたクソガキも、此処じゃ俺達のサンドバックだ!」
竹内元教師に島田一旗そして広瀬啓祐の三人も、他の囚人達にとっては手頃なストレスや鬱憤の発散元だった。
「や、やめて。お願い、息子には手を出さないで……ッ」
「や、やめろ! 妻に暴力を振るうな……がっ」
「うっせえんだよ! ……孫娘が難聴になった原因を、バカ息子の妻に全て責任転換したクズ一家にヤキ入れてやってんだ。有難く思いやがれ」
嘆願する西宮硝子の祖父母を殴り付けて黙らせると、先住している囚人達は殴り倒して大の字になっている西宮硝子の実父に向かって重量級の鉄製のハンマーを振り下ろした。
「ぎゃあッ!!」
ハンマーは西宮硝子の実父の股間に直撃。なんと彼の睾丸を二個とも完全に叩き潰してしまう。
「いやあっ!」
実父の実母すなわち西宮硝子の祖母は、息子の生殖機能が完全に奪われた現状に悲鳴を上げる。
「ひゃっはっは! 難聴の孫娘がイヤなら、その難聴の娘を産んだ元凶であるバカ息子の玉を二個とも潰してやったぜ! 有難く思いなッ!」
狂気じみた囚人達の笑い声の中、叩き潰された睾丸を押さえて大量の出血をしている西宮硝子の実父の許に、両親が歩み寄る。
すると、そこに騒ぎを聞きつけて看守がやって来た。
「おい、さっきからウルサイぞ」
「ああ、すいません。このバカが事故っちゃって、睾丸が二個とも潰れちゃったみたいなんですよね。へへっ」
そう頭を下げながら囚人は、看守に数枚のお札を手渡す。
「……一応、医師には見せてやれよ。死なれたら、こっちの責任問題なんだからな」
「へいへい。おい、クズ親父! 喜べ、看守様が医者の所に行っていいってよ。さっさと使い物にならなくなった玉を治療してもらいな」
「ッ……!」
この看守と囚人のやり取りを目の前にして、西宮硝子の実父は涙目で睨み付けてた。
この様に、看守と囚人の賄賂のやり取りは差ほど珍しくなく、更には。
「おい! お前ら、何やってる」
川井みきと植野直花そしてマルティ=S=メルロマルクを集団で輪姦している現場に、看守達が雪崩れ込んできた。
(た、助かった……!)
そう心の中で強く安堵する三人の女たちだったが、次の瞬間看守の発した言葉に絶望する。
「楽しそうじゃないか。口止め料代わりに、俺達も混ぜろや」
「「「!!」」」
なんと看守も輪姦に参加したいと名乗り、これに三人は絶望に叩き落された。
そして何度も何度も穴という穴を凌辱され、囚人にも看守からも代わり代わりに犯された三人に医師が告げたのは。
「性病に罹っていたので、子宮を完全に摘出しました」
この女として完全に終わった現実を叩き付けられた三人は狂乱した。
「いやあああっ!」
「女たちが発狂したぞ!」「看守だ、看守を呼んで黙らせろ!」
発狂し、絶望の叫びをあげる三人を、医師達は即座に看守達を呼んで力尽くで押さえ付ける。
そして三人は看守達から警棒で殴られるなどの暴力を振るわれて、満身創痍の状態で牢屋に戻された。
だが、子宮を失った三人を前に囚人達はより興奮していた。
「グヒヒ、お前ら、もう子宮はないんだよな?」
「つまり、いくら犯しても子供は産まれないって訳だ」
「犯し放題の肉便器……いや、性処理袋の完成って訳だ」
「「「っ!!」」」
発情した獣の様に血走った囚人達の目に睨まれて女たちは脅え切り、それからも幾度となく乱暴に強姦され続けた。
こうして収容施設内でも最下層のカーストに居た面々が、その後も理不尽な暴力などに遭っていた最中、このアジア州立刑務所に一人の囚人が試用期間内だけで服役しに来た。
「やあ、君たちは【聲の形】の悪役だね! 宜しく、ボクはMrフェイクだよ」
『………………』
試用期間の数か月だけ服役されるMrフェイクに声をかけられ、【聲の形】の悪役達は憔悴し切った顔でMrフェイクの話に耳を傾ける。
「どうだい? 此処では君たちの悪行はすっかり知られて、周りの囚人達から酷い目に遭ってないかい? 例えば暴力とか強姦とか……まっ、九割以上の看守が賄賂をもらってるか、面倒事が嫌で見て見ぬふりをしているから、表沙汰にはならないだろうけどね。ハハッ」
『………………』
「そうそう、話は変わるんだけど……どうだい、この地獄から抜け出したくないかい?」
『!』
「ボクが指定する刑務所の場所に、このカラフルボールを内緒で置いといてくれるだけで良いんだけどな」
『………………』
Mrフェイクの巧みな話術と、少しでもこの地獄の環境下から抜け出したいと思ってた悪役達は、Mrフェイクから色とりどりのゴルフボール程の球体を受け取った。
そしてMrフェイクの指示した場所に、隠す様にその球体を置いた。
それからMrフェイクは試用期間を終えて、別の収容施設へと移ったのだが、それから数日後、アジア州立刑務所で火事が発生した。
そう、Mrフェイクが所定の場所に置くよう指示した球体は、なんと発火装置であり、それによって刑務所が火災に見舞われたのだ。
この火災で何百人もの囚人や看守が焼死してしまうのだが、Mrフェイクにとっては自分の息がかかった囚人達をタナトス・アサイラムに一時的に移送される計算で起こした火災なだけだった。
アジア州立刑務所での火災を引き起こすのに協力した竹内元教師/川井みき/島田一旗/植野直花/広瀬啓祐の五人は、もう通常の生活には後戻りできない所まで堕ちてしまっていた。
そして五人は、それぞれ自分達が殺害した救命士達の胴着を奪取すると、ジャッジ・ザ・デーモンを奇襲する計画の為に動き出した。
[逆転という悪夢]
一方、地上の脅威である狂人やGOD変異植物を突破しながら集中処置棟へと向かっていたジャッジ・ザ・デーモン。
すると集中処置棟に続く通路に出てみたジャッジ・ザ・デーモンの目の前に、救命士達が倒れている一人の救命士に群がるように集まっていた。
「どうした、何かあったか」
ジャッジ・ザ・デーモンが近付いて問い掛けてみると、次の瞬間。
「サプラーーイズ!」
と、振り返った救命士達が襲い掛かってきた。救命士の胴着を着て変装していたのは、全て囚人達だった。
しかし突然の奇襲に対してもジャッジ・ザ・デーモンは動揺する事なく、襲い掛かってくる囚人達を相手に立ち回りを続ける。
流れる様な動きで敵である囚人に拳や蹴りを叩き込み、強面の囚人達だけでなく【聲の形】の五人にも強烈な打撃を与えて倒していくジャッジ・ザ・デーモン。
そして竹内元教師の顔を壁に叩き付け、川井みきの顔面に拳を叩き込み、島田一旗にシュミット流バックブリーカーを決め、植野直花にハイキックを喰らわせ、広瀬啓祐の頭部に拳を振り下ろして、全員を気絶させた。
「ジャッジメント」
全員を完膚なきまでに叩きのめしたジャッジ・ザ・デーモン。
八人の囚人達を撃破したジャッジ・ザ・デーモンは、すぐにタナトス島北部へと向かった。
やはり北部にも多数のGOD変異植物が地上に自生していた。
と、その時。通信士キャシーから連絡が入った。
「ジャッジ・ザ・デーモン、集中処置棟の入口は全部閉まってます。私たち外部からは、どうにもできません」
「狙撃手がいる。奴は何処から出入りしてるのか、何かしらの手はある」
集中処置棟の出入り口屋根上に配置されている狙撃手の存在に気付いたジャッジ・ザ・デーモンは、すぐに行動に移った。
まず地上のGOD変異植物を一個ずつ破壊しながら、集中処置棟の向かい側の警備塔へと辿り着き、警備塔に上昇する。
そして警備塔からラインランチャーを使って、狙撃手の許へと水平移動して、狙撃手に蹴りをお見舞いして狙撃手が朦朧としている隙に頭部を殴り付けて気絶させる。
狙撃手を片付けたジャッジ・ザ・デーモンは、狙撃手が出てきた屋内へと続くであろうドアの奥へと進んだ。
扉の向こう、メンテナンス・アクセスへと侵入すると、同時にGOD変異植物の影響で強い地響きが襲ってきた。
「ジャッジ・ザ・デーモン、島の各所で地震が起きているみたいですけど、貴方は大丈夫なの?」
「ポイズン・アイビーの植物が根を広げているんだ。島全体が乗っ取られる前に止めなければならない」
キャシーと話し終えたジャッジ・ザ・デーモンは、迷路のように入り組んだ通気口を通って、何とか先へと進んでいった。
そして更に奥へと進んでいくと、ジャッジ・ザ・デーモンは集中処置棟ロビーへと出るのだが、そこでは。
「準備は? もう爆弾は設置できたかな?」
Mrフェイクが何やら囚人達にガーゴイル像に爆弾を取り付けさせていた。
「できました!」「京児の野郎も、もうすぐ終わらせます」
「よし、ちょっと試してみよう!」
囚人達からの無線で報告を聞いたMrフェイクは、まだガーゴイル像の間近で作業している飛城京児がいるにも関わらず爆弾の電源を入れようとする。
「ま、待ってくれ! 俺がまだ此処に居る……!!」
必至に嘆願する飛城京児だったが、Mrフェイクは躊躇う事無く電源を入れる。するとガーゴイル像に設置された爆弾が爆発、飛城京児は爆発で吹き飛んで落下。
「うわあっ!」
爆発で吹き飛んだ飛城京児は、そのまま真っ逆さまに床へと落ちてしまう。
「ふふふ、あらあら……」
そんな飛城京児の顛末に、Mrフェイクは微笑むばかり。
この様子を通気口の中から観察してたジャッジ・ザ・デーモンは、ガーゴイル像の上に移動するのを控える様に捉えた。
(ガーゴイル像の上に乗ったら、センサー式爆弾が爆発して囚人達に気付かれてしまう。なるべく像の上には移動しない様にしなければ……)
そう考えるジャッジ・ザ・デーモンの存在に気付かず、爆弾を取り付け終わった囚人達は見張りの為に徘徊するのだった。
「なんで、ここの警備をまた強化するんだ?」
「ジャッジ・ザ・デーモンが出て行ってから、建物全体を封鎖した。誰も出入りできない筈だ」
「奴は戻ってくる。そして戻ってきたら、あの爆弾でドカンだ」
「ホントにそう思うか?」
「なんでだ? お前はどうなると思っている?」
「ジャッジ・ザ・デーモンなんか戻ってこなくていい。もう面倒は御免だ。Mrフェイクの計画はほぼ完了、あとはこのイカれた島から出るだけだ」
「ああ、それがいいな」
「ここに鬼を閉じ込めてやろう。さぁ仕事だ」
そんな会話を囚人達がしている間に、ジャッジ・ザ・デーモンは通気口の目の前で見張りに着いていた囚人を一人静かに倒す。
「西の通路をチェックした方がいいよ」
すると囚人が首に装着しているスーサイド・カラーが鳴り響き、同時にMrフェイクも確認するよう指示を飛ばした。
「あっちだ、行くぞ!」
囚人達が最初に倒された囚人の方へと駆け付ける一方、ジャッジ・ザ・デーモンは其処から一番離れた場所で見張ってた囚人の背後に忍び寄り、その囚人を静かに倒してしまう。
「今度はアッチだ、チェックする様に!」
二人目の囚人の気絶に、Mrフェイクが確認するよう指示すると、武装している囚人三名が駆け付ける。
「まただ! また一人やられているぞ!」
恐怖で困惑する囚人達。一方でジャッジ・ザ・デーモンは爆弾が設置されたガーゴイル像に移動しないよう気を付けながら、息を殺していた。
そして最初から決して動こうとしない、暗号端末機を見張っている囚人に対して、ジャッジ・ザ・デーモンはスーサイド・カラーと同じ音波を出すジャッジラングを近場に投げ付けて誘導する。
「なんだ?」
スーサイド・カラーと同じ音を聞いて、端末機を見張ってた囚人が動いて通路に刺さっているジャッジラングの許に移動した瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンが後ろから忍び寄り、囚人を静かに倒した。
「なんだいなんだい。君たち、ジャッジ・ザ・デーモンに負けるのが趣味なのかい?」
Mrフェイクが皮肉交じりの台詞で、見張りに着いている残った三人の囚人に呼び掛ける。
「クソっ、なんなんだよ!」恐怖で頭が混乱する囚人達。
そして囚人達が分散したところで、ジャッジ・ザ・デーモンは一人になった囚人に滑空して飛び蹴りを喰らわして気絶させる。
残った囚人の一人に対しては、闇に紛れてその囚人をデーモンクローで引っ張って柵から引きずり落として床へと激突させて気絶。
残った最後の一人には、ジャッジラングを投げ付けて転倒させると、すかさず頭部を殴り付けて気絶させた。
「ジャッジメント」
こうして囚人達を片付けたジャッジ・ザ・デーモンは、キラー・タートルの巣となっている地下水道へと向かうべく先ほど囚人が見張ってた暗号端末機の許へと駆け付ける。
同然ながら、その暗号端末機にもMrフェイクのブービートラップが仕掛けられていたが、ジャッジ・ザ・デーモンは危険を承知で暗号解除に取り掛かった。
そして何とか無事に暗号端末機を破壊して、特別処置棟のエレベーターへと向かえる通路へと進む事ができた。
開場された扉を抜けると、そこはタナトス・アサイラムで最初に通った監房ブロック移送路だった。
ジャッジ・ザ・デーモンは急ぎ、その移送路を駆け抜けていくが、その道中。
「昨晩どなたかゲームボーイを落としましたか?」
(? ゲームボーイ!?)
アナウンスガイドからの謎の呼びかけに、ジャッジ・ザ・デーモンが呆然としてしまった。その時。
ジャッジ・ザ・デーモンの視界が急にテレビ画面の砂嵐の様なノイズで閉ざされ、遮られてしまった。
そして何故か時と場所は戻り、雨が降りしきる夜のアニメタウンの街中を、ジャッジモービルが駆け抜ける。
だが唯一違っていたのは、運転席に座っているのがジャッジ・ザ・デーモンではなく、Mrフェイクであったこと。そしてジャッジ・ザ・デーモンは助手席で昏睡状態に陥っていた。
Mrフェイクに護送されたジャッジ・ザ・デーモンは、囚人達がウェルズ本部長やハワード・ラグラフト所長そしてアーロン・キャッシュ守衛に銃を突き付けて移動させるという、囚人と守衛の立場が逆転しているタナトス・アサイラムで拘束ストレッチャーで運ばれてしまう。
「この鬼ちゃんをペットにしてもいい? ちゃんとお世話しますから」
「MrFの言うとおり、妄想癖のある古臭い殉教者って感じだね!」
拘束された状態で、銃を持ったザ・ハングリーと共に、同じく武装しているトガヒミコと怪盗ジーニアスが警備する。
そして鉄格子の向こう側では、ウェルズ本部長やハワード・ラグラフト所長にアーロン・キャッシュに銃器を向けながら歩かせる七人の聖騎士達の姿も目視された。
「俺じゃない! 俺はやってない!」「黙れ!」
拘束されているジャッジ・ザ・デーモンが懇願するが、怪盗ジーニアスがそれを一喝する。
そしてエレベーターに通じる扉の前で、大勢の武装囚人が警備に当たる中、あのナイトメアがジャッジ・ザ・デーモンを診察したいと歩み寄ってきた。
「少しだけ時間をくれ。囚人の様子を見るだけだ」
「良いから早くしてよ。コイツ、機嫌が悪いみたいだからさ」
診察したいと名乗り出すナイトメアに、怪盗ジーニアスが早く済ませる様に急かす。
「機嫌が悪い訳ではない。可哀そうに、この男はいつまで経っても過去の二つのトラウマから抜け出せないだけだ。一つは中東で多くの命を惨殺した罪の意識、もう一つは……産まれた時から感じている孤独という柵にな」
ここで更にナイトメアが問い掛ける。
「なあ、小田原修司。お前の頭の中では、一体何が起こっているんだ?」
だがジャッジ・ザ・デーモンは繰り返すばかり。
「助けてくれ!!」
これに驚いたナイトメアを始めとする周囲の囚人達。
そしてナイトメアがジャッジ・ザ・デーモンを護送してきたMrフェイクに言った。
「彼はもう君のものだ、Mrフェイク!」
そうナイトメアから許可をもらうと、Mrフェイクは拳銃を取り出して銃口をジャッジ・ザ・デーモンに突き付ける。
「ずっとこの時を待ってたよ。パーティを始めようじゃないか」
そして次の瞬間、Mrフェイクは引き金を引いて拳銃を発砲した。
此処で再び自分の意識が遠くに行ったジャッジ・ザ・デーモンの意識は、暗闇に閉ざされる。
そして目覚めてみると、ジャッジ・ザ・デーモンは地中に埋められていた。
自力で地中から這い出してみると、ジャッジ・ザ・デーモンが埋められていたのは【小田原修司之墓】と彫られた墓石の前だった。
地中から這い出たジャッジ・ザ・デーモンが辺りを探索してみると、電子ゲートに閉じ込められた各檻の中にはそれぞれ精神に異常を来たしたジャッジ・ザ・デーモンの姿があった。
部屋の片隅で体育座りで貧乏ゆすりをしているのもいれば、部屋の左右を低い姿勢で行ったり来たりする鬼も、また何かに脅える様に辺りを気にし続ける鬼も居れば、完全に気が狂いネズミを生きたまま喰らい付いている鬼の姿も見受けられた。
そんな異常化した鬼の幻を見たジャッジ・ザ・デーモンは、なんとかラインランチャーで向こう側へと渡ったのだが。
「何をしている、ジャッジ・ザ・デーモン?」
以前と同様、悪夢の様な幻覚の中では巨大な姿で見下ろすナイトメアの姿が其処にはあった。
ナイトメアが見せる悪夢の様な幻覚の中、ジャッジ・ザ・デーモンは巨大なナイトメアの視線に入らないよう慎重に障害物に隠れながら前進する。
明らかに集中処置棟の内部と思われる内装の中、入り組んだ立体迷路のような幻覚の中をジャッジ・ザ・デーモンはひたすら駆け上っていく。
「怖くて出て来れないのだろう。恐怖と向き合えないのだろう?」
障害物を利用してナイトメアの視線から逃れながら先へと進むジャッジ・ザ・デーモンの前に、巨大なナイトメアが右手の注射器を床に突き刺して、多数の骸骨達を放つ。
迫りくる骸骨達を、ジャッジ・ザ・デーモンは懸命に抗戦しながら乱闘し、蹴散らしていく。
何とか骸骨達の襲撃とナイトメアの視線を避けて進んでいくとジャッジ・ザ・デーモンの目に飛び込んできたのは、特別房に押し込められたジャッジ・ザ・デーモンに、ナイトメアによって囚人拘束室で電撃による荒治療を行われているジャッジ・ザ・デーモンの姿だった。
上を目指して駆け上がっていく中、エレベーターの天井へと着地した瞬間に、エレベーターが落下してしまうが、ジャッジ・ザ・デーモンは冷静にグラップネルガンで高所へと飛び移って聖龍隊のシンボルである魔鳥のシグナルへと向かう。
そしてシグナルライトの近くまで何とか来れた時、ナイトメアが不穏な発言を述べる。
「隠れたければ隠れるといい。必ず探し出してやる」
そして一瞬の隙をついて、ジャッジ・ザ・デーモンがシグナルライトへと駆け寄ろうとした時。
現実ではジャッジ・ザ・デーモンはナイトメアの胸倉を右手で掴んで、幻覚に抵抗していた。
「少し足りなかったようだな!」
するとナイトメアは自身の右手に装着している四本の注射器をジャッジ・ザ・デーモンの腕へと突き刺して幻覚剤を打ち込んだ。
「教えてくれ、どんな悪夢を見ているんだ?」
薬を打たれて、現実ではナイトメアを捕まえてたジャッジ・ザ・デーモンは再び朦朧と苦しみ出す。
そして幻覚の中で、ジャッジ・ザ・デーモンが立っていた床は崩落し、何とか地面に着地するのだが。
「追加した分は楽しんでるか?」
巨大なナイトメアはジャッジ・ザ・デーモンを見下ろして言う。
「今回は急がせない、じっくり楽しませてもらうぞ」
そうナイトメアが告げると、ジャッジ・ザ・デーモンの周りの地中から骸骨が次々に這い出てきて、ジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かる。
そして第一陣の骸骨達を倒し切ると、三つに並んでいるライトの左端が点灯し、ナイトメアの左手を光が弾いた。
「うおおっ!」左手を弾かれて絶叫するナイトメア。
「抗うか、それも結構。お前の意志が弱まるだけだ」
すると今度は地中から巨大な骸骨が、そうGOD状態の骸骨が這い出てきてジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かる。
ジャッジ・ザ・デーモンがGOD状態の骸骨を瞬殺すると、今度は右側のライトが点灯してナイトメアの右手を弾く。
「後どれくらい耐えられる? 敗北は近いぞ、恐ろしいだろう?」
最後までジャッジ・ザ・デーモンを追い詰めようと睨みを利かせるナイトメアの目が光る中、ジャッジ・ザ・デーモンは地中から現れたGOD状態の骸骨を含んだ骸骨達と乱闘を繰り広げる。
そして全ての骸骨達を片付けると、最後の中央のライトが点灯して、ナイトメアが眩しがる。
そんなナイトメアにジャッジ・ザ・デーモンは、中央のシグナルを照射して、完全にナイトメアの支配から抜け出そうと抵抗する。
ナイトメアの断末魔が響く中、ジャッジ・ザ・デーモンは現実へと引き戻された。目の前にはジャッジ・ザ・デーモンに掴まれて困惑しているナイトメアがいた。
「お前、どうやって?」
ナイトメアは如何にしてジャッジ・ザ・デーモンが幻覚から解放されたのか疑問視してた。
思わずナイトメアは、再びジャッジ・ザ・デーモンの腕に薬を注射すると逃げ出してしまう。
「大量に投与したというのに……! お前は……お前は、何なんだ?」
最後は自力で幻覚から逃れたジャッジ・ザ・デーモンの精神力の深さに理解できず困惑しながら、その場から逃走してしまうナイトメア。
「なぜ戦うのだ、ジャッジ・ザ・デーモン? お前も私達同様、イカれてるというのに」
そう捨て台詞を吐き残して、ナイトメアは逃げて行ってしまう。
すると周りに囚人やGODの気絶体が点在している中、ナイトメアはジャッジ・ザ・デーモンに語り掛ける。
「私たちはお前達を求めてる、お前達ヒーローもまた私達を求めてる。地下の下水道に恐怖ガスの原薬である薬を大量に流す。アニメタウンの二次元人たちを、100年は精神的に狂わせてやる」
これを聞いたジャッジ・ザ・デーモンは、急ぎナイトメアを追うのだった。
[水中に消える悪夢]
急ぎナイトメアを追ってエレベーターの間へと辿り着くジャッジ・ザ・デーモン。
だが既にナイトメアは、唯一稼働可能なエレベーターに搭乗して、隔離されているキラー・タートルの巣でもある地下水道へと怪しく笑いながら降りて行ってしまう。
ジャッジ・ザ・デーモンはエレベーターが降りていった地下水道と地上を隔離する防壁を操作する暗号端末機を、ケーブルを追って探し出す。
すると暗号端末機を見張る三人の囚人達を視認した。
「Mrフェイクがブチ切れないか?」
「なぜ? Mrフェイクだろ、肥田を解放したのは」
「下に何があるんだ?」
「キラー・タートルの独房だ。一度入ったら二度と戻れない……」
「ナイトメアは何故そんなところに?」
「知るか、鍵は閉めたし、どうせ戻ってこれないだろう」
そう会話している囚人達に忍び寄り、ジャッジ・ザ・デーモンは銃を装備している一人の囚人をグラップネルガンからのデーモンクローで引き倒して、其処から立て続けに乱闘が始まった。
無装備な囚人を殴り倒し、続け様に両手に刃物を装備する囚人の斬撃を両腕のブレードエッジで受け止めつつ、反撃して床に倒してスグ、その囚人に馬乗りになって頭部を殴り付けて気絶させる。
そして向かってきた二人の囚人を連続で拳を叩き込んで、両者とも気絶させて乱闘を終わらせた。
その後、Mrフェイクのブービートラップが仕掛けられている暗号端末機を暗号シーケンサーで操作して、何とか端末機を破壊したジャッジ・ザ・デーモンはキラー・タートルの巣へと足を運んだ。
そしてジャッジ・ザ・デーモンが最下層の地下水道に繋がる階層に降りると、そこにはナイトメアに言われて追跡してくるジャッジ・ザ・デーモンを撃退させる為の囚人達が集まっていた。
「あの爺さんは不気味過ぎる」
「ああ、俺もだ」
「だいだい、あの爺さんは此処で何をしてるんだ? なんでボスはあんな年寄りを……」
「ジャッジ・ザ・デーモンを錯乱させる為じゃないのか」
「どういう意味だ?」
「ジャッジ・ザ・デーモンがナイトメアを追うなら、俺達は安全だって事だ。無事に此処を出られるって訳よ」
「それはいいな」
ナイトメアを追跡する為にもジャッジ・ザ・デーモンは、その六名の囚人達の前に姿を現して、囚人達と乱闘を開始する。
「ジャッジ・ザ・デーモン!」
目の前の現れたジャッジ・ザ・デーモンに恐れおののく囚人達を相手に、ジャッジ・ザ・デーモンは容赦なく攻撃を仕掛けた。
拳を振り下ろして頭部を殴り付け、ハイキックで囚人を蹴散らして次々に気絶させては、囚人達は目を回して朦朧とする。
そして最後に残った囚人の頭にハイキックを喰らわして完全に気絶させた。
「ジャッジメント」
六名の囚人全員を気絶させたジャッジ・ザ・デーモンは、再びナイトメアを追って地下水道へと向かうのだった。
そしてジャッジ・ザ・デーモンが扉を抜けると、そこはコントロールアクセス室。
ジャッジ・ザ・デーモンは所々蜘蛛の巣が張っている小汚い通路を通って、下水道へと足を運ぶ。
だが、そこは地下水道などではなく、通称キラー・タートルの巣と呼ばれて恐れられている下水道だった。
キラー・タートルの巣にも当然の様に、ポイズン・アイビーのGOD変異植物が根を張っており、ジャッジ・ザ・デーモンはGOD変異植物に歩み寄り、植物が異常なまでに成長している現状に目を光らせる。
と、そんなジャッジ・ザ・デーモンに、あのナイトメアが声をかけてきた。
「やっと来たか、ジャッジ・ザ・デーモン!」
ジャッジ・ザ・デーモンが振り向くと、そこには幻覚剤の原薬が詰まった布製の袋を右手に掲げるナイトメアの姿が。
「1歩でも近付いてみろ……こいつを水の中に放り込んでやる!」
ジャッジ・ザ・デーモンがゆっくりとナイトメアに歩み寄る中、ナイトメアは淡々と語り続ける。
「このタナトス・アサイラムでは、お前の中の悪夢で満たされている。目当ての胞子には辿り着けない」
そう不敵に笑いながら、ナイトメアは幻覚剤の原薬を流れる水道に落とす素振りをしてジャッジ・ザ・デーモンを警戒させる。
「やめるんだ、肥田!」「ハハハハッ、ハハハハハハ……ッ」
ジャッジ・ザ・デーモンの制止を前に、不敵に笑うばかりのナイトメア。だが、そんなナイトメアを水中から狙う視線が忍び寄って来ていた。
その水中から忍び寄ってきたのは、巨大なワニガメの獣人キラー・タートル。キラー・タートルは水辺に立っていたナイトメアを捕まえて自らの頭上まで掲げてしまう。
「うわっ、うわあっ!」
キラー・タートルに捕まって驚愕するナイトメアは、捕まえられると同時に持っていた幻覚剤の原薬を水辺へと落としてしまう。
だが、その間にもキラー・タートルはナイトメアへ齧り付こうと鋭い歯が並んだ口を大きく開けた。
これはいけないと、ジャッジ・ザ・デーモンは咄嗟にジャッジラングを投げ付けて、キラー・タートルの首に装着されている電撃が流れる首輪へと直撃させる。
強力な電撃を受けて、苦しがるキラー・タートル。するとキラー・タートルはナイトメアを捕まえたまま水中へと飛び込んで、ナイトメア共々水中へと消えていってしまった。
ナイトメアの原薬を水道に流し込まれるのを阻止した上で、キラー・タートルがナイトメアを喰らうのも阻止したジャッジ・ザ・デーモンは、GODに対抗できる特別な植物の胞子を採取するべくキラー・タートルの巣へと進むのだった。
[キラー・タートルの巣]
キラー・タートルの巣へと向かうべく、ジャッジ・ザ・デーモンはラインランチャーを使って水道の両端を交互に行き行きし、キラー・タートルの巣と呼ばれる古い下水道管の内部へと侵入する。
キラー・タートルの巣へと一歩踏み込んだ瞬間、巣の奥からキラー・タートルの咆哮が鳴り響いていた。
「キャシー、キラー・タートルの巣でアイビーが言っていた胞子を探す。下水道の地図を送ってほしい」
「古い下水道からなのか、地図が存在しないんです。本当に行くんですか? 自殺行為ですよ」
通信士のキャシーから下水道の地図がないと言われたジャッジ・ザ・デーモンは、入口の壁に特殊な音波を発するソナー端末を装着する。
「他に道はないからな。スキャナで探知しながら、胞子を探す」
「キラー・タートルはどうするんです?」
するとジャッジ・ザ・デーモンは、またしてもキャシーと通話しながら今度は崩落しそうな足元の床に大量の爆破ジェルを付着させる。
「奴は完全に理性を失った獣同然だ。罠とエサを使えば問題ない」
そして床に爆破ジェルを大量に付着したジャッジ・ザ・デーモンは立ち上がった。
「終わったら連絡する」
最後に通信士キャシーにそう伝えると、ジャッジ・ザ・デーモンはキラー・タートルの巣へと進入していった。
(移動には問題ないが、キラー・タートルに居場所がバレてしまう……できるだけ、ゆっくり移動しよう)
ジャッジ・ザ・デーモンはキラー・タートルに木製の水上の桟橋での居場所特定を防ぐ為にも、敢えてゆっくり少しずつ慎重に移動していく。
と、しばらく歩行で移動していたジャッジ・ザ・デーモンの目の前に、水中から突如飛び出して出現したキラー・タートルが駆け足で迫ってきた。ジャッジ・ザ・デーモンは慌てる事無く、先ほどナイトメアの時と同様にジャッジラングを首輪に投げ付けて、キラー・タートルを感電させて水の中へと退けさせた。
それからしばらく歩いていくと、ジャッジ・ザ・デーモンはお目当てのGODに対抗できる胞子を発見。天井から生えている胞子を、ジャッジラングを投げて切断して桟橋の上に落とすと、ジャッジ・ザ・デーモンは落下した胞子袋の中から使える分の胞子だけを所持している試験管へと詰めていく。
だが、一つ分の胞子袋では十分な量は採取できなかった。
(これだけで足りない。もっと探し出して、採取しなければ)
ジャッジ・ザ・デーモンは再び胞子の在処をスキャナで探索して移動する事に。
そして二カ所目の胞子袋を落として、その中から胞子を採取していくが、当然ながらまだまだ足りない。
と、二個目の胞子採取終了直後に、背後からキラー・タートルが水中から出現し、強襲してきた。これにもジャッジ・ザ・デーモンは慌てる事無く、ジャッジラングを首輪に投げ付けてキラー・タートルを感電させて水中へと退き戻させた。
それから迷路の様な地下下水道を探索していくジャッジ・ザ・デーモンの目の前に、またもキラー・タートルが現れて強襲するが、ジャッジ・ザ・デーモンは全く動じず冷静にジャッジラングを首輪に投げ付けて感電させてはキラー・タートルを水中へと戻らせる。
その後も何度かキラー・タートルの襲撃を、首輪にジャッジラングを投げて感電させることで退かせたジャッジ・ザ・デーモンは三つ目の胞子へと辿り着く。胞子から少量のサンプルを採取すると、四つ目の胞子へと向かう。
が、三つ目の胞子を採取した直後、またしてもキラー・タートルが強襲してきた。しかしジャッジ・ザ・デーモンは変わる事無く同じ手段でキラー・タートルを水中へと退かせる。
そして四つ目の胞子へと歩み寄ると、何処からともなくキラー・タートルの声が。
「貴様は俺の獲物だ」
すると警戒しながら後退りするジャッジ・ザ・デーモンの目の前で、進んできた桟橋が水中からの攻撃で粉砕されて後戻りできなくなってしまった。
胞子を採取したジャッジ・ザ・デーモンは、壊れた桟橋を渡る代わりに、ラインランチャーで水上を平行移動して難なく渡り切ってしまう。
と、ラインランチャーで渡り切った所で、キラー・タートルが水中から桟橋を壊してジャッジ・ザ・デーモンを強引に水中へと引きずり込もうと襲い掛かる。ジャッジ・ザ・デーモンは急ぎ駆け足でキラー・タートルの追撃を逃れるのだった。
そしてキラー・タートルの追撃を逃れると、再びジャッジ・ザ・デーモンは慎重に歩行で移動して胞子を採取しに向かう。
「俺は飢えているんだ、ジャッジ・ザ・デーモン……!」
キラー・タートルの唸り声が下水道に響く中、その直後ジャッジ・ザ・デーモンの背後からキラー・タートルが奇襲を仕掛けてきた。ジャッジ・ザ・デーモンは少し慌てたものの、咄嗟にジャッジラングを投げ付けて首輪に直撃させ、キラー・タートルを感電させて水中へと退かせた。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは五つ目の胞子を発見し、同様にジャッジラングで桟橋に落として胞子を採取した。
(胞子は十分に採取した、デーモンハビタットに戻ろう)
十分な量の胞子を採取したジャッジ・ザ・デーモンは、デーモンスーツの機能を操作して、キラー・タートルの巣の入口に仕掛けた機械を稼働させる。
「ソナーを使ったのね、流石だわ!」
通信士キャシーは、ジャッジ・ザ・デーモンが超音波ソナーを目印に入口に戻れるようにしたジャッジ・ザ・デーモンに感心する。
「キャシー、今から脱出する」
「キラー・タートルは?」
「気にしなくていい。俺に考えがある」
そうキャシーと通話を終えて、ジャッジ・ザ・デーモンは超音波ソナーを追ってキラー・タートルの巣からの脱出を試みる。
と、そんなジャッジ・ザ・デーモンのすぐ目の前にキラー・タートルが飛び出してきた。が、ジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを投げ付けて首輪に直撃させて感電させ、水中へと退かせた。
その後も、何度もキラー・タートルの猛攻や奇襲に遭ったジャッジ・ザ・デーモンだったが、素早くジャッジラングを投げ付けてキラー・タートルを感電させて水中へと退かせたり、また粉砕される桟橋を駆け抜けて難を逃れたりして、どうにか入り口付近まで戻る事が叶った。
だが、入り口付近まで戻れたのも束の間。
「俺からは逃げられんぞ!」
ジャッジ・ザ・デーモンが歩いて移動する中、背後の水中からキラー・タートルが襲撃してきて、桟橋を次々に粉砕。ジャッジ・ザ・デーモンを追い詰めようと迫ってきた。
そして何とかコンクリートの床の所まで戻り、後は入口であった出口を通ればいいのだが、キラー・タートルが放つ振動によって上から鉄の格子が降りてきて、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く脱出ができなくなってしまう。
そんなジャッジ・ザ・デーモンを食い殺そうと、キラー・タートルが水中から飛び出してコンクリの床を全速力で駆け抜けてきた。いくらワニガメの獣人とはいえ、その速さは尋常ではなかった。
「この洞窟が貴様の墓だ!」
そう言い放ってジャッジ・ザ・デーモンに向かってくるキラー・タートル。ジャッジ・ザ・デーモンは爆破ジェルの爆破スイッチを右手に握り締め、機会を窺っていた。
(今だ!)
キラー・タートルが爆破ジェルを大量に付着させた床の上を通過しようとした瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンは爆破ジェルを爆発させて床を崩落させ、キラー・タートルを奈落の底へと落とした。
「ウオオォッ!」
断末魔の如き叫び声を上げながら、奈落の深淵へと消えたキラー・タートル。
そしてジャッジ・ザ・デーモンが鉄格子を上げて、隙間から脱出していると奈落の底からキラー・タートルの叫び声が聞こえてきた。
「絶対に捕まえてやる! 必ず殺してやる……!」
こうして命辛々、キラー・タートルの巣から生還したジャッジ・ザ・デーモンはラインランチャーで下水を渡り切り、旧下水に続く通路へと出た。
デーモンハビタットへと向かう道中には、うち一人が武装している合計六名の囚人達が何やら探索していた。
「こっちじゃないな」
「この辺りにジャッジ・ザ・デーモンの基地があるって、Mrフェイクが言ってたけど本当かね?」
どうやら囚人達はデーモンハビタットを探索している様だった。
ジャッジ・ザ・デーモンは、武装している囚人にデーモンクローで引き倒して武器を落とさせてから乱闘を開始する。
武装した囚人を引き倒して銃器を落とさせたジャッジ・ザ・デーモンは、連続で囚人達に攻撃を浴びせて次々と撃破していく。
囚人が床に落ちた銃器を拾い上げるのも見逃さず、その囚人に強烈な蹴りをお見舞いして叩き落とさせると無慈悲な打撃を浴びせて突破する。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは六名の囚人達を全員倒して、デーモンハビタットへ向かう。が、その時、再び地響きが。
「尋常じゃない揺れですよ」
「大丈夫、サンプルである胞子は入手済みだ。デーモンハビタットで解毒剤を作る」
「できるだけ急いだ方がいいかも。私達には、いつでも連絡してくださいね」
通信士キャシーからの報告を聞いたジャッジ・ザ・デーモンは、急ぎデーモンハビタットへと向かった。
そしてデーモンハビタットに着いたジャッジ・ザ・デーモンは、キラー・タートルの巣から採取した植物の胞子から筋肉増強剤GODの解毒剤を作り出す。
「どれくらいで完成しそうなの?」
「思ったより手強かったが、何とかできそうだ」
ジャッジ・ザ・デーモンは、デーモンハビタットのコンピューターを操作して、自動でGOD解毒剤を生産するようプログラムした。
「ただ、処理などに手間がかかる。一度に大量には作れない」
「それは良くないニュースですね。……良いニュースってのはないの?」
「アイビーとGODには効く点かな。次はアイビーを探し出さなければ」
と、ジャッジ・ザ・デーモンが通信士キャシーと通話していたその時だった。
「何てこと……アイビーの植物が島の沿岸部までにも到達してる」
キャシーが説明する中、ポイズン・アイビーのGOD変異植物はデーモンハビタット内部にまで浸食し、ハビタット内を破壊し尽くし、コンピューターも使用不能に。そしてジャッジ・ザ・デーモンも暴れ回る植物に圧倒されて崖下へと避難する。
「ジャッジ・ザ・デーモン! 修司さん! 大丈夫!?」
キャシーが安否を気にする最中も、ポイズン・アイビーのGOD変異植物はデーモンハビタットに根を下ろし、タナトス島のデーモンハビタットは使えなくなってしまう。
「ああ、大丈夫だ」
一方のジャッジ・ザ・デーモンは崖下へと避難していた為に大事には至らなかったが、デーモンハビタットの被害は甚大だった。
ポイズン・アイビーのGOD変異植物によって、デーモンハビタットの機材はほぼ全て破壊されてしまった現状に、ジャッジ・ザ・デーモンはグラップネルガンの強化を行った。
(コンピューターは破壊されてしまった。もうGOD解毒剤は作れない。装備をパワーアップさせて止めなければ)
ジャッジ・ザ・デーモンはデーモンクローをグラップネルガンに装着した様に、また新しい部品をグラップネルガンに装着して強化した。
ウルトラ・デーモンクロー。アップグレードされたデーモンクロー・アタッチメント。同時に3つのフックが使用可能。離れた位置から構造的に脆い場所を破壊する事が可能。
ジャッジ・ザ・デーモンは新たな装備を引き下げて、大破したデーモンハビタットを脱出しようとするが。
(植物が道を塞いでいる。別の出口を探そう)
二カ所の出入り口は、巨大な植物で塞がれて通れなくなっていた。
と、ジャッジ・ザ・デーモンはデーモンハビタットの壁の一部が脆くなっている事に気付き、早速ウルトラ・デーモンクローを使って壁を引き剥がした。
引き剥がした壁の天井は吹き抜けており、ジャッジ・ザ・デーモンは其処から上へと上昇する。
そして洞窟を抜けた先には、断崖絶壁の無数の崖が並んでいる危険地帯があった。
ジャッジ・ザ・デーモンはグラップネルガンとラインランチャーを使い分けて、どうにか歪曲した先に在る洞窟へと辿り着く事が叶った。
[汚染される下水]
そして旧下水に戻ってきたジャッジ・ザ・デーモンだったが、旧下水の内部にまで大量のGOD変異植物が多く自生していた。
GOD変異植物の核を破壊しながら進んでいると、キャシーから連絡が入った。
「ジャッジ・ザ・デーモン。今、シミュレーションしてみたんです。植物がタナトス島を取り囲む三つの離島に到達した場合の」
「その必要はない。解毒剤で止められる筈だ」
「そうだと良いんだけど。なにかあったら連絡ください」
そうキャシーと話を終えたジャッジ・ザ・デーモンが旧下水を通って、メイン下水合流地点へと辿り着くと。
下水合流地点には、巨大なポイズン・アイビーのGOD変異植物が根を張っており、至る所に毒の胞子を撒き散らす蕾が点在してた。
が、それだけではなく、なんと赤褐色のGODが混ざった汚染水が下水に垂れ流されているのをジャッジ・ザ・デーモンは目の当たりにする。
「キャシー、またしても問題発生だ」
「今度は何ですか? ブラックホワイト? イーグル? 巨大Mrフェイクロボット?」
「そんな単純な話ではない。下水道がGODの原液で汚染されている。Mrフェイクは何を?」
「調べてみます」
キャシーに報告すると、ジャッジ・ザ・デーモンは脆くなっているためにグラップネルガンが使えない下水合流地点を自力で登り進んでいく。
するとGODが垂れ流されて、赤褐色に染まる下水に足を踏み入れる手前、キャシーから連絡が入る。
「デーモンスーツなら影響なさそうだ。何か分かったか?」
「言っても平気、ですか……?」
「言ってくれ」
「Mrフェイクは廃棄物を垂れ流してるんです。タナトス島の地下下水は、いわば天然の貯水庫で、最後に行き着くのがアニメタウン領海なんですよ」
「ふう、マーメイドプリンセス、特にアクア・レジーナのるちあが知ったら激怒必至だろうな」
「通常なら問題ないんですけど……」
「だが、いつかはGODで満杯になる。どうやって止めればいい?」
「今、調べてみます」
更にジャッジ・ザ・デーモンはラインランチャーを使ったり、自力で下水合流地点の高所まで登っていく。
と、そこに再びキャシーから連絡が入ってきた。
「記録によると、制御室は3つ。最初のは、貴方の真上です」
「シャットアウトしてやる」
「GODがアニメタウンまで達したら……?」
「そうはさせない」
キャシーとの通話を終え、ジャッジ・ザ・デーモンはアニメタウン領海の汚染を防ぐ為にも3つのポンプを閉鎖するべく行動する。
と、ジャッジ・ザ・デーモンが最高所まで登っていくとMrフェイクの声が聞こえてきた。
「働け働くの! まだまだ流すんだよ!」
「言われた通りやったか?」
「ああ、全力でな。大量に垂れ流してる」
声のする方には、崩落しやすい壁で阻まれているとはいえ最初の制御室へと続くポンプ・コントロール室が視認できた。
ジャッジ・ザ・デーモンは最初にウルトラ・デーモンクローで壁を引き剥がした。それに続けて、壁が急に崩落した事に驚いて駆け付けたタクト=アルサホルン=フォブレイとラニ・アリステスそしてマクギリス・ファリドの三人をウルトラ・デーモンクローで引きずり落として気絶させた。
「「「うわあっ!」」」
引きずり落とされた三人は、そのまま真下の崖に叩き付けられて気絶してしまう。
「なんだ!?」
そして最後にリーダー格の囚人が駆け付けてきた所をジャッジ・ザ・デーモンは撃破して、ポンプ・コントロール室を制圧した。
すると其処のテレビ画面からMrフェイクがジャッジ・ザ・デーモンに語り掛けてきた。
「やあ、聞こえるかい? 君の事だよ、デーモン。楽しめる内に楽しんでよ、その洞窟が君の墓場なんだからね」
ポンプ・コントロール室を制圧したジャッジ・ザ・デーモンは、そのまま通路を駆け抜けて圧力コントロール接合点へ続く扉を抜ける。
すると圧力コントロール接合点である三つのエレベーターの間には、二人の囚人が何やら話していた。
「聞こえただろ、早く撃て!」
「ああ、分かっている」
「言ってる事と違うぞ」
「何を言っている? 俺の腕がアニメタウン随一なのは、みんな知ってるだろ」
「ああ、そうですかね。俺にはメールが来なかっただけか」
そう二人の囚人がそれぞれ犯罪自慢をしている所を、ジャッジ・ザ・デーモンはウルトラ・デーモンクローで囚人二人を同時に引き倒し、素早く二人の囚人の頭部を殴り付けて気絶させた。
そしてジャッジ・ザ・デーモンが3つのエレベーターの前まで移動すると、Mrフェイクがスピーカーから配下の囚人達に呼び掛ける。
「デーモンはそっちに居るよ。君たち遊ばれているのかい?」
本気でジャッジ・ザ・デーモンを殺さなければ、逆に自分達がMrフェイクに殺されるぞと遠回しに脅迫している内容にも感じられた。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは西側のポンプ室へと辿り着いた。
西ポンプ室には、下水道にGODを垂れ流すポンプ制御装置が二つ備わっており、更にポンプ室には七名そのうち一人は武装した囚人達がジャッジ・ザ・デーモンの襲撃に備えていた。
ジャッジ・ザ・デーモンは最初に滑空して武器を持った囚人へと飛び蹴りで攻撃を仕掛けた。
そして乱闘が始まったのだが、その乱闘を監視カメラで視認したMrフェイクが西ポンプ室の囚人達に向かって怒り出す。
「君たちは能無しなのかい! そんなに難しい仕事じゃなかった筈だよ。何の為に君たちを其処に配置させたと思っているの!」
そんなMrフェイクの怒声を聞く余裕もないほど、囚人達はジャッジ・ザ・デーモンとの乱闘を展開してた。
刃物や電撃を押し付けるスタンバトンでの猛攻を掻い潜りながら、ジャッジ・ザ・デーモンは的確に囚人を一人一人倒していく。
刃物を持つ囚人の攻撃をブレードエッジで受け止めつつ、スタンバトンは素早く背後に回って後ろから攻撃してスタンバトンを落とさせてなど、ジャッジ・ザ・デーモンは囚人達を痛め付けていく。
そして苦戦の末、どうにか全ての囚人達を倒したジャッジ・ザ・デーモン。
囚人達を片付けたジャッジ・ザ・デーモンは、すぐさま二つのポンプ制御装置の停止に取り掛かる。
どちらも通常の制御端末で、暗号シーケンサーを用いて簡単に停止できた。
「キャシー、最初の一つを止めた」「あと二つですね!」
一つ目を止めたジャッジ・ザ・デーモンは隣の制御端末も停止させる。
「キャシー、2つ目のポンプを止めた」「あと一つですね!」
西ポンプ室にある二つのポンプ制御盤を破壊して停止させたジャッジ・ザ・デーモンは、今度は東ポンプ室の制御盤停止に向かった。
三つのエレベーターが並んでいる圧力コントロール接合点を通り過ぎ、ジャッジ・ザ・デーモンは東ポンプ室へと到着。
すると西ポンプ室とは違い、広い東ポンプ室には七名の武装した囚人達が見回っていた。
「臭いし、ベトベトだし、ジャッジ・ザ・デーモンまでいるなんて……」
「ここがジャッジ・ザ・デーモンの墓になる」
と、武装囚人達が口々に喋っている中、拡声器からMrフェイクの声が。
「よーーく聞くんだ。ジャッジ・ザ・デーモンがその近くにいる。彼に制御室を奪われない様に。分かったね?」
そうMrフェイクに指摘された七名の囚人達は、より警戒を引き締めた。
そんな状況下の中で、ジャッジ・ザ・デーモンはガーゴイル像の上に飛び移って、一人の囚人をガーゴイル像の上から宙吊りにしてしまう。
「や、やめろ! うわあっ!」
囚人の叫び声とスーサイド・カラーの警報音が響く中、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く移動して今度は通気口をこじ開けて内部を通って東ポンプ室内を移動する。
そして東ポンプ室の制御室に赴いてみると、制御盤には二人の武装囚人が見張りに着いており、ジャッジ・ザ・デーモンはこの二人を片付ける為に二人が立っている床を真下からウルトラ・デーモンクローで引っ張って崩落させた。
「「うわあっ!」」
二人の囚人が同時に崩落する床と共に落下し、気絶してしまう。
「今度は何なんだ!?」
囚人達が騒ぎを聞きつけ、今度は制御盤のある小部屋へと駆け付けるが、その間に移動したジャッジ・ザ・デーモンは今度は地下の方からデーモンクローを用いて囚人を一人柵から引き倒して落下させる。
「うわっ!」「!?」
後ろから聞こえてきた叫び声に、前方を走ってた別の囚人が駆け付けるが、ジャッジ・ザ・デーモンはその囚人の真上のガーゴイル像に吊るされている囚人のロープをジャッジラングで切断して真下を移動する囚人の頭上に落下させた。囚人同士の頭蓋が激突し、二人の囚人は完全に気絶してしまった。
「そ、そんな!」「残ったのは、我々だけか……!」
最後に残っているのは、東ポンプ室の見張りを任されていた八神飛鳥とレボルトだけだった。
二人は完全にジャッジ・ザ・デーモンへの恐怖で委縮しながらも、お互いを見張りながら二人一緒に行動する様になる。
が、二人がポンプ室の機械を挟んで移動していると、突然八神飛鳥の姿が忽然と消えてしまった。
レボルトは何事かと、八神飛鳥が消えた機械の陰へと駆け付けると、既に八神飛鳥はジャッジ・ザ・デーモンによって窒息させられて気絶していた。
「っ、っ……!」
恐怖で心が満たされて、完全に戦意喪失してしまうレボルトは自然とポンプ室の壁に自分の背中を押し付けて周囲を隈なく見渡してジャッジ・ザ・デーモンの存在に脅える。
と、レボルトが恐怖で背を壁に押し付けてた、その時。レボルトは一気に高所へと引き上げられてしまう。彼が突っ立っていたのはガーゴイル像の真下だったのだ。
「わ、うわっ!」
最後にレボルトが見たのはジャッジ・ザ・デーモンの大きくて紅い瞳だった。そのままレボルトはガーゴイル像から宙吊りにされて意識を失ってしまう。
こうして七名の武装囚人達を全て片付けたジャッジ・ザ・デーモンは、悠々とポンプ制御盤のある小部屋へと移動した。
最後の東ポンプ室の制御盤には、Mrフェイクの毒ガスが吹き出るブービートラップが仕掛けられていたが、ジャッジ・ザ・デーモンは慎重に確実に周波数を操作して制御盤を破壊してポンプを止めた。
「第3ポンプを止めた。地上に戻ってアイビーを追う」
「困った時は連絡くださいね」
最後のポンプも稼働停止にさせて、ジャッジ・ザ・デーモンはキャシーに報告すると同時に地上へ戻るため行動する。
そして東ポンプ室から出ようとすると、出入り口にはMrフェイクの指示で来たと思われる囚人が二名確認できた。
一人はナイフを両手に装備してたが、ジャッジ・ザ・デーモンは挨拶代わりに二人目掛けてジャッジラングを投げ付けて先制攻撃し、続け様に囚人へと跳び蹴りを喰らわして乱闘を開始する。
ナイフ攻撃を全てブレードエッジで受け止めながら反撃し、殴打の嵐で二人の囚人を瞬殺する。
「ジャッジメント」
二人の囚人を片付け終わったジャッジ・ザ・デーモンは、地上へと戻る道を探索するのだった。
[混戦を乗り切れ]
そしてジャッジ・ザ・デーモンが東と西を中継する、三つのエレベーターが並ぶ圧力コントロール接合点へと辿り着くと。
なんとジャッジ・ザ・デーモンが来た東ポンプ室への道が電子ロックで通行不能になり、同時に西ポンプ室への道も電子ロックで閉ざされた。
「ねえ、ジャッジ・ザ・デーモン。ボクちゃんの計画を台無しにする気かい? ちょっとそこで待っててよ」
スピーカーからMrフェイクの音声が聞こえてくる中、ジャッジ・ザ・デーモンは行き場を無くす。
「ボクが怒ってる証拠を今そっちに送り付けたからね。ちょっと痛い目見るかもしれないよ……!」
と、Mrフェイクが喋り終わると、三つ並んだエレベーターの真ん中から何か巨大なものが着地した様な振動が。
すると真ん中のエレベーターから連続で凄まじい振動が圧力コントロール接合点中に響き、それが何度もエレベーター内から伝わってくる。
ジャッジ・ザ・デーモンは大きく紅い瞳からのスキャンで視てみると、真ん中のエレベーターの中には巨体な人影がエレベーターの扉を強引に打ち破ろうと暴れ回っていた。
そして次の瞬間、真ん中のエレベーターから筋肉増強剤GODを投与された囚人、通称GODが飛び出してきた。
Mrフェイクが送り込んだGODを前に、ジャッジ・ザ・デーモンは逃場のない圧力コントロール接合点の間で乱闘するしかなかった。
突進してくるGODに、ジャッジ・ザ・デーモンは今まで通りジャッジラングを投げ付けて視界を奪って壁へと激突させてダメージを負わせていく。
が、そこに三つ並んだエレベーターのうち一つがまたも到着して、中から六人の囚人達が雪崩れ込んできた。
「やっちまえ!」
囚人達はGODと乱闘しているジャッジ・ザ・デーモンに容赦なく襲い掛かる。
ジャッジ・ザ・デーモンはGODと闘いながらも、同時に雪崩れ込んできた六人の囚人達とも乱闘を始める。
そして一定のダメージを負ったGODに飛び乗ったジャッジ・ザ・デーモンは、そのままGODの視界を塞いだ状態でGODに周辺の囚人達を殴り倒させて戦闘を有利に運ぶ。
これによって数人の囚人達が気絶し、GODも次第に意識朦朧とする中、なんと現場にまたしてもエレベーターが到着して中から八名の囚人達が増援として送り込まれた。
更に増えた囚人達とも乱闘をして、混戦状態の中でもジャッジ・ザ・デーモンはGODを打ちのめす。
しかしGODが追い詰められているのを監視カメラで視認したのか、Mrフェイクによって今度はエレベーター二基から更に囚人達が多く増援として送り込まれて乱戦混戦状態へと突入。
一先ずジャッジ・ザ・デーモンはこの混戦を終わらす為、先に雪崩れ込んできた囚人達を倒していく事に。
だが、そんなジャッジ・ザ・デーモンにGODは興奮した状態で気絶した囚人を投げ付けて攻撃したりと猛威を振るう。
一方、囚人達を倒していったジャッジ・ザ・デーモンはGODの突進を回避すると同時にジャッジラングを投げ付けて、GODを壁へと激突させた。
壁に激突して朦朧とするGODを、ジャッジ・ザ・デーモンは宙を舞って高所から頭蓋へと両拳を振るい落として完全に気絶させる。
そして残った囚人達も、次々に気絶させたり腕や足をへし折って戦闘不能に至らしめて片付けた。
「ジャッジメント」
GODと囚人達との乱闘を乗り切ったジャッジ・ザ・デーモンは、GODが降りてきたエレベーターの空間へと足を運ぶ。そこでジャッジ・ザ・デーモンは、エレベーターの空間に崩落しそうな壁を発見してウルトラ・デーモンクローで引きずり落とした。
壁が崩落した箇所に登ったジャッジ・ザ・デーモンは、更に上部に同じく崩落できそうな脆い壁を発見。同様にウルトラ・デーモンクローで引きずり落として壁を破壊。
そして二カ所目の空間に登ってみると、ちょうど目の前にエレベーターを上下に稼働させる際に使われる重り「エレベーター・カウンター・ウェイト」があった。しかも、その重りは構造的に破壊可能な脆い物体だった。
ジャッジ・ザ・デーモンは爆破ジェルで重りを破壊して、上を塞いでいたエレベータールームを強引に急降下させた。それによってエレベータールームは完全に大破してしまう。
一方でジャッジ・ザ・デーモンはエレベータールームが無くなった事で、新たにウルトラ・デーモンクローで引きずり落とせる壁を発見し、突破する。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは崩落した壁の向こう側にある扉を通って、地上へと出るのであった。