オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第1話

世界の中心 迷宮都市オラリオ

 

そこに立つ一際異彩を放つ建物

 

それはある日突然何の前触れも無くそこに現れた

 

街の人達はどうやってそこに現れたのかと疑問に思い最初は警戒した

 

しかし度胸試しで入った1人の男を皮切りにその場所はオラリオに住む全ての人に受け入れられ始める事になった

 

「お呼びでしょうか?」

 

【フレイヤ・ファミリア】の主神フレイヤの部屋でフレイヤに呼ばれた団長オッタルが訪ねる

 

「オッタル、貴方最近街を騒がせている建物について知ってる?」

 

「一般的な話は…………詳しい事は知りません」

 

「何でも中はとびっきりの別世界で私達神々ですら知らない物があるらしいわ」

 

「………………………………」

 

「………………行ってみたいの、付き合ってくれるわよね?」

 

「ご命令とあらば」

 

オッタルがそう言うとフレイヤはフフと笑い2人は建物に向かう

 

「何時見ても変わった建物ね。まぁ良いわ。行ってみましょう」

 

「フレイヤ様、何があるか分かりません。出来るだけ私の前を歩かないようにお願いします」

 

「相変わらず心配性なのね」

 

2人が中に入るとそこはまさに別世界だった。煌びやかな装飾に靴越しでも分かる柔らかい感触。鼻を擽る香ばしい匂い。そして見たこともない程精巧に描かれた絵画の数々

 

「いらっしゃいませ」

 

そこに1人のタキシードの様な物を着た男が奥から現れる

 

「貴方は?」

 

「私当映画館のマネージャーをしております。ヤマモト・タダシと申します」

 

「えいがかん?」

 

「その名前に顔立ち………………あなた極東の子ね。これは貴方が作ったの?」

 

「いいえ、私はここの管理を任されている者です。此方は映画を観ていただく為の場所、初めてのお客様には私から説明をさせていただいておりますが、いかがいたしましょう?」

 

「そう、ならお願いしようかしら?」

 

「かしこまりました、当映画館には1つルールがございます。【騒がない】他のお客様のご迷惑になりますので大声での会話はご遠慮願います」

 

「まぁ、他の人もいるなら分からなくはないわね」

 

「次に映画の見かたですが。此方に並び見たい映画のチケットを買っていただきます。上映時間となりましたらアナウンスが流れますので指定された番号の前に立つ人物にチケットを渡し中に入場となります」

 

「買うと言うことは金がかかると言うことか?いくらだ?」

 

「そうですね~席や見る映画にもよりますが大体500~3000ヴァリス程でしょうか?」

 

「値段にかなり差があるのね、そんな事で大丈夫なの?」

 

「高い物にはそれだけ価値があると自負しております。さぁお選び下さい」

 

そう言ってタダシに映画のタイトルと思われる名前の載ったファイルが数十冊渡される

 

「多いわね」

 

「見たいジャンルがありましたら此方で選別することも出来ます」

 

「そうね………………何か刺激のある物が良いわ」

 

「となると………………ジャンルはホラーですね」

 

「ホラー?」

 

「はい、お化けや妖怪、化け物や最近ですと人が怖いと言う様な作品もございます。一番有名な物ですと【リング】ですね」

 

「じゃあそれにするわ2人分」

 

「かしこまりました~」

 

店員がレジを打ち金を受け取ると2枚のチケットを渡され再びタダシに付いていく

 

「此方では軽食を販売しております。多彩な軽食がありますが個人的おすすめはやはりポップコーン、塩・キャラメル・コンソメにカレーと4種類の味に加え期間限定のフレーバーもご用意しております。今の時期ですとチョコレートですね」

 

そこには見たこともない看板にこれまた精巧な絵が画かれていた

 

「宜しければお1ついかがですか?」

 

帽子を被った女性がそう言い小さなフワフワの物体を2人に渡す。フレイヤが口にする前にオッタルがそれを手に取り口に入れる。カリカリとした食感と軽い口当たりに塩のしょっぱさが口に広がった

 

「毒ではない様です」

 

そう言いきる前にフレイヤは店員と思われる女の手から受け取りそれを口にしていた

 

「美味しいけど…………喉が渇くわね」

 

「ご安心下さい。お飲み物も無数に取り揃えております」

 

タダシと名乗った男はメニューを取り出し2人に見せる

 

「コーヒーにコーラにメロンソーダ?聞いたこと無い飲み物ばかりね、取り敢えずそのポップコーンとこのコーラと言うのを貰おうかしら?」

 

「はい、サイズはいかがなさいますか?」

 

「サイズ?」

 

「はい、飲み物とポップコーンを入れる器にはサイズがございまして、小さい順にS・M・Lとポップコーンはその更に上のXLがございます。XLのポップコーンは味が2種類選べるんです。映画は2~3時間続きますので大きいサイズをお勧めします」

 

そう言い女性はそれぞれサイズの違う器を机の上に置く

 

「ならXLのポップコーン1つとコーラのL2つ頂こうかしら?ポップコーンは塩と期間限定フレーバーをお願いするわ」

 

「かしこまりました~」

 

どっさりと山の様に積まれたポップコーンと中の見えないストローの刺さった入れ物が渡される

 

「それではいよいよ映画の上映です。心行くまでお楽しみ下さい」

 

その後、【リング】を放映していたシアタールームには美の女神の悲鳴が響いていたと言う

 

「マネージャー、良かったんですか?あの映画…………」

 

「聞いてみたいではないですか」

 

「え?」

 

「美の女神の無様な悲鳴を…………」

 

「「「うわぁ~」」」(((何でこの人転生出来たんだろう?)))

 

マネージャーのそんな姿を見た同郷の転生者達はそんな風に思ったとか

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