自己紹介も程々に話は今の状況について移ります
「先ほどの通り、我が校は現在危機にさらされているため、支援要請を送りました。」
「さっきの襲撃も先生たちがいなかったら、学校を占拠されていた可能性もありますし、感謝してもしきれません…」
“当然のことをしたまでだよ”
言おうと思っていたことを先に言われてしまいました…気を取り直して先ほど邪魔されて聞けなかったことを聞きましょう
「対策委員会とはどういう組織なんですか?」
するとアヤネさんが少しハッとしたような顔をする
「そうですよね、さっき説明してませんでしたね。ご説明します。対策委員会とは…このアビドスを蘇らせるために集まった有志たちで構成された部活です」
「うんうん!全校生徒で構成された校内唯一の部活なのです!…全校生徒と言っても私たち5人だけなんですけどね」
「他の生徒は転校したり、退学して町を出ていった」
「そうして学校の力が弱まった結果、自治区の住民も減り、先ほどのカタカタヘルメット団のような不良集団に学校が襲われている状況です」
「現状、私たちだけじゃ学校を守り切るのが難しい。在校生として恥ずかしい限りだけど…」
みなさんが説明してくれたのは対策委員会の成り立ちと、今のアビドス高校の状況でした。
ある程度調べて、分かってはいましたが…やはりかなり難しい状況にあると思います
「もし先生たちからの支援がなければ…今度こそ万事休すでしたね…」
「だね〜。補給品もとうとう底をついてたし、さすがに無理だと思ったよ。ナイスタイミングだよ、先生」
さっきも思いましたが、ホシノさんの目は常にこちらを警戒していますね…3年間この状況の学校を守っているからこその目、でしょうか…
「とは言え根本は解決できてない、この程度で攻撃をやめるような奴らでもないし」
「あー、確かに。あいつらしつこいもんね」
「他の問題もあるというのに、いつまでこんな消耗戦をしなければ…」
他の問題とは、行く前に聞いた借金のことでしょうか。
具体的に何円かまでは調べていませんが、まぁわざわざ突っ込んで聞くことではないですね、人の借金が何円か聞くとか常識としてだめですよね
「そういうわけでちょっと計画を練ってみたんだ〜」
「えっ!?ホシノ先輩が!?」
「うそっ!?」
……さっきのホシノさん評を撤回する必要がありますかもしれないですね…後輩にここまで言われて大丈夫なんでしょうか
「なにを〜おじさんだってたまにはちゃんとやるんだよ〜?」
おじさん…?
え、一人称おじさんなんですか?この人…
さっきの緊張返して欲しいですね…
「……で、どんな計画なの?」
「ヘルメット団はまた数日もすれば攻撃してくるはず。ここ最近そのサイクルが続いてるからね」
「だからあえて、ここでこっちから仕掛けて、やつらの前哨基地を襲撃しちゃおうかなって。かなりの大人数で来てたみたいだし、多分今が一番消耗してるだろうからさ〜」
さっきとは打って変わって今度は真剣そのものですね…計画も今のメンツの実力的に問題ないでしょう
それにしても、なかなか掴みどころのない人ですね…
「い、今ですか?」
「そう、今なら先生のおかげで補給面も大丈夫だから」
「なるほど。ヘルメット団の基地はここから30キロくらいだし、今から出発しよう」
「私も賛成です。このまま放置し続けてもいいことはないでしょうし、おそらく問題なく勝てるでしょう。先生もよろしいでしょうか」
“うん、行こうか”
「よっしゃ〜、シャーレの2人のお墨付きも貰ったことだし、この勢いに乗せていっちょやっちゃいますか〜」
「はい〜それでは、しゅっぱーつ!」
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「カタカタヘルメット団のアジトがあるとされるエリアに入りました。半径15km圏内に、敵のシグナルを多数検知」
「この距離なら、敵もおそらくこちらに気づいているでしょう。ここからは実力行使です!」
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「敵対反応は24人、学校襲撃でやはり消耗していましたか、傷のある生徒もいますし、万全の状態のヘルメット団は見たところ15人ほどでしょうか」
警棒を抜きつつ独りごちる
ダダダダダダダダダッ!
ノノミさんの制圧射撃やホシノさんが前線を上げていくことで一人また一人とヘルメット団が倒れていく
「これ私いりませんよね…」
出ようと思えば出れはするのだが、前に出ると斜線にかぶる可能性があり、特にノノミさんが掃射している現状で前に出るのは危険かつ必要性がありません
「銃は撃っても当たりませんし…」
そういえばセリカさんって思ったより弾のヒット率高いんですね。後でコツでも聞くことにしましょう
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「結局ほぼ何もせず終わってしまった…」
「敵の退却を確認!」
「ならびにカタカタヘルメット団の補給所、倉庫、アジトの破壊を確認!」
「これでしばらく大人しくなるはず」
「よ〜し、作戦終了。みんな、おつかれ〜」
「それじゃ、学校に戻ろうか〜」
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「おかえりなさい、みなさん、お疲れ様でした」
「ただいま〜」
「アヤネさんと先生も、オペレーター、お疲れ様でした」
「火急の案件だったヘルメット団が片付きましたね。これで一息つけそうです」
「そうだね、これでやっと重要な問題に集中できる」
「えぇ!これで心置きなく借金返済に取りかかれるわ!」
「ありがとう!先生、キリノさん!このご恩は忘れないわ!」
“…借金…ねぇ…”
え!?先生!?踏み込むんですか!?
「あっ、わわっ!」
「そ、それは…」
「ちょっ!ちょっと先生!」
先生の身体を引っ張ってから声を抑え話す
「借金って割とデリケートな問題ですよ!そんな急に踏み込んでいい問題じゃ…」
“ごめん、生徒が借金してるって事実がどうしても気になってね…先生として力になりたいんだ”
「うぐっ…」
正直に言えば、気持ちはかなり分かる
良くしてもらったし、シロコさんに至っては命の恩人です。力にはもちろんなりたい…
「それに…先生は言っても止まらないですよね…」
“ごめんね”
ある種諦めて、みなさんの方に向き直るとアヤネさんが口を開いた
「えっと…その」
「待ってアヤネちゃん!それ以上は!」
「え…」
「いいんじゃない?セリカちゃん、別に隠すようなことでもないでしょ」
「かといって、わざわざ話すようなことでもないじゃない!」
「別に犯罪をしたわけじゃないし、先生は私たちを助けてくれた大人だよ〜?」
「ホシノ先輩の言う通り、この人たちは信用してもいいと思う」
「いい人だとは思うけど、先生もキリノさんも部外者じゃん!」
やはりそうですよね、簡単に話せるような問題でもないでしょうし、こうなるのは必然ですよね…
「そりゃ、先生がパパーッて解決できる問題じゃないけどさ」
「話すだけならただでしょ?案外打ち明けたら、いい解決法が見つかるかもよ?」
「でっ…でも、さっき来たばかりの大人じゃない!今まで大人たちが私たちに手を差し伸べてくれたことあった!?」
「これは私たちが頑張って解決しようとしてきた問題よ!なのに今さら大人が首突っ込んでくるなんて…」
「私は絶対認めないから!」
ガラッ
「セリカちゃん!?」
「私、様子を見てきます」
「まぁ、簡単に言うとこの学校、借金があるんだよね」
「さっきの様子じゃ、知ってたみたいだけど」
「来る前に調べましたので、何円かまでは知りませんけど…」
「そうなの?まぁ、借金があるくらいなら、無くはない話なんだけど…問題はその金額でね」
「9億円くらいあるんだよね」
「“9億!?”」
「9億6235万円、です…」
「アビドス高校…いえ、私たち『対策委員会』が返さなければならない借金です」
「これを返さないと…私たちは廃校手続きをして…ここを去らないといけないんです━━━」
キリノは別に戦闘をサボったわけではないんですよ
私がめんどくさがったわけでもなくて…ほんとですよ?
うちのキリノは銃はほとんど抜かないので遠距離戦だとやることがなくってですね…