オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第19話

フードを被った2人組は数分の間手元の菓子類をつまみながら【ターミネーター2】が始まるのを待つ

 

「あ?」

 

しかし大柄な人物がポップコーンの入った箱に手を向けた時、中が空になっている事に気付く

 

「なんだ、もう全部食っちまったか」

 

「放映までまだ時間がございます。宜しければもう1度お買い上げ頂ければと思います」

 

「も、もう一回買って良いのか?」

 

タダシは席を立ちそう言うと大柄な人物は首を傾げる

 

「はい、軽食販売コーナーはヴァリスさえ払って頂ければどなたでも何度でもご利用頂けます。と言っても限度はございますが」

 

「そ、そうか。助かった」

 

大柄な人物はそう言うと席を立ち適当な食べ物と飲み物を持って戻ってくる

 

「ズイブン買ったわね」

 

「ああ、ここの飯は上手いからな」

 

2人組が話をしていると再び映画泥棒が始まる

 

「気になっていたノデスガ、この警告はカナラズしないといけないのデスカ?」

 

「はい、でないと良からぬ事を考える者がいるかも知れませんからね」

 

「……………………ソウデスネ」

 

映画泥棒が終わると本編が始まり2人組は物語にのめり込み

 

前回と同様2人の人物が未来から送られ今度は10歳程の少年となった未来の指揮官ジョン・コナーを狙う

 

しかしジョンは母親であるサラ・コナーが精神異常者として精神病院に閉じ込められると今までの全てが嘘に感じ非行に走る様になった

 

そんな中現れたのは警官の格好をした液体金属型ターミネーターTー1000とかつて母を殺そうとしたのと同じ型のTー800

 

ジョンは自身の命令を忠実にこなすターミネーターに喜びを感じ母を助け出す

 

最初は久しぶりの再会と自身を殺そうとした相手との再会にギクシャクした雰囲気だったが次第に打ち解けてターミネーターも人の感情を学んでいく

 

そして未来を変えるためスカイネットを作る事になる男ダイソンを殺そうとするサラがあと一歩の所で踏み止まりダイソンに協力を仰ぎスカイネット誕生の元となるサラを殺そうとしたターミネーターの残骸である腕と破損したチップをサイバーダイン社から奪いTー1000との最終決戦に挑んだ

 

Tー1000は液体金属の体と他人に化ける能力で3人を翻弄してくるが最後にはTー800の攻撃により溶鉱炉に落ち溶けて消えた

 

その溶鉱炉にターミネーターの残骸も放り捨てサイバーダイン社がスカイネットを作る手懸かりを完全に消した

 

『終わった』

 

壮絶な戦いに幕を下ろしたサラは思わずそう呟く

 

『いや、チップはもう1つあるんだ』

 

しかし、Tー800はそう言うと自身の頭をトントンと叩く

 

『これも処分する必要がある』

 

Tー800はそう言うとクレーンの下降ボタンをサラに渡す

 

『自分では破壊できない。あんたが溶鉱炉に沈めてくれ』

 

『そんな、駄目だよ』

 

サラはそれを黙って受け取りジョンはその現実を否定する

 

『駄目だ!!』

 

『別れなきゃならない。残念だ』

 

『一緒にいてよ!!僕達が何とかするからさ!!』

 

『危険が大きすぎる』

 

『お願いだからそんな事言わないで!!』

 

『この時代には残れない』

 

『嫌だ!!』

 

ジョンの必死の説得も虚しくTー800は自身の抹消の準備を着々と進めていく

 

『ねぇ待って、待って!!死ぬ事は無いよ!!』

 

『必要なんだ』

 

『そんな事無いって!!』

 

『………………俺は消えるしかない』

 

『僕が命令する!!死ぬなって言ってるんだ!!命令を聞けないのか!!』

 

そう言うジョンの目には涙が浮かんでいた

 

『人間がなぜ泣くか分かった。俺には涙を流せないが』

 

そう言いソッとジョンの涙に触れると2人はハグを交わしサラは今まで憎んでいたターミネーターと別れの握手をする

 

『さようなら』

 

Tー800はそう言うとサラの手によって溶鉱炉へと沈んでいった

 

『未来への道はまだ闇に包まれていますが、僅かに希望の光が見えてきました。機械が……ターミネーターが命の大切さを学べるのなら、私達に出来ないはずありません』

 

未来への道を示唆する道と共にサラの独白で物語は幕を閉じた

 

「いかがでしたでしょうか?」

 

「…………グスッ……良い話だった」

 

「アア、ワタシタチも彼らの様にアリタイものです」

 

「なれますとも。彼女が言った様に命の大切さを学べるのなら」

 

「そうだな。オレッチ達も命を大切にすれば分かって貰えるかもな。良い勉強になったぜ。ありがとな、タダシッチ」

 

「いえいえ、またのご利用お待ちしたおります」

 


 

「良かったんですかマネージャー。あれ多分異端児(ゼノス)ですよ?」

 

異端児(ゼノス)?」

 

タダシが2人を見送った後、ミユが他の客の迷惑にならない様に小声で話掛けてくる

 

「あ、マネージャー『ダンまち』の事詳しく無いんでしたね。簡単に言うと心を持ったモンスターの事ですよ」

 

「ほぉ、そう言った方もいるのですか。この世界は面白いですね。何にせよ、我々はどんなお客様でも誠実に対応するまでですよ」

 

「そうですね。後の事は主人公が何とかするわけですし。さぁて、お仕事お仕事」

 

タダシとミユはそう言うと互いの仕事に戻り今日も多くの客を満足させた




映画館スタッフの【ダンまち作品】への理解度

タダシ 年齢が年齢だけにほぼ何も知らない

ミユ 本編の事なら知っている。外伝に関しては何も知らない

リュウセイ 友達の家で読んだ事はある。ミユ程詳しくはないが魔法やステイタスの意味位は知っている

シュウスケ 話の内容は知らないがキャラについては詳しい

ハナ ミユ以上に詳しい、外伝にも精通している

ミヤモト三姉妹 前世それどころでは無かったので全く知らない。そもそもミユから聞かされるまで転生先は原作等ない真新しい世界だと思っていた
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