オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第11話

「それじゃあ神様、行ってきます」

 

居住区から少し離れた廃教会から白髪赤目の少年が現れる。彼の名はベル・クラネル。最近オラリオに来た新人冒険者だ

 

彼は本拠である廃教会を出ると真っ直ぐダンジョンに向かう、その途中オラリオの中心に建つバベルに次いで高い建物を見る

 

建物の名は映画館、オラリオで最も人気の娯楽映画が見れる場所。尤もベルはそんな金が無い為1度も観に行った事は無い

 

「何時か僕も行ってみたいな~」

 

そう思いベルは今日も1人ダンジョンに潜りモンスターを狩る

 


 

ベルが出てきた廃教会、そこから1人の長いツインテールの女神が現れる

 

彼女の名はヘスティア。炉の女神でありベルの主神、2人だけのファミリアであるためベルの稼ぎだけでは生活できず彼女もまた働きに出ていた。と言ってもじゃが丸君と言う食べ物を売るバイトで

 

数時間後

 

「ふぅ~。今日のノルマ達成~!!」

 

山の様に積まれていたじゃが丸君が消え失せヘスティアは汗を拭く

 

「ヘスティア様ヘスティア様」

 

その時、ヘスティアが雇われている屋台の経営者であるおばちゃんがヘスティアに声をかける

 

「なんだい?」

 

「これ、うちの旦那が景品として当てたんだけどね?あの人張り切ったあまり腰やっちゃってね。私だけで行こうかとも思ったんだけど、これペアチケットらしくてね、私が持っててもしょうがないからあげるよ」

 

「良いのかい?ありがとう!!」

 

そう言って2枚のチケットを受け取りヘスティアはルンルンで廃教会に戻りベルにその事を伝えた

 

ベルは嬉しさの余り立ち上がりヘスティアに抱き付きヘスティアが嬉しさの余り卒倒したのはここだけの話だ

 

翌日 映画館

 

「わぁ~!!近くで見るとより大きく感じますね!!」

 

「そうだね。さぁ行こうベル君!!うわさの映画がどんなものか見てみようじゃないか!!」

 

「はい!!」

 

2人はそう意気込み中に入る

 

「いらっしゃいませ。ようこそお越し下さいました」

 

見たこともない程豪華な建物に紳士服を着た男が出迎えてくれた

 

「私、当映画館のマネージャーをしております。ヤマモト・タダシと申します」

 

そう言いタダシは一礼する

 

「えっと、このチケットを手に入れたんだけど………………」

 

「拝見いたします」

 

ヘスティアはペアチケットを取り出すとタダシは受け取りチケットを確認する

 

「確かに、当映画館が発行した『【映画館セット】付き無料ペアチケット』ですね。おめでとうございます」

 

チケットを破り片方をヘスティアに返しながらタダシは言う

 

「お二人は映画館のご利用は初めてのお客様ですね。私の方から施設の説明を出来ますが」

 

「ぜひお願いするよ」

 

「かしこまりました。では、まず此方が見たい映画のチケットを販売しているコーナーです。しかしお客様は今回無料ペアチケットをお持ちですので此方はご利用いただかなくて結構です」

 

そうしてタダシは次々と施設を説明していく

 

「施設の説明は以上になります」

 

「ありがとう。大体分かったよ」

 

「本当に凄い所ですね。どうやってこんな物作ったんですか?」

 

「それは企業秘密とさせていただきます」

 

「キギョウ?」

 

「では、見たい映画をお選び頂けますか?」

 

「う~ん。ラブロマンスや感動する話も良いな。ベル君はどう思う?」

 

「僕はやっぱり英雄譚が見たいです!!」

 

「う~ん。流石にその2つの要素がある話なんて無いよね?」

 

「そうですねぇ。流石に難しいですが無いことも無いでしょう。英雄と愛は切っても切り離せぬ関係なのですから」

 

そう言ってタダシは複数のファイルを取り出す

 

「これは?」

 

「これらは全て同じ者が作った作品なのですが。これらの作品の主役は皆ヒーローなのです。つまりヒロインがいて2人が結ばれる。勿論必ずとは言えませんが。クラネル様のご年齢の英雄譚ですと………………これらの作品は近い年頃の主役が活躍されますので此方をお勧めします」

 

そう言ってタダシが渡すファイルには同じ様なマスクの人物が映っていた

 

「神様!!この人の話にしましょう!!」

 

そう言ってベルは目をキラキラとさせヘスティアもそれに同意する

 

「分かったよ。それで?この話は何が違うんだい?」

 

「はい、全てシリーズ化されたものですが少しずつ設定や戦う敵等が違います。此方は【3】まで出ており此方は【2】まで。此方も【3】まで出ていますが【4】もその内公開する予定ですが、此方は同じ者が作った別の作品と繋がっておりますので今回は此方か此方をお勧めします」

 

そう言ってタダシは2つのファイルに絞り2人にどちらにするか選ばせる

 

「映画は一つ一つが長いらしいし此方にしようか、ベル君」

 

「はい!!此方の……………………これなんて読むんですか?」

 

「此方は【アメイジングスパイダーマン】と読みます」

 

「じゃあそれで」

 

「かしこまりました。軽食販売コーナーで此方のチケットをお見せください無料で【映画館セット】を受け取る事が出来ます」

 

「分かったよ。ありがとう」

 

ヘスティアとベルはそう言うと【映画館セット】を受け取り指定された部屋に入り席に座る

 

映画泥棒を経て本編が始まる

 

蜘蛛に噛まれた青年が蜘蛛の力と持ち前の頭脳でヒーローになり犯罪者達を捕まえていった

 

やがて仲良くしていた研究者が蜥蜴の化け物に変わり彼に襲いかかった。ボロボロになりながら博士の凶行を止めたがその過程で恋人の父も亡くなってしまった

 

「いやぁ~面白かったねベル君」

 

「はい!!これ続きも他のシリーズもあるんですよね⁉何時か見てみたいし早くあの人みたいな英雄になりたいです!!」

 

「またのお越しをお待ちしております」

 

タダシは一礼しそう言うとベルとヘスティアを見送った

 


 

「主人公来ちゃいましたね。これから街は騒がしくなりますね」

 

ポップコーンを売っていた少女がタダシにそう話し掛ける

 

「フフ。我々にはどうすることも出来ませんよ。我々の力はあくまでこの映画館の中でしか使えないのですから」

 

「まぁ、そう言う契約ですからね。見た感じミノタウロス前………………いや、あれで結構後ろを見ないタイプだから後なのかも………………これだから前向き系主人公は…………」

 

「ベル君に何か恨みでもあるんですか?」

 

「さぁさぁ。次のお客様が来る様ですよ。それぞれの仕事をして下さい」

 

「「はぁ~い」」

 

タダシはそう言うと次の客を出迎え他の2人も仕事をこなし始めた

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