追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい   作:流石ユユシタ

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第25話 激おこぷんぷん丸シエラ

「デートをすることになったんだ。それでだが、シエラはどんなデートが好ましいと思っているんだ?」

 

 

 

 私は雷に打たれたことなどありませんでした。しかし、雷に打たれると言うのはきっとこう言う感触なのだろうと感じました。

 

 

 

 宿屋の一室に帰ってきてホワイトちゃんから言われた、ミクスさんと貴族の一連の会話について。

 

 そして、それについてミクスさんの口から語られたデートをする事になったと言う知らせを聞いて驚愕が私を支配しました。

 

 

 ミクスさんが……とある貴族とデートをすることになった……? 

 

 

 

 

 

 は?

 

 

 

 

 

 

 え、あえ、え? あ、ミクスさんが異性とデート……? どうしましょうか。体が震えてしまいます。

 

 

 しかし、それを顔には出しません。誰とデートするかはミクスさんの自由、それを私が感情のままにやめてと言うわけにもいきません。

 

 

 

 ですが、それはそれとして私はずっと一緒でずっと好きだったのに、私よりも先にデートに行けるその貴族とやらは好きになれそうにはありません。

 

 

 

 まぁ、先ずはミクスさんの質問に答えるのが先です。答えつつ、その相手の情報も抜き取っておきましょう。

 

 

 

 さて、私の理想のデート……ミクスさんと一緒ならどこでもいいですけど。きっと楽しいでしょうし。

 

 でも、どうでもいいなんて答えは求めてないでしょうし。

 

 

 

「私はミクスさんとお弁当を作って、一緒に野良でピクニックとか。お互いにご飯を作りあって食べたりとか……そう言うのが良いと思います!」

「なんてピュアなデートプランなんだ。確かにそれは素敵だとは思う。ただ、別に親密になりたいわけじゃないから。なんて言うか……ほどよく良い感じで、無難に終われる感じで」

「無難に終われる……あ!? 親密になりたいわじゃないんですね!」

「あぁ、一度だけデートしてそれでダメなら諦めるらしい。ただ、あれは本気で好きとかじゃないだろうからさ。でも、誘ってはくるからきっと理由があるんだと思う」

 

 

 

 

 ふ、ふふ、やりました。あっちは本気で好きとかではないようですね。あー、良かったです、それにちゃんと気づいているミクスさんも流石です。

 

 

 

『あら、そうだったのね、てっきり押せ押せだから好きなんだと思ってたわ』

 

 

 

 ホワイトちゃんの言っている事を聞いてたので、大分焦ってしまいましたが、いやー、これは本当に良かったですね!! いや、本当に焦りました。正直私を焦らせてホワイトちゃんには少し怒ってます。

 

 

 

『あ、ごめん。いや、本当に押せ押せだったんだもの』

 

 

 

 

「それにあっちには別に婚約者がいるみたいだから、多分それを断るための為に俺に声をかけてきたんだと思う」

「なんですかその人、すっごい腹立ちます。ミクスさんにそんな理由で声をかけてくるなんて許せません」

「怒ってくれてありがとう。ただ、貴族だし無下にも出来ないしな」

「なるほど、そうだったんですね! そうだったんですね!!」

 

 

 

 ふふ、思わず笑みが溢れてぴょんぴょんと飛び跳ねてしまいます。しかし、ミクスさんに取り敢えず声をかけるなんて……許せません。

 

 

 ですが、その人はミクスさんのことが真の意味で好きではないと言うこと。そう思うと私としては嬉しいですが、相手がミクスさんの素晴らしさに気づいてない事に苛立ちも覚えますね。

 

 

 全く、ミクスさんの良さに気づけないとはあまり視力はよろしくないようですね。

 

 

 どうやら、元許嫁とやらも大したことはなさそうで安心しました。いや、まぁ、大したことある人だった場合が私としては1番嫌なんですけどね?

 

 

 とは言いましても、ミクスさんとデート行こうとしてるのが腹立ちます。私だってまだ行ったことないのに……

 

 

 

 

 

『でも、これってチャンスなんじゃないの? 練習とか言ってミクス様とデート行っちゃうのができるんじゃないの?』

 

 

 

 まさに、私の脳天に再び雷が落ちました。ごろごろ、どっかーんと私の頭の中に驚異的なアイデアが浮かんだのです。

 

 

 

 ──そうだ、貴族とのデートの練習とか言って、私がミクスさんとデートをすれば良いのでは?

 

 

 

 

 

 そんな天才的なアイデアが降ってきたのです。

 

 

 

 

『いや、最初に言ったのアタシよね!? アタシがアイデア出したわよね!?』

 

 

 

 

 まさに、これは極限まで追い込まれた乙女の脳が起こした奇跡。これで行けるかもしれません。

 

 

 ミクスさんに取り敢えず話しかけてきた、チャラ女を逆に利用してやります。

 

 

 

『チャラ女ってなに?』

 

 

 

 ミクスさんが前に言ってました。すぐ好きとか、距離感が近づけてくる人をチャラいって言うらしいです。

 

 私、こう言う人好きじゃないです。

 

 

 

 

 

『へぇ……でも、アンタの話を聞く限りミクス様も結構最初から距離近かったんじゃないの? 救済の光で初対面ですぐに2人きりで話したんでしょ? まぁ、ミクス様は同情で話しかけてくれたのかもだけど』

 

 

 

 

 ミクスさんがチャラいのは大丈夫です。

 

 

 

 

『アンタって……ミクス様がする事ならなんでもいいのね……。知ってたけどさ』

 

 

 

 

 正直ミクスさんなら、全部肯定します。そこに恥とかもプライドもありません。好きな人が言うことが正義です。

 

 

 

 

『その自分の芯が無さそうで、ちゃんと芯がある感じは見習いたいわ』

 

 

 

 

 

 はい、私はミクスさんが好きです。嫌われたくないので全力で合わせますし。好かれたいので全肯定のスタンスです。

 

 

『でも、何でもかんでも肯定する人は逆に嫌われるって聞いたわよ。本心を隠して適当にあわせてる人って思われるかもしれないし。ミクス様は適当な人は嫌いでしょ、絶対』

 

 

 た、確かに。どうしましょう。私ミクスさんが言うなら何しても正解! むしろあなたが基準! 世界があなたに追いついてないだけです!

 

 

 ぐらいのスタンスだったのですが

 

 

 

『それはもう、怖いって……』

 

 

 なるほど、肯定するだけが恋愛じゃないんですね。学びました!

 

 

『ちゃんと学べるのは偉いわ』

 

 

 はい! それでちゃんと自分の意見があればミクスさんと付き合えるんですか?

 

 

『いや、それはそうとは限らないのよ』

 

 

 なんですかそれは。それをしたら結婚までいけると思ってました。

 

 

 

 

『恋愛舐めすぎでしょ!?』

 

 

 

 

 うーん。奥が深いんですね恋愛は。あぁ、でも私もミクスさんが着る服全部似合うとか言っても嫌ですね。

 

 これが、君が似合う! 

 

 とハッキリ言ってくれるからいいんですよね。ミクスさんって、ハッキリ意見があるから、嬉しいわけですし。

 

 あっと、あまり長々ともしてられません。

 

 それについては今後考えるとして……今はデートです!

 

 

 

「ミクスさん、私でよければ貴族のデートの練習相手になります」

「良いのか? いやー、俺、この世界に生を受けてからデートとか経験なくてさ」

「わ、私も全然ないと言うか、ないです! なので安心してください!! 一緒ですし!! それなら初心者2人で最強のデートプランを作り上げましょう!」

「それは安心なのか……? 初心者2人なんだけど」

 

 

 

 やった! ミクスさんの人生初の最初のデートいただきました! 人生の最初から最後まで私としかデートしないで欲しいです! 

 

 

 ふふ、しかもこのまま最強のデートプランを考えてやるのです。これをいずれ私が使ってやるのです。適当なチャラ女などにミクスさんを渡さないのは大前提。しかし、それだけなく私はそれを利用してミクスさんと親密度を上げてやるんです。

 

 

 

 

『まさに諸葛孔明ね』

 

 

 

 はて、誰ですか、それは?

 

 

 

『ダーリンが言ってたの。ミクス様は色んなお話を知ってて、すごく頭のいい軍師らしいわ』

 

 

 

 

 そう、ですか。私はその人を知りませんが、ミクスさんが頭のいい軍師と言ってるならそうなんでしょうね。

 

 

 

 そう、私は諸葛孔明くらい頭いいです

 

 

 

『ノリがいいわね。ただ、安心したわ。シエラ、アンタが焦ってミクス様を無理矢理襲ったりするんじゃないかって思ったから』

 

 

 

 

 バカにしないください。私はそんなことは絶対にしません、妄想に留めておくだけです!!

 

 

 

 

 

『そう、妄想で留めておくだけなのね。もう、それでも偉いと思ってしまうんだからちょっと不思議だわ。でも、最近ミクス様が寝たら髪とか触ってない?』

 

 

 

 ……それは最近私のステータスが上がって、隠密行動とかも出来るようになってきたから、触っただけです! ミクスさん気づかないから、つい……でもこれくらいはセーフですよね!?

 

 

 

『まぁ、セーフかしら……? うん、髪触るだけで留めて偉いわ!! アタシとダーリンがイチャイチャしてるのも聞いてて、それで留めてるのは偉いわ!!』

 

 

 

 当然です、どこぞの狐と一緒にされても困ります。

 

 

 

『一応聞くけど、他にはしてないのよね?』

 

 

 

 ……はい、今のところは

 

 

 

『今のところは!? 大丈夫かしら?』

 

 

 

 

 バカにしないでください。それ以上はしない……といいなぁ……

 

 

 

『急に自信がなくなった!?』

 

 

 

 

 ふふ、冗談です。私はそんなことなどしませんとも。ええ、しませんとも。ただ、ちょっと、抑えが効かなくならない時があるかもしれませんけども。

 

 

 うんまぁ、大丈夫です。多分、きっと。

 

 

 

『保険かけまくりじゃない!? でもまぁ、好きな人とずっと同じ部屋で、頭の中に他の狐カップルのイチャイチャが流れ込んでたらねぇ? それにミクス様もちょっと無防備すぎなのも悪いわよね』

 

 

 

 

 ミクスさんを悪く言うのはやめてください!!!

 

 

 

『いや、アタシはシエラを擁護してるだけど!?』

 

 

 

 ただまぁ、無防備なのは間違いないです。私が寝た時に服着替えたりしてますけど、私起きてますし。ちょっとチラチラ見てますし。

 

 あれはえっちすぎます。えっち罪で逮捕してしまいたいくらいです。

 

 

 

 

『それにアンタはステータスすごい上がってるんでしょう。ミクス様はそこまで上げてないみたいだし、隙がありすぎてしょうがないんでしょうね』

 

 

 

 

 

 

 まぁ、それはあるでしょうけど。なんて、いつまでもホワイトちゃんと話してる場合じゃありませんね。

 

 

 取り敢えずはミクスさんが貴族のデートを無難に終われるようなルートを一緒に考えましょう。

 

 

 お弁当を作るなどの案も私は良いですが、貴族がわざわざ自分でご飯を作るとかはしないでしょうから。適当に飲食店をめぐるとかになるんでしょうね。

 

 

 

 

「よし、ミクスさん、早速一緒に出かけましょう」

「おお、ありがとな。シエラ」

「いえ、これくらいはします!」

 

 

 

 

 

 そう互いに声をかけて、私たちは宿屋の一室から飛び出した。

 

 

 

 ◾️◾️

 

 

 

 いつものように私はフードを被り、町を歩く。町の人たちから変な目で見られたりもありますけど、ミクスさんが隣だとそれだけで嬉しいです。

 

 

 

 

「シエラ、大丈夫か?」

「私は大丈夫です!」

「そっか、ありがとな」

「いえ! 私こそありがとございます!」

 

 

 

 

 サリアの町を2人出歩く。飲食店に入って少し食事をしたり、服や装備を見たり、ポーションを見たりしました。

 

 

 しかし、ご飯はミクスさんの方が美味しいですし、服とかも結構一緒に買ったりしてます。

 

 

 

 

 

 あれ? これって普段の私たちと同じ言動じゃ……あぁ、なるほど。毎日がデートのようであったと。

 

 そう言えば、私達同棲してるんですもんね! もう最強です! 負ける気がしません!

 

 

 

──そう思っていた時でした。私の前に不穏な影が現れたのは……

 

 

 

「あ、ミクス様、また会ったね」

「ユルレさん」

「ユルレでいいよ? また会えるなんて嬉しいな、これって運命?」

 

 

 

 

 

 

 なるほど……こいつですか……。ミクスさんにちょっかいを出してるチャラ女は。なるほど、確かに高身長でスラッとしてますし、顔面も整ってます。

 

 おっぱいもありますが……これは私の勝ちですね。しかし、ミクスさんが高身長好きであれば私が不利になります。

 

 でも、そんな好みは聞いたことありません。

 

 

 

 

 

「運命ではなく、偶然かな」

「いや、偶然ってより必然だよ」

「……チャラいな」

「ちゃ、チャラい? なにそれ、僕そんな言葉知らないんだけど……」

 

 

 

 

 

 ふふーん、私はチャラいって意味知ってますよ! そう思って、ちょっとユルレ・リューゼンを見据える。すると彼女も私に気づいたようでした。

 

 

 

 

「あ、どーもー、ちょっとミクス様、貸りるね」

「貸しません!」

「それでね、ミクス様、ちょっとお茶でもしようぜ?」

 

 

 

 

 

 こいつ、私を無視してますね……今まで髪や瞳の色が原因で無視はされてきました。

 

 この程度で怯みません。

 

 

 

「悪いですけど、ミクスさんは渡しません!!」

「は? なに? ミクス様この人は彼女?」

「いや、ちょっと落ち着いてくれ。2人とも仲良く……」

「ミクスさんが迷惑してるんです!」

「そう? 僕可愛いし、きっと結婚したら幸せ確定だよ? 迷惑どころか幸せ運んできてるからさ」

「そんなチャラチャラした言動で説得力ありません。ペラペラなんですよ! トークが!」

「ちゃ、チャラ? ぺら、ぺら? 意味わからないよ! さっきから!!」

 

 

 

 

 

 ここは私がミクスさんを守らなければなりません。こんなチャラ女にミクスさんを渡すわけにはいきません!!

 

 

 

「俺の話聞いてる?」

 

 

 

 はい!でもホワイトちゃんに学びました! 自分の意思、貫きます!

 

 

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