とある日の映画館
街の人達にもすっかり親しまれる様になった映画館に2人の奇妙な客が訪れた。いつかの全身ローブの人物と同じく肌の露出を一切無くした大柄な人物とその人物程ではないが比較的大きな人物
その2人はソワソワキョロキョロと落ち着きの無い様子で周囲を見回している
「いらっしゃいませ」
そこにタダシが声を掛けるとその2人はビクリと1度体を震わせながらタダシを見る
「あ、あんたは?」
「これは失礼いたしました。私、当映画館のマネージャーをしております。ヤマモト・タダシと申します」
「まねーじゃー?なんだそりゃ?」
「所謂、最高責任者と言う物になります」
「つまり、あんたがこの店で一番偉いってことか?」
「その認識で間違いございません」
「そ、そうか、実はここに来るのは初めてでよ。何をどうしたら良いか分からねぇんだ」
「………………………………」
大柄な人物は声からして男性だろうと当たりを付けタダシは話を進める
「そうでございましたか。初めてのお客様には私から施設のご説明をする事も可能ですが?」
「ゼヒオネガイしましょう」
声を上げたのはもう1人の方と思われるフードの人物、声からして女性だろうが此方は何故か言葉が辿々しい
「かしこまりました。ではまず………………」
しかし、タダシはそんな事一切気にせず施設の説明をしていく
「以上が当映画館の説明となります」
「お、おう、何か良く分かんねぇけど使い方は分かったぜ」
「それはようございました。では、見たい映画の方をお選び下さい」
「その………………こんなこと言うのも変だと思われるだろうがよ。怪物が人と仲良くなる様な話はねぇか?」
「ふむ、人と怪物が仲良くなる映画ですか………………」
「や、やっぱりそんなのねぇよな。無理言って悪かった。何か面白い物を………………」
タダシが少し考える素振りを見せると大柄な人物は慌てた様にそう告げるが
「怪物、と言う点からは外れてしまいますが、此方の作品はいかがでしょう?」
タダシはそう言って1枚のファイルを取り出し見せる
「これは…………」
「【ターミネーター】?」
「はい、此方の作品は2まで見るとお客様のご要望に近い物を得られると思っております」
「ソウですか、デはソレをフタリぶんオネガイします」
「かしこまりました」
チケットを受け取った2人組は軽食販売コーナーに向かう
「いらっしゃいませ~」
「あ~。俺達初めてでよ。何か旨い物を適当に頼む」
「かしこまりました~。では1番人気のポップコーンとコーラのセットはいかがでしょう?新発売のハンバーガーセットもお勧めですよ」
「デハそのフタツを下さい」
「かしこまりました~。ポップコーンのフレーバーとお飲み物をお選び下さい」
「じゃあ期間限定?とか言うチーズ味と果実水をくれ」
「かしこまりました~。少々お待ち下さい」
数分して頼んだ品物を受け取り指定のシアタールームに向かう。椅子に座ると大柄な人物の椅子が軋みを上げるがギリギリで踏み止まり映画泥棒が始まり本編に進む
内容は何処にでもいるウエイトレスの女性サラ・コナーを巡って未来から来たと言うターミネーターと言う殺人機と兵士カイル・リースの戦いを描く物だった
物語は終始カイルとサラの視点で描かれたが2人の目を引いたのは殺人機の方
人を平然と殺し頑丈で冷酷。まるで心が無い様だった
「これが人間から見た俺達なんだろうな」
「シカタ無いでしょう。人間はオノレと違う者は簡単には受け入れラレナイ」
その後も物語は進みカイル・リースは自身の命と引き換えにターミネーターに致命傷を負わせサラの手で殺された
「ヤハリコウナりましたね。イキマショウ。ここにモウ用はアリマセン」
「宜しいのですか?」
隣を見ればそこにはいつの間にかタダシが座っており2人の方を見ていた
「私は2もあると申し上げたではありませんか。寧ろ2は最高傑作と呼ばれる程ですからね」
「…………………………………………」
「タダシッチがこんだけ勧めるんだ。もうちっと観ていこうや」
「………………………………アナタガそう言うならツキアいマショウ」
立ち上がった女性と思われる人物はそう言うと席に戻り2の始まるのをジット待った