オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第13話

オラリオに建つ映画館

 

今日もそこに珍客がやってくる。現れたのは全身ローブを纏った人物がやってくる

 

「いらっしゃいませ」

 

そんな怪しい客にもタダシは誠心誠意対応する

 

「初めてなのだが?」

 

「かしこまりました。私の方で当映画館の設備の説明を行う事も出来ますが?」

 

「ああ、お願いしよう」

 

「かしこまりました」

 

タダシが説明している間、客は辺りをキョロキョロと見回しながら話を聞く

 

「以上が当映画館の設備になります」

 

「ああ、ありがとう」

 

「では、見たい映画をお選び下さい」

 

「そうだな。変な風に聞こえるかもしれないが怪物が出てきて怪物に好感が持てる作品は無いか?」

 

「そうですね、そういった怪物の話ですとやはり此方でしょう」

 

そう言ってタダシはファイルを取り出すとフードの人物はそれを覗き込む

 

「【プレデター】………………確か意味は『捕食者』だったか?好感が持てる名前とは思えないが」

 

「名前に関してはその通りです、【プレデター】シリーズはプレデターと言う狩猟民族が人間を狩る話となっております」

 

「聞けば聞く程好感が持てるとは思えないな」

 

「はい、しかし映画を見ればその意見は一変すると個人的には思っております」

 

「……………………では、それを1人前頼む。シリーズと言うことは何作かあるんだろう?全て見せてくれ」

 

「かしこまりました」

 

チケットを受け取り指定の番号の席に向かう

 

「あ!!お客さんポップコーンと飲み物は⁉」

 

「ああ、済まない。そう言うのは好まないんだ」

 

「そうですか…………」

 

フードの人物は指定の席に座ると映画を観る。内容は空の彼方からやって来た狩人プレデターが軍人達を殺して回ると言う内容、しかし話が進んでいく毎に誇り高い部分も見えてくる

 

掟を重んじ戦意の無い者は襲わず強者には敬意を示す

 

勿論全てのプレデターがそうとは限らないが多くの者がそうだった

 

(成る程、確かに規律を重んじる者達は疎まれもするが慕われもする。彼らが独自にでも規律を重んじるなら人間達にも好感を持たれるかもしれない)

 

映画が終わりフェルズは立ち上がるとタダシが出迎える

 

「本日はご来場頂き誠にありがとうございました」

 

「此方こそ。貴重な経験をさせて貰った。お陰で光明が見えてきたよ」

 

「それはようございました。またのお越しをお待ちしております」

 


 

ギルドの最奥に存在するウラノスの祈祷の間

 

ギルド職員の中でも限られた者しか入れない場所にフェルズはこっそりと入っていく

 

「……………………何か分かったか?」

 

「いいや、大体調べてきたが神ヘルメスから貰った情報の通りだった。ヤマモト・タダシなる男が出迎え施設の説明を行い【映画】なる物を見せるだけ。怪しい動きをしている者は居なかったし正直商売以外の目的があるとは思えなかった」

 

「そうか、つまり我々の邪魔にはならないと言う事だな?」

 

「ああ、だが設備は相当な物だった。何より、彼らにはモンスターに対する嫌悪感が無いように見られた。あそこなら彼らもダンジョンよりは安全に過ごせる筈だ。彼らが協力してくれるならだが」

 

「それは難しいだろう。いくら嫌悪感が無いとは言え眼前に現れれば主張を変える者も多い。それを考えるとそれは最後の手段だ」

 

「……………………確かにな。だが偶然とは言え映画館が我々の目的の手助けをしてくれるのは嬉しい誤算だった」

 

「うむ、ひとまず映画館が敵では無いと言うことは分かった。これからも頼むぞフェルズ」

 

「ああ、任せてくれ。ウラノス」

 

フェルズはそう言うと姿を隠し何処かへ消えた

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