ジャッジ・ザ・デーモン タナトス・アサイラム   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 遂にタナトス・アサイラムシリーズ最終回です!
 筋肉増強剤GODで強化されたポイズン・アイビーの植物に支配されつつあるタナトス島はどうなるのか!?
 そしてこの混然とする状況を嘲笑うMrフェイクをジャッジ・ザ・デーモンは止められるのか!



【ジャッジ・ザ・デーモン】決着! ポイズン・アイビーとMrフェイク【タナトス・アサイラム】

[植物を愛でる美女]

 

 崩落した壁の向こう側の扉を通ると、そこはタナトス島の西部に続いていた。

 そしてジャッジ・ザ・デーモンが屋外へ出てみると、島中にはポイズン・アイビーの植物が更に根付いていた。

「アイビーは力を増している。今の内に止めなければ……!」

「植物園はアイビーの支配下同然です。罠に飛び込むようなものですよ」

「アイビーも、そう思ってるだろうな」

 通信士キャシーと話を済ませると、ジャッジ・ザ・デーモンは急ぎポイズン・アイビーが根城にしている植物園へと向かった。

 だが本土を駆け抜ける道中、大地を裂き更にGODで変異した植物が根を張っていく。すると島中に根を張る植物から、ポイズン・アイビーの意思が伝わってきた。

(もうこの島は私の支配下よ、デーモン)

 そんなポイズン・アイビーの言葉を耳にしながらも、ジャッジ・ザ・デーモンは植物園へと急ぐ。

 しかし、そんなジャッジ・ザ・デーモンを嘲笑うかのように、ポイズン・アイビーは問い掛けてきた。

(貴方に何ができるの、ジャッジ・ザ・デーモン? 私はどこにでも居るわ。この子たちが貴方の動きを全て見ているのよ。貴方たち人間が私を倒すなんて、それは思い上がりというものよ。貴方の負け、私達はこの世で最強の存在となるの)

 

 タナトス・アサイラムを滑空し、ポイズン・アイビーが籠っているであろう植物園へと駆け付けたジャッジ・ザ・デーモンは駆け足で園内へと入った。

すると扉を潜ったすぐ目の前に、変わらず巨大な植物で塞がっている通路に足を踏み入れたジャッジ・ザ・デーモンの耳にポイズン・アイビーの声が届く。

(やっと来たのね、デーモン。気に入った? 此処はもう私が望む緑の楽園そのものよ)

 ポイズン・アイビーは既にGODで強化された自身の植物を細胞レベルで操れる能力で、植物園を支配下に置いていた。

(子供達もスクスク育って、あなたを待っているわ。こっちに来てご覧なさい)

 そして巨大な植物で破壊された壁と通気口を通って、植物園の内部へと進行するジャッジ・ザ・デーモンをポイズン・アイビーは挑発する。

 

 そしてジャッジ・ザ・デーモンは、温室植物園入口の通路へと出ると、其処には三つのGOD変異植物が根を下ろしていた。

 ジャッジ・ザ・デーモンは脅威であるGOD変異植物に忍び寄り、植物が毒の胞子を射出する前に植物の中に手を突っ込み、核を引き千切ってGOD変異植物を破壊する。

(やったわね、ジャッジ・ザ・デーモン!)

 愛する我が子同然の植物を傷付けた事で、ポイズン・アイビーはジャッジ・ザ・デーモンに怒りを吐き散らす。

 それから温室植物園入口を通過し、温室植物園へと足を踏み込むと。

(お腹が空いているのね? たっぷり食べて大きくなりなさい)

 温室植物園には、巨大で奇形の植物が中央に根付いており、植物園の見張りに着いていた七人の聖騎士達は既に逃げ出した後だった。

 ここでもジャッジ・ザ・デーモンはGOD変異植物に忍び寄り、核を引き千切って植物を一体一体破壊して慎重に進む。

(心の準備はいい?)

 そんなジャッジ・ザ・デーモンにポイズン・アイビーが甘美な声色で問い掛ける。

 そしてジャッジ・ザ・デーモンは浸水している上に、その浸水に電気が流れている通路へと到達すると再びポイズン・アイビーが問い掛けてきた。

(私を手懐けれると思ってないわよね?)

 ここでジャッジ・ザ・デーモンがラインランチャーで向こう側へと渡ろうとすると、通路を塞ぐ瓦礫を奥から巨大な植物の蔦が伸びてきて、瓦礫を薙ぎ払う。

(奥で待ってるわ、私の所に来なさい!)

 瓦礫が除かれた事で、普通に通路を駆け抜けられるジャッジ・ザ・デーモンが、進んでいくと再びポイズン・アイビーが呼びかける。

(こっちに来て……私が待っているのよ……)

 妖艶で甘美な声で呼びかけるポイズン・アイビー。

 

 完全に誘導されながらもジャッジ・ザ・デーモンが進んでいくと、彼はポイズン・アイビーに洗脳されている二人の守衛と遭遇する。

(護衛を雇ったのよ、ジャッジ・ザ・デーモン)

 既に二人の守衛は、洗脳された症状で目が緑色に輝いていた。

(私に何かあれば、彼らが死ぬ事になるわよ!)

 そうジャッジ・ザ・デーモンに警告するポイズン・アイビーだったが、ジャッジ・ザ・デーモンはポイズン・アイビーの植物に解毒剤を投与する為にも迷う事無く洗脳された二人の守衛と戦う事に。

 洗脳されている事もあり、操られている二人の守衛は弱く、ジャッジ・ザ・デーモンは容易く二人を気絶させて先へと急いだ。

 

 そして温室植物園の最深部、タナトス温室に辿り着いたジャッジ・ザ・デーモン。

 ジャッジ・ザ・デーモンは、すっかり温室に蔓延るGODで変異した植物に解毒剤を打ちこもうとするが、その手をポイズン・アイビーが操る植物の蔦が弾いた。

「手出しはさせないわよ、ジャッジ・ザ・デーモン」

「大人しくしてろと言った筈だ」

「私、やっと解ったの。植物は苦しかったんじゃない、進化しようとしてたのよ!」

 警告してた筈だと説くジャッジ・ザ・デーモンに対し、ポイズン・アイビーは我が子である植物達が苦しんでいたのは進化しようとしていたからだと熱弁する。

 すると植物が床下から伸びてきてポイズン・アイビーの両脚に絡み付き、そのまま彼女は我が身を預ける様に植物に持ち上げられる。

 更にポイズン・アイビーに巻き付いた植物は床のタイルを裂いて彼女を高々と持ち上げると、温室の中央から巨大な蕾が出現してポイズン・アイビーを包み込むように一体化した。

「一緒に育ち、強くなるのよ。私たち!」

 そして巨大植物と一体化したポイズン・アイビーは、ジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かる。

「自分より強い力に屈しなさい、ジャッジ・ザ・デーモン!」

 

 

[対決:巨大植物]

 

 筋肉増強剤GODを打ち込まれて強化されたポイズン・アイビーは、自身が作り出した巨大な植物と一体化してジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かってきた。

 彼女は植物を操り、地面に蔦を突き刺して無数の荊を生やしてジャッジ・ザ・デーモンを捕らえようとする。

 ジャッジ・ザ・デーモンは素早く回避して荊から逃れようとするが、疲労が重なっているからか、一瞬の動作の遅さで捕まってしまった。

「虫けらみたいに踏み潰してあげる」

 そう言いながら捕らえたジャッジ・ザ・デーモンを締め上げて殺そうとするポイズン・アイビー。

 だが辛うじてジャッジ・ザ・デーモンは自分を締め上げる荊を振りほどき、再びポイズン・アイビーに反撃する。

 すると強固な外殻に守られているポイズン・アイビーにジャッジラングが効かなかったのだが、その外殻は同時にポイズン・アイビーの呼吸も困難にしていた。アイビーは酸素を補給するべく時おり外殻を開くのだが、その瞬間にジャッジラングを投擲してポイズン・アイビーに直撃させれば彼女を弱められる事が判明する。

 ジャッジ・ザ・デーモンは蕾の中の外殻が開いた瞬間を狙って、蕾の中で植物と一体化しているポイズン・アイビーにジャッジラングを投げて攻撃を続けた。

 と、ジャッジラングを直撃させられたポイズン・アイビーは、植物の触手から毒の胞子を何発も発射してジャッジ・ザ・デーモンに当てて攻撃してきた。ジャッジ・ザ・デーモンは毒胞子の攻撃を回避しながら、外殻が開いた瞬間を狙ってポイズン・アイビーにジャッジラングを直撃させる。

「八つ裂きにしてやるわ。あなたとアニメタウンを」

 そう宣言するポイズン・アイビーは、再び地面から荊の植物を自生させてジャッジ・ザ・デーモンの拘束を狙う。が、ジャッジ・ザ・デーモンは今度こそは回避しつつ、外殻が開いた瞬間にポイズン・アイビーへとジャッジラングを投げて直撃させる。

 自生する植物を回避すると、再びポイズン・アイビーは猛毒の胞子を連続で射出して、まるでマシンガンの弾の様に胞子を射出して攻撃。

 その間も、ジャッジ・ザ・デーモンはポイズン・アイビーにジャッジラングを投げ付けて攻撃して体力を奪っていく。

 そして消耗したポイズン・アイビーは、自分と一体化している植物も弱まった事で、巨大植物が倒れて自身を取り込んだ蕾がジャッジ・ザ・デーモンの目の前へと倒れ込む。

 目の前にポイズン・アイビーを取り込んだ蕾が倒れ込んだ隙に、ジャッジ・ザ・デーモンはポイズン・アイビーを守る強固な外殻に爆破ジェルを付着させて爆発の衝撃で外殻を破壊しようと試みる。

「やめて、ジャッジ・ザ・デーモン」

 懇願するポイズン・アイビーの訴えを聞き流し、爆破ジェルが付着したままの植物が起き上がったのを見計らってジャッジ・ザ・デーモンは爆破ジェルを爆破。ポイズン・アイビーを取り込んだ植物に大打撃を与えた。

 

 爆破ジェルの爆発で、ポイズン・アイビーを守る巨大植物の外殻はひび割れていた。

 すると此処で大打撃を受けたポイズン・アイビーが、まさかの手段に。

「悪い鬼から私を守って!」

 なんと地面から荊の植物を自生させると同時に、ポイズン・アイビーが操る洗脳状態の囚人や守衛が繰り出したのだ。

 ジャッジ・ザ・デーモンはやむを得ず戦闘に駆り出された洗脳状態の面々と乱闘を展開しながら、同時に自生する植物の猛攻を回避する。

「私は貴方より強いのよ」

 時おり乱闘するジャッジ・ザ・デーモンに話しかけるポイズン・アイビー。

「私に手をあげる気よ」

 ポイズン・アイビーが洗脳している囚人や守衛に命じる中、ジャッジ・ザ・デーモンは果敢に襲ってくる囚人や守衛を倒していく。

 洗脳状態の囚人や守衛を相手に立ち回るジャッジ・ザ・デーモンは、乱闘を潜り抜けて巨大植物が開口した瞬間を狙ってポイズン・アイビーに向けてジャッジラングを投擲して攻撃を続ける。

 巨大植物が開いた瞬間を見逃さず、果敢にポイズン・アイビーからの攻撃を掻い潜りながらジャッジ・ザ・デーモンは彼女にジャッジラングを当て続ける。

「あなたは母なる自然に勝てない、自然はあなたには勝てるけれどね」

 ジャッジ・ザ・デーモンを精神的に追い詰めようと不敵に述べ掛けるポイズン・アイビーの台詞を聞きながら、ジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを投げ続けた。

 

 そして開口した瞬間を狙ってポイズン・アイビーへとジャッジラングを当て続けたジャッジ・ザ・デーモンの苦労の末、再びポイズン・アイビーが弱った事で彼女を取り込んだ巨大植物が轟音を立てて倒れた。

 二度目の巨大植物の卒倒を前に、ジャッジ・ザ・デーモンは躊躇いなく巨大植物の外殻に爆破ジェルを大量に吹き付ける。

 外殻の内側で守られているポイズン・アイビーは必死に首を横へと降るが、ジャッジ・ザ・デーモンは慈悲もなく巨大植物が起き上がろうとする所で爆破ジェルを爆発させた。

 ポイズン・アイビーの悲痛な叫びが響く中、完全に外殻が破壊された事で制御も難しくなった巨大植物は暴れ回り、植物園のガラスの天井を破壊する。

 それと同時に植物園も崩壊を始め、ポイズン・アイビーは巨大植物と共に奈落の底へと消えていった。

 アイビーが奈落へと落ちていくのを見届けたジャッジ・ザ・デーモン。すると植物園が崩壊していき、先ほど巨大植物が破壊したガラスの天井からグラップネルガンを用いて急ぎ屋外へと脱出した。

 

 

[開催されるパーティー]

 

 命辛々、崩壊する植物園から脱出できたジャッジ・ザ・デーモン。

 彼は植物園を脱出するとタナトス島北部へと滑空して着地した。

 すると島中の拡声器から、Mrフェイクの声がする。

「パッパラパ~~、今夜は長くてキツイ夜になったね。もうすぐパーティーが始まるよ!」

 パーティーの開幕を告げるMrフェイクは更に続ける。

「みんなにはプレゼントもある。歌と踊りと、化物を作れちゃう薬だよ!」

 そして最後にMrフェイクはこう告げた。

「監房ブロックに来てみなよ、最後のサプライズがあるからさ!」

 ジャッジ・ザ・デーモンはMrフェイクを止めれる最後の機会かと直感し、即行でタナトス島西武の監房ブロックへと駆け足で急いだ。

 

 そしてタナトス島西部の監房ブロック、囚人が唯一面会を公式に許されている面会室へ続く門までジャッジ・ザ・デーモンは駆け付けた。

 すると四人の囚人達が面会室へと続く門の前でチェックしていた。

「止まれ! 名前がない奴は入れない」

名簿を持っている囚人に呼び止められるジャッジ・ザ・デーモン。彼は囚人達に戦意がない事から、攻撃はしなかった。

「どれどれ……いや、これじゃないな」

 その間も名簿を凝視する囚人が一人一人の名前に目を通す。

「S……サングリエント、いや違うな」

 と、囚人が名簿を見続けていたその時。

「お、あったぞ! ジャッジ・ザ・デーモン」

「ウェルカム! どうぞ中に」

 四人の囚人達から門を通る事を許可されたジャッジ・ザ・デーモンは、無意味な争いを嫌って四人の囚人に手を出さず、招かれるままに門を潜る。

 ジャッジ・ザ・デーモンが門を潜ると、目の前の通路には大勢の囚人達が通路の左右端に並んで、やって来たジャッジ・ザ・デーモンを拍手で迎え入れる。

「不思議な気分だな」

 囚人達に拍手で招かれる異様な状況に、ジャッジ・ザ・デーモンは違和感しか抱けなかった。

 

 そして囚人達から拍手で迎え入れられたジャッジ・ザ・デーモンは、面会室の奥へと足を運ぶ。

 面会室の奥には、テレビを頭に被ったMrフェイクの人形が椅子に座らせられてた。

 するとテレビ画面に突如Mrフェイクの顔が映ったと思えば、そのMrフェイクが語り出したのだ。

「ワクワクしないかい、デーモン? 一晩で此処まで、できたんだよ。楽しみじゃないなんて言わないでね、お願いだから。ボクはこんなにも胸を高鳴らせているんだから」

 すると次の瞬間「サプライズ!」と、なんとテレビを被ってる人形と思ってたのは、本物のMrフェイクだった。

 被ってたテレビを頭から外したMrフェイクは、そのまま陽気に語り続ける。

「みんなによく言われるんだよ、ボクはテレビに出るべき人気者だってね。君も見逃さないでね、凄いんだから」

 ジャッジ・ザ・デーモンは、Mrフェイクが筋肉増強剤GODでアニメタウンを破壊する前に、Mrフェイクを止めるべきだと判断する。

 すると此処で、Mrフェイクが外したテレビを座ってた椅子に置くと同時にカウントダウンを数え始めながら部屋を後にする。

「10,9,8,7,6,5,4,3,2,1!」

 そしてカウントダウンが終わった直後、椅子に置かれたテレビが大爆発して、ジャッジ・ザ・デーモンは爆発の衝撃で少しばかり朦朧としてしまう。

 爆発の衝撃で頭が朦朧とする中、ジャッジ・ザ・デーモンはMrフェイクを追って爆発で進める様になった面会室の最深部へと向かった。

 

 ジャッジ・ザ・デーモンが最深部へと辿り着くと、そこは

 山積みにされた破損したマネキンの山の頂上の椅子にMrフェイクが鎮座しており、その山の両側には筋肉増強剤GODを投与されて変異した警察の制服を着ている大男が二体、鎖で繋がれていた。

「やっと此処まで来たんだね、デーモン」

 笑顔でジャッジ・ザ・デーモンに呼び掛けるMrフェイクに対し、ジャッジ・ザ・デーモンは背後から駆け寄って殴り掛かろうとする囚人を振り向かずに裏拳で気絶させる。

「ボクのプランはどうだった? なかなかハードでエキサイティングなイベントだったでしょ」

 そう語り続けるMrフェイクの話を余所に、ジャッジ・ザ・デーモンは更に襲い掛かってくる囚人を首投げして気絶させてしまう。

 更に背後から駆け寄ってくる囚人を、またも裏拳で殴り倒して気絶させるジャッジ・ザ・デーモン。

「でも、楽しい時間には必ず終わりが来るのも、また事実……」

 Mrフェイクが語る中、ジャッジ・ザ・デーモンに変異したGODが迫るが、首に繋がっている鎖で寸でのところまでジャッジ・ザ・デーモンに届かない。

 荒い鼻息を吐くGODを前に、全く動じないジャッジ・ザ・デーモン。

「でも、君のせいでボクのプランは全部台無しにされちゃったよ。サングリエントを叩きのめして、ナイトメアをキラー・タートルに食べさせて、怪盗ジーニアスには平手打ち、GODを製造する為の植物園までダメにしちゃって」

「もう終わりだ、Mrフェイク」

「終わりだって? 何故そう思うの。パーティーは君を迎え入れて、初めて開催されるんだよ!」

 するとMrフェイクは手元にあるレバーを引いて、二体のGODの首に繋がる鎖を解いた。

 そして解放された二体のGODに加え、その他多数の囚人達も監房ブロックへと一堂に集結して全員でジャッジ・ザ・デーモンを叩きのめそうと取り囲んだ。

 

 攻撃しようと迫る囚人に、ジャッジ・ザ・デーモンは果敢に反撃する中、GODの一体が突進しようと身をかがむ。そんなGODにジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを顔面に投げ付けてGODの視界を奪う。

 そしてGODは壁に激突するが、そんな朦朧とするGODとは別個体の、もう一体のGODもジャッジ・ザ・デーモンに突撃してきた。ジャッジ・ザ・デーモンはそのGODにもジャッジラングを顔面に投げ付けて、視界を奪った状態で壁へと激突させる。

 そんな壁に激突するGODに攻撃の嵐を浴びせるジャッジ・ザ・デーモンは、攻撃を浴びて意識が朦朧とするGODに飛び乗り、ロデオ状態でGODの動きを操る。

 ジャッジ・ザ・デーモンに操作されるGODは、そのまま視界を奪われたまま両手を思いっきり振り回して周辺の囚人や別個体のGODへと攻撃していく。

 視界を奪われて両手を振り回す事で囚人達を薙ぎ倒していくGODだったが、GODは身体を揺さぶり自分に飛び乗っているジャッジ・ザ・デーモンを振り払う。

 と、ジャッジ・ザ・デーモンが二体のGODと群がる囚人達を相手に乱闘を展開してる広間の上の手すりでは。

「クックック、あのジャッジ・ザ・デーモンを叩きのめす場を特別席で観戦できるとは……Mrフェイクめ、なかなかの趣向じゃな」

 そう監房ブロックの最深部その二階部分でジャッジ・ザ・デーモンの乱闘を観戦しているのは、両脇に蛇骨婆と朱の盆を従えた【ゲゲゲの鬼太郎】のぬらりひょんだった。

 と、そんな悠々と観戦してるぬらりひょん達に、ジャッジ・ザ・デーモンがウルトラ・デーモンクローで三人を捕えて、そのまま引っ張って下の階に引き落とした。

「「「うわあっ!」」」

 三人はそのまま真っ逆さまに床へと激突して気絶してしまう。

 それからもジャッジ・ザ・デーモンは、乱闘の最中、上のテラスから降りて乱闘に参加しようとする囚人達をウルトラ・デーモンクローで引き落として落下させる。

「ぐ、ぐぬぬ……ジャッジ・ザ・デーモン……!」

 高所から引き落とされて頭を押さえるぬらりひょん。だが、そんな床に倒れているぬらりひょんを、あろう事か一体のGODが軽々と片腕で掴み上げてしまう。

「な、なに? おい、放さんか!」

 困惑するぬらりひょんだったが、GODは掴み上げたぬらりひょんを乱闘を展開しているジャッジ・ザ・デーモンへと勢いよく遠投した。

「うわっ!」

 野球ボールの様に投げられるぬらりひょん、ジャッジ・ザ・デーモンはそんな一直線に飛来するぬらりひょんを容易く回避、ぬらりひょんはそのまま壁へと激突してしまい完全に気絶してしまった。

 それからもジャッジ・ザ・デーモンは、二階の手すりを越えて乱闘に参戦しようとする囚人達を、ぬらりひょん達と同様にウルトラ・デーモンクローで手すりから引き落として落下させては気絶させるといった行動を繰り返す。これによって乱闘に参戦する囚人達の数が増えないようにしていた。

「うわっ!」「ぎゃっ!」

 二体のGODに混じって乱闘に参戦してるタクト=アルサホルン=フォブレイとラニ・アリステスそしてマクギリス・ファリドの三名にもジャッジ・ザ・デーモンは容赦ない攻撃を浴びせて倒す。

 そうやって監房ブロックに集まって来ていた囚人達が乱闘に参加する前にウルトラ・デーモンクローで引き落として気絶させた後、ジャッジ・ザ・デーモンはGOD二体と乱闘を展開して二体を戦闘不能にしようと闘う。

 一方GODはジャッジ・ザ・デーモンが倒した囚人を投げ飛ばして攻撃したりと、猛威を振るい続けるが、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く回避してGODを的確に攻撃して消耗させていく。

 そんなGODを消耗させ、ジャッジ・ザ・デーモンは一体ずつ朦朧とするGODの頭部を床に叩き付けて完全に気絶させて倒していった。

 そうしてジャッジ・ザ・デーモンは、二体のGODはもちろん、この乱闘に参戦してきたタクトやラニそしてマクギリスなどの囚人達も全員叩きのめした。

 

「ブラボーー。よく頑張ったね、デーモン。ご褒美をあげちゃおう! 君のお友達、ウェルズ本部長だよ」

 そうジャッジ・ザ・デーモンに拍手を送るMrフェイクが言うと、二体のGODと囚人達を倒し切ったジャッジ・ザ・デーモンの真横の天井から、顔面を殴られて流血しているウェルズが吊し上げられる。

「ずまん、まだづがまっだ」

 ウェルズはアニメタウン本土に帰還する道中、Mrフェイクに捕らわれて、同行してた警察官二名はGODを打ち込まれて先ほどまでジャッジ・ザ・デーモンと乱闘をさせられていたのだ。

「おやおや、ちょっとお疲れかなウェルズ。それなら元気を分けてあげよう!」

 そう言うとMrフェイクは、拳銃型の注射器を懐から取り出し、ウェルズ目掛けて筋肉増強剤GODを射出した。

「やめろ!」

 それを前に、ジャッジ・ザ・デーモンはすかさずウェルズを守る為に身を挺して筋肉増強剤GODに打たれてしまう。

「ジャッジ・ザ・デーモン!」

 筋肉増強剤GODを打ち込まれたジャッジ・ザ・デーモンを目の前に、ウェルズは叫んだ。

「離れろ……!」

 一方のジャッジ・ザ・デーモンは、胸部に直撃した注射針を右手で引き抜くが、既に筋肉増強剤GODの影響で筋肉が膨張し出し、右腕を床に叩き付けると凄まじい衝撃が繰り出される。

 すると其処にMrフェイクが駆け寄って来ては、ジャッジ・ザ・デーモンにちょっかいをかけ出す。

「おお、来たよ来たよ! これで楽しく遊べるね、デーモン!」

 しかしジャッジ・ザ・デーモンは強靭な意志で筋肉増強剤GODに抗っていた。

「ちょっと抵抗するつもり? フェアじゃないよ」

 そう言うと苦しむジャッジ・ザ・デーモンを蹴り飛ばすMrフェイク。

「見苦しいよ、諦めなって!」

 そんな顔を近付かせるMrフェイクに、ジャッジ・ザ・デーモンは強烈な右手を喰らわした。

 Mrフェイクはよろめきながらも、絶えずジャッジ・ザ・デーモンに問い掛ける。

「相変わらず荒っぽいね、そういう事だね!」

 すると今度は羽箒でジャッジ・ザ・デーモンを擽ろうとするMrフェイク。だがジャッジ・ザ・デーモンに平手打ちされて再びよろめいてしまう。

 これに対してMrフェイクは完全に堪忍袋の緒が切れた。

「楽しい夜を台無しにする気なの!? 何ヵ月も計画を練ったってのに! あのポイズン・アイビーだって、わざわざ今夜のパーティーの為にゴッサムから呼び寄せたんだよ!」

 此処でポイズン・アイビーをアニメタウンに呼び寄せたのが自分だと告白するMrフェイクは、更に語り続ける。

「ボクはただ、君に見せたかったんだ。ボクが描く理想の二次元界を。それすらも拒むなんて」

 するとMrフェイクは筋肉増強剤GODが仕込まれた拳銃型の注射器を頭上へと向ける。

「君にとっては、暴力しか生き甲斐がないんだね。それならボクにだって考えがある……天よ、どうか無力ながらも邪悪な異常者(ヒール)の面々を、生まれ変わらせ給え~~」

 次の瞬間、Mrフェイクは頭上に向けて筋肉増強剤GODを三発射出。するとその三発のGODは放射線を描く様に落下して、その放射線の先で気絶していた三人の異常者(ヒール)に注射針が直撃した。

 その三発の注射針が直撃したのは、あのタクト=アルサホルン=フォブレイとラニ・アリステスそしてマクギリス・ファリドの三人だった。

 筋肉増強剤GODを打ち込まれた三名は、その瞳を赤褐色に染め上げて目を覚ました。

 

 

 

[暴走する三狂人]

 

 Mrフェイクが三人の囚人にGODを打ち込んでから少しばかりの時が経過。

 Mrフェイクからの音声情報を聞きつけ、報道関係者のヘリが二機タナトス島へと飛来してきた。

「タナトスはまだ閉鎖中ですが、10分前にこのテープを受け取りました!」

 すると実況者の声に続いて、Mrフェイクの音声が流れ出す。

「やあ、アニメタウンの紳士淑女の皆々様、ボクはご存じMrフェイク。タナトス・アサイラムはもうボクの遊び場だ。もうすぐアニメタウンに狂気を撒き散らすけど、その前にタナトス・アサイラムの屋上に注目。君たちの守護者の一人であるジャッジ・ザ・デーモンの最後の姿を拝んでおくといいよ!」

 Mrフェイクの犯行声明を流し終え、実況者がタナトス棟の周りを飛んでいると。

「今現在、棟の周りを飛んでいるのですが……待ってください! あそこだ! Mrフェイクが居る!」

 Mrフェイクが作り出した筋肉増強剤GODを投与されたタクトにラニそしてマクギリスの三名は、背骨などの一部の骨がむき出しとなっており、三人とも両手の爪が鋭利に長く伸びており、筋肉が増強された狂人と変わり果てていた。

 そんな変わり果てた三人のうち、タクトの腕には衰弱してるジャッジ・ザ・デーモンが握られ、変わり果てた三人を面白おかしく観ているMrフェイクも間近にいた。

 すると此処でMrフェイクがタナトス棟の周りを飛んでいる二機のヘリに気付く。

「ショウタイムだよ、ジャッジ・ザ・デーモン!」

 Mrフェイクが叫ぶと、Mrフェイクからの指示に従う様にタクトが握っていたジャッジ・ザ・デーモンを屋上の特設ステージに放り投げる。

「彼らにネタをあげちゃおうじゃないか! 君の死という特ダネをね!」

 ジャッジ・ザ・デーモンが放り込まれた特設ステージは、Mrフェイクの顔が描き込まれた周囲を電流が流れる囲いに取り囲まれた特製のステージだった。

「レディース&ジェントルマン! 今宵、特別ステージで死闘を展開するのは、筋肉増強剤GODでモンスターに変異した三人の異常者(ヒール)達と、元連続殺人鬼のジャッジ・ザ・デーモンだ!」

 Mrフェイクが喜々と進行司会を進める中、三人の狂人達はジャッジ・ザ・デーモンと同じステージに降りて、巨体化したラニがジャッジ・ザ・デーモンを蹴り飛ばす。

「そしてようこそ、一夜限りのスペシャルゲストも、この死闘をご観戦だ!」

 そう唱えるMrフェイクが照明を向ける先には、電気椅子に縛り付けられて時おり感電させられるウェルズの姿が目視できた。

 そしてGOD化したマクギリスがジャッジ・ザ・デーモンを掴み上げると、そんなジャッジ・ザ・デーモンにMrフェイクが説いてきた。

「変わるんだよ、ジャッジ・ザ・デーモン! 自我や理性なんて捨ててさ! その三人の狂人を倒すなら、それ以外に道はないよ!」

 さらにMrフェイクはジャッジ・ザ・デーモンに囁くように説き伏せる。

「昔の様に、三人を殺しちゃいなよ。君だって本心は、その三人の様な下種を殺したいんでしょ?」

「黙れ」

 しかしMrフェイクからの説き伏せにジャッジ・ザ・デーモンは抗い、彼は自らの体にGODの解毒剤を打ち込んで理性を保つ。

「それって大事なモノでしょ? 無駄にしちゃいけないよ」

 するとMrフェイクの発言の直後、マクギリスはジャッジ・ザ・デーモンを電流が流れる鉄格子へと投げ飛ばして痺れさせる。

「ひゃはっ、これは面白い」

 と、Mrフェイクが面白がっていると三狂人は揃ってジャッジ・ザ・デーモンへと攻撃を仕掛けてきた。

 ジャッジ・ザ・デーモンは三狂人の攻撃を回避して、態勢を立て直す。

「ボクの楽しみをいくつも壊しちゃって、いつかイスラム以上の血の海を見せてあげちゃうから!」

 過去のジャッジ・ザ・デーモンこと小田原修司の罪過を皮肉交じりで喋るMrフェイクの発言に反応する様に、三狂人はタナトス・アサイラムという刑務所の屋上でジャッジ・ザ・デーモンと対峙する。

「踊りの準備はできたかな? ラウンド1、開始!」

 死闘の始まりをゴングを鳴らして開始するMrフェイクの合図を皮切りに、三狂人はジャッジ・ザ・デーモンへと鋭利な刃物状の爪を振り回して攻撃してきた。

 ジャッジ・ザ・デーモンは素早く反撃に転ずるが、三狂人に攻撃は効かず、逆に反撃を受けてしまう。

「おおっと、アレは痛そうだね」

 屋上を見下ろせる高所から死闘を観戦するMrフェイクは笑顔で実況していた。

「君を殺せるチャンスがあるなんて、その三人は実に羨ましいなあ、デーモン」

 限られた場での乱闘に苦しむジャッジ・ザ・デーモンを観戦して、実に愉悦に笑うMrフェイク。

 と、ここでMrフェイクはGOD化した三狂人を呼び寄せ、屋上に近付いてきたヘリに愛想を振りまくよう指示する。

「さあ、君たちの出番だ。彼の身体をほぐしてちょうだい」

 その間、Mrフェイクの命令を聞いて屋上の特設場に今までタナトス・アサイラムで暴れ回っていた囚人達が雪崩れ込んで、ジャッジ・ザ・デーモンを集団で襲撃する。

「今まで、よくもやってくれたな!」

「何の権限があって私達に暴力を振るうのよ!」

 島田一旗やマルティ=S=メルロマルクたちは、集団でジャッジ・ザ・デーモンに殴る蹴るの暴行を加え、今までの鬱憤を晴らしていく。

「審判、今のラウンドはどうでした? なに? もっと大きな声で!」

 そんな囚人達が集団でジャッジ・ザ・デーモンを暴行する様を、電気椅子に縛り付けられているウェルズに問い掛けるMrフェイクは、強引にウェルズに開設させるように電気椅子に電気を流す。

「さあ、プレゼントタイムだ!」

 と、そんなMrフェイクは乱闘が行われてる場に、武器である鉄パイプや爆弾入りのプレゼント箱を投げ込んで、より乱闘を賑わせる。

 そんな混戦とする場で、放り込まれた鉄パイプを持った広瀬啓祐が、ジャッジ・ザ・デーモンに向かって鉄パイプを振り回して後頭部を殴りかかる。

「このッ!」

 力の限りジャッジ・ザ・デーモンの後頭部に鉄パイプを叩き込む広瀬啓祐の暴力を見て、Mrフェイクが愉快に笑い飛ばす。

「痛かった? ごめんごめん!」

 長時間によるタナトス・アサイラムでの戦闘を続けた為に、心身ともに消耗しているジャッジ・ザ・デーモンを集団暴行で攻撃し続ける囚人達。

 

 だが、ジャッジ・ザ・デーモンはMrフェイクを止めるべく、そして何より己の意志と信念を奮い立たせて周辺の囚人達に反撃する。

 島田一旗や竹内元教師を殴り倒し、マルティ元王女の後頭部も回し蹴りを打ち込んで気絶させ、最後には広瀬啓祐を持ち上げて電流が流れる鉄格子へと投げ飛ばして、頭から突っ込ませた。

「ぎゃあああっ!」

 電流が流れる鉄格子に頭が挟まって、引き抜こうにもその間も激しい電流が肉体を襲う末、広瀬啓祐は泡を吹いて失神してしまう。

「さあ、お三人方! 今の変われた自分を、世間に見せびらかしちゃいな!」

 その頃、Mrフェイクは三狂人を接近するヘリにお披露目させていた。

 ジャッジ・ザ・デーモンは此処でウルトラ・デーモンクローを装備して背面を向けているタクト=アルサホルン=フォブレイへとデーモンクローを射出した。

「うわっ!? なんだいなんだい」

 突然の事態に戸惑うMrフェイクを余所に、ジャッジ・ザ・デーモンはむき出しになっているタクトの背中の骨をウルトラ・デーモンクローで捕らえて引っ張る。

 そしてタクトの背中のむき出しになっている骨をウルトラ・デーモンクローで引っ張ったジャッジ・ザ・デーモンは、そのままタクトを引き落とすと、タクトの鋭利な長い爪が床に突き刺さって身動きが取れなくなってしまった。

「早く脱出して、ジャッジ・ザ・デーモンの首をもぎ取っちゃいな!」

 Mrフェイクが助言を叫ぶ中、ジャッジ・ザ・デーモンは両手の爪が床に突き刺さって動けないタクトの顔面を殴り続け、最後には両脚からの蹴りを顔面側部に叩き込んで、タクトを右側の電気が流れる鉄格子へと蹴り飛ばす。

「ウギャアアアアアアッ」

 首が鉄格子に挟まって、電撃に感電したタクトはそのまま泡を吹いて失神してしまった。

 

 するとMrフェイクは、残ったマクギリス・ファリドとラニ・アリステスの狂人二人に特設場へと出るよう指示する。

「君たちの本気は、まだまだ出せるでしょ!」

 残った二人の狂人に命じて、ジャッジ・ザ・デーモンを襲わせるMrフェイク。

 ジャッジ・ザ・デーモンは攻撃の機会を窺いながら、特設場を駆け回り逃げ続ける。

「観客の為にも、君をバラバラに切り刻まないとね!」

 筋肉増強剤GODの影響で、鋭利で長く刃物の様に変化した狂人の爪で切り刻むよう喜々と語るMrフェイク。

 と、ここで再び屋上に報道ヘリが飛来して、接近してきた。

「ちょっと此処でタイム! ファンの方々が呼んでるよ!」

 再び屋上に接近するヘリに向かって、Mrフェイクは二人の狂人を呼び出してファンサービスのつもりで脚光を浴びさせる。

 その間に、広場にはまだ残っている囚人達が雪崩れ込んできて、ジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かる。

 だが今度は逆にジャッジ・ザ・デーモンの方から攻めていき、川井みきや植野直花そしてオルトクレイ=メルロマルク32世を叩きのめし、気絶させる。

「わおっ! カメラがボク達を見てるよ。興奮するね!」

 一方で、ヘリのカメラに気を取られている隙に、ジャッジ・ザ・デーモンは今度はマクギリス・ファリドの背中の骨をウルトラ・デーモンクローで捕らえて、床へと引き落とした。

 マクギリス・ファリドが先ほどのタクトと同様に、鋭利な爪が床に突き刺さって動けない状況で、ジャッジ・ザ・デーモンはマクギリスの顔面を何度も殴打して、最後は両脚からの蹴りで今度は左側の鉄格子に頭を突っ込ませて感電させ、泡を吹かせて失神させる。

「Mrフェイク、お前の番が近付いているぞ。全員、倒す!」

「ボク達を倒す? 笑わせないでよ!」

 ジャッジ・ザ・デーモンの宣言を嘲笑するMrフェイクは、最後に残ったGOD化したラニ・アリステスにジャッジ・ザ・デーモンを殺させようとするが、ジャッジ・ザ・デーモンは容易に攻撃を回避してやり過ごす。

 すると屋上に、またしても特ダネを欲しくて接近する報道ヘリが飛来する。

「さあ、キミキミ。こっち来て報道ヘリに挨拶するんだ」

 戦場でジャッジ・ザ・デーモンを追っていたラニ・アリステスを高所に呼び戻してヘリに挨拶させるMrフェイク。

 すると此処でジャッジ・ザ・デーモンの乱闘を観察してた囚人の残党が広場に雪崩れ込んで、ジャッジ・ザ・デーモンを襲撃する。

 レボルトに八神飛鳥、そして聖騎士であるドレファス、ヘンドリクセン、ヘルブラム、ギルサンダー、ギーラ、ジェリコの面々も集団でジャッジ・ザ・デーモンと乱闘を展開。

 しかしジャッジ・ザ・デーモンは怯む事無く、全ての囚人達を平等に叩きのめし、完膚なきまでに痛め付けて気絶させていった。

「朝イチのニュースにピッタリなネタをプレゼントしちゃおう。題して、ジャッジ・ザ・デーモンおマヌケに死んじゃった! ははははッ」

 ジャッジ・ザ・デーモンが囚人達と乱闘している最中も、Mrフェイクは報道ヘリに向かって特ダネを贈る気分で演説していた。

「まだ居るね、報道ヘリ。誰もがボクに注目している証拠だね!」

 得意気に報道ヘリのカメラに笑顔を送っている最中、ジャッジ・ザ・デーモンはそんなMrフェイクと共に報道ヘリのカメラに顔を向けていたGOD化したラニ・アリステスの背面の突出した骨にウルトラ・デーモンクローを射出して捕らえる。

 

 Mrフェイクと共にヘリのカメラに注目しているラニ・アリステスの背面の骨をウルトラ・デーモンクローで掴んで引っ張ったジャッジ・ザ・デーモンは、そのままラニを引き落とした。

 

 

[諦めない心]

 

 すると先ほど二体のGODに変異したタクトとマクギリスの衝撃で脆くなっていたのか、床が抜け落ち、ラニ・アリステスは床下の発電機に激突して高圧電流を浴びてしまう。

 高圧電流を浴びて、感電したラニ・アリステスは意識が朦朧としながらも床下から起き上がるが、そんな彼を降り立ったMrフェイクが顔を蹴り付けて強引に気絶させる。

 そしてMrフェイクは目の前のジャッジ・ザ・デーモンに向かって説き始めた。

「どんなに足掻こうと、結果は変わらない。君たち聖龍隊は、ヒーローはボク達を倒せない、最後に勝つのはボクたち異常者(ヒール)なんだ」

 Mrフェイクが演説をする中、ジャッジ・ザ・デーモンは残っている爆破ジェルを全て己の右拳に塗り付けた。

「さあ、これが本当の最終ラウンドだ。用意はいい?」

「いつでもいいぞ」

「わおっ!」

「お前らの好きにはさせん!」

「いいね、いいね! そんな君は、二次元人たちから何を与えられて、そんな風に狂っちゃったんだい?」

「俺が二次元人から学び得たもの、それは……諦めない、心……だ!!」

 次の瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンはMrフェイクに爆破ジェルを塗った拳で殴り掛かる。

 ジャッジ・ザ・デーモンが叫んだ瞬間、Mrフェイクの顔面に直撃した右拳の爆破ジェルが爆発し、Mrフェイクもジャッジ・ザ・デーモンも吹っ飛んでしまった。

 そしてジャッジ・ザ・デーモンは後方へと倒れ込み、Mrフェイクはそのまま激しく吹っ飛んで真後ろの小屋の窓ガラスへと突っ込んで完全に気絶した。

 

 こうしてジャッジ・ザ・デーモンは最後に右腕を痛めながらも、Mrフェイクに大打撃を浴びせて倒す事に成功した。

 が、そんなジャッジ・ザ・デーモンの目の前に、一人の囚人が歩み寄ってきた。

「きゃはっ、Mrフェイクでも倒せなかったジャッジ・ザ・デーモンが今まさに私の目の前で意気消沈していますわ。これは私が殺さないで、いつ誰が殺しますの?」

 それはショットガンを持っているトガヒミコだった。彼女は乱闘を終えてすっかり憔悴し切ったジャッジ・ザ・デーモンへとショットガンの銃口を向けて引き金に指をかける。

「………………」

 一方のジャッジ・ザ・デーモンは、完全に憔悴し切っている為に両膝を床に着けたまま茫然とするままだった。

 そしてトガヒミコがショットガンを放とうとした、その時。

「そうは……!」「させるか!」

 二人の影がショットガンを撃とうするトガヒミコへと滑空して飛び蹴りを喰らわして吹っ飛ばした。

 蹴り飛ばされたトガヒミコは、そのまま柱へと激突するが、それだけでなく丁度激突した柱の上に取り付けられていた変圧器が激突した衝撃で落下して、トガヒミコの頭上に降ってきた。

「あわわわわわわわ……っ!!」

 変圧器が頭上から落下して激突した事で、トガヒミコは高圧電流に感電して、そのまま白目をむいて気絶してしまう。

 その一方で、先ほどジャッジ・ザ・デーモンの窮地を間一髪で救った二人組は、茫然とするジャッジ・ザ・デーモンに手を差し伸べていた。

「大丈夫ですか、兄上」「今回は危なかったな、修司さん」

「あ……兄上でも無ければ、修司さんとも呼ぶな」

 そうジャッジ・ザ・デーモンは、自分の危機を間一髪で助けに入ってくれた鬼龍院皐月と纏流子の姉妹に文句を言いながら、差し伸べられた手を取るのだった。

 

 こうしてタナトス・アサイラムでの、Mrフェイクを中心とした籠城事件は幕を下ろした。

 囚人達によって支配されてたタナトス・アサイラムは、聖龍隊から派遣された新世代型二次元人による部隊ニュージェネレーションズを筆頭とした警察との合同組織が制圧に取り掛かる。

「ウェルズ、大丈夫か? 心配したぞ」

「俺は大丈夫だぜ、バーンズ。やっと聖龍隊とアニメタウン警察がタナトスを制圧できたんだ。これでやっと休めるぜ」

 タナトス・アサイラムの籠城事件の終焉に、聖龍隊本部からビッグ3の三人が駆け付け、ウェルズ本部長を労う。

「怪我人は今、ナースエンジェルを筆頭とした治療班が見ているが、時間がかかりそうだ」

 聖龍隊総長のバーンズに参謀総長でウェルズの甥であるジュニア、そして副長であるミラーガールの三人に説明するウェルズ。

「凶悪犯は全員、取り押さえた」

 今宵タナトス・アサイラムで猛威を振るってた凶悪犯などの収容者は、あのポイズン・アイビーを含んで全員が牢獄に戻された。

「筋肉増強剤GODを投与された連中は元に戻っている。一部の投与者は激しい痛みを伴っているようだが」

 そして問題である筋肉増強剤GODを投与された囚人達は元の姿に戻っているらしいが、そのうちジャッジ・ザ・デーモンと激しい乱闘を展開したタクト=アルサホルン=フォブレイとラニ・アリステスそしてマクギリス・ファリドの三人は身体に激しい痛みを伴ったまま収容されたという。

 

 と、そんな披露困憊のウェルズを始めとする三人の許に、ジャッジ・ザ・デーモンも歩み寄ってウェルズを労う。

「お疲れ、ウェルズ。すまないな、俺が居ながら此処までタナトス・アサイラムが悪化しちまって」

 すると、そんな自分を責めるジャッジ・ザ・デーモンにミラーガールが優しく話し掛ける。

「そんな事ないわ! ジャッジ・ザ・デーモン、貴方はよくやったわ。本当にね……」

 命を賭けてまで最後まで戦い抜いたジャッジ・ザ・デーモンに慈愛の眼差しを向けるミラーガール。

「まあ、今夜はもうゆっくり休め。ウェルズも疲れている事だろうし……」

 と、バーンズがジャッジ・ザ・デーモンとウェルズに話してた、その時。警察の無線から緊急連絡が。

「全員に告ぐ、銀行強盗が発生。容疑者はブラックホワイト」

 これを聞いたジャッジ・ザ・デーモンは平然と言った。

「仕事だ」

 そう言うと、ジャッジ・ザ・デーモンは夜空に向かってグラップネルガンを射出して、上空に呼び寄せたジャッジウィングに搭乗して事件現場である夜のアニメタウンへと飛来していってしまう。

「……あいつ、すっかり仕事の虫だが大丈夫か?」

「信じましょう、彼を」

 今では完全に自分の責務を果たそうと躍起になるジャッジ・ザ・デーモンの動向を気に掛けるウェルズに、ミラーガールがジャッジ・ザ・デーモンを、小田原修司を信じようと優しい瞳で呟いた。

 

 こうしてタナトス・アサイラムでの騒動は幕を下ろしたのだが……。

 

 

[始まりは終わり、終わりは始まり]

 

 

 

 ジャッジ・ザ・デーモンが自機であるジャッジウィングで夜空を飛行する中、ジャッジウィングの真下の海上に一つのコンテナボックスが漂流していた。

 その箱には【GOD】と記載されており、筋肉増強剤GODが入っているものだと窺えた。

 と、そんな【GOD】と表記された箱を、何者かの腕が海中から掴みかかった。

 筋肉増強剤GODによる問題は、まだ終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 タナトス・アサイラムでの囚人集団暴動事件からしばらく経ったある日。

「ふう……全く、Mrフェイクなんかの狂人共を縛り付けておくだけでも厄介なのに、そんな連中を一カ所に集めてしまおうとは……」

 とある隠し部屋で、タナトス・アサイラムの所長ハワード・ラグラフトが一人腰を掛けていた。

「まったく……だが、あの御方の尽力あってこそ、私の国連議長への道も約束されている訳だ。だが、一刻も早く気のふれた連中を……囚人共を一掃して、世界に完璧な平和と安全を齎してほしいものだ」

 そう革張りの椅子に腰を下ろして溜息を衝くハワード・ラグラフトの机には、南極圏にある今では廃れた南極の資源発掘の研究者や住民が住んでいた孤島の写真が貼られていた。

 

 

 舞台は、死神の収容所から、死神の街へと移り変わる。

 

 

 

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