真紅の稲妻の帰還/プランBの二人   作:黒月乃沙鵺子

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一週間に一話くらいのペースで書けたらいいな。


『トゥエルブ・オリンピアンズ』VS『ARK』その1

 ビームライフルの光線が宇宙空間を引き裂いていく。

 現在、サイド6周辺の宙域でクラン『トゥエルブ・オリンピアンズ』と『ARK』のMSが対峙していた。

 一方は白兵戦を、もう一方は遠距離での撃ち合いを繰り広げていた。お互いにMAVから引き離され、一対一での戦闘を余儀なくされていた。

 

「このプレッシャー、もしや赤い彗星なのか!?」

 

 『トゥエルブ・オリンピアンズ』に所属するコダマ・ウィラードは、敵MS――真紅のゲルググ――のコンバットマニューバの鋭さに思わず呟いた。

 ウィラードは自身の乗るバーザムを必死に振り回している。バーザムは地球連邦軍の次期量産機……その試作MSだ。

 頭部からトサカ状のブレードアンテナが伸び、モノアイのカメラが頭部に備わっている。

 カタログスペックではゲルググを上回るMSである。

 だが、ウィラードのバーザムは真紅のゲルググに翻弄されている。

 

「俺は赤い彗星じゃない」

 

 ゲルググのコックピットで、ジョニー・ライデンは呟く。ウィラードとは無線通信で繋がってはいない。

 高速で機動しながら、ジョニーはビームライフルの照準をバーザムに合わせる。

 真紅のゲルググのビームライフルがバーザムの頭部を掠める。

 

「死ねよや!!」

 

 ウィラードはお返しとばかりにバーザムのビームライフルを乱射する。照準は荒い。牽制射撃だ。それをゲルググは全速で進みながら、避ける。バーザムは全速でゲルググから逃げている。このままではゲルググのパイロットがバーザムの機動を把握し、撃墜は免れない。

 

「だからさ。俺はシャア・アズナブルじゃない。ジョニー・ライデンだ」

 

 真紅のゲルググのコックピットで、ジョニー・ライデンは吐き捨てた。

 ウィラードの独り言が聞こえたわけではない。

 このゲルググの色と動きを見て、相手は自ずとシャア・アズナブルを思い浮かべるだろうと、ジョニーは思っただけだ。

 

「俺はガンダムに乗ったことなんか一度もないのに、どうして他人はシャアと勘違いするんだ?お前はどう思う?オリベ少尉」

 

 ジョニーは無線機でMAVに呼びかける。

 

「はいッ!?何でしょうか!?」

 

 エグザベ・オリベ少尉は敵バーザムのツイン・ビーム・スピアと鍔迫り合いを行いながら、返事を返す。返事を返すが、目の前の敵機に集中力を注いでいたためにジョニーの話を上手く聞き取れていなかった。

 エグザベに相対するバーザムの頭部はV字型のブレードアンテナを持ち、ガンダムのような頭部に換装されていた。六つの眼を持つ異形の顔だ。

 

「俺ってシャア大佐と似ているか?」

「色は似ているんじゃないですか?」

 

 エグザベのゲルググは、シールドからミサイルを発射する。

 相対するバーザムはツイン・ビーム・スピアを振り回しミサイルを破壊していく。

 実力伯仲。クランバトルは殺し合いではないが、既にお互いは殺しを前提としての戦闘を行っていた。

 実力が近しい相手を殺さずに無力は不可能。お互いにそう割り切っていた。

 

「アイツのカラーはピンクっぽいだろ」

 

 ジョニーはエグザベに返す。

 ウィラードのバーザムは逃げつつ、エグザベに接近していた。

 バーザムの肩がエグザベのゲルググの腰にぶつかる。ゲルググは吹き飛んでいく。

 

「うああああ!!」

「何吹き飛ばれてんだよ。ニュータイプだろ」

 

 ジョニーは飽きれる。実際にMS同士の戦闘ではしばしば白兵戦が発生し、そのいくらかは体当たりだ。

 体当たり自体には戦闘を決着させるほどの殺傷力はない。だが、MSの体勢が崩れてしまい、危険な状態になってしまう。

 

「アン!!交代だ!紅いのを任せる!!」

 

 ウィラードはもう一機のバーザムにビームライフルを投げる。

 ツイン・ビーム・スピアを持ち、ガンダムの頭部を持つバーザムには強化人間が乗っていた。その強化人間はアン・ムラサメと呼ばれていた。

 

「承知!!槍はおいておくよ!」

 

 ウィラードとアンは互いの得物と相手を交代した。

 

 

 一体如何にして、この戦いが始まったのか。

 それはジークアクスがマチュの手に渡るよりも時を遡る必要がある。

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