紅い弓兵と戦姫 【凍結】   作:無機物

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予定ではもう少し早く投稿する筈だったのですが、色々と忙しく遅くなってしまいました。

あと、何人お気に入り登録してくれたかな~って思い確認してみれだ何とお気に入り数が90も! 読んで頂いた皆さまありがとうごさいます! そしてこれからもよろしくお願いいたします!


不満

 

死体の血生臭いが戦場に漂っている。その地で馬に跨がり、四人の護衛を率いれた一人の女性がいた。そんな彼女の心を不満な感情が満たしていた。彼女の名はエレオノーラ。それと同時に戦姫とも呼ばれている。

 

 

 

(幾つもの作戦を用意したのに、拙戦になると思っていたのに……どうして)

 

 

 

拙戦なると思い挑んだ戦いの終結は予想の真逆の圧勝だった。最初に打った策略で敵は総崩れ、あっという間に終わってしまった。本来ならば喜ばしいことなのだろうが彼女にとってはそうではなかった。

 

彼女は苦戦する拙戦を望んでいた。それをこうもあっさり裏切られたとなると不服でならなかった。

 

 

「ハァ……」

 

 

不満な余り、つい溜め息が出てしまう。誰か私に刺激を与えてくれる者はいないのか、そんなことばかり考えていた。

 

 

(こんな逃げる敵を背後から追撃するだけなんて。……つまらない、つまらな過ぎる)

 

 

視線を横にずらす。そこには自分を護衛する兵がいる。この兵の他にあと3人いる。その内の一人は彼女の身内。

兵の顔は仮面で顔は隠されて分からないが戦に圧勝したことに浮かれていることだろう。

 

 

(護衛などいなくても私は平気なのに……。リムめ余計な心配を)

 

 

今度は視線を上に上げ空を見る。空には黒い雨雲が漂っており、一雨降らしそうな雰囲気を見せていた。

 

 

(……天から降る雨が水ではなく。剣だったら面白かったのにな)

 

 

当然そんなことが本当に起きたら一溜まりもない。ただ、そんなことを思ってしまう程今の彼女は暇を持て余していた。

 

 

「……あるわけないかぁ」

 

 

視線を正面に戻す。

 

戦時中に下らないを考えている自分に気付き、引き締まっていた筈の顔につい綻びが出来てしまう。

 

 

(あぁ―――、空よ。私に最上級の刺激を与えてくれまいか……)

 

 

戦に圧勝しているとは言え、まだ終わっている訳ではない。彼女自信それはそれを忘れた訳ではないのだが、勝利を確信しているせいか余計な妄想をし過ぎていた。

 

 

 

 

 

 

そんな時だった

 

 

 

 

 

 

 

「――ッ!?」

 

 

突然真横から迫る何かを感じ取った。恐らくは矢。周りには死体だけ。弓兵による奇襲だと即座にそう判断した。

反射的に剣を抜き迫り来るものを防いだ。

 

 

「えっ―――?」

 

 

防いだ瞬間、ギンッ――と金属同士が衝突する鈍い音が鳴り響いた。剣から伝わってくる振動も鳴り響いた音も明らかに矢のものではない。どちらかと言えば剣と剣の衝突に近い音。

 

 

(一体何が起きた――――!?)

 

 

まさかと思い、自分が切って防いだと思っていた矢を見た。

 

 

「嘘……!?」

 

 

そこに矢は無く、代わりに一本の剣が宙に舞っていた。つまり今防いだのは矢ではなく剣。その剣は結晶の様に砕けると、瞬く間に消えた。彼女は何が起きたかさっぱり分からなかった。

 

 

「一体何がどうなっている……!?」

 

 

剣を矢の様に射る事など出来る筈がない。しかし、それは今実際にの前で起きて、自分はその的になって襲撃されたのだ。自分を襲った得体の知れない襲撃者に恐怖を覚えた。

 

そして、同時にもう一つ別の感情も芽生えた。

 

剣が飛んできたと思われる方を見る。その視線の先には、遠くに一人ポツリと立つ人影が見えた。距離は1キロは確実にあるだろう。そのせいでその人影が男なのか女なのかも、自分を襲った者なのかも分からない。

だが、彼女の直感があの人影が自分を襲った弓兵だと告げている。

 

 

「ハッ!」

 

 

咄嗟に馬を走らせ、自分の持つ『竜具』の力で風を起こし馬の走る速さを加速させた。

 

 

「エレオノーラ様ッ!?」

 

 

人影へ向かう途中、後ろから自分の行動を止めようとする声が聞こえたが、止まることはなかった。彼女に芽生えたもう一つの情、好奇心が彼女の心を支配していたからだ。

 

 

 

 

走り始めて200程距離を縮めたが、追撃は来ない。いつ何がきても対処出来るように神経を研ぎ澄ます。

 

(……何故撃ってこない? 何か企んでいのか?)

 

 

 

更に300縮めた。まだ追撃は来ない。弓兵は紅い服を着ていた。

 

(……紅い弓兵。そんな弓兵今まで見たことも聞いたこともないぞ? 況して剣を飛ばす弓兵など……)

 

 

 

700程距離を縮めた。それでも追撃は来ることなく、弓兵は男であることが分かった。

 

(何故何もしてこない、罠か? いや、敵は既に戦線から殆どが離脱している。それは有り得ない)

 

ならば何故なのか、考えても全く分からない。目の前の弓兵の存在が更に得体の知れないものになっていく。

 

 

 

一キロあった距離も残り僅か。それでも弓兵は何もしてこなかった。これは弓兵に戦う意思がない事以外に考えられなかった。得体の知れない弓兵が今何を考えているのか気になってきた。

 

(奴が何者だろうと関係ない。私はお前が欲しくなったぞ弓兵!)

 

弓兵に近づくにつれ、あの弓兵を手に入れたいと言う欲が増していく。この時既に、彼女が最初に感じた恐怖は完全に消えていた。

 

 

 

弓兵の元までたどり着いた彼女は手に持った剣を弓兵へと向けた。

 

 

「お前、名前をなんと言う?」

 

 

剣を向け間近で見た弓兵の顔は、どこか笑っているように彼女には見えた。

 

 




こんな感じで今回はエレン視点で書いて見ました。次回からはエミヤ視点に戻して書きます。それでは感想、改善点などお待ちしております
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