静止の月に花開く   作:Mr.♟️

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るーるるらー


1話

「ドアが大きすぎる」

 

そう呟いて、僕は一年B組のプレートを見上げた。深く息を吸い込む。吸い込んだ空気はどこか新しい匂いがして、僕の肺を少しだけ引き締めた。手をかけたドアは大きさに対して、思っていたよりも軽く予想よりも静かに開いた

 

朝の光が差し込む教室の中には、すでに何人かの生徒が着席していて、それぞれが会話を始めていた。初対面らしい緊張感がありながらも、思い思いに動き出している。僕もその空気に乗って一歩を踏み出し、黒板に貼られた座席表に目を走らせる

 

(あった、窓際の一番後ろ)

 

いい席だ、運が良い。静かに歩いていき、自分の席にカバンを置いた。腰を下ろしながら、隣の席に視線を向ける。そこにはすでに女の子が座っていた。ゆるくウェーブがかかった艶やかな髪、整った顔立ちにどこか芯の強さを感じる瞳。僕が見ていることに気づいたのか、彼女は自然な笑みを浮かべてこちらに言った

 

「そんなに見つめられると照れるよ?」

 

まだそんなに見つめてない。とりあえず、視線を少し逸らして謝った

 

「ごめん、ぼんやりしてた。僕は花月雫。よく女の子みたいな名前って言われる。よろしくね」

 

「取蔭切奈。私は名前と個性が合ってるって言われるかな〜」

 

綺麗な笑顔と、柔らかな空気。会話を始めてすぐにわかった。取蔭切奈は、場の緊張を自然に溶かしてしまうコミュ強だ。人との距離の詰め方がうまい、空気の作り方が上手い。ああ、こういう子がクラスの中心になっていくのかもしれない――そんな予感がした

 

「どっから来たの?」

 

「東京」

 

「へぇ、うちも似たようなもん。電車混んでなかった?」

 

「混んでた。しかも、隣に香水のきつい人がいて.....少しだけきつかった」

 

「うわぁ、それは大変だったね」

 

そんな他愛もない会話を交わしているうちに、教室の人数がどんどん増えていく。出入り口が開くたびに、これからの3年間を共に過ごす同級生たちが判明する。高校では友達出来たらいいなぁ

 

 

 

 

 

 

「雫って可愛い名前だね、って言われるの嫌?」

 

「褒め言葉なら否定しないようにしてる。どっちでもいいかな」

 

「そうなんだ、なんかいいね。寛容で」

 

「取蔭の方こそ、切奈ってかっこいい名前だと思うよ。かっこいいって言われるのは嫌かな?」

 

「──褒め言葉なら否定しないようにしてる。どっちでもいいからね」

 

「そうなんだ、なんかいいね。心が広くて」

 

お互いに顔を合わせて笑った。教室内もほのぼのとした空気が流れている。話していて楽しい

 

 

 

──そのとき、ガラッと扉が開く音が聞こえた。自然と扉の方へ視線を向ける

 

「あ、」

 

思わず声が出た。教室に入ってきたのは、あの少女だった。無表情でもわかる綺麗な顔、整った黒髪のボブカット。仮想敵ロボをとりあった名前も知らぬ女子。僕が密かに『泥棒猫』と心のなかで呼んでいた女子

 

(合格してたんだ)

 

彼女はこちらに気づいた様子もなく、黒板を見てから静かに自分の席へと向かっていった

 

「知り合い?」

 

取蔭が小さく問いかけてくる。知り合いというほどのものではない。僕が一方的に覚えているだけだ

 

「入試の試験会場で同じだった。向こうが覚えてるかは知らないけど」

 

やがて、担任の教師が入ってくる。担任はプロヒーロー、ブラドキングみたいだ。プロが担任となることに一瞬沸き立ち、すぐさまブラドの注意で教室が静まる。緊張と期待が、全員の背筋を正すように伝染していく。流石プロヒーロー、緩んだ空気を引き締めるのが上手い

 

 

 

「これから入学式とガイダンスが行われる!入学してから初めての行事だ。花月雫、新入生代表挨拶があるからと言って気負いすぎなくてもいいからな!さあ、まずは廊下で並んでから体育館γに向かうぞ!」

 

ブラドキングの低い声が教室に響き、僕達は一斉に立ち上がる

 


 

「新入生代表ってすごいじゃん」

 

取蔭の褒め言葉に、花月は小さく肩をすくめただけだった

 

「運が味方してくれただけだよ。運を活かせる実力があったから生まれた結果だけど」

 

新入生代表は入試試験の首席が務める。花月の入試試験の成績は敵ポイント59、レスキューポイント30の合計89ポイント。花月が知ることがないが、爆豪と競り合っての首席である

 

「かっこいいこというね」

 

そう言って、取蔭は楽しそうに笑った

 

 

廊下に出ると、すでに何人かが並び始めていた。列は出席番号順。僕は前の方だったので、自然と先頭近くに立つことになる。背中にじわりと視線を感じる。でも気にしないように、真っすぐ前を向いた

 

そのとき、不意に背後から声をかけられた

 

「──花月くん、だよね」

 

振り返ると、そこにいたのは――小大唯だった。無表情だが、瞳だけはまっすぐ僕を見ている。いや、なんで

 

「うん。そういう君は小大唯さんだよね、黒板にあった席順の紙で名前を見たよ」

 

小大は頷き、一拍だけ間を置いて短く言った

 

「入試のとき、助けてくれてありがとう」

 

覚えてたんだ。気にしなくてもいいのに。わざわざお礼を言うなんて、律儀だね

 

「覚えてたんだ。気にしなくていいよ、僕が勝手にやったことだから」

 

「忘れるわけない」

 

彼女はそれ以上なにも言わず、すっと列に戻っていった

 

(──求めてたわけじゃないけど、お礼を言われると嬉しい)

 

短いやりとりだったけど、それだけで充分だった

 

「私語を慎め!整列中もヒーローとしての心構えをもつんだ!」

 

ブラドキング先生の声が飛ぶ。緊張と期待が入り混じる空気のなか、生徒たちは足音を揃えて体育館γへと向かう。体育館に入ると、サポート科や経済科、普通科は揃っていた。あと来ていないのはヒーロー科A組だけ。クラスごとに指定された位置に整列させられる。

 

A組がこないまま、入学式が幕を開けた

 

 

A組が来ない状態で始まった入学式だが、進行自体はつつがなく行われている。もうそろそろ、新入生代表挨拶だ。緊張する

 

 

 

 

 

 

 

『新入生代表、花月雫による挨拶』

 

名前が呼ばれた。壇上に向かって一歩、また一歩と進む。マイクが近づくたびに、周囲の視線の重さを肌で感じた。

 

(緊張する必要はない。落ち着いて話せばいい)

 

そう自分に言い聞かせるのに、靴音ばかりがやけに響いて、余計に胸が騒いでくる

 

壇上に立ち、マイクの前に到達した瞬間、僕は深く一度だけ息を吸った。そして、言葉を紡ぐ

 

「私たちは今日、ヒーローになるための第一歩を踏みだし───」

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄英高校で、私は学びたいと思っています。戦い方だけでなく、自分を知る方法を。向き合い方を。それがきっと、誰かの支えになれる“ヒーロー”という存在に、つながっていくと信じています」

 

「雄英高校で過ごす時間が、私たちにとって意味のある日々になるよう精進いたします──ご静聴ありがとうございました」

 

一拍の静寂。そして、拍手の音が広がった。あの音が、自分の言葉を受け取ってくれた証拠のように思えて、胸がじんわりと温かくなった。マイクから静かに離れて、列へと戻る道を歩く。ほんの十数歩なのに、緊張の糸がほどけて、足元がやけに軽く感じた

 

 

 

途中、視線を感じてそっと横を向くと──取蔭がこちらを見ていた。ふわりとした笑みを浮かべて、唇が音を持たずに動く

 

『──かっこよかったよ』

 

僕はわずかに笑って頷いた。ありがとう、と心の中で呟きながら

 


 

入学式と数十分のガイダンスを終えると、教室内には解放感のような空気が漂い始めていた。教師の姿はすでになく、生徒たちは各々帰り支度を整えながら、慣れない制服の襟を正したり、隣の席の者と会話を交わしたりしている。花月雫もまた、鞄に教材を収めつつ、静かに腰を上げかけたところだった。そのとき、隣の席から軽やかな声がかかる

 

「ねえ、花月くん」

 

声の主は取蔭切奈。椅子にもたれながらこちらを覗き込むように微笑んでいる。手にはすでに鞄が下げられていた

 

「なに?」

 

花月は首を傾げる

 

「このあと、ちょっとカフェ行かない?」

 

予想外の誘いに、花月は一瞬だけ眉を上げた

 

「なんで?」

 

疑問がそのまま口をついて出る。彼にとって、放課後に誰かと出かけるというのは、やや縁遠い行動だった。それが女子と2人となれば尚更。取蔭はその反応を気にした様子もなく、あっさりと続ける

 

「うん、この後ね、何人かで集まろうって話になっててさ。メンツは拳藤さんと塩崎さんと、それから柳さん。女子だけなんだけど、花月くんも来ない?」

 

(あっぶな、2人だと勘違いしてた。どちらにしても、なんでって感じだけど)

 

その言葉に合わせて、取蔭の口元にいたずらっぽい笑みが浮かぶ。花月は再度首をかしげる

 

「女子だけの空間に、僕が?」

 

「気にしなくていいのいいの、他の男子にも声かけたけど捕まらなかっただけだから」

 

取蔭は気軽に言いながら立ち上がると、制服の裾を軽く整えた。その仕草が妙に自然で、誘い慣れている印象を与える。花月は一拍おいてから、視線を窓の外へ向けた。午後の光が教室の中に差し込み、春の柔らかい気配を残している

 

(せめて、他にも男子がいてくれたら行きやすいんだけど)

 

ただ、今日という一日が始まりの日であることを思えば、この誘いもまた、なにかのきっかけになるかもしれない。それに、友達も作りたい。そう考えて、彼はゆっくりと口を開いた

 

「──誘ってくれてありがとう。少しだけなら」

 

「やった!じゃあ決定ね」

 

取蔭は嬉しそうな笑顔を浮かべ、背後の廊下に目を向ける。その視線の先には、すでに集まっているらしい拳藤一佳と塩崎茨、そして柳レイ子の姿があった。三人とも制服姿のまま、話しながらこちらをちらちらと見ている。拳藤は誰にでも分け隔てなく話しかけそうな明るさを持った笑顔を浮かべており、塩崎はその隣でやや控えめながらも柔らかく頷いている。柳は二人の後ろで少し距離を取りつつも、覗くように視線をこちらへ向けていた

 

「花月くん、行こう」

 

そう促されて、花月は鞄を手に取った。取蔭と並んで教室を出る。扉の前では拳藤が軽く手を振って出迎えた

 

「今日の挨拶、すっごく良かったよ!」

 

「ありがとう」

 

同級生に正面から褒められると照れる。そんな気持ちを抑えながら、済ました顔で花月はお礼を述べた

 

「それじゃ、駅前のカフェでいい?」

 

取蔭が全体を見回して確認すると、4人とも頷いた。自然と足が揃い、五人の列が昇降口へと向かって歩き出す

 

 

 

 

 

 

目的のカフェはこぢんまりとした雰囲気の店で、窓際には四人がけのテーブルがいくつか並んでいた。幸いにも奥の空いていたテーブルにすんなりと通され、五人は自然な流れで席に着く。柳と取蔭が隣同士、花月はその向かいに座り、塩崎と拳藤がそれぞれその両脇に位置する形だった。真ん中に座ってしまった花月は後悔中である

 

メニューを開きながら、誰からともなく注文を選びはじめる

 

「チョコパフェって学生っぽくない?いいよね、こういうの」

 

「学生っぽい....?学生っぽいのかな?」

 

拳藤が楽しそうに言い、よくわからぬ花月が疑問を口に出す。注文を終えたメニューをテーブルに戻した。会話はひと段落して、ゆっくりとした時間が店内に流れ出す。

 

「──そういえば、みんなの個性ってどんな感じなの?」

 

少し気になったので僕がなんとなく水を向けると、取蔭がスプーンを指先で回しながら笑った

 

「聞いちゃう?じゃあ、自己紹介がてら話そっか。私は【トカゲのしっぽ切り】。体をバラバラにして、分離したまま動かせるの。空中浮遊もできるよ」

 

「.....バラバラに?」

 

「うん、最大で50パーツくらいまでいける。目だけ飛ばして偵察とか、口だけで会話とか、わりと便利なんだよ〜。でも、パーツを増やすと体力消耗するから、あんまり乱用はしないけどね」

 

想像以上にトリッキーな個性だった。僕は軽く目を見開いてしまう

 

「へぇ、すごいね。かなり応用が効きそう」

 

「うん、よく言われる。でも使い方次第かな。花月は?」

 

「【静止】っていう個性。視界に入ってる対象を止められるんだ。生き物も物も。誰が相手だろうと関係ない。ただ、視界が途切れたら解除される」

 

「視線じゃなくて視界なるほど、めちゃくちゃ相手にしたくないタイプだわ。じゃあ、近接型の個性だと、花月に勝つのは難しそうだね」

 

拳藤が感心したようにうなずいた

 

「私は【大拳】。拳を巨大化できるの。だいたい、小柄な子一人をすっぽり包めるくらいまでならいけるかな。攻撃にも防御にも使えるし、空手やってるからパンチはわりと自信あるよ」

 

単純な個性故に、技術と組み合わさると相当強い個性だ

 

「強個性とは言い難いけど、拳藤の技術が合わされば化けそうだね」

 

「え、うん。ありがとう。化けるなんて初めて言われたよ。塩崎の個性はどんなの?」

 

少し戸惑いながらも、拳藤は笑顔を浮かべた。弱個性寄りなのは理解しているし、強個性だと気を遣われるよりは全然いい。むしろ、今まで言われたことのない言葉に嬉しさを感じていた

 

「私は【ツル】です」

 

静かに口を開いた

 

「髪の毛をツルのように伸ばして動かせます。伸縮も切断も可能で、切り離した髪も操作できます」

 

「自由度が高い個性だね。でも、操作が難しそう」

 

「そうですね、幼い頃は苦労しました。ですが、今は思いのままです」

 

塩崎からすれば事実を述べているに過ぎないが、堂々と自信に溢れている姿は誰が見てもかっこいい。相当努力したんだろうと4人は思った

 

次に僕は柳に視線を向けた

 

「柳は?」

 

彼女はほんの少しだけ目を伏せて、それから静かに口を開いた

 

「【ポルターガイスト】。身近なものを動かせるの。だいたい、人ひとり分の重さまで」

 

「重さ制限ありってこと?」

 

「うん。でも、重量内なら複数動かせる。浮かせるのも、回すのもできる」

 

「すごいね、汎用性が高い個性だ。羨ましい」

 

「派手なことはできないけど、この個性が好き」

 

 

 

「全体的に応用力が高い個性が多いね」

 

僕が思わずつぶやくと、切奈がにっと笑った

 

「だよね。どれも個性的でさ、うまく組めばチームでも戦えそう」

 

「確かに、それこそ花月の個性とかペア戦だと最強のサポーターにならない?敵を止めている間に私が殴る」

 

「敵は怖いだろうね。もし、ペアでの戦闘授業なんてのがあるなら楽しみだよ」

 

話が一段落ついたところで、タイミングよく店員さんがパフェやドリンクを運んできた。テーブルの上が一気に華やかになる

 

僕はホットコーヒーとワッフル、取蔭はストロベリーパフェ、拳藤はチョコパフェ、塩崎は抹茶ラテとサンドイッチ、柳は紅茶とチョコサンデー

 

「あっっ」

 

僕が熱々のコーヒーに攻撃されると、全員がつられるように笑った。熱すぎるよ...

 

 

 

 

 

(──ああ、勇気を出して今日は来てよかった)

 

こうしてクラスメイトと放課後集まって楽しく過ごせることが、僕はすごく嬉しい

 

「明日からの学校、ちょっと楽しみになってきたかも」

 

僕がふと漏らすと、切奈が軽くスプーンを回しながら笑った

 

「うん、私も。明日もまた話そうね」

 

その言葉に、僕は素直にうなずいた。

 

「──うん」

 

テーブルに広がる甘い香りと笑い声。それは、雄英での最高の同級生たちとの、優しい幕開けだった

 


 

『暇人の皆さんようこそ。【Mr.サイレント】です』

『今日は生放送の予定はなかったけど、嬉しいことがあったので配信します』

『それと、これからはなるべくコメントにも反応するよう頑張ります』

『それで、今日あった嬉しいことですが───クラスメイトとカフェに行きました。僕が、ですよ。すごく楽しかった』

 

よるのネコ【いきなりカフェってすごくない?仲良くなれそうな人いたの?】

 

『いたかな。まだよくわからないけど、話してて楽しかった』

 

寝る前だけ元気【緊張しなかった?僕だったら黙っちゃう】

 

『最初は緊張してた。でも、途中からは平気』

 

すみっこ在住【何人くらいで行ったの?大人数?男子?女子?】

 

『5人。僕以外は女子だった』

 

しろいカフェオレ【カフェってオシャレ系?それともチェーン店?】

 

『個人店かな?こぢんまりしたとこ。落ち着いてて静かだった』

 

こども会長【話、弾んだ?】

 

『うん』

 

恐竜好きJK【配信で話したら、クラスメイトも見てるんじゃないの?】

 

『誰も配信について触れてこなかったから、たぶん誰も僕のこと知らないと思う。だから大丈夫』

 

ふわふわしーぷ【中学の時は友達いないって言ってたのに、友達できてよかったね】

 

『ありがとう。友達って、まだ自信を持って言えないけど、なれたらいいなって思ってる。中学のときは、そういう相手はいなかったから』

 

逆に寝れない【楽しそうで良かった】

 

『楽しかった』

 

眠気マックス【楽しかった?】

 

『うん、楽しかったから誘ってくれたことに感謝してる』

 

みずいろあんこ【雰囲気的にどんな感じの人たちだったの?静か系?にぎやか系?】

 

『いろんなタイプがいた。静かな子も、明るい子も。だから、ちょうどいいバランスだったかも』

 

のぞみスコープ【サイレントって名前だけど、話すの苦手ってわけじゃないよね?】

 

『苦手じゃないけど、得意ってわけでもない。タイミングとか間とか、考えすぎて黙っちゃうことはある』

 

ポッケの砂糖【また行く予定あるの?】

 

『予定はないけど、行けたらいいなとは思ってる』

 

もちの気持ち【誰か一人だけ印象に残った人とかいた?】

 

『みんな同じくらいかな』

 

なまけもの番長【自分から話しかけた?それとも話しかけられた?】

 

『ありがたいことに話しかけてもらえた。たぶん、自分からは無理だったと思う。帰ろうとしてたし、僕は』

 

もちの気持ち【その中で一番かわいいのは誰?】

 

『基本的に顔の話はしない主義。でも、みんな可愛かったよ』

 

おにぎり未遂【恋愛フラグ立った?】

 

『立ってない。というか、恋愛ってそんな簡単なものじゃないでしょ』

 

マルチビタミン【でもさ、5人中4人女子でしょ?誰か好きになったりしないの?】

 

『してない。今はただ、話せる人がいることが嬉しいだけ』

 

クチが悪いだけ【どうせリア充になってくんでしょ、裏切ったな】

 

『別に裏切った覚えはない』

 

夜ふかしパンダ【いつか誰かと付き合ったら教えてくれる?】

 

『そんな未来があるとは思わないけど、仮にそうなったとして言うかはわからない』

 

青信号が怖い【そもそもクラスに女子多いの?】

 

『そうでもない。たまたまそのメンバーだっただけ』

 

ゆれるうさぎ【カフェで誰と一番話したの?】

 

『話した量で言えば....たぶん、隣に座ってた明るい子かな』

 

シーソーな毎日【その子、気になる存在だったりする?】

 

『そんな感じじゃないよ。普通に、話しやすかっただけ』

 

おふとんの民【誰かにドキッとした瞬間とか、なかった?】

 

『なかった。いや、笑顔が綺麗だなとは思ったよ』

 

シャープえんぴつ【その場に好きなタイプの子はいた?】

 

『好きなタイプって言えるほど、まだみんなのこと知らないから──今はノーかな。内面が大事だと思うんだよね』

 

しゃべり下手でも恋したい【恋人できたら、リスナーに言ってくれる?】

 

『言うかはわからない。さっき似たような質問があった気がする』

 

寝ぐせにゃん【てかさ、そのカフェってデートっぽい雰囲気じゃなかったの?】

 

『いや、みんなで行っただけだよ。そういう空気じゃなかった』

 

さめざめした魚【リア充アピールですか?】

 

『嬉しかったことを正直に話しただけ』

 

バズ狙い失敗マン【おまえ、最近丸くなった?】

 

『よくわからない。自分では変わってないと思うけど』

 

ガチ恋警報【サイレントが誰かと付き合ったら、立ち直れない自信ある】

 

『気持ちは嬉しいよ』

 

つまようじ戦士【花月くんって告白されたことある?】

 

『告白のような脅しを受けたことはあるよ』

 

マウントとりたいだけ【どうせ陰キャ演じてる陽キャでしょ】

 

『どうだろう、別にそういう定義付けしてないからわからない』

 

昼夜逆転委員会【もし恋人できたら、配信減る?】

 

『減らさないと思う』

 

笑わない猫【その場に誰か「特別に気になる人」とかいたんじゃないの〜?】

 

『そういうのはなかったよ』

 

アーモンドの叫び【カフェで隣に座ったの誰?】

 

『誰って言われても、答えにくいね。明るい子と大人しめの子』

 

ちょい闇こじらせ中【笑顔がかわいい子とかいた?】

 

『みんな素敵な笑顔だったよ』

 

ほめてのびたい【好きになったら自分から言うタイプ?】

 

『どうだろう。言えるような勇気が持てたら、いいな』

 

ガム踏んだ日【高校生っぽくて安心した】

 

『ありがとう。なんだか、今日は恋愛関連のコメントが多いね』

 

毎日金欠【カフェ代はワリカン?おごり?】

 

『ワリカンだよ』

 

いろえんぴつバラバラ【気まずい空気とかになったら、どうするタイプ?】

 

『誰がその空気を作ったかによるけど、黙るか話題を変える』

 

とろろ好き【80万人おめでと】

 

『うん、ありがとう』

 

モノクロラムネ【正直、一人で帰った方が楽だったなって思わなかった?】

 

『思わなかった。また行けたらいいなって思ってたくらい』

 

手のひら太陽【好きになったら独占欲強そう】

 

『そうかな?あんまり、イメージできないかも』

 

 

『というわけで、今日は嬉しいことがあったから話してみました』

 

『もしかしたら、また何気ないことで急に話したくなるかもしれないけど──そのときは、よろしく』

 

『それじゃあ今日はこのへんで。おやすみなさい、暇人のみなさん』

 


 

Bクラス生徒(出席番号順)

 

泡瀬 洋雪

 

円場 硬成

 

回原 旋

 

花月 雫

 

拳藤 一佳

 

黒色 支配

 

小大 唯

 

小森 希乃子

 

塩崎 茨

 

宍田 獣郎太

 

庄田 二連撃

 

心操 人使

 

角取 ポニー

 

鉄哲 徹鐵

 

取蔭 切奈

 

吹出 漫我

 

凡戸 固次郎

 

骨抜 柔造

 

物間 寧人

 

柳 レイ子

 


 

落ち着いてる制服柳レイ子

 

 

【挿絵表示】

 

 

きゃわいい制服塩崎さん

 

 

【挿絵表示】

 

 

 




なぜクラスメイトが見ていないと思っているんだ
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