私は怪盗団のストーカー   作:棚木 千波

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バトンタッチで更に追撃だ!


#48 あなたは何にも許されない・裏

 

 ☆    ☆☆

   ☆      ☆

 

 どうやって目覚めたのかは、私にも分からない。

 でもそうしないといけなかった事だけは、初めから確かだった。

 

「…………いかないと」

 

 目を開けて、見知らぬ天井を見上げて数秒後にはそう呟いていた。

 

 今の自分がどうなっているのか、そもそもココは何処なのか。そんな当たり前の疑問すら、その行動原理の前には些細な事だ。今は間に合わせる事だけが最優先だった。

 

 ベッドから起き上がり、近くにあった制服に腕を通す。どんなに頭や身体が重くても、着慣れた服であればそこまでの苦労はなかった。

 

 近くに置かれていたスマホだけをポケットに入れて、廊下に出る。

 そこで見た景色と今までいた部屋の雰囲気から、やはりここは病院なのだと認識する。きっと、私を保護してくれた誰かが担ぎ込んでくれたんだろう。でもそれに感謝する事すら、今は後回しにしないといけなかった。

 

「ええと、次の患者さんは……」

 

「…………」

 

 忙しそうに廊下を歩く看護師さんの横を、何食わぬ顔で通りすぎる。彼女もそんな私に目もくれる事なく、次の病室へと移動していった。

 

 まるで幽霊になったみたいだが、好都合だ。

 本当の所はジョーカーみたいにカバーアクションをしているだけだと思うから、バレないようにこのまま進んでしまおう。

 

「いか、ないと……」

 

 スマホさえあれば電車には乗れる。そうすればアイツのパレスがある国会議事堂までは行ける。けれどその先に進む為にはナビが必要だ。その心当たりなんて、私には一人しかいなかった。

 

 しかし彼に連絡すれば、私が動き出した事が知られる。そうすれば、他の人達も私を止めようとするだろう。それはちょっとだけ、厄介だと思った。

 

「…………まぁ、その時は、その時かな」

 

 けれど、私の足取りを重くする程じゃない。

 何としてでも果たさなければならないのだから、それ位では何も変わらない。だから迷いを捨ててメッセージを送った。

 

『――この先は、見逃せませんから』

 

 内より響く声が、そんな私を導く唯一の標だった。

 

 

 

 

 

 

 

「――来てくれないかもって、思ってた。それも一人じゃないよねって思ってたから、それも意外かな」

 

 そうして国会議事堂前に辿り着いた私は、待ち合わせていた彼を見て驚いていた。まぁ三島くんは私以上に目を丸くしてたけど。

 

「お願い、三島くん。――私をあっちに連れて行って」

 

「っ……!」

 

 そんな彼に、率直に私の要望を伝える。

 同じく驚いてはいるけれど、予想はしてたんだろう。すぐに言葉を返してきた。

 

「……あっちって、異世界の事だよな? ここに呼んだって事は、獅童のパレスに用があるんだな?」

 

「うん、出来ればすぐにでも。もう、時間がないの」

 

「いやなんでだよ。あっちで何をするつもりなんだ?」

 

 急かす様に私が言えば、彼としては当然その理由が気になるのだろう。

 

「私は彼の――明智くんの為に行かないといけないんだ」

 

「明智って……は!? あの明智!?」

 

 だから一番の理由を伝えた。私が行かなければいけない理由。助けなければならない命。

 改めて口に出す事で気持ちが昂ぶり出す私へと、彼もまた突きつけるように声を荒げる。

 

「私が行かないといけないの。だって誰も死なせないって誓ったんだから、それは果たさなきゃいけないから……!」

 

「だったら尚の事、お前じゃなくてもいいだろ!? 今のお前がどんな状態なのか、分かってないのか? 明智よりよっぽど死にそうじゃんか!」

 

 三島くんにそう指摘される程には、今の私は満身創痍に見えるんだろう。

 まぁ重体なのはその通りだし、それは全くもって正論だと思う。

 

「なんで病院から抜け出したのかは知らないけど、お前を探して桐条さんや白鐘さんとかも動いてる。ていうかここに来る途中で連絡したから、すぐにここに来る筈だ。だから寺崎の代わりに行ってもらえばいいだろ?」

 

「私の、代わりに?」

 

「そもそもお前、こうして動けてるだけで奇跡と言うか、無理してるんじゃないのか? だから、そんな事までしなくていいんだよ。というか俺らが心配になるから大人しくしてくれって!」

 

 だから、彼のこの提案も間違いじゃない。

 明智くんや怪盗団を助けたいのなら、私だけが行く必要はない。シャドウワーカーや鳴上さんたちの存在や立場が雨宮くん達にも明らかになり、それを敵対している明智くんも知っている今、堂々と助けに行く事だって出来るだろう。

 

 だから、正しいのは三島くんの方だ。

 私の身を案じてくれた。更には明智くんを助けるという脈絡のない目的にも代替案を出してくれた。

 だからそれに従う事が、きっと正解なのだろう。

 

 

 だから。

 だから。

 だから? ――それが、なんだっていうの?

 

 

「――それじゃあ、私が見に行けないじゃん」

 

「な、何を言って……」

 

「死なせないだけじゃ意味ないの。私が行きたいって言ってるの。そうじゃなきゃ、ここまで来た意味がないんだよ」

 

 唖然とした顔になった三島くんへ、私は素直な気持ちをお伝えする。ここに至るまでずっと抱いていた行動原理を、包み隠す事なく全部だ。

 

「この先は見逃せなかった。ジッとなんてしていられなかった。だってそれだけが、今の私が生きられる理由なの。だからお願い、三島くん。私をパレスに連れて行ってよ」

 

「な、なんだよ、それ……?」

 

 理解出来ないモノを見る目を彼から向けられているが、私としては誇張も偽りもしたつもりはない。

 

 あの夏の日に誓ったように、私にはやらなければならない事がある。失われる筈の命を極力拾い、私の所為で被害を受けた人々に謝り、その上で事件の全てを見届ける。

 無理無茶無謀と思ってたけど、シャドウワーカーの皆さんや鳴上さん達の力を貸してもらう事で、どうにかそれは成就の一歩手前まで漕ぎ着ける事が出来ていた。

 

 だから後は明智くんだけだ。

 彼を死なせずに済めば、誓いの一つは果たされる。

 だから何としても達成したいという気持ちが、今の私を動かしていた。

 そうしなければ、()()()()()()()()()()()()

 

「……そうだよね。やっぱり、認めてもらえないよね」

 

 けれど正しいのは三島くんの方である以上、認められる道理はない。誰に話しても止められるだろうという確信も、病室で目覚めた時から存在していた。

 

 だから私は心の天秤に、その二つをかけた。

 正しいやり方をして散るか、間違ったやり方をして散るか。

 その結末自体は、それこそあの夏の日から覚悟していたから。

 

「――なら、なんでもするしかないよね」

 

 ――私は、過ちを重ねる事を選んだ。

 

 

 

 

 

「お前、本当に寺崎なんだよな? それ、桐条さんが言ってた異世界の影響って奴じゃないよな……?」

 

 そうして三島くんのスマホを奪ってシドウパレスに突入した私は、その後を追ってきた彼に訊かれて、自身の顔に手を当てる。そこに巻いていた筈の包帯は、他ならぬ彼の手によって奪われてしまったからだ。

 

 

 その下で輝いているだろう金色の瞳、その熱を目蓋越しに感じる事が出来た。

 

 

 ――オクムラパレスから帰還した後の病室。

 私が認知世界に行くと、そこで何かしらの存在と一体化している事が美鶴さんから告げられた。

 

 それが一体なんなのか、何が原因なのかはハッキリしていない。しかし観測結果からは、そうとしか言えないデータが見て取れたそうだ。

 それは私に力を与える類のモノであり、ペルソナに目覚める前から認知世界である程度動けていたのはその所為だろうとも言われた。

 そしてその一体化していた何かしらが身体から抜ける為に、異世界から帰還してから数日はダウンしていたのではないかとも。

 

 心当たりはあった。

 ペルソナに目覚める前ならともかく、今は私にパレスがある事も自覚している。ならば考えられる可能性は一つしかない。

 故にその時点で認知世界への潜入は控えるべきだとも言われていたが、それだけは出来なかった。その結果が尋問室での一件だろと言われたら、確かに閉口するしかないのだけれど。

 

 けれど多分あの時からだ。

 ニイジマパレスでクロウに敗北してから。或いは尋問室で明智くんに頭を撃ち抜かれてから。

 私の中にはずっとソレがいた。身体から抜けきる事もなく、現実を私の内から犯していく存在。歪んだ私が持つ歪んだ力の化身そのもの。

 

 

 すなわちはもう一人の私。

 この金色の瞳は、彼女が表へと出てきている事の証明に他ならなかった。

 

 

『――酷い言い草ですね。今の(あなた)を動かしているのは私の方で、そもそもこんな事が出来てしまっている事自体が、(あなた)の失態だというのに』

 

 内より響く声は、まさしく自虐そのものだ。

 なんせ意思は私本体から来ているモノの筈で、もう一人の私は生命活動を補助する為の存在だ。なので別に乗っ取られてるとそういう訳じゃな……ん? でもその意思を生み出す脳を回しているのは彼女の方となると……あれ?

 

「――私は私だよ。変わってなんていないし、変わった事でもないでしょう?」

 

「……ならお前は、自分の意思で病院から抜け出して、俺からスマホを奪って、明智の奴を助けに行くつもりなのか?」

 

「そうだよ。別の何かに操られてるとか、そういう話じゃない。私は、私自身の欲に従ってここに来た。だからこの誤りを謝ったりはしない。もう、覚悟は決めてきたからさ」

 

 ……ああでも、私が他でもない私の為に動いている事には間違いがない。なら今はそれだけでいい。

 どちらも私なんだから、果たしてしまえば同じ事だし。

 

「っ……! だからなんでだよ!? 何が寺崎をそこまでさせてんだよ?!」

 

「見たいの。見なきゃいけないの。怪盗団と明智くんの戦いを、彼らの本心からのぶつかり合いをこの目で見たいの。だってここなら、この世界で生きている私ならそれが出来るんだから、しないわけにはいかないじゃん!」

 

 だからこの叫びも本心だ。

 あの夏の日の聖堂で黒い修道女が言っていた事と同じ。

 否定なんて出来なかったからこそ、あの日から続く望みの果てを言葉にし続ける。

 

「その上で彼を死なせる事もしない、絶対に生かしてみせるから。だから見る位はしてもいいよね? 前の怪盗団とシャドウワーカーのドリームマッチだってちゃんと見られなかったんだから、せめてこっちは見せてくれてもいいよね……?」

 

「お前……」

 

「今の私はその為に生きてるんだから。そうじゃないともう動けないの。この希望が身体を動かす限りは、止まるわけにはいかないんだよ……!」

 

 私にとってはその全てが同価値の希望だ。

 故に一つとして諦められない。一つでも諦めた時点で、私の誓いは果たされない事になる。私の望む気持ちが陰る事になる。

 

 それは私の欲望が形を保てなくなる事と同義であり、今の私を動かすもう一人の私の存在否定に繋がる。

 そうなれば私の命が終わるという確信があった。だからそれまでに、動かないといけなかった。

 

 そう、思っての発言だったのに。

 

「――なら、俺も付き合ってやる! 止まる気がないなら、それでいいだろ?!」

 

 そんな不義理な私に、彼はそう言ってくれた。

 

「三島くん……」

 

「お前が寝てる間も修行はしてたんだ。雨宮や鳴上さん達ほどにはなれてないけど、もう足手まといにはならない!」

 

 そんな恩知らずの私と一緒に、三島くんは戦うと言ってくれた。

 

「また無理した姿を見せられる位なら、一緒に行ってそうならないように俺が寺崎を見ておくから。それがお前を許す条件、どうよ?」

 

 こんな不忠な私を、許してくれると言ってくれた。

 

 

 だからこそ、私は彼を直視出来なかった。

 

 

「……駄目だよ、そんなの」

 

 あんまりだと思った。酷いとすら感じた。

 

 三島くんの提案は、私以外に対する裏切りだ。

 私たちの身を案じてくれているだろうシャドウワーカーや鳴上さん達の事を完全に振り切り、私に対する不満を棚上げした上で、私の身勝手に付き合ってくれると言ったのだ。

 

 それが善意から来ている事が彼の作った笑みで分かったからこそ、私からは悪魔の誘いにしか思えなくて。

 その手を取れたらどんなにいいだろうと下を向きながら、私は拒絶の言葉を叩きつける。

 

「この先は私一人じゃなきゃいけないの。それは三島くんが強くないからとかじゃなくて、純粋に来て欲しくないからなんだよ」

 

 だからこそ、駄目なんだ。

 どれもこれも私の我が儘だからこそ、ここもまた譲る訳にはいかない。

 

「正確に言えばね、私は明智くんを助けに行くんじゃない。彼の死を、思いを踏み躙りに行くんだ。ただ私が彼に生きていて欲しいから、彼の決死の覚悟を覆しに行く。これはそういう話なんだ」

 

 明智くんがピンチになる事を識っていた私には、取れる選択肢は幾らでもあった。

 予め怪盗団に知らせてもよかった。他のペルソナ使い達に協力してもらってもよかった。そうすればシャドウに囲まれたとしても、彼を連れて離脱くらいは出来ただろう。

 或いは事前に働きかける事で彼を獅童から離脱させる方法だってあったかもしれない。私には思いつかなくても、誰かに相談でもしていれば気付けたかもしれない。

 

 でも、私が見たかったのは『原作のあの展開の先で生きている』明智くんだ。怪盗団と戦った末に思いを彼らに託して散った彼なんだ。

 他の誰にも分かってもらえないだろうけど、そこは最初から変わっていなかった。

 

「そんな事をされた上で生き残ったら、多分明智くんもまた怒ると思うんだ。恨み辛みをぶつけてきて、それこそまた殺しに来るかもしれない。そんな事に、三島くんを巻き込めない」

 

 そしてこの考えは、尋問室で彼と話した事でより強固になった。

 彼は私の全てを疎んでいる。故に明智くんに過度な干渉はしないと決めた。例えそれが、彼を見殺しにする形になったとしてもだ。

 

 だから明智くんに関わるのはコレが最後。

 この一回きりで彼の命を繋ぐために、私はこの場に来たんだ。

 

「誰かの死ぬ覚悟を踏み躙るのなら、私だってその覚悟をしなきゃダメなの。そんなモノを三島くんにはして欲しくない。三島くんだって、私は死なせたくないんだよ」

 

 けれどそれは、明智くんが全滅を覚悟する程の窮地に飛び込む事を意味する。

 まだ死ぬ気はないけれど、きっと死を避ける事は出来ない。私だけならそこを何とか出来る筈だけど、それ以上は無理だという予感がある。パーティで挑むならそれこそ鳴上さんや美鶴さん辺りに声をかけた上でのフルパでなければならない気がする。

 でも、その編成だときっと私は入れない。むしろ真っ先に外されるだろう。

 

「っ……! それはお前だってそうだろ?! 俺たちだってお前を死なせたくないって思ってるのが、なんで分からないんだよ……!?」

 

 それは私も識っている。私の識っている彼らなら、きっと私の行いを良しとはしないだろう。

 その為に動ける人たちだからこそ、私は彼らの輝きに惹かれたのだし。

 

「無茶しないって約束は、どうしたんだよ……!」

 

 そんな人たちの為に、或いはもっとも近くで私の無茶を見せてしまった彼の為に、私が果たそうとした約束の事を三島くんがあげつらう。

 思えばそれこそが、真に私と彼を繋ぐモノだったのかもしれない。互いに信頼を結ぶ為に交わした、ある種の取引のようでもあるそれを。

 

「――そんな約束自体が、間違いだったんだよ」

 

 私は、自らの手で引き裂いた。

 

「……は?」

 

「自分の欲を抑えられくて、全部裏切る事にした私が、そんな約束を守らないといけない理由はない。それよりも、私の望みを優先するって決めたんだ」

 

 目覚めた時からこうする以外に道はなかった。或いは明智くんと対峙する事を選んだ時点で、破綻していたのかもしれない。

 だから言うべきは淡々と。責務を果たす機械のようにあるべきで、そこにいかなる感情も挟む必要はない。そんな楽じゃないけど楽な道を、私は選んでいた。

 

「……結局、何も言ってくれないのか」

 

「…………」

 

「これから起こる事は話せても、寺崎自身の事は何も、教えてくれないのかよ……!」

 

 悲しさとやるせなさ、そして少しの怒りに顔を歪ませる三島くん。そんな彼に話せる事はない。

 例えどれだけ間違っていても、実行に移した時点でその正しさを私はどこかで認めている事になる。ならば私だけが信じたその正しさを、最期まで貫かなればならない。

 

「……なら、どうするの?」

 

「決まってるだろ。これ以上、寺崎の好きにはさせない」

 

 そんな私へと、当たり前だとばかりに三島くんが告げてくる。

 その銃を持つ手に、私に向けられたその瞳に、どれだけの思いが籠っているのかも分かってしまった気がしたから。

 

「分からず屋のお前をその先には行かせない。ちょっとくらいぶっ飛ばしてでも、寺崎を止める……!」

 

 だからこそ、同じように彼にとっての正しさからくる怒りを私は真正面から迎え撃つ。

 弱音など僅かであっても抱いてはいけない。後ろめたさもまた論外だ。

 

 

「――だから、全力でいくよ」

 

 

 故にその全てを振り払う為の速さでもって、私は彼を封じた。

 

 手にした鎖で三島くんを銃ごと拘束し、甲板の上に転がす。

 ここであれば近くにベルベットルームもあった筈だし、比較的パレスの中であっても安全な筈。

 そんな非情な判断と共に彼を置いて、私はパレス内部へと足を向ける。

 

 「待てよ……待ってくれ……!!」

 

 背中から聞こえる声には耳を貸さない。その資格を既に失っている私には、そんな事許されてない。

 

 ――ああ、気分がいい。

 

 彼を封じる為に動いた一瞬で、私の身体にまた変化が起こったのだと分かった。

 反逆の意思によって揺らめくように姿が変わり始め、すっかり着慣れた白い修道服が形となる。

 そしてそこにあるのが当たり前だとでも言わんばかりの鎖が、私の腰や手足に巻きついている。

 いつもの鎖鎌すらそこにあったが、それが何故だとは思わない。

 

『この鎖は(あなた)の罪が形となったもの。(あなた)が罪深い存在である限り、その手にはいつだってあるものです。その重さを常々忘れないように、ね』

 

 そんな内よりの声と共に意識する鎖は、これまでよりもずっとずっと重い。

 けどやはり、私の歩みを止める程ではない。

 

 だってこれが私の選んだ道だ。

 何も知らない人たちを利用して、その思いの全てを裏切って、自分の為だけに動く者が私だ。

 

 ――それを最悪(さいこう)の気分と言わずして、何と言えばいいんだろう?

 

 




閲覧、感想、評価など誠にありがとうございます!

次回、ずっと書きたかった回です。
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