オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第17話

街の人々に親しまれる娯楽の館、映画館

 

「ふぅ、最近は客足も多くなり私1人では捌けなくなってきましたね。せめてもう1人案内役が欲しい所ですが」

 

タダシは多くなった客足にそう溢し次の客の案内に向かう、丁度出入り口の前で1人のエルフが頭を悩ませていた

 

「う~む」

 

「お困りですか?」

 

タダシがそのエルフに声をかける

 

「お前は…………」

 

「失礼致しました。私当映画館のマネージャーをしております。ヤマモト・タダシと申します」

 

「ああ、私はフィルヴィスと言う」

 

「これはご丁寧にお客様は初めてのご利用でしたね」

 

「分かるのか?」

 

「ええ、お困りの様でしたが何か不手際がございましたでしょうか?」

 

「いや、映画と言う物を友人に進められてな。試しに観てみようと思ったのだが何をどうしたら良いのか皆目見当がつかないのだ」

 

「でしたら私の方で当映画館の説明をさせて頂く事も出来ますが?」

 

「そうだな。お願いしよう」

 

「かしこまりました。では最初に映画を観る際は…………」

 

タダシは館内の説明を進めフィルヴィスはその都度質問をしていく

 

「以上が当映画館の設備となります」

 

「ありがとう。大体分かったよ」

 

「それでは、見たい映画をお選び下さい」

 

「ふむ、そう言えばどんな映画があるのだ?」

 

「ジャンルで言えば様々です。ホラー、アクション、ラブロマンス等々」

 

「ふむ、聞いても全く分からんな………………取り敢えずお勧めの物を頼む」

 

「はい、失礼ながらお客様はエルフの方ですね?」

 

「ああ」

 

「であれば【ハリー・ポッター】シリーズはいかがでしょう?」

 

タダシはそう言ってファイルを取り出す

 

「【ハリー・ポッター】?」

 

「はい、此方の作品は魔法使いの少年が主人公で闇の帝王と呼ばれる敵と戦う話です。肉弾戦は殆ど無く魔法での戦闘が主ですので魔法使いの多いエルフの方々には大変人気のある作品となっております。また、魔法体系も現存する魔法と違い魔法使いの方々に新たな道を開いてくれるでしょう」

 

「成る程………………では、それを1人分貰おう」

 

「かしこまりました」

 

フィルヴィスはそう言うとチケットを受け取る

 

「はぁ~い!!本日【期間限定ポップコーンチーズ味】発売です!!映画のお供にどうぞ~!!」

 

チケットを受け取った直後そんな元気な声が聞こえそちらを見ると見たこともない菓子が描かれた絵があり思わずそちらに歩を進めていた

 

「いらっしゃいませ~」

 

「ここでは菓子が買えると聞いたのだが?」

 

「あ、はい!!やっぱり映画にポップコーンとコーラは必須ですよね~」

 

「ポップコーン?コーラ?」

 

「はい!!1番人気の商品です」

 

「ではその2つを頼む、両方Lと言うサイズで」

 

「はい!!フレーバーをお選び下さい」

 

「折角だ。期間限定のチーズ味と言うのを頼む」

 

「はぁ~い!!少々お待ち下さい」

 

数分後

 

「お待たせしました~、ご注文のお品物です」

 

そう言って差し出された品を受け取ると濃厚なチーズの匂いを放つ無数の白い塊と何やら泡立つ黒い液体が入っていた

 

「こ、これは本当に口に出来る物なのか?」

 

「アハハ、皆さん最初はそう仰るんです。でも体に害は無いし美味しいのも保証しますよ?」

 

「そ、そうか。分かった」

 

フィルヴィスは受け取った品を持って指定のシアタールームに向かう

 

映画泥棒が始まり暫くして本編が始まる

 

内容は両親を赤子の頃に亡くし血縁者に虐げられながら育てられた少年が魔法学校で両親の事や自身の才能を開花させていくと言うもの、最初の話では【賢者の石】と言う特別な石を巡り闇の帝王の配下と争う事になる

 

「成る程、これは確かに面白い魔法だ」

 

フィルヴィスは作品内で使われる魔法に興味を抱く

 

殆どの者が3つ以上の魔法を使い杖も片手で持てる程短い上にどんなに強力な魔法も魔法名だけで発動する超短文詠唱

 

「凄まじい物だ。これだけの事がこの速度で出来れば魔法職1人でも迷宮を進めるだろうな」

 

そうして1作目の【賢者の石】が終わりフィルヴィスも席を立つ

 

「いかがでしたでしょう?」

 

「なかなか楽しめたよ。これはシリーズだと言ったな。後何作ある?」

 

「はい、此方は全部で8作ございます」

 

「随分長いな。しかしそれだけ長く楽しめると言うことか。また来るよ」

 

「はい、またのご利用お待ちしております」

 

タダシはそう言うと一礼しフィルヴィスが去っていくのを笑顔で見送った

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