オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第35話

「……………………ハァ」

 

リヴェリア・リヨス・アールヴは自室で深い溜め息を吐いていた。【ロキ・ファミリア】の中でも母親と呼ばれる彼女はファミリア内随一の苦労人だ

 

最近はオラリオの水面下で起こるモンスターの人の混合種やダンジョンに囚われた精霊等の問題もあり頭を抱えていると言うのにアイズが再び訳の分からない奇行を行う様になり更にリヴェリアの頭を悩ませている

 

「…………………………彼処に行くか」

 

リヴェリアは立ち上がりそう言うと1人映画館に向かった

 

「いらっしゃいませ」

 

「ああ、【パイレーツ・オブ・カリビアン】の続きを見せてくれ」

 

タダシが出迎えリヴェリアは簡潔に用件を伝えるとタダシは頷き奥に消える

 

その後、リヴェリアはチケットとポップコーンと飲み物を買い席に座る

 

暫く予告が続きポップコーンをつまみながら映画が始まるのを待っていると隣にタダシが座ってくる

 

「お疲れの様ですね」

 

「ああ、最近は特にな。お前達がまたアイズに何か吹き込んだせいで最近子供が泥遊びをしたようにドロドロの格好で帰ってくる」

 

「ハッハッハッ。【ドラゴンボール】が随分と気に入って頂けた様ですね」

 

「【ドラゴンボール】?」

 

「先日アイズ・ヴァレンシュタイン様にお見せした映画です。彼女は武術を極められる様な映画を観たいと仰ったので此方をお勧めしました。その中で畑仕事を素手で行うと言う描写がありそちらを実践されたのでしょう」

 

「ああ、だから【デメテル・ファミリア】に行って畑仕事を………………他には何をしていたんだ?」

 

「そうですねぇ。重い甲羅を背負ったり牛乳配達をしたり…………他にも色々ですね」

 

「………………ハァ。私の心労は暫く終わりそうに無いな」

 

「しかし、アイズ様が強くなるのはファミリアにとって良いことでは?」

 

「……………………確かにな。しかしそれはあの娘を心配しない理由にはならない」

 

「成る程、彼女は愛されているのですね」

 

「……………………そう、何だろうな」

 

そのタイミングで映画泥棒が始まる

 

「失礼。それでは映画をお楽しみ下さい」

 

タダシはそう言うと部屋を出ていきリヴェリアは映画に集中する

 

ジャック・スパロウは何時もの様に海賊らしいどうしようもない生活を続けていたがある日何かに怯える様に真面目に動き始めた

 

その正体は【海の亡霊】と呼ばれる【フライング・ダッチマン号】とその船長デイヴィ・ジョーンズ

 

ジャックは1作目の前にウィキッド・ウィンチ号を引き揚げ13年間船長をする代わりにその後100年奴隷になると言う契約を結んでいた

 

しかしジャックはその契約満了を望むデイヴィ・ジョーンズに口八丁手八丁で誤魔化しその場を凌ぐと彼と交渉するため知り合いである呪術師ティア・ダルマに対処法を聞く

 

『彼は陸には上がれない。だから陸を持っていくと良い』

 

そう言われ大きめの瓶に詰まった砂を渡されその中にとある宝箱の中身を入れると良いと教えられた

 

『その宝箱の中身って?』

 

『ジョーンズの心臓さ』

 

一方前作でも活躍したウィルとエリザベスと新たに軍や貴族も参戦し宝箱を狙うそれぞれの思惑が複雑に絡み合う

 

最後にジャックは宝箱を手に入れ中身の心臓を手に入れたがデイヴィ・ジョーンズに差し向けられたクラーケンによって【ブラックパール号】と共に海の藻屑となった

 

生き残ったメンバーが再びティア・ダルマの元を訪れた時、ジャックを生き返らせるには世界の果ての呪われし海から彼を取り戻せば良いと教えられる

 

『でも世界の果ての不気味な呪われし海に挑むとなったら、誰かあの海を良く知ってる船長が必要だね』

 

ティア・ダルマはそう言うと2階から誰かが降りてくる

 

全員がその人物に釘付けになるなかその人物は姿を現し声を発した

 

『さぁ聞こうか?俺の船はどうなったんだ?』

 

甦った曾て呪われた海賊ヘクター・バルボッサはそう言い青リンゴを一口頬張ると不気味に笑い物語は終わった

 

「成る程、そう来たか」

 

リヴェリアはウズウズと震える体を無理矢理止めニヤリと笑うとシアタールームを出ていく

 

「いかがでしたでしょうか?」

 

「次だタダシ。直ぐに次を頼む。こんな所で止められてはたまらない」

 

「かしこまりました。それでは直ぐに次作の準備をさせましょう。引き続きシアタールームでお待ち下さい」

 

「ああ、了解した」

 

リヴェリアはそう言うとポップコーンと飲み物を再び買い込み元の席で次の話を待った




明日に続きます
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