追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい   作:流石ユユシタ

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第37話 彼女はヤンデレ

初めて彼女ができた。

 

 

「んふふふー」

 

 

 

 シエラが隣で腕を組んでニヤニヤしている。思いっきり胸が腕に当たってるけど、嬉しそうだから敢えて何も言わないようにしよう。

 

 

 うん、別にこの感触が良いとかではない。

 

 

 

「ミクスさん、付き合ったら触り放題なので私は今も、寝るときも触りまくります! ミクスさんもどうぞ!!」

 

 

 

 

 あ、そうなんだ。あれ、さっきも言われたけど恋人って互いの体触り放題とかなんだっけ?

 

 

 俺はそもそも恋愛に疎いが、日本ではそんなのなかった気がする。

 

 

 

「シエラ、恋人って互いの体触り放題なのか? 聞いたことないけど」

「…………え? あ、私はそのように聞いてましたけど……」

「そうなのか?」

「ミクスさんは元貴族ですから、一般恋愛には疎いのかもしれないですね。大丈夫です! そこら辺は私に任せてください!」

 

 

 

 そうだったのか。異世界だとそう言ったものなのかもしれない。もう少しだけ、そう言った知識も知っておくべきだったな。

 

 ただ、シエラが知っているのであれば問題はなさそうだな。

 

 

 

「付き合ったらひたすらにいちゃいちゃしたり、一緒に寝たり、デートしたりしてさらにお互いのことを好きになるものなんです!」

「ほう、確かに。お互いをもっと好きになるように色々とするのは筋が通ってるな」

「そうですよ! こっからどんどんイチャイチャもしていきましょう! 私、ミクスさんのこと、す、好きですけど! ミクスさんにも私をもっと好きになって欲しいです!」

 

 

 

 シエラは俺にもっと自分を好きになって欲しいと言う。確かに俺はシエラのことを嫌いではないけど、恋愛的に好きって言えるかは少し分からない。

 

 

 彼女ほどの熱量がないのは本当なのだ。それを言われたからこそ、気にしているんだろう。ただ、それよりもずっとニコニコしてて、ぎゅぎゅうと腕に絡みついてくるシエラ。

 

 

 う、うん、こんなに喜ばれるとなんだかこっちも嬉しい。

 

 

 

 

「えへへ、温泉とか行きましょう!」

「そう、だな。付き合ってるなら、そう言うのもあるしな……」

「混浴で、行きましょう!」

「え?」

「付き合ってる時は、一緒にお風呂入るのが普通です」

 

 

 

 

 あ、そうなんだ。それは知らなかった。しかし、それって流石に付き合ってもう少し経ってからのフェーズじゃないだろうか。

 

 

 

「それって、付き合ってすぐなのか?」

「……はい。付き合ってすぐですね。友達もみんなそうだって言ってました……まぁ、私はこの人生で1人も友達出来たことないですけど」

 

 

 

 

 

 そうか、そうなのか? それとシエラは友達がそうだと言ってるけど、友達がいないとも言っている。

 

 え? どっちなんだろうか?

 

 

 

 

「とにかく、恋人同士はさっさと混浴するらしいです」

「へぇ……そうなのか」

 

 

 

 

 全然知らなかったな。って言うか俺って恋愛方面を知らなすぎではないだろうか。こう言った部分はちゃんと知っておかないといけないな。

 

 

 アニメの時はそもそも付き合うとかまで行ってないから、そう言うことになってる人は見たことなかった。

 

 

 だから、そう言うのは本当に知らない。でも、知らないままにしておくのは良くないだろう。

 

 

 シエラから学ぶだけではだめだから、俺も俺自身で学んでいこう。

 

 

 

「そうか、俺はそこら辺は本当に疎いからな。教えてくれてありがとうな。俺も今後学んでいくか」

「いえ、私が全部分かってるので任せてください! 恋愛とかの常識は私に任せてください!」

「そんなに任せて欲しいのか」

「はい、任せて欲しいです!」

 

 

 

 

 シエラって責任感が強いんだな。恋愛とかの常識に関しては任せて欲しいだなんて。

 

 ふっ、ここはシエラに任せておくべきか。信用すると言うのも大事なことかもしれないしな。

 

 

 

「分かった、任せる」

「はい! 任せてください! へへ……任せてもらいました。へへへ、あ、あんなこととかも、へへへ」

 

 

 

 

 

 なんかニヤニヤしてるけど、任せて貰えて嬉しいのだろうか。なるほどな、確かにシエラって信用されたりすると嬉しいタイプかもしれない。

 

 

 元々、人付き合いが多いわけではなかったからな。だからこそ、俺も信じてあげるげきであり、もっと信用される人間になるべきか……。

 

 

 

「因みにお姫様抱っことかも、付き合ったらするとかもあるらしいです」

「へぇ。なるほど」

「私がお姫様抱っこします!」

 

 

 

 あ、抱っこしてくれる側なのね。俺がするんじゃなくて。だが、ここは俺もして貰うばかりじゃなくてするべきか?

 

 

 さっきからシエラばかり色々と情報を話して、俺が腕を組まれて、歩いているだけだ。なんて言うか、ずっと俺が受け身な気がする。

 

 

 これって恋人の関係としては正しくないだろうな。これは流石に疎い俺でも知っているぞ!

 

 

 

 

「よっしゃ、取り敢えず帰ろうか」

「おへ!?」

 

 

 

 

  俺はシエラをお姫様抱っこすることにした。あれ、思っていたよりもシエラは軽いな。まぁ、俺のステータスならシエラくらいの女の子はすぐに持ち上げられてもおかしくないけども。

 

 

 

「あれ。大分、戸惑ってないか? この世界だと付き合ったらお姫様抱っこするんだよな?

「あ、いえ、そ、その、さっきのは、その……」

「んん?」

「あ、はい。こ、これで正しいです。このままお願いします! それと、私に対して子猫ちゃんとか言ってください!」

「あ、うん。別にいいけど」

 

 

 

 

 子猫ちゃんとかはなんか恥ずかしい気がするな……。これも恋人同士の関係では必要なのだろうか。

 

 

 

 

「こ、これは不意打ちすぎて……さ、最高すぎます! はぁぁぁあああ。生きててよかったぁぁ」

 

 

 

 

 

 しみじみと彼女は息を吐きながらそう言った。そこまで嬉しいのかどうなのか、俺には判断がつかないが彼女がそう言うならそうなのだろう。

 

 

 

 

「やばいです。ミクスさん」

「ん?」

「私、これあれです、ミクスさんが前言ってたヤンデレとかになりそうです」

「え、あ、そう」

「ミクスさんが死んだら私も死にます」

「早くない!?」

 

 

 

 

 

 ヤンデレとかってこんな簡単になるもんだっけ?! な、なんて言うかここにきて更に気持ちが重くなってないかな?

 

 

 まぁ、それだけ思ってもらえるって言うのは嬉しいけど。

 

 

 あ、重い思いかぁ? はいー、面白い〜

 

 

 

「重い思いとはね」

「あ、はい! 重いです! 超絶重くなってます! あぁ、これがヤンデレの気持ちなんですね、分かります、すごく」

 

 

 

 

 

 前にヤンデレとかツンデレとかそう言った概念を教えたことはあったか。まぁ、前世で読んだラブコメとかを教えてあげた時についでに教えた感じだけども。

 

 

 

 そっか、シエラはヤンデレの気持ちがわかるのか。

 

 

 

「でも、俺はシエラに死んでほしくはないから死なないでくれ」

「そう言ってもらえてすごく嬉しいです!! 死にません! 絶対!! そして、私もミクスさんを死なせません!!」

「そっか、俺もシエラを死なせないようにする」

「いえ、私もう十分です! 今の私には力があります。これから先には私が全て守りますし、ご飯も全部私が持ってきます。だって、スキルでいくらでも果物とか野菜は出せますし、もう働かなくても全然いいです! かと言って少しも動かないと逆に体には悪いと思うので毎日一緒に散歩とかだけはするとして、基本的には動かないでもらって大丈夫です! あ、でもお姫様抱っこはまたしてくれたら、きゅんきゅんしちゃいます!!」

「あ、うん」

 

 

 

 やばい、ちょっと早口だったから聞き流してしまった。まぁ、要するにこれから一緒に頑張っていこうってことでいいのかな?

 

 

 

 早口だったから、聞いてないけど。

 

 

 

 

「あ、ミクスさん。ユルレさんの家の魔族の正体を暴く植物は作っておきました」

「お、ありがとう。急に話変わったな」

「この件さっさと片付けてしまいましょう。純愛ラブラブカップルには邪魔な催しです」

「あ、うん。純愛ラブラブカップル……」

「純愛ラブラブカップルです!」

 

 

 

 

 あ、そうだったんだ……まぁ、呼び名はなんでもいいんだけど。

 

 

 

 

「魔族はもしいたら、私が殺します」

「あ、うん。大丈夫?」

「余裕です。ミクスさんに害を与える者、全て滅ぶべしです」

「そこまでは大丈夫だけど」

 

 

 

 

 う、うん、これがヤンデレなのか。ヤンデレと付き合ったことないから分からないけど、これがヤンデレな気がする。

 

 

 俺はヤンデレの彼女を連れて、ユルレの家に明日行くことにした。

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