アメリカチームに転生した女の話。

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倫理を投げ捨てた試験管幼女

アラサーOLだった私は、GANTZ世界にアメリカの試験管ベイビーとして転生した。

私の役割はガンツ(ブラックボール)の技術を独占する、ドイツ並びにマイエルバッハという大企業への対抗戦力であると、研究員のお姉さんから説明を受けた。

ただ、さすがに転生云々に関しては想定していなかった模様。

 

 

そんなわけで、生後一週間も経たないうちにアメリカのガンツチームに編入された。

普段は軍基地の一角で戦闘訓練を行い、有害な異星人が出現すれば“駆除”する。

···ガワだけなら今の私は金髪めちゃかわ幼女だから、屈強な男たちばかりのチーム内ではめちゃめちゃに浮いた存在であった。

私を設計したのはロリコンに違いない。

「おいロリコン。どうせだったらもっとナイスバディが良かったんですけど?」

「失敬な。幼体の方が生産コストが低かったからだよ。成長すればそのペチャパイも多少は膨れるんじゃないか?」

 

 

アメリカチームが所有するブラックボールに“100点メニュー”は存在していない。

ミッション内でなら死んでも自動で生き返る(正確に言えば複製される)し、この生活に嫌気が差したなら、任意のタイミングで記憶を消して“解放”されることも出来る。

しかもそれまでの貢献に応じた退職金が、自動で銀行口座に振り込まれるというアフターサービス付きである。

「司令官、私も“解放”されたいのですが」

「お前はダメに決まってんだろ」

スキンヘッドのムキムキ白人司令官、貴方はいつか殺します。

 

 

こんな感じで私以外の構成員に対してはかなり寛容なアメリカチームだが、人間や武器の複製は制限されている。

ブラックボールを稼働させるにはそれなり以上に多量のエネルギーが必要らしく、権限を付与されるのは一部の優秀な構成員のみだ。

かくいう私も“優秀な構成員”の1人で、自分を複製して他国のガンツチームに送り込むということを頻繁に行っている。

 

 

ちなみに私のオリジナルはとっくの昔に死んでいて、今思考している私は57人目の私だ。

オリジナルは3度目のミッションで、後ろにいたヤギ頭の星人に気付かずあっさりと喰い殺された。

2度のミッションを経て成功体験に酔いしれた結果である。アホか私は。

 

 

残機の数は順調に増えていて、オリジナルの誕生から10年が経過した今ではおよそ350人ほどである。正確な数は忘れた。

そのうち私のいるアメリカ東海岸基地には8人、西海岸基地には4人。

諸外国に送り込んだ複製体とは連絡を絶っている。だって人数が多くなりすぎて情報共有するのも面倒くさいんだもん。

 

 

ただし唯一、日本の東京ガンツチームに送り込んだ1人の複製体とはマメに連絡を取っている。

これには下心があって、原作主人公である玄野計をアメリカチームに取り込んで量産したかったからだ。

日本のガンツチームは頭が可笑しいから、非効率な方法で兵士を調達し、しかもチュートリアルも無しに戦力を使い潰している。

しかし生死の境を反復横跳びするような、劣悪な環境に身を置き続けた兵士はとにかく強い。

特に複数回クリア達成者の戦闘力は、一般的な兵士の数倍とも数十倍とも言われている。

アメリカ含む一般的なガンツチームが質より量を重視するとしたら、日本は圧倒的な少数精鋭。

 

 

どうせだったら可能な限り質の良い兵士(玄野計)を量産したかったので、大阪の戦いが終わるまでは事情を報せず日本に残留させた。

吸血鬼とかいう害悪は私の複製体が既に“駆除”しているから、彼が2度死ぬ事は無かった。

『西くんがカタストロフィについて話したよ』

「オッケー。それじゃあ玄野くんをこっちに持ってきて」

『りょうかーい』

日本の複製体からメールが届いたので、カタストロフィが始まる一週間前に玄野計の輸送を開始させた。

 

 

「調子はどう?」

『今は輸送機に乗ってる。さっきまでめっちゃ暴れてたけど、とりあえずは諦めたみたい?』

「まあさすがの主人公くんでも、ガンツウェポン無しで完全武装した私に勝てるわけないか」

 

 

輸送機が軍基地に到着。

待ちに待った原作主人公との対面だ。

私が何人も居ることに驚いている様子。

···ちなみに私の複製体と彼は“関係”を結んでいたりする。

金髪美少女(胸は控えめ)に成長した私が誘惑したら簡単に堕とせた。ちょろい。

タエちゃんやレイカには申し訳無いけど、恋人相手なら玄野計の戦意も揺らいで殺されずに済むかなって。

仲間(兵士)”に残機を減らされるのは愚の骨頂。

人的資源は希少だから大切にしないとね。

 

 

「何でこんな事すンだよ···!〇〇ッ!!」

こんなこと、と言われても困る。

ただ私は効率的な方法を模索しただけだから。

···さ、カタストロフィでも一緒に頑張ろうね。

 

 

 


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