追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい   作:流石ユユシタ

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第12話 黒と白の混合

 魔物念話、と言うスキルがある。これは一定のモンスターと思念を交わす事ができると言うスキル。

 

 

 

 

 これは主人公であるシエラのスキルの1つである。

 

 

【農民厄災だからと追放された私、実は【豊穣の女神】でした~スキル覚醒で世界を救います!~】

 

 

 のアニメでは確か、第3話、サリアの町についてから数日が経過してから覚えるはずだったスキルだ。

 

 

 しかし、彼女はすでにスキルを獲得してしまっている。スキルって、急に現れたり、急に進化したり、アニメでも唐突に得たりする場面はあった。

 

 だけども、流石に魔物念話を得るのが早すぎた気がするけども。

 

 

 スキルを得たり、成長をする際って何らかの条件があったか。あぁ、そう言えば感情の昂りが条件であったみたいなのは描写としてあったようだ。

 

 俺自身はあまり、そう言う感情でスキルが上がるとかは信じていないし、経験上も起こった事がない。

 

 だが、主人公となると話が変わってくるのかもしれない。

 

 

 だとすると、一体全体何が影響でスキルが上がったのだろうか。感情が原因というならその感情を動かした要因が知りたい所だが……はてさて、なんだろうか。

 

 

「ミクスさん、今日はどのような依頼ですか?」

 

 

 おっと、町の外で歩いているときに考え事をやり過ぎるのは良くないな。

 

 

 さて、現在はサリアの町から西に向かった場所にある、【清き森】と言われる場所に向かっている。

 

 ここに向かう途中、アニメでも大きなイベントが1つある。

 

 

 それはブラックフォックスのアルビノ個体との出会いだ。ブラックフォックスとは本来、黒い毛並みを持っているのだが、アルビノと言うだけあって白い毛並みを持っている個体がいる。

 

 それがこの先にいるのだが、どうやら毛並みが違うことで同族から仲間ではないとされ、追い出されてしまったらしいのだ。

 

 

 シエラはそんなブラックフォックスと自分を重ねる事になった。そして、そのフォックスはメスであり、同性で初めての友達を得ることになる。

 

 

 後に、ホワイトと名付けられるのだがまぁ、この子の存在がだいぶシエラにとっては大きな存在なのだ。境遇が似ている、ということもあり打ち解け、友達としてずっと心の支えになっていた。

 

 

 俺としても同性の友達は彼女にはあった方がいいだろうと思うしな。それに宿屋の部屋はそれなりに大きいし、すでに狐が1匹住んでいる。もう1匹増えた所で変わりないのだ。

 

 

 

 

 

「清き森に行って、そこにある湖の清水採取の依頼だ」

「清き森ですか。はい! 分かりました!」

 

 

 

 

 

 清き森は、サリアの町の東にあるサリアの森と似ているような場所だ。まぁ、どちらも森だからな。

 

 

 ただ、清き森は比較的に弱いモンスターが多く、日差しも降り注ぐ明るく美しい森のようなイメージらしい。

 

 

 

 初めて来たが、空気が澄んでいて心地よく眠れそうな印象がある。木々が沢山あるが、どれも幹が太く、深く根を張っていそうだ。

 

 

 太陽の光も明るく俺達を照らしている。

 

 

 

 

「ここ、なんだかとても居心地がいいな」

「そうですね!(ミクスさんと一緒ならどこでも最高だから、正直森だろうが、部屋だろうが町だろうが変わりなく最高ですが、肯定をしておきます)」

 

 

 

 

 シエラはきっと、農民スキルの使い手だから植物系の場所が居心地が良いと感じているんだろうなぁ。

 

 

 この間も、ステータスアップの木の実を見つけてたし、森が好きなのだろう。そう言えばアニメでも静かな森に住みたいみたいなことを言ってたような気がする。

 

 それに、一緒にパーティーで過ごしていた時も言ってたな。

 

 

 

「シエラは静かな森に住みたいって前に言ってなかったけ?」

「え、あ、はい(昔は1人で誰にも虐められずに生きたいとは思ってましたけど)」

 

 

 

 

 なるほどね。リアル森ガールだな。服装とかもなんか、童話に出てくる感じの黒ローブ、と言うかこれそもそもがweb小説だしね。

 

 

 

「ふっ、リアル森ガールか」

「え? あ、はい、そうですね!(好きなのでとりあえず肯定)」

 

 

 

 ほう、やはり森ガールなのか。あれ? 森ガールって言葉の意味が分かるのか? まぁ、創作世界だし、そこら辺はガバガバなのかもしれない。

 

 

 

「……あれ? ミクスさん、あそこにモンスターが」

 

 

 

 そんな話をしていると、前方の木の根元に傷だらけの狐型のモンスターが倒れていた。そうこれが、ブラックフォックスのアルビノ個体だろう。

 

 

 

 

「……この子、ブラックフォックスですよね」

「そうだな……ただ、毛色が他とは違うようだ。それが原因で、群れを追われた、またはレアなモンスター目当ての冒険者に狙われたとか。そんな可能性が考えられる」

「……毛色が違うから、ですか」

 

 

 

 

 アニメでも彼女は毛色が違うことで群れを追われてたブラックフォックスのアルビノ個体を可哀想であると思った。その時にスキルが目覚めて、一緒に冒険をすると決めたのだが……

 

 

 

「……」

 

 

 

 彼女は黙って、ブラックフォックスを見ている。念話で会話をしているのかもしれない。数秒、数十秒経過すると彼女はこちらを向いた。

 

 

「ミクスさん、急にすいません。この子を新たな冒険者仲間として迎え入れたいです」

「……ふむ、俺としては断る理由はないな。ブラックも仲間が欲しいと思ってるかもしれないしな」

 

 

 

 確かアニメだと、互いに似たような目をしているとこの時に思ったと言っていたんだよな。黒髪で青い瞳と、白毛で紅い瞳。ここの出会いはまさに必然だったのかもしれない。

 

 

 

 

 

「……これ、ポーションです」

「……コン」

 

 

 彼女はブラックフォックスにポーションをかけて、すぐさま傷を回復させた。どうやら、シエラとフォックスは念話でずっと会話しているようだ。

 

 

 確か、ツンデレ口調の狐であった気がするが実際はどうなんだろうか。まぁ、俺には確かめる術はないんだけどな。

 

 

 

 

「その子はなんて言ってるんだ?」

「……凄く怯えていますが治療のお礼は言っています」

「そうか……清水を取ったら切り上げて早く帰ろう」

 

 

 

 

 一応、受けた依頼は終えておいた方がいいだろうさ。そう言えば名前はどうするんだろうか。

 

 

 

「名前はどうするんだ?」

「この子は、綺麗な白だからホワイトにします。私はそう決めました」

「そう、それならそれでいいと思う」

 

 

 

 なるほど、アニメと同じか。ホワイトは彼女の後をそそくさとついて来ている。俺の部屋にはブラックもいるが、流石にケンカとかはしないだろうなぁ。

 

 

 

 

 

 その後、湖で清水を確保してその日はすぐに町に帰った。

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 

 さて、家に帰ってきたわけだが

 

 

「コン!」

「こ、コン!!」

「な、なるほど」

「コンコンコン!」

「コン!!」

 

 

 

 

 俺には何を言っているか全く理解ができない。ブラックとホワイトは同種族らしいが……何やらじっと見つめ合いながらコンコン言ってるだけだ。

 

 

 宿屋の部屋。その床で2匹は話し合い、間にシエラが入り何かを聞いている。シエラは床に膝をついてうんうんと唸っている。

 

 

 何この仲間外れな感じ。まぁ、良いんだけど。

 

 

 

「なんて言ってる?」

「えっと……取り敢えず、自己紹介してますね」

「自己紹介から始めるとは普通だな」

 

 

 

 まぁ、俺としては何も興味がない。シエラにとってホワイトが大事な存在であり、パートナーとなるだろうから連れて来ただけだ。

 

 そして、これからすることも彼女にしたようにステータスアップ木の実を食べさせて神獣とかにでもするか。

 

 

 まぁ、ここはどうでも良い。

 

 

 俺としてはシエラが強くなって、スキルとかが覚醒しておこぼれが貰えればどうでもいいからな。

 

 

 個人的にはステータスが大体平均50000ほどになれば良いと思っている。流石に過剰戦力な気もするが、まぁ、無いよりはいいだろう。

 

 

 そして、スキルもさっさと進化して欲しい所だな。

 

 

 だが、昨日のステータスアップ木の実でステータスが容易に上がるのは分かっている。今日はホワイトが居たからしなかったが、続けていけば近いうちに俺は消える事ができるだろう。

 

 

 数年後、毎年お中元が届く日々が始まるかもな。そうだ、物件とかを今のうちに見ておくのもありだろうか?

 

 

 個人的には喫茶店とか開きたいが……資金とかも彼女がすぐ稼ぐだろうし。それをもらったとして……。

 

 

 うむ、取り敢えず今度、店を開く為の場所とかを考えてみるか。隠れ家的な場所にしたいから、このサリアの町は嫌だな。

 

 

 ちょっと田舎がいいかもしれん。この町は正直発展しすぎで大きすぎるんだよ。

 

 おっと、俺が考えていると目の前で、シエラがずっとブラックとホワイトを見比べて唸っている。

 

 念話が使えるから彼女にも会話が聞こえているのだろう。まぁ、正直、アニメ見てた俺からすると知っている内容だからな。

 

 

 今更聞くことでも無いか……。そう言えばホワイトもステータス上がるんだったな。

 

 

 まぁ、俺は事情は知ってるし、あんまり興味はないな。

 

 

「あ、ブラックさんはオスで、ホワイトさんがメス……。あ、え? 昔、同じ里で幼馴染だったんですか? 結婚の約束もしてたんですか?」

 

 

 

 

 

 いや、知らん設定出てきた。おい、なんだその知らん設定は……

 

 

 

「あ、ブラックさんがホワイトさんの追放に反対して、それで2人で逃亡している途中に離れ離れになってしまってたんですね。ブラックさんがホワイトさんを庇って川に流されて……そこをミクスさんが拾ったと?」

 

 

 

 

 いや、そんな設定は知らん。こっちはアニメ12話までしか見てないニワカ勢だぞ。ただ、ブラックは確かに傷だらけで拾ったな。

 

 

 なんで傷があったのかは知らなかったが……そんな訳があったのか。そうか、お前も追放されてたのか……。

 

 

 

 

 色々と展開が忙しいが……そう言えば明日は遂にシエラと逆ハーヒロインである、Sランク冒険者であるルディオが出会うイベントがあったか。

 

 

 

 

 個人的には他国の王子が推しだが……まぁ、選ぶの彼女だしな。誰を選んだとしても文句はあるまい。

 

 

 

 最終的にルディオを選ぶ可能性もあるし、ここはファーストコンタクトをさせておきたい所だ。そう言えばアニメ解説動画でルディオはかなり人気のキャラだと聞いたな。

 

 もしかして、作者は物語を通して1番人気キャラとハッピーエンドにさせるとかもあり得るのかもしれん。

 

 正直、結末は知らんが……。どうなっても良いようにここは会わせておこう。それにアニメの流れから僅かに今は外れてる気がするし、なるべく同じ様にした方がいいだろう。

 

 アニメ知識も外れた行動をやりすぎて意味がなくなったら、勿体無いからな。

 

 

 

 まぁ、ルディオが選ばれてもいいけど……俺は他国の王子がいいと思ってるけどね。

 

 

 さて、それはそれとして……この狐達は久しぶりの再会らしいからな。俺からおいしい牛乳と臭みをとった美味しいお肉を食べさせてあげよう。

 

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 

 早朝、私は目を覚ました……と言うのは大きな嘘です。全くもって、一睡も出来ませんでした。

 

 

 理由はホワイトちゃんとブラックちゃんのせいです。

 

 

 この2匹、どうやら同じ里で暮らしており、同時に元婚約者であるらしい。あ、モンスターも結婚とかするんですねと純粋に思ったのはさておいて。

 

 

 どうやら、ホワイトちゃんが毛色が違うと言うことで不気味がられて、里を追われてたらしいのですが。ブラックちゃんがそれを庇って一緒に里を出たらしいです。

 

 

 そして、その最中に同族から襲われたり、他のモンスターに襲われている最中に離れ離れになってしまったようですね。

 

 

 うん、まぁ、そこから再会したらしいのですね。ここまでは別に問題はないです。

 

 

 

 しかし、問題なのは……

 

 

 

 この2匹が感動の再会からなのか、思いっきりガッツリ、セッ……え、えっちな事をしているみたいでして。

 

 しかも、私の魔物念話はオンオフがまだ苦手で……強制的に頭の中にえ、えっちな声とか、喘ぎ声とか、何をしているのか全部入ってくるのですが……!

 

 

 眠れないんですけど!!!

 

 

 

 

「あぁ、ね、眠い」

「大丈夫か?」

 

 

 

 うとうとしていると、椅子で寝ていたミクスさんがいつの間にか起きていました。反対にベッドでは幸せそうに寝ている狐2匹……こっちは貴方達のせいで寝れなくて、恋愛も上手く行ってないのに一気にえっちな事をして……ちょっと嫌いになって来ました。

 

 

 初めての友達とか思ってたのですが、なんですか? 急に恋人作ってイチャコラして……

 

 

 

「ね、眠れなくて……ブラックさんとホワイトさんがせっかく再会した訳ですし。邪魔したら悪いなと思ってたら」

「あぁ、気疲れしたのか。そりゃ、大変だな。まだ、朝早いし今からでも少し寝たらどうだ?」

「え、えぇ、そ、そうします」

「でも、寝る場所が……ちょっと待ってな」

 

 

 

 

 ミクスさんはそう言って布団を1枚敷いてくれました。

 

 

「まぁ、寝てくれ」

「あ、ありがとうございます」

 

 

 

 ここで寝る……本当ならミクスさんも一緒に寝たい所ですけども。う、うーん。どうにかしてここに来てくれないでしょうか。

 

 

 

「あ、あのぉ、なんて言うか……」

「ん?」

「あれ、ミクスさん?」

「んー?」

 

 

 

 あれ、なんかミクスさんも寝不足じゃないですか? よくみたら、目の下に隈がありますし。

 

 

 

「もしかして、ミクスさんも寝てないのですか?」

「……いや、昨日狐のなき声うるさいから」

「……あの、一緒に寝ますか? 横になった方がいいかと」

「……寝るかな」

 

 

 

 

 ミクスさんはそう言って布団に横になりました。あ、多分これ、頭があんまり互いに回ってないですね。

 

 

 

「あ、でも今日は……Sランクの、ルディ……」

「よしよし……」

 

 

 

 

 

 

 

 か、顔が近い、もうミクスさん眠たくてたまらないと言った表情、これは可愛い。可愛すぎて、可愛いマンですね!!

 

 でも、何か大事な用があるのか起きようとしている様子です。ここは寝かせてあげましょう。頭を撫でて、リラックスさせてあげます。

 

 これは寝た姿もきっと可愛いから見たいとかではありません。睡眠不足は健康の敵だから、寝かせてあげるだけです。

 

 

 

「……」

 

 

 あ、眠りました!!

 

 

 

 こ、これちょっとハグとかしても仕方ないですよね?

 

 

 

 

 正直、こうなったのも全部狐が悪いですよ。うん、狐が悪い。

 

 

 

「思いっきり抱きついて、ホワイトさんとブラックさんが後で動かしたってことにしておきますか……」

 

 

 

 こうして、至福の朝を私は迎える事ができました。

 

 

 

 

 

 

 

 




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