追放ものに転生した。ただし、ざまぁされる側らしい   作:流石ユユシタ

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第7話 関西の狐

 アタッシュケースに宿屋に置いていた重要な荷物を入れて、部屋を出た。サリアの町にはここからそれなりに距離がある。

 

 さっさと馬車にでも乗って行かないとな。万が一、イベントとか遅れてしまったら問題だろうしな。

 

 

 確かアニメだと野宿とかしながら4日ほどかかったらしい。彼女は馬車とかも乗れなかったらしいからな。え、酷くない?

 

 まぁ、俺がいるなら馬車とかも普通に乗れるだろうし、本来よりも早くサリアの町に着くことができるだろう。

 

 俺としてもある程度は彼女の面倒を見たいから、新たな拠点だって必要だ。この宿屋みたいに、良い部屋と巡り会えると良いんだけど。

 

 

 

「じゃ、この馬車に乗ろう」

「は、はい!」

 

 

 

 町を出て馬車に乗った。ダークフォックスのブラックとも一緒に乗り、馬車を進める。

 

 

 俺と向かい合うようにシエラは座っている。彼女は緊張しているように体が固い。馬車には乗ったことがないのかもしれん。

 

 

 だが、しかし。彼女は急に……

 

 

 

「あ、あれ?」

 

 

 

 

 シエラがブラックを見て、ジッと固まっている。おや、一体全体どうしたのだろうか?

 

 

 

 

「ど、どうも、こんにちは。お、お世話になってます」

「ブラックに挨拶してどうしたの?」

「い、いえ、ブラックちゃんの声が聞こえてきます……」

「なん、だと……」

 

 

 

 

 お、おい。それって確かシエラが途中で獲得するスキル『魔物念話』じゃないか?

 

 彼女は途中でダークフォックス、そのアルビノ個体を拾うのだが、それと話せるようになるんだよな。

 

 シエラって基本遠ざけられてるし、友達がモンスターになるっていう展開だったか……。

 

 

 しかし、そのスキルをこのタイミングで入手するとはな。あれ、もうちょっと後、サリアの町に着いた後に入手だったんだけど……

 

 

 

 

「あ、えと、はい。ミクスさんにはお世話になってます」

「コン(お、声が聞こえるんか? びっくりやで)」

「か、変わった話し方ですね……」

 

 

 

 俺にはコンと吠えてるだけにしか聞こえないが、彼女にはちゃんと言葉として聞こえているらしいな。

 

 アニメだと勝手に翻訳してくれて視聴者にも聞こえてたな。確か、周りからはモンスターと意思疎通していてキモいとか言われてたな。

 

 それと厄災の魔女もモンスターと話せたとかいう話もあったから、それで余計に不気味がられてたりしてたな。

 

 

 ……うん、可哀想。

 

 

 

 

 

「あの、ミクスさんこの子変わった話し方しますね」

「へぇ、どんな?」

「せやな? ワイは、ブラックやで? よろしゅう?」

 

 

 

 あぁ、前に関西弁を教えていたことあったんだがそれを覚えていたのか。流石だぞブラック。

 

 

 昔、日本が恋しくて仕方なかった時に教えてたんだよな。モンスターには稀に言葉を話す個体もいるって聞いてたから、折角だし関西弁を教えていたんだけど。

 

 結局、話すことはできなかった。話すことはできなかったが、覚えていたんだろうな。

 

 

 

「あぁ、その……話し方は俺が教えたんだ」

「そうだったんですね! なんだか特徴的な話し方で楽しいですね」

「コン(お前、ワイの主人が好きなんやな。ええ眼してるやん、子分にしてやるで)」

「あ、ええ!? い、いや、そ、そんな!! あ、あの子分になります。だから、その件はミクスさんには秘密にしてください!!」

 

 

 

 どうやら、話している内容は知らんが上下関係が決まったらしい。ブラックも何を知っているのか知らんが、脅してるのか?

 

 豊穣の女神を脅すとはとんでもない狐だよ

 

 

 

 

 

 

「コン(しゃあないなぁ、昨日ベッドの枕の匂いをめっちゃ嗅ぎまくって、ニヤニヤしてるのも黙っておくわ)」

「あ、ありがとうございます!!」

「コン(ただ、あれ本人に見られたら引かれると思うで)」

 

 

 

 よく分からんが、どうやら仲良くなれているようで何よりだ。ダークフォックスも、本来なら別個体であるが彼女は拾うわけだし。

 

 モンスターと仲良くなるのが得意なのかもしれない。

 

 

 

「ぶ、ブラックちゃんはかなり、凄い可愛いですね! 素晴らしいですよ!!」

「すごい媚び売ってない?」

 

 

 

 馬車に乗れば、大体明日の夜には着くことができるだろう。途中で休むことにはなるだろうが、残りは馬車に乗るだけだ。

 

 サリアには公爵家のSランク冒険者がいるからな。彼女も楽しみだろう。だがしかし、最終的に彼女が誰とくっつくのかは分からないんだよな。

 

 

 1クールまでしか、見てないからな。

 

 

 個人的に他国の王子が1番良いかなって思うけど、決めるのは彼女だろう。色々あるがハッピーエンドになるはずだと思うし。

 

 

 バッドエンドにはならないって、聞いたことある。作者がハッピーエンドで終わらせるとは公言してたと解説動画にあったけど。

 

 ただし、本当に誰と結ばれるのかな。次に会う、ルディオは超強いけどヤンキーみたいな感じでもある。

 

 

 俺は色んなアニメ見てきたけど、女性系主人公だと恋人候補とかになるとヤンキー見たいなのが多いよね。

 

 ヤンキー、まぁ、喧嘩したがりと言うか、強いやつにはすぐ喧嘩を売るって言う感じだから俺は苦手だが女性人気は高かったな。

 

 シエラは誰と結ばれるのかは知らんが……俺は他国の王子おすすめだな。

 

 

 

 

「ミクスさんはサリアの町に行ったらどうするんですか?」

「うーん、まずは拠点を探して、仲間を探して……かな」

「な、仲間……あ、えと、も、もし、あのもし、もしもし」

「電話か?」

「で、電話? 何か知りませんが……あのその……わ、私と組んでくれませんか? その迷惑なのは承知だとは思いますが……必ず、役に立ちます!!」

 

 

 

 ふむ、無論俺もおこぼれを貰おうと思っている。そのつもりだ。それにざまぁも怖いし、いや、俺に降りかかってきたら怖いし。

 

 それに、単純にこの子を一人でサリアの町に放り出すのが普通に良心が痛む。

 

 

 

 

「無論、かまわない。俺としてもポーションとか売って生計を立てようと思っていたからさ。薬草とかを育ててくれるなら」

「も、勿論です! 薬草なんて一晩でたくさん収穫できます!!」

 

 

 

 いや、普通は一晩では無理なんだけど……彼女の場合はありそうで怖いな。うんまぁ、普通に出来るだろう。

 

 

 

「ただ、私、モンスターとも話せて、黒髪に青い瞳……これってますます厄災の魔女と似てますし……。なんか、怖くないですか? 私って」

 

 

 

 おっと、大分センチメンタルになっているな。まぁ、見た目だけで無く能力も近づいてるとなると本当にそうでないかと思って怖くなるんだろうな。差別もますます強くなって怖いかもな。

 

 嫌われるかもしれないって不安かもしれん。

 

 

 

「わ、私、厄災の魔女と本当に何か関係があるんじゃないかって」

 

 

 まぁ、こんな事を言ってしまうとあれだけど……正直何かしらの関係はあるんじゃないかって思ってるよ。

 

 結末は知らんが、この世界はアニメ。見た目と能力も近いってなると……何らかの関係性があるのはアニメのベタベタな展開の一つだろう。

 

 

 あるあるだろ。

 

 

 ここは数多のアニメを見てきた、あるあるのセリフで元気になってもらおうか。

 

 

 

「厄災の魔女なんて関係ないさ、シエラはシエラだろ? 例え関係あったとしても、俺は気にしないさ」

「み、ミクスさん!!?(こんなカッコいいセリフ今まで聞いたことありません!! これ惚れてしまいます、もう惚れてますが)」

「コン(こんなかっこいいセリフは聞いた事ないわ。ほんまにイケメンやわー)」

 

 

 

 まぁ、こんなのはアニメとか漫画のベタベタなセリフだろうな。こんなんで喜んでくれるなら安いものだ。

 

 しかし、我ながらコテコテ過ぎて恥ずかしいなぁ。

 

 

 

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