オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第20話

今日も今日とて繁盛する映画館

 

白髪赤目の少年ベルが目をキラキラさせて中に入ってくる

 

「いらっしゃいませ」

 

「こ、こんにちは!!」

 

タダシが挨拶するとベルも挨拶を返す

 

「本日のご用件をお伺いします」

 

「は、はい!!あの、前に観た【アメイジングスパイダーマン】の続きを観たいんですけど」

 

「かしこまりました」

 

タダシはそう言うとベルをチケット販売所まで誘導しベルはチケットを買い軽食コーナーへ向かう

 

「いらっしゃいませ~!!」

 

「えっと、ポップコーンのXLとアイスコーヒー?って言うのを下さい」

 

「かしこまりました。ポップコーンのフレーバーをお選び下さい」

 

「えっと、塩と期間限定のチーズ味って言うのを下さい」

 

「はい、コーヒーは砂糖とミルクはお付けしますか?」

 

「えっとミルクだけお願いします」

 

「かしこまりました~。どうぞ、ご注文のお品物になります」

 

「あ、ありがとうございます」

 

ベルはそれらを受け取ると指定のシアタールームに向かい席に座る

 

しばらくして映画泥棒が始まり本編が始まる

 

前回スパイダーマンとしてリザードと戦ったピーター・パーカーはそのままスパイダーマンとして犯罪者と戦い街の平和に貢献する

 

しかし前回の心の傷は大きく恋人の父親に言われた恋人を巻き込まないと言う約束に苛まれ2人は破局する事になる

 

その後もスパイダーマンとして活動を続けていくと電気技師の1人が電気ウナギの水槽に落ちエレクトロと言う電気を操る敵として登場する

 

スパイダーマンはエレクトロを倒すが今度は嘗ての親友、ハリーオズボーンに病を治すためスパイダーマンの血を分けて欲しいと頼まれる

 

しかし、彼の命に関わると思いそれを拒否する

 

それが原因でハリーは未完成の技術に手を出し病が悪化し性格が狂暴なゴブリンとなってスパイダーマンの前に立ちはだかる

 

その戦いの中でゴブリンは卑劣にもスパイダーマンの恋人グウェンを狙いスパイダーマンは助けようとしたがその手は届かずグウェンは命を落としてしまう

 

「………………………………そんな」

 

あまりにも不幸な結末にベルは落ち込む

 

ピーターも暫くの間グウェンを失った悲しみからスパイダーマン活動を止め悲しみに暮れる

 

その間に街の犯罪者はみるみる増え続けた

 

そんな中、ピーターは叔母の提案で自らの身の回りを整理する事にした

 

父の鞄を仕舞い、恋人との写真を仕舞い、そうしていると高校を卒業した際のグウェンの卒業スピーチを残したメモリが出てきた。その時ピーターはその場に居なかった為メモリを再生し初めてスピーチの様子を見る

 

『今日の様に天気の良い日に希望を感じる事は簡単な事です。ですがこの先、そうでない日もあります。孤独だと感じる日もあるでしょう。そんな時こそ希望が必要なのです。どれ程落ち込んでいても、どれ程喪失感に苛まれていても忘れないで欲しい。希望を抱き続けなくてはならないと。希望を捨てず、苦しみに負けない強さを持つのです。私は皆さんに希望その物になって貰いたい。希望が必要なのです。例え失敗に終わっても、それこそが最高の生き方です。周りにいるのは今の私達を創ってくれた人達です。お別れするのは寂しいですが、お互いに与えあった物がこれからの人生で私達に教えてくれる筈です。自分が何者なのか、何をすべきなのか。素晴らしい4年間を共に過ごした仲間を私は忘れません』

 

そのスピーチを聞きピーターは再びスパイダーマンとして立ち上がり物語は終わった

 

ベルは暫くの間放心し席を立てなかった

 

「僕は希望になれるかな」

 

「勿論でございます」

 

「うわぁ⁉」

 

独り言に返答があり飛び上がるとそこには相変わらず神出鬼没なタダシがいた

 

「これは失礼。何より大事なのはそうなれると思う事です」

 

「思う事…………」

 

「はい、貴方が貴方を信じると言う事です」

 

「…………………………」

 

「では、私はこれで」

 

タダシはそう言うとその場を去った

 

数分後、ベルは新たな思いを抱いた顔で映画館を後にした




次回、神々【アベンジャーズ】を見る編
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