お互い闘志むき出しの笑みを浮かべながら見つめ合うリザードンとガブリアス。
すると
ジュン「シロナ・・・ここまでにしよっか。」
ジュンが、バトルを中断しようと言った。
シロナ「そうね。これ以上のバトルは無用ね。」
シロナもそれに同意し
ジュン「ああ。満足したか、リザードン?」
リザードン「リザッ!」
シロナ「ガブリアスも、満足した?」
ガブリアス「ガーッ!」
ジュン「互いに満足してるようだしな。」
シロナ「ええ。」
お互い、満足したかのような笑みを浮かべていた。
「もう終わりか・・・」
「もう少し見てみたかったなぁ・・・」
「そうだね・・・」
「けど、凄いバトルだったわね!」
「ああ!流石ダブルチャンピオンだぜ!」
周りも、バトルが終わった事への寂しさと興奮で包まれていた。
ヒカリ「ジュンさんのリザードン、以前シンジとバトルした時と比べて凄いキレのある動きとパワーをしてるわ・・・!」
タケシ「ああ、あの時も確かに鋭かったが、今回の方が遥かに鋭く、力強い・・・!」
タケシ「恐らく、これが本当の姿なんだろうな・・・」
ヒカリは、ジュンのリザードンが、以前シンジとバトルした時と比べて非常に動きが鋭いと言い、タケシも同様に感じた。
サトシ「こ、これが・・・シンオウダブルチャンピオンの本気の姿・・・」
サトシは、ジュンとシロナの本気の姿を生で見て、呆然と呟いた。
その時
サトシ「あっ!」
サトシの前に見たことある紫髪の少年が現れた。
サトシ「シンジ!」
シンジ「ん?」
その少年はシンジで、ジュンとバトルした少年だ。
サトシとは、あの日以来出会うや否やポケモンとの向き合い方でよく衝突しているのだ。
サトシ「クロガネジム以来だな。あれからバッジ幾つになった?」
サトシ「俺今2つだぜ!」
サトシは、今バッジを2つ手に入れたと言ったが
シンジ「お前に報告する必要は無い。」
シンジは相変わらずの尊大な態度で返した。
サトシ「何!」
ヒカリ「ちょっと!そんな言い方は無いんじゃないの!」
ヒカリは、シンジの態度に一言注意したのだが、シンジは無視し
シンジ「お久し振りです、ジュンさん。」
シンジは、ジュンに声をかけた。
ジュン「ん?」
ジュンは、声をかけられ振り返ると、シンジがいたので
ジュン「おお、シンジ君!久し振り!」
笑みを浮かべ、挨拶をした。
シンジ「お久し振りです。あの時のバトル以来ですね。」
シンジも、ジュンとバトルした時以来だと言った。
すると
「何だアイツ?」
「ジュンさんにバトルを申し込んだって・・・?」
「身の程知らずだろ・・・」
周りが、ジュンとバトルしたというシンジにざわつき始めた。
シロナ「ジュン君、彼は?」
シロナは、シンジを見るのは勿論初めてのため、誰なのかジュンに尋ねると
ジュン「シンオウに戻ってきた初日にバトル申し込まれてな。その時の相手が彼だったんだよ。」
ジュン「結果は、俺の勝ちだったんだけどな。」
ジュンは、シンオウに戻ってきたその日にバトルした相手だと言った。
「やっぱ負けたんだな・・・」
「そりゃあそうだろう。だってジュンさんだぜ・・・」
周りは、バトルの結果に当然だと言った。
シロナ「へえ・・・」
ジュンの説明を聞いたシロナは、シンジを見据えると
シロナ「私とバトルしたいの?」
バトルしたいのか尋ねた。
すると
シンジ「はい。」
シンジは迷い無く肯定した。
周りは
「ジュンさんに負けたにも関わらず今度はシロナさんにバトルしたいだなんて・・・」
「どうせ同じ結果になるに決まってるぜ・・・」
「ホントだよ・・・」
無謀だと言った。
シロナ「他のリーグを転戦してきたみたいね。」
ジュン「流石シロナ・・・気付いたか。」
シロナ「ええ。」
シロナは、シンジが他のリーグを転戦してきた事を見抜くと
シロナ「良いわ。その代わり、ポケモンセンターでこの子を回復させてからでも良いかしら?」
シンジの挑戦を受け入れたが、その代わりにガブリアスを回復させてからバトルする事を条件とした。
シンジ「構いません。」
シンジは、それで構わないと言った。
「ええ!?」
「シロナさんがバトルするってよ!?」
「一体どういう事だ?」
周りも、シロナが挑戦を受け入れた事に驚きを隠せなかった。
その時
ジュン「ん?サトシ君?」
ジュンは、サトシ達に気付き
サトシ「お久し振りです、ジュンさん!」
ジュン「久し振り。タケシ君とヒカリちゃんも!」
ヒカリ「はい!」
タケシ「お久し振りです!」
再会の挨拶をした。
ジュン「君達も、バトル見に行く?」
サトシ「はい!」
タケシ「見てみたいです!」
ヒカリ「お願いします!」
ジュンは、サトシ達もシロナとシンジのバトルを見て見たいと言ったので
ジュン「分かった。シロナ、彼らもバトル見たいって言ってるけど良いよな?」
シロナにバトルを見ても良いか聞いた。
シロナ「彼らは?」
シロナは、サトシ達についてジュンに尋ねると
ジュン「ほら、道中で話しただろ?ピカチュウと一緒にいるおもしれートレーナーと会ったって。」
ジュンは、シロナにサトシの事を言った。
シロナ「あなたがそうなのね。」
サトシ「はい!」
ジュン「んじゃあ、まずはポケモンセンターに行って回復してからだな。」
シロナ「そうね。」
そう言い、リザードンとガブリアスをモンスターボールに戻そうとするも
ガブリアス「ガーブ!」
リザードン「リザッ!」
リザードンとガブリアスは、互いの体を擦り寄せていたので
ジュン「ったく・・・」
シロナ「フフッ・・・」
ジュンとシロナは、苦笑を浮かべたのだった。
そして、すぐに声をかけ、モンスターボールに戻すと、一同はポケモンセンターに向かった。
そして、リザードンとガブリアスを預け回復した後、シロナとシンジはポケモンセンターの裏にあるバトルフィールドに立った。
因みにこの時、タケシは
タケシ「何と言う事だ・・・何と言う事だ・・・」
絶望感むき出しのオーラを出しながら四つん這いの姿勢で顔を俯かせていた。
その理由は、先程シロナとジュンに関係について尋ねた時、シロナはジュンの腕を取ってキスをし、それが答えだと分かったタケシはショックを受けたのだ。
加えて
ジュン「頑張れよ。」
シロナ「んっ・・・」
ジュンが、シロナに何か話しかけた後、頭を優しく撫でた時、シロナは擽ったそうにしながらも見た事ない程幸せそうな笑みを浮かべていたのを見て更に心に深いダメージを負ったのだ。
サトシ「元気出せよ、タケシ・・・」
サトシは、そんなタケシに声をかけていた。
そんな中
シンジ「使用ポケモンは、6体で良いですか?」
シロナ「結構よ。」
シンジは、シロナにフルバトルを申し込み、シロナは了承した。
その時、シロナは先程のジュンとの会話を思い出していた。
回想
バトルフィールドに立つシロナに
ジュン「シロナ。」
ジュンが声をかけた。
ジュン「彼だが、実力は確かだぞ。」
シロナ「そうでしょうね・・・それなりの実戦経験があるように感じたわ。」
ジュン「ああ。今日はどのポケモンを出すか分からんが、俺とバトルした時もどれもしっかり育てていたからな。」
ジュンは、シンジのポケモンはよく育てていたと言った。
シロナ「成程・・・でも、たとえ誰が相手でもどのようなポケモンを出そうとも関係無いわ。」
シロナ「全力を尽くして戦うわ。」
シロナは、ジュンからシンジについて聞き、たとえ誰でも全力で相手すると言った。
その表情は、まさにチャンピオンに相応しい凛々しくも力強い表情だった。
ジュン「お前らしいな。けど、頑張れよ。」
シロナの言葉を聞いたジュンは
シロナ「んっ・・・」
笑みを浮かべながらシロナの頭を優しく撫でたのだった。
回想終了
シロナ(恐らく本気を出していないとはいえ、ジュン君にあそこまで言わせるほどの実力なのね・・・)
シロナ(けど、私は私・・・いつも通り全力で楽しむわ・・・!)
シロナは、己の信念である勝ち負けよりバトルを全力で楽しむを改めて決意した。
「フルバトルだって・・・!」
「良い度胸だぜ・・・!」
「負けるに決まってんのに・・・」
そんな中、見物に来た周りの皆は、シンジのフルバトルでの挑戦に無謀だと鼻で笑った。
ヒカリ「すっかり悪役扱いね・・・」
ヒカリは、シンジに対するアウェー感を感じ
サトシ「シンジ・・・どのようなバトルを・・・」
ピカチュウ「ピィカ・・・」
サトシは、シンジがシロナにどのように挑むのか気になった。
ジュン「まあ、考え無しにアイツに挑もうとしたわけじゃねーだろうよ・・・」
ジュンは、シンジが何も考えずにシロナに挑戦を申し込んだ筈は無いと言った。
タケシ「使用ポケモンは6体!始め!」
そして、立ち直ったタケシの合図で始めると
シロナ「では始めましょう!天空に舞え、ガブリアス!」
ガブリアス「ガーブ!」
シロナは、初手にいきなりガブリアスを繰り出した。
サトシ「いきなりガブリアスか・・・!」
ジュン「おー、相変わらず容赦ねー・・・!」
ジュンは、シロナの本気度を察した。
これに対しシンジは
シンジ「ヒコザル、バトルスタンバイ!」
ヒコザル「ヒコーッ!」
ヒコザルを繰り出した。
これには
ジュン「ほぉ・・・?」
シロナ「ヒコザル?」
ジュンもシロナも、目を丸くし
「相手はドラゴンタイプとじめんタイプを併せ持つガブリアスだぜ!」
「態々相性の悪いほのおタイプを出すとはな・・・」
「一体何を考えてるのか・・・」
周りも、シンジの選択に色々言った。
シロナ「シンジ君。先攻をどうぞ。」
シロナは、シンジに先攻を譲り
シンジ「はい。ほのおのうず!」
ヒコザル「ヒコーッ!」
シンジは、ヒコザルにほのおのうずを指示した。
ジュン「へぇ・・・ほのおのうずか・・・」
ジュン(あれから鍛えたんだな・・・)
サトシ「ヒコザルはほのおのうずを覚えたのか・・・!?」
ヒカリ「でも、効果は今一つなんでしょ?」
とはいえ、ドラゴンとじめんタイプを併せ持つガブリアスには効果は今一つなのは確かであり
シンジ「あなをほる!」
ヒコザル「ウキキキキッ!」
今度は、ヒコザルにあなをほるを指示し、ヒコザルは地面に潜った。
しかし
シロナ「こちらもあなをほる!」
ガブリアス「ガーブ!」
シロナも、ガブリアスにあなをほるを指示した。
そして
ドカーン!
ガブリアス「ガーッ!」
ヒコザル「ヒコーッ!?」
地面からガブリアスが飛び出し、ヒコザルを突き上げた。
ほのおタイプのヒコザルに、じめんタイプの技は効果は抜群で
ヒコザル「ヒコッ・・・」
ヒコザルは戦闘不能になった。
タケシ「ヒコザル戦闘不能!ガブリアスの勝ち!」
ヒカリ「す、凄い・・・!」
サトシ「一撃だ・・・!」
サトシは、一撃で倒したガブリアスの強さを感じ
ジュン(態々相性が悪いヒコザルを出した理由は、特性を出して大ダメージを負わせたかったのか、それとも他に何かあるのか・・・?)
ジュンは、シンジが何故ドラゴンとじめんタイプを併せ持つガブリアスにヒコザルで挑んだのかについて、ヒコザルの特性は自身のリザードンと同様『もうか』であり、その『もうか』を発動させてガブリアスにダメージを負わせたかったのか、他の理由なのかを考えていた。
そんな中、シンジがヒコザルをモンスターボールに戻した時
シンジ「やはりこんなものか・・・」
と呟き
シロナ「・・・」
シロナは、少し眉間に皺を寄せ
ジュン(前から気になってたが・・・彼はあまりポケモンを大事にしてねーように見えるな・・・)
ジュンは、その一言でシンジはあまりポケモンを大事に扱ってないのを改めて感じた。
そんな中、シンジが次に出したのは
シンジ「マニューラ、バトルスタンバイ!」
マニューラ「マニュー!」
かぎづめポケモンであくとこおりタイプを併せ持つポケモン、マニューラを繰り出した。
ヒカリ「2番手はマニューラね・・・」
『マニューラ。かぎづめポケモン。樹木を氷の表面に鋭い爪で不思議な模様を刻み、仲間に合図を送る。』
ジュン「正攻法か・・・」
ジュンは、今度はシンジは堅実にガブリアスの弱点を突けるポケモンを繰り出したと感じ
シロナ「こおりタイプのマニューラなら、ガブリアスとの相性は良い。」
シロナ「正攻法を選んだわけね・・・」
シロナも同様だった。
シンジ「ふぶき!」
シンジは、マニューラにふぶきを指示し、マニューラはふぶきをガブリアスに繰り出した。
しかし
ガブリアス「ガーブ!」
シンジ「なっ!?」
サトシ「き、効いてない!?」
ヒカリ「ふぶきなら効果は抜群の筈よ・・・!?」
ガブリアスは殆ど効いておらず、シンジは勿論だがサトシ達も驚いた。
シロナ「ドラゴンダイブ!」
ガブリアス「ガーッ!」
そんな中、シロナは間髪入れずにガブリアスにドラゴンダイブを指示し、ガブリアスは、全身から青いドラゴンのオーラを身に纏わせながらマニューラ目掛けて突っ込んでいき
マニューラ「マ、マニュ・・・」
マニューラは、動くことが出来なかった。
サトシ「マニューラは何故逃げないんだ?」
ピカチュウ「ピィカ?」
サトシは、何故マニューラは回避の行動を起こさないのか不思議だった。
ジュン「強烈な殺気で相手を威圧しながら体当たりする技なんだよ、ドラゴンダイブは。」
ジュン「マニューラはそれに当てられちまったんだよ。」
ジュンは、ドラゴンダイブの技の特徴を説明し、マニューラは殺気で威圧され、動けなくなったのだと言った。
シンジ「ならばれいとうビーム!」
シンジは、回避が不可能ならとれいとうビームで攻撃を指示したのだが、回避され
ドカーン!!
マニューラ「マニュー!?」
ドラゴンダイブをまともに食らい
タケシ「マニューラ戦闘不能!ガブリアスの勝ち!」
マニューラは戦闘不能になった。
ジュン(ガブリアスの弱点であるこおり技で攻めるという選択は確かに間違っちゃいねーな。)
ジュン(だが、マニューラは特殊攻撃能力より物理攻撃能力に優れたポケモンだ・・・)
ジュン(加えて素早さも高く、それはガブリアスを凌ぐ。その2つの能力を活かして、こおりのつぶてか、れいとうパンチで攻めて行った方が特に確実だったかもな・・・)
この時ジュンは、マニューラの能力を活かすには、ふぶきやれいとうビームといった特殊技より、マニューラの素早さと物理攻撃能力を活かした攻撃、例えばこおりタイプの先制技であるこおりのつぶてか、物理技であるれいとうパンチを使って素早く攻めると言った戦法が、マニューラをより活かせるのではと思いながら見ていた。
そして、シンジはマニューラを戻すと
シンジ「ヤミカラス、バトルスタンバイ!」
ヤミカラス「ヤミ!」
くらやみポケモンで、あくとひこうタイプを併せ持つヤミカラスを繰り出した。
サトシ「ヤミカラスもゲットしていたのか・・・!」
ヒカリ「あれが、ヤミカラス・・・」
『ヤミカラス。くらやみポケモン。夜にその姿を見せると、不吉な出来事が起きると信じられている。』
シンジ「くろいきり!」
ヤミカラス「ヤミー!」
シンジは、ヤミカラスにくろいきりを指示し、繰り出すと
シロナ「躱して!」
シロナは、ガブリアスに躱すよう指示し、飛び上がって躱したガブリアス。
しかし、ヤミカラスは素早くガブリアスの背後に付き
シンジ「ゴッドバード!」
ゴッドバードを繰り出し、ガブリアスに向かって突撃した。
シロナ「ギガインパクト!」
これにシロナは、ギガインパクトを指示し
ガブリアス「ガーッ!」
ガブリアスは、全身から全ての力を集約したかのようなオーラを身に纏い
ドカーン!
ヤミカラス「ヤミー!?」
ヤミカラス目掛けて突撃し、衝突したが力の差でヤミカラスは戦闘不能になった。
タケシ「ヤミカラス戦闘不能!ガブリアスの勝ち!」
しかしシンジは、ヤミカラスを戻した時
シンジ「フッ・・・」
笑みを浮かべていた。
シロナ「・・・?」
シロナは、シンジのその笑みに疑問を抱くかのように眉間に皺を寄せ
サトシ「アイツ、何笑ってんだ?」
ヒカリ「3体とも、一撃でやられたのに・・・」
サトシ達も、劣勢であるにも関わらず笑みを浮かべるシンジに疑問を抱いた。
ジュン「ああ、成程ね・・・これがシンジ君の作戦か・・・」
その中でジュンは、シンジの作戦を読んだのであった。