「私を好きになってくれてありがとう」
「生徒名、ここまで来てくれてありがとう。もう充分だ」
「ねえA.R.O.N.A、もう私は何もいらないから」
「未来も、過去も、これからも、これまでも」
「だから…全部寄越せ」
「全部だ」
"大人のカードを使う"
やあ、私は突然キヴォトスに呼び出された先生だよ。
以前から私を見ると倒れたり過呼吸になる生徒が結構いることは分かったと思うけど。今回はその中でも特に凄い生徒の話をするよ。
「…(スッ)」
"み、ミヤコ…? あ、あ、待ってなんでいつも会うと土下座しようとするの…!"
私を見るたびに冷や汗を流しながらゆっくりと土下座しようとしているミヤコを無理やり立ち上がらせる。初めて出会った時は震えだして過呼吸になりながら自らのこめかみに拳銃を押し当てていた。もちろん止めようと銃を取り上げようとしたけど思ったより力が強くてちょっと怪我しちゃったんだよね。
「ヒュッ」
そしたらそのまま気絶して大変だったことを思い出す。
それ以来そういうことはしなくなったけどすぐに土下座をしようとしてくるようになっていた。それを立ち上がらせるまでがセットだ。
最初はSRTを復興とか出来ないとかで嫌われていると思って名字呼びの方がいいかなと思ったけど、サキが真っ青になりながら「それだけは…それだけは…!」ってまるで処刑宣告を受ける人みたいになってたから流石に名前呼びにした。
「……先生。私たちはあなたのような大人が一番……必要です」
縋り付く様にしてミヤコからそう告げられる。
私はそっとミヤコを抱きしめる。大丈夫大丈夫とまるで子供をあやすように。
泣きながら過呼吸になりかけているミヤコに心臓の音を聞かせながらぽんぽんと背中を叩いた。
「私はあなた達のような大人が一番嫌いです」
眼前で腹部を抑えて蹲る男を見ながら吐き捨てるように言う
自らの銃からは煙が上がっており私が撃ったことは明白だ。
サキが憤って撃とうとしたのを押しのけて私が撃った。手を汚すのは私だけでいい。
人を撃つのは初めてではないがここまで重傷を負わせたのは初めてなのに、人を殺そうとしているのに感情は何も動かなかった。
「■■■■ー!」
何かの声が聞こえ爆炎により視界が塞がれる。
気が付くと視界から男の姿は消えていた。サキは追おうとしたがそれを止める、追う必要はない。
もう二度とこちらへ来ようとしないだろう。
目の前で眠るように生命活動を終えた男性の前でミヤコは慟哭する
「何がSRTですか…! 私は…! 私は…!」
「こんな私には…! 隊長以前に…SRTである資格すら…!」
「ヒュッ…」
バターンッ!
先生と別れたのちフラッシュバックしたミヤコはRABBIT小隊の前でぶっ倒れた。
「ミ、ミヤコー! また倒れたぞー!?」
忘れられない。
…忘れられない。
あの人の顔が、ずっと頭にこびりついている。
ずっと、見ないふりをしていた。
話を聞いて会わない方がいいと言われて、ずっと会わない様に…顔すら見ないようにしていた。
時折、『先生』という存在の話を聞きながら日々を過ごしていた。ある日だ。
世界が赤に染まった。
青い世界は消え、『あれ』が異形となって世界を支配しようと現れた。
それを、『先生』は単独で解決した。
世界に青は戻り、生徒達にも笑顔が戻った。
色々とあったユウカちゃんもやりすぎたと思ったのか先生に感謝とお礼を言いに行きたいとなった。
でも先生はいなかった。
生徒総出で先生を探し、そして先生は見つかった。
人のいない路地裏で、冷たくなって。
その時だ、私が先生の顔をしっかり認識したのは。
生命活動を終えた、その顔を。とても辛かったはずなのに、とても痛かったはずなのに、とても苦しかったはずなのに。
安らかな、肩の荷が下りたような優しい笑みを浮かべていた。
あの顔が、私の頭から離れない。
理由は分からないが世界が一巡し、多くの生徒は記憶を所持したまま始まった。
そして連邦生徒会長がいなくなり『先生』がやってきた。今回、『あれ』はいないとみんな言っていたけど…前回一緒にいたとされるもう一人の『先生』だろうか。
私は未だに先生とまともに話せていない。
ずっとあの安らかなはずの顔が私の心の柔らかい所を刺し続けている。
「ヒュッ…」
思わず膝をついた。呼吸が荒れる、すぐにユウカちゃんとコユキちゃんが駆け寄ってきてくれた。
忘れたい…でも忘れられない。
あぁ…このページのように記憶も破り捨てられたらいいのに…。
・先生
本当は馴れ馴れしいから名字で呼んだ方がいいのかなと思っている
・生徒
(名字)さんと呼ばれると前回の記憶が蘇り過呼吸を起こす
・先生
最後に出会ったのは騾」驍ヲ逕溷セ剃シ夐聞だった
・騾」驍ヲ逕溷セ剃シ夐聞
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