追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい   作:流石ユユシタ

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第2話 追放された

 追放されたのでサリアという町を彼女に提案した。彼女は了承したので、そこに向かうことにする(アニメの流れ通り)

 

 

 だがしかし、その前にギルドの人に挨拶をしよう。ギルドは冒険者と依頼主の仲介役をしたり、依頼を紹介してくれたり、ランクや冒険者の管理、登録などなど面倒部分を管理してくれる場所である。

 

 

 だからこそ、今まで世話になった挨拶は当然だろう。

 

 

 

「お疲れ様です」

「あ、ミクスさん。お疲れ様です。どうかなさいましたか?」

「あ、救済の光を抜けるので挨拶に来ました。拠点もここから変わるかなとも思ってたので」

「えええ!? み、ミクスさん、辞めるんですか!?」

 

 

 

 冒険者ギルド職員のルーシャさん。アニメだと見たことない人だけど、ずっと顔馴染みだった人だ。

 

 

 

「はい。シエラも抜けたので、一緒に」

「シエラさんって……あの例の?」

「えぇ、まぁ、彼女が抜けさせられたのでね。俺も一緒にと思って。ただ、俺の場合は自発的みたいなもんですが」

「……そ、そうですか。ミクスさんが抜けるって……なんというか……救済の光ってやっぱり問題あるんですね……あ、今のは失言でした。申し訳ありません」

「いえいえ」

 

 

 

 

 まぁ、救済の光って単純に嫌われているんだよね。俺は勇者スキルが珍しいから、居ただけだけど。

 

 いつ抜けるんだとか言われたこともあったな。

 

 

 アイツらはそれなりに実績だけはあったから、持ち上げる人もいたし。怖いと思っていた人は頭を下げて、ニコニコしてる人もいたし。

 

 だから、嫌われてるんだよなぁ。無論、全員ではなく、一部の性格悪い冒険者は仲間とか言ってたな。類は友を呼ぶとかいうやつだ。

 

 

 

 さて、もう関係ないしな。さっさと町を出よう。

 

 

 シエラ(豊穣の神)が待ってるしな。

 

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

「あ、えっと、喉乾いてないですか? ミクスさん」

「大丈夫。でも、シエラは少し疲れただろ、休憩しよう」

「あ、ど、どうも」

 

 

 

 その理由は彼女にとって大きな出会いがあるからだ。Sランク冒険者ルディオと言われているイケメンとの大事な出会いが……

 

 

 

 この

 

 【農民厄災だからと追放された私、実は【豊穣の女神】でした~スキル覚醒で世界を救います!~】

 

 

 という作品は逆ハーレム作品である。いわゆる超イケメンハイスペック強者男性から主人公シエラは言い寄られるのだ。

 

 

 

 そのうちの1人がSランク冒険者のルディオである。冒険者なのだが有名貴族公爵家の嫡男だったかな?

 

 

 高身長、高身分、高ランク冒険者、どんだけ高いんだよ……まぁ、女性読者のニーズとかをちゃんと満たしてるよな。

 

 いやー、最近Bランク冒険者になった自分とは天と地の差がありますぜー。

 

 

 俺も一応は元貴族なんだけど……がっつり没落してますし……。人間ってここまで差が出るんですね……

 

 

 ミクスというキャラは貴族だった。だがしかし、6歳の時にモンスターに領地が襲われて住民、家族、全てを失った。貴族は王国から領地を借りており、それを統治しているのだ。

 

 

 だからこそ、領民全て失い、家も全てを無くしてしまった責任を取るということで土地を取り上げられている。家名だけは残してくれてるみたいだけど……まぁ、意味などない。

 

 

 

 

 ──そんな1人で考えを巡らせてる暇もない

 

 

 

 

 現在サリアの町に向かっている最中、彼女が少し疲れた表情を見せていたので途中で止まり、草木を少し分けてそこに座った。

 

 

 空は爽やかに晴れていて、のどかな場所だ。

 

 

 

 シエラはそのうち、豊穣の女神というスキルになって最強になるのだが……まだ、ステータスはまだ高くない。だから、休憩を与えてあげなくてはな。

 

 

 

 

 

「ミクスさん。気を遣ってくれてありがとうございます」

 

 

 

 シエラは俺と目を合わせることが少ない。まぁ、シエラにとって【救済の光】は良い思い出のはずがないからな。

 

 そのパーティーメンバーだった俺にも苦手意識が少しあるのかもしれない。

 

 

 実際に俺もあそこに1年弱所属していたけど、あそこは長居するに限らん場所だな。

 

 

 

 

「いや、大丈夫だ。それより腹も減ってるだろう……ほら、俺のパンでも食べて」

「あ、ありがとうございます!」

「お腹空いてる時はあんぱんの方がいいんだけどね」

「はい?」

 

 

 アンパンでなくてごめんね? というネタは分からんか……まぁ、子供アニメの話なんて異世界人に分かるはずもない。

 

 

 まぁ、前世でも分かる人少なかったけどな。

 

 俺のギャグは親父っぽくてつまらんとはよく言われていた。まぁ、アラサー社会人だったからほぼおじさんみたいかもしれないけどさ。

 

 

 いやでも、面白いと思うんだよなぁ? アニメとか色々見てみてたし、知識は多いのだ。

 

 

 あの時、俺をつまらないと言った山田くんは元気してるだろうか?

 

 

 

 

 

「さて、ただそのまま食べても味もしないだろう。そこでこれを使ってくれ」

「これは……?」

「パンに乗る、バニラクリーム……名前は気にしないでくれ」

「バニラ、クリーム? もしかして、錬金スキルで作ったのですか?」

「そうそう……三国志だ(親父ギャグ)」

「そうなんですね(え、なんか触れた方がいいんでしょうか? でも、よくわからないし……)」

 

 

 

 

 バニラクリーム。簡単に言えば塩生クリームに近いかもしれない。甘くて、香り高い、パンに乗るクリームを俺は作り上げたのだ。

 

 

 この世界は食を楽しむという文化がない。

 

 

 無論、全くないというわけではない。果物とか肉とか、食べるのが好きという人は多いけど……それは貴族とか金持ちに限られた文化だ。

 

 

 この世界の食物は基本的に臭みがすごい。加工してようが、してなかろうが余り美味しくもないのだ。

 

 だからこそ、俺のように食を楽しみたい身からすると残念で仕方ない。どこに行っても売ってないし、売っていたとしても貴族用とかで高いからだ。

 

 

 ならばと俺は思いついた。

 

 

 

 

 俺が作ればいいのだと。

 

 

 

 

「クリーム、初めて見ました……名前も初めて聞きましたし」

「これをたっぷりこのパンにつけて、食べるんだ」

「へぇ……あれ、このパンも良い匂い……あむ」

 

 

 

 たっぷりクリームを塗ったパンを彼女に分け与える。彼女はそれをおろおろとしながら頬張った。

 

 

 

 さて、美味しいかどうかは気になるところだが……

 

 

 

 

「甘い!? な、なんですか!? これは……すっごい甘くて美味しいです!!」

「ふっ」

 

 

 

 

 思わず不敵な笑みを浮かべてしまった。まぁ、試作段階で何回も食べているからな、美味しいのは知っている。

 

 

 だがしかし、これを美味しいと思うってことは……俺の舌の感覚、日本人の味覚と彼女の味覚は似ているってことだろうな。

 

 

 この世界の作者って確か日本人だから……設定も日本人とかに多少寄せてるのかな?

 

 

 味覚とかも敢えて寄せてる……?

 

 

 

 

「こ、これすごく美味しいですよ!! こんなに美味しいのは初めて食べました!! どうやって作ったんですか!?」

「錬金スキルだな」

「錬金スキルってポーションとか、多少の道具作れるくらいでは……?」

 

 

 

 ふむ、それは誤解だ。俺の錬金スキルだが……

 

 

 

「錬金」

・魔力を消費して、物質創造ができる

・作られる物質によって、魔力消費が大きい

・素材同士を調合もできる。魔力を消費する。また、失敗する可能性もある

・素材から抽出もできる。抽出した場合は結晶となる。また、還元も可能。だが、失敗する可能性が大いにある。

 

 

 

 

 これが俺のスキルだ。面白いのは抽出という能力があるということ。失敗の確率が高いけど、素材から効能を引き出すことができる。

 

 薬草から回復効果、特殊なモンスターの鱗から防御効果、そういうのを引き出すことができる。

 

 引き出した後は結晶として保存できるのだが……問題なのはこの抽出は失敗の確率がすごく大きい。それは貴重な素材であればあるほどに高くなる。失敗したら効能は消えてしまうので素材が無に帰ってしまう。

 

 だから、薬草とかでしか普通はしない。

 

 

 

 しかし、俺の場合は関係ない。俺は味がいい調味料とかを作りたいだけなのだ。この世界には臭みと旨みが共存している植物とかが多い。一見すると、食べたくもないが、そこから旨味だけを抽出して別の素材と合わせることで良いとこを合わせることができる。

 

 

 

 

 まぁ、抽出、調合も失敗の確率あるけどそれも練習次第でカバーできる。ざっくりやり方をまとめると……

 

 

 

 

その1! クリーム状ベースの確保

 

 モンスターの臭い乳液 から「脂肪分」を錬金術で抽出。脂肪分に空気を含ませて「クリーム状」にホイップ。これにより「舌ざわり」「口どけ」の部分を担保。

 

 

その2! 香り成分の調達

 

 旨味と臭みが共存する植物などから錬金スキルで甘い香りを抽出。

 香素を脂肪ベースに調合することで、鼻から感じる甘そう、美味しそうという印象を強くする

 

 

その3! 味覚刺激の調整

 

 甘味。甘味ハーブから甘味成分 を抽出。

 塩味。鉱石や海水から塩を抽出。これらを微量ずつ調合、甘さや塩気を調整。

 

 

 

その4! 最後の調整

 食感や口どけを損なわないよう、ホイップ具合や濃度を最適化する。具体的に冷たくしてなめらかさも意識したいので氷の冷たい効能だけ抽出して調合をする。

 

 

 

 

 

なーんて、説明しても分からないよな……

 

 

 

 

 

「まぁ、めっちゃ頑張って作ったんだ、正直10年かかった」

「そ、そんな貴重なものを……あ、ありがとうございます!! やっぱりミクスさんはすごいです!!!」

 

 

 

 

 いや、将来的にお前の方がすごいよ。もう畑とか一瞬で作るじゃん……。果物とか高いのめっちゃ作るしさ。ボンボン作るじゃん……もう、ボンボン作るじゃん……ボンボン……

 

 

 

「パンも全然臭みがなくて美味しいです!! やっぱりミクスさんはすごいです! ミクスさんよりすごい人はいないと思います……!」

 

 

 

 あぁ、それは臭みだけ抽出してるからね。良い料理には手間暇が必要なんだよ。

 

 褒めてくれるのは嬉しいけど……いずれ他国の王子とか公爵家とか、この後すぐにもSランク冒険者とか出てくるぞ……

 

 

 俺よりすごい人はマジでたくさんいる。それにシエラなんて……スキルで失敗したことないという特徴があるじゃないか。

 

 

 

「いや、俺なんて大したことはないさ。ここまで来るのに何千回も失敗してる……スキルなんて失敗の方が多かったよ。最近は成功確率上がってきたけどさ。シエラはスキル失敗したことあるか?」

「え、えと、私は農民スキルなら失敗したことないです……」

 

 

 

 ほら、もう豊穣の神の片鱗が出てるじゃない!!!! 

 

 

 スキルで失敗したことないとか本来あり得ないのよ。俺って結構研究熱心で才能あるけど失敗なんて何千回もしてるんだからさ!!

 

 

 まぁ、前世のメジャーリーグで活躍してるバッターも打率が3割とかで調子いいって言われてたからね。

 

 1000本ヒット打つには2000を超える、悔しい思いが必要ってわけさ。

 

 

 俺は才能あるが、シエラみたいな超越者ではない。ほどほどに、コツコツとやり続けていくしかないのである。

 

 

 いずれ、どっかで飲食店を作ろうと思ってるしな。これからもコツコツやっていくぜ。

 

 クリームだって最近完成したしな。次は醤油とかマヨネーズとかを作りたい。

 

 

 異世界と言ったらマヨネーズでしょ?

 

 

 

 

「シエラは凄いなぁ。きっと才能あるよ、俺よりもさ」

「わ、私なんて……ミクスさんに及びません」

 

 

 

 いえ、貴方の方がすごいです……だって、ステータスあげる木の実とか量産してむしゃむしゃ食べて五桁のステータスになるんですよね?(最強農民)

 

 

 

 

 お、俺、4桁なんですけど(震え声)

 

 

 

 

 しかも俺なんて、シエラを追放した後に一番最初にざまぁされるキャラだったぞ?

 

 

 

 シエラの素材が良いからポーションの質が良かったのに、ミクスは自分の手柄だと勘違いしてて……追放された後に質が落ちてパーティーを追われて、シエラに復讐しようとして返り討ち。その後闇落ちしてもう一回襲撃して片腕落とされて、最後の最後のなんか闇の力みたいなの手に入れて……まぁ、むしゃむしゃステータスあげてた彼女に倒されて、その後死ぬ……

 

 

 

 え? 俺って……やばくない……? 大丈夫だよね?

 

 

 ほどほどにしようと思ってるから……少しだけ彼女からのおこぼれをもらったら離脱いたします……

 

 

 

 

「これ、クリーム絶対革命ですよ!! 凄いなぁ……やっぱり、私なんかじゃ……」

「いや、落ち込まなくていいさ。きっとシエラには凄い才能があるよ」

「そ、そうでしょうか……今までずっと施しを受けてばかりで……今だって」

「いいさ。これは俺の善意なんだ……それなら、いつか大きくなったら返してくれ。1000倍返しくらいでさ(ガチ本音)」

「ふふ、そうですね! 返せるように頑張ります!(ミクスさんって冗談言って私を笑わせてくれてる。1000倍だなんて……分かりやすい冗談で私を笑わせてくれてる!)」

 

 

 

 

 まぁ、他国の王子とかから婚約くる彼女なら大量のお金だってくれるだろう。ふふふ、後々になってこういうのが効いてくるんだよな?

 

 

 あ、昔恩を返すって約束してた!! みたいな感じでね。へへへ、おこぼれをもらってやるぜ。

 

 

 

 しかし、このクリームは革命かぁ……俺も実はそう思っている。この世界からしたら破格だろう。それに作るのも難しい。

 

 だって、この世界の植物に旨味と臭みが共存してるのが多いんだもん。旨味だけ抽出して(失敗確率あり)、他のとこから香り抽出して(失敗確率あり)、材料に調合して(失敗確率あり)

 

 

 食を楽しむ文化が根付いてないのに美味しいのを作るなんて面倒だし。そもそも錬金スキルもすごい多いスキルでもないしね。

 

 

 

 

 

……まさかとは思うけど、シエラという主人公が活躍できるようにそういう設定にしてるのかな?

 

 

彼女が果物とかを育てて、それを貴族とかいろんな場所に渡して……こんな美味しいの初めて食べたぁ!!! 女神様ダァ!!!! すごい!!

 

 

と言う展開をするために食事の文化が低い世界設定になってるとか? 考えすぎかな?

 

 

 いやでも、そもそも論だけどマジでこの世界臭みと旨みが混ざってる植物、いやモンスターの肉とか乳も多すぎるんだよね。

 

 

 可能性としてはなくはないか……果物とか植物だけで無双出来るようにもっと言えば上の位の人間と仲良く出来るために、調味料とかの設定はあんまり出してないのかな?

 

 この世界だと果物とかが嗜好品だしね……。

 

 俺ってアニメ1クール(俺が6話で死ぬ)までしか見てないからなぁ。詳しくは知らん。

 

 

 

 この先に彼女がとんでもない物を、これ以上のを作るかもしれないし。謙虚でいておこう……慎むべし。

 

 

 

 そうだよ、慎むのが大事だ。俺の名前ってミクスだろ? 錬金→調合→混ぜる→ミックス→ミクス

 

 

 ってことじゃねぇか!! おい作者!!! 俺をあっさり殺すからって適当な名前にしすぎなんだよ!!!

 

 親父ギャグだろ……映画コ○ンの博士のギャグくらい寒いわ。

 

 

 

 

 これは俺みたいなかませキャラがイキるわけにはいかないですね。慎しむべし、慎しむべし。

 

 

 

「そろそろ休憩を終わりにして、向かおうか」

「は、はい!!」

 

 

 

 俺はおこぼれをもらう。これでいいのだ!!!(バカ○ン)

 

 

 

 

 

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