ピンポーンと機械的な高い音がスタッフルームに響く
タダシが扉を開け来客を見るとその人物はひょっとこの面を被り荷台を引いている泥だらけの服を着た少女が立っていた
「おや、宮本さん。今日はどうしました?」
「あ、あの。ポップコーンの種が出来ましたのでお届けに…………後、鈴ちゃんから金属のお届けでしゅ……ああ~」
最後の最後に噛んだ事を恥じる様に少女は頭を抱える
「やはり人と話すのは苦手な様ですね。しかし何時も言っていますが同じ建物の地下に住んでいるのですからわざわざ外に出る必要は無いと思うのですよ?」
「そ、そんな恐れ多い⁉人前に出られない私達を住まわせて貰ってるのに皆さんと同じ道を通るなんて!!」
「ハッハッハッ相変わらず面白い感性をお持ちの方達だ。確認しますので荷物を中に運んで下さい」
「は、はい!!」
タダシがそう言うと少女は「んしょ、んしょ」と声を上げながら荷物の入ったダンボールを運びその間にタダシは荷物の品物に目を通す
「成る程、逆に此方がした方が良いことはありますか?」
「いえ、あ、でも今年は小麦粉が不作だからチュロスは値上げした方が良いって空ちゃんが言ってました。後は牛も仕入れたからハンバーガーとかも出してみたらどうかって言ってました」
「成る程、ハンバーガーですか。確かに今までそう言ったガッツリ系のメニューはホットドックとフランクフルトしかありませんでしたね。この際ジャガイモも栽培していただいてセットメニューとして販売するのはいかがでしょう?」
「い、良いと思います!!2人に聞いてみますね」
「宜しくお願いします」
少女は軽くなった荷台を引き地下に帰って行った
「あれ?マネージャー誰か来てたんですか?」
丁度入れ替わる様にポップコーン売りの少女がスタッフルームに入ってくる
「ええ、貴女の売るポップコーンやホットドックの元を育ててくれている方です」
「へ?内のポップコーンって自家製なんですか?てっきり何処かから仕入れてるのかと…………」
「いえ、基本的に内で使う物は地下で作って頂いているんですよ」
「へぇ~知りませんでした。ご挨拶したいんですけど」
「彼女達は人見知りなので私以外のスタッフとは話したがらないんですよ」
「そっかぁ~、残念。じゃあその人がまた来た時私がお礼言ってたって伝えて貰えますか?」
「分かりました。伝えておきましょう」
「はい、って言うかうちの映画館って全部自給自足だったんですね。金属まで地下から掘ってるなんて」
「フフ、全てはお客様に喜んで頂く為ですよ。さぁ、今日の営業を始めましょう」
タダシはそう言うと何時もの様に客の前に立った
ミヤモト・ケイ(宮本螢)前世享年19 現在10 役職 地下農家
宮本三姉妹の長女であり農業担当。顔を見られたく無い為常に何かしらのお面を被っている。今回はひょっとこ
前世では至って平凡な人生を歩んでいたが父親が騙され闇金の借金をそのまま被る事になり借金取りに追われる毎日に急転落。更にその借金を残したまま両親が蒸発。借金を返すため夜の街で働かざるを得なくなり高校を退学。その後人気No.1キャバ嬢になる
しかしその事を妬んだキャバ嬢に顔に大火傷を負う重症を負わされ怪物と罵られ後ろ指指される生活に耐えられなくなり自殺した。顔の火傷はまるで呪いである様に転生して尚顔に残り続けている
死因:自死
好きな映画:最強の2人
ミヤモト・スズ(宮本鈴)前世享年19 現在10 役職 鉄鉱員
宮本三姉妹の次女。映画館の備品の修理は全て彼女が掘り出した鉄が使われている。生前は姉の死後どうすることも出来ず妹共々闇金業者からヤクザに引き渡され裏ルートで体をそれぞれ借金の方にされ死んだ
今回は未登場
死因:同意無しでの全内臓移植により死亡
好きな映画:13日の金曜日
ミヤモト・ソラ(宮本空)前世享年19歳 現在10歳 役職 地下酪農家
宮本三姉妹の三女。動物が好きで食肉用から乳牛、鶏や羊等も飼っている
前世は次女同様ヤクザに借金の方にされた
今回は未登場
死因:同意無しでの全内臓移植により死亡
好きな映画:カーズシリーズ
映画館の地下
基本的にはスタッフの居住区域。そこから表では出来ない工事や制作を行っている。農業や酪農も行っており魔法と現代科学が集まりどんな生物にも快適に暮らせる場所である
またバイクや車等もありそちらは滅多に使用されない
全てを地下で行っているのはオラリオに出来る職人がいないのと身の回りを探られない様にする為、そして機材や地球産の道具類の存在を隠すため
また三姉妹の様に人目を避けたい転生者に配慮された結果でもある